韓国経済、昨年の成長率2.7%、今年の展望値は2.6%…第4四半期には0.4%成長

記事要約:韓国経済に関係する興味深いニュースが2つほどある。1つは韓国経済の昨年の成長率が2.7%だったということ。今年は展望地は2.6%らしい。でも、問題なのは第四半期が0.4%成長ってことだろう。サムスン電子が絶好調なのにこの成長率である。

管理人は2017年の韓国経済成長率は2.3%前後だと考えている。第4四半期には0.4%成長は酷すぎてとして1半期は0.6%前後の成長は見られるだろう。後、ゴールドマンは韓国の今年成長率2.4%としている。管理人の予想とたいした違いはない。

今回はハンギョレ新聞の4つのグラフが面白いのでリンク先を参照してほしい。

http://japan.hani.co.kr/arti/economy/26354.html

>支出項目別に見ると、建設投資が前年比11%も大幅に増えた。1993年以来最も高い水準だ。韓国銀行支出国民所得チームのキム・ソンジャ課長は「2014年に住宅担保融資比率(LTV)、総負債返済比率(DTI)規制が緩和され、低金利で資金調達費用の負担も少なくなった。このような状況で、昨年は不動産価格が上昇し需要も増え、マンションなどの住居用建設が増えた」と説明した。昨年の成長率(2.7%)のうち、建設投資の貢献度は1.6ポイントに上る。

ふむふむ。建設投資が前年比より11%も増えた。つまり、不動産バブルを無理矢理、引き起こしていると。でも、負債が増えているよな?成長率に貢献したのいいが、1300兆ウォンを超えた家計負債はどうするつもりなんだ?借金して成長率を増やすのは自由だが、それはただの自転車操業だ。だいたい不動産バブルがはじけた後は?不動産価格が値下がりしたらどうするんだ?

後、昨年の地価は上昇していたようだが、都市圏の地価は減少したという。今は地方に住むのがブームってことだろうか。

>昨年の政府消費と民間消費もそれぞれ3.9%、2.4%増えた。政府消費は2009年、民間消費は2011年以来、最も高い増加幅だ。しかし、政府消費と民間消費の増加を牽引したのは医療部門であり、景気要因よりは政策要因が大きかったものとみられる。

短期での延命策はそれなりに効果を上げたということか。

>キム課長は「昨年は税金がうまく回収され無理なく補正予算の編成をし、財政執行率が向上した。また、健康保険の保障性拡大で政府消費の健康保険給付費の支出が増え、民間消費では医療サービス部門の支出が増えた。2015年に起きたMERSの基底効果もあった」と説明した。一方、設備投資は造船・海運の構造調整や対外不確実性などが下向き圧力として作用し、前年同期比2.4%減少した。

健康保険の保証性拡大ということは福祉を増加させたわけか。福祉の拡大が悪いかどうかの判断は難しいな。しかし、韓国も日本に劣らない高齢化社会が進んでいる。福祉の増加はそのまま医療費の拡大に繋がる。韓国の財政にとっては良くないだろう。

後、設備投資が2.4%減少というのは良くない兆候だ。成長率を上げるなら設備投資を増やさないと頭打ちになってしまうためだ。しかし、今の韓国の造船・海運ではそれは無理な相談か。造船の構造調整は間違いなく失敗に終わるだろうし、海運は例の韓進海運もこのまま清算になりそうだしな。

因みに例の韓進海運の本拠地である釜山(プサン)港の物流量7年ぶりに初めて減少したようだ。そりゃ、あれだけの物流混乱を引き起こして減少しないほうがおかしい。海運については今年の4月に世界的な改変となるのでその辺りには再び注目したい。

>韓国銀行経済統計局のチョン・ギュイル局長は「第3四半期に猛暑のために増加した電力消費、エアコンなど家電製品の消費が、第4四半期に鈍化し、肉・野菜などの価格が値上がりし食料品消費もマイナス成長に転じた」と説明した。今年1月の消費者心理指数も、金融危機以来の最低水準であり、これからも民間消費の増加は期待しがたい状況だ。

食料品消費については2つ目のニュースに韓国マクドナルドのハンバーガーが24個の価格が全て値上げというのがある。つまり、民間の消費や投資は不振ということだ。肉・野菜の価格も値上がりしているし、鳥インフルエンザの流行で卵の価格も高騰している。明らかに食品の物価は急上昇している。市民にとっては食料品の価格上昇は苦しい生活を余儀なくされる。

色々な経済ニュースを追っているが結局、サムスン電子と半導体が好調以外は後は右肩下がりという感じである。2017年が韓国経済にとっては深刻なレベルでの危機となる兆候が至る所に存在する。不動産バブルが2017年に弾けるかは予想できないが。少なくとも民間の消費や投資が落ち込んでいる状況を打開しない限りは厳しいだろう。低成長は2018年も続きそうだ。でも、今の韓国に取って良いニュースが出ることはないよな。

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韓国経済、昨年の成長率2.7%、今年の展望値は2.6%…第4四半期には0.4%成長

昨年は23年ぶりの異例な建設投資の増加にもかかわらず、経済成長率が年2.7%にすぎなかった。消費低迷で第4四半期の成長率は0.4%にとどまった。今年は政府と韓国銀行が発表した成長率の展望値すら、それぞれ2.6%と2.5%にとどまり、「低成長固着化」に対する懸念が大きい。また、ドナルド・トランプ米大統領の通商圧力など、国内外の不確実性が高い点も負担だ。

韓国銀行は2016年の年間実質国内総生産(GDP)成長率(速報値)が2.7%と集計されたと、25日発表した。2015年の2.6%成長の後、2年連続で2%台にとどまった。支出項目別に見ると、建設投資が前年比11%も大幅に増えた。1993年以来最も高い水準だ。韓国銀行支出国民所得チームのキム・ソンジャ課長は「2014年に住宅担保融資比率(LTV)、総負債返済比率(DTI)規制が緩和され、低金利で資金調達費用の負担も少なくなった。このような状況で、昨年は不動産価格が上昇し需要も増え、マンションなどの住居用建設が増えた」と説明した。昨年の成長率(2.7%)のうち、建設投資の貢献度は1.6ポイントに上る。

昨年の政府消費と民間消費もそれぞれ3.9%、2.4%増えた。政府消費は2009年、民間消費は2011年以来、最も高い増加幅だ。しかし、政府消費と民間消費の増加を牽引したのは医療部門であり、景気要因よりは政策要因が大きかったものとみられる。

キム課長は「昨年は税金がうまく回収され無理なく補正予算の編成をし、財政執行率が向上した。また、健康保険の保障性拡大で政府消費の健康保険給付費の支出が増え、民間消費では医療サービス部門の支出が増えた。2015年に起きたMERSの基底効果もあった」と説明した。一方、設備投資は造船・海運の構造調整や対外不確実性などが下向き圧力として作用し、前年同期比2.4%減少した。

この日発表された昨年第4四半期の成長率は、前期比0.4%と集計された。第3四半期の成長率(0.6%)より鈍化した数値だ。特に民間消費増加率が第3四半期の0.5%から第4四半期の0.2%へと減速し、成長率の下落を導いた。

韓国銀行経済統計局のチョン・ギュイル局長は「第3四半期に猛暑のために増加した電力消費、エアコンなど家電製品の消費が、第4四半期に鈍化し、肉・野菜などの価格が値上がりし食料品消費もマイナス成長に転じた」と説明した。今年1月の消費者心理指数も、金融危機以来の最低水準であり、これからも民間消費の増加は期待しがたい状況だ。(後、省略)

(http://japan.hani.co.kr/arti/economy/26354.html)

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