韓国経済、中米5カ国とのFTAに仮署名

韓国経済、中米5カ国とのFTAに仮署名

記事要約:トランプ大統領がTPPを正式に抜けると宣言してから韓国ではTPPに入ろうという論調が消えた。今度は逆に2国間のFTAが推奨されていくという。つまり、元明博大統領のFTA戦略が再び韓国の経済対策なようだが、今回は中米5カ国とのFTAに仮署名したという。

中米というのはエルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、コスタリカのこと。全然、日本では馴染みのない国だと思う。管理人もパナマとコスタリカぐらいしか聞いたことがない。でも、せっかく5つの国が出てきたんだ。基本情報だけでも勉強しよう。ということで外務省HPから調べてきた。

■周辺の地図

(http://www2m.biglobe.ne.jp/ZenTech/world/map/El_Salvador/Map_of_El_Salvador_and_neighboring_countries.htm)

まずは周辺の地図。メキシコの近くにある国らしい。キューバ、ジャマイカ、コロンビアとかはわりと有名だ思うがエルサルバドルから見ていこう。

■エルサルバドル

エルサルバドルは人口613万人。大きさは九州の半分程度らしい。首都はサンサルバドル。民族はスペイン系白人と先住民の混血が84%。言語はスペイン語。宗教はカトリックという。外交の基本方針は対米関係を重視しつつ、中米諸国との連帯強化及び中米統合機構(SICA)を通じた統合を推進。台湾と外交関係を維持しつつ、中国とも経済関係強化を目指すと外務省にある。

でも、今回は韓国とのFTAに仮署名ということで2017年の新しい動きといったところか。主要産業は軽工業(繊維)、農業(コーヒー、砂糖)、GDPは25,850百万ドル。通貨は米ドル。調べたところ典型的な中南米の1国という印象だ。

なんで5カ国を調べているかというFTAというのは基本的に自国より小さな国と締結するほうがいい。なぜならFTA(自由貿易協定)は関税や企業の規制を取り払い、物やサービスの流通を増やし、自由な貿易を目指すというのが目的であるから。ただ、この場合、重要なのは自国にある立地の優位性である。

日本でもFTAといえば農業のことについて騒がれているわけだが、競争力が強くない産業の生産性が相手の国の方が強ければ税の規制が取り払われるので有利になること。要は安い外国産品が入ってきて同じ分野の国内産が駆逐される。しかし、FTAというのは別に貿易だけではない。投資もそうだし、他にも経済強化といった色々なメリットがある。

韓国の場合、主力産業である自動車をエルサルバドルに輸出して、その代わりに砂糖やコーヒーを輸入するという感じだろう。得意な自動車分野の関税を下げることで韓国車がその国で売れるわけだ。こうした自国の強い産業を売り、相手国の強い産業を受け入れる。これがFTAの基本となる。

■ホンジュラス

ホンジュラスは人口808万人。面積は日本の約3分の1と大きい。首都はテグシガルパ。民族はヨーロッパ系と先住民の混血91%。言語はスペイン語。宗教はカトリックという。やはり、この辺はコロンブスが米国大陸に到達してからのスペインの植民地計画辺りが歴史的に絡んでいるようだ。だから、だいたいスペイン語でカトリックなんだろうな。

一般的な基本外交は対米関係重視。外交多角化の観点よりアジアとの関係緊密化に努力。中国と国交はなく,台湾と国交を有する。ここ面白いな。中国ではなく台湾を重視するのか。今回の韓国とのFTAはアジアとの関係緊密化というわけか。主要産業は農林牧畜業(コーヒー,バナナ,養殖エビ等)・GDPは204億ドル。通貨はレンピーラ(L)。しかし、不思議なことがある。

(1)輸出
1位 米国(35.6%),2位 ドイツ(8.7%),3位 エルサルバドル(8.5%),(日本(0.6%))
(2)輸入
1位 米国(35.1%),2位 中国(13.6%),3位 グアテマラ(9.2%),(日本(1.4%))
外務省のHPを見ると国交がないはずの中国からの輸入が13.6%もある。これはどうしてなんだろうか。もしかして台湾のことか?後、輸入が自動車・自動車部品、機械ということで韓国のFTAとは相性がよさそう。

