「安倍首相が日本政府としてイバンカ氏の基金に57億円を拠出する」という報道のデマについて

「安倍首相が日本政府としてイバンカ氏の基金に57億円を拠出する」という報道のデマについて

記事要約:管理人は別に欺されていないというか外務省のソースを最初から知っていたのだが、どうやらネット上では安倍総理がイバンカ氏の基金に57億円を拠出するという報道を受け止めて批判が殺到しているようだ。そもそも、5000万ドルの拠出を批判するならG20の会議が行われた7月のはずなんだよな。

何で今頃なのか。おそらくマスメディアが勘違いしていたのか。ミスリードさせたいのか知らないが、多くの著名人が引っかかったようだ。著名人なら報道の裏取りぐらいしろといいたいところだが、読者様からの質問が来ていたので、経済的な話題ということで記事にして詳しく解説しよう。

>経済に詳しい管理人殿にフォローをお願いしたい。
某翻訳サイト等を見ると、日本人コメントで、
どこにそんな予算が?
そんな金があるなら国内で使え?
総理の権限でどこまで金が出せる?

等々のものが有り、それに反して
外貨準備高を知らんのか?
と出てくる。

オイラ個人は、米国債を含め諸外国の外貨債権等の有利子・配当をドル建て
の資金を使っていると判断しているので、ただ金を寝かせるよりも有用と考えている。
ドル売り円買いすると為替介入になり、円高は日本にとって損益になるから
政府は海外でしか使えないと踏んでいる。

管理人殿の外貨準備高の原資と日本の総外貨がどのくらいあるのかを
教えていただきたい。

まず、管理人は某翻訳サイトとか見ないので何のことかはしらない。そもそも安倍総理は毎回、女性が輝く社会を造るとか、ずっと述べていたじゃないか。2014年頃だったかな。そのために途上国の女性起業家への世界銀行を通じて国際的支援に協力したというのが今回