■ニカラグア

ニカラグアは人口608万人。国土は北海道と九州を合わせた広さ。首都はマナグァ。

民族は70%混血。言語はスペイン語。宗教はカトリックやプロテスタントなど。

外交の基本方針はサンディニスタ政権時代は,キューバやソ連等社会主義諸国との関係が緊密であったが,チャモロ政権以後,米国との関係を修復し全方位外交を展開。2007年1月に発足したオルテガ政権では,米州人民ボリバル同盟(ALBA)への参加を通じたベネズエラやキューバとの関係が一層緊密化するとともに,イランやロシアとの関係を強化している。

移民や貿易面においては深いつながりを有する米国との関係も維持されているものの,オルテガ大統領の反米的発言も目立つ。(2)中米統合機構(SICA)加盟国(中米司法裁判所所在)。(3)台湾と外交関係あり。

 

ニカラグアは中々複雑な歴史を持った国ということか。社会主義国だけではなく米国との関係も修復したと。しかも、イランやロシアとの関係も強化。さらに今回のFTAで韓国とも関係を強化すると。

主要産業は農牧業(コーヒー,牛肉,金,豆,米,サトウキビ)。GDPは126.9億ドル。主な輸出は衣類,電気導体,牛肉,コーヒー,金,葉巻タバコ,砂糖など。中々、面白い輸出のラインナップだ。電気導体や金とか中々不思議だ。その分、輸入が医薬品,原油・ディーゼル・ガソリン,輸送用機器(自動車など)などがある。ただ、上の内戦の歴史を見るとおり、中南米でも最貧国の1つということらしい。

しかし、このニカラグアの国旗のマークが気になるんだよな。これどう見てもピラミッドなんだよな。ピラミッドといえば管理人が思いつくのはエジプトではなく、フリーメーソンの方だ。何か関わりがあるんだろうか。それで調べたらやはり、フリーメーソンの組織であるロッジが関わっていた。活動は冷戦下における反共産活動らしい。

この辺りをやっていると終わらないので軽く触れておくが、別に管理人はフリーメーソンが世界を牛耳っているとかそういうのを述べようとしているわけじゃない。ただ、世の中の何かしらピラミッドのマークが紙幣やら何やらに存在することを知っているので大きな影響があることは言うまでもない。陰謀論はあくまでもネタ趣味であるからな。

後のパナマやコスタリカについては日本人もわりと知っているんじゃないだろうか。パナマはパナマ運河である。1914年に完成したこの運河は非常に有名であり、重要な役目を果たしている。この辺りの海運ではなくてはならない運河だしな。この運河がなければ非常に遠回りすることになる。

コスタリカは常備軍を禁止している珍しい国家という印象も持っている日本人も多いんじゃないだろうか。しかも、主要援助国で1番は日本。輸出は輸出 バナナ、医療器具(点滴部品等)、パイナップル、コーヒー等。コスタリカはわりと経済成長が著しい国で輸出に医療器具というのも面白い。生命化学産業というそうだが、わりと日本でもコスタリカから輸入した科学光学機器(顕微鏡など)、電子部品があるということだ。

以上、5つの中南米国家を色々見てきたが、韓国がFTAを結ぶには有利な国家だろう。主力産業がかぶらなければ自動車輸出やスマホ輸出はわりと上手くいきそうだし、現代自動車やサムスン電子とかはわりと儲かりそうな感じだ。

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韓国経済、中米5カ国とのFTAに仮署名

【ソウル聯合ニュース】韓国産業通商資源部は12日、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、コスタリカの中米5カ国との自由貿易協定(FTA)締結に仮署名したと発表した。

同部のホームページに協定文(英文)を掲載する。近く正式署名を行った後にハングル版も公開する予定だという。同FTAは国会の同意を得て発効する。

同部の関係者は「中米の国との初のFTA。成長の可能性が高い市場を先取りし、日本や中国などのライバル国より優位に立つことができる」と話した。

(http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2017/03/12/0500000000AJP20170312000700882.HTML)

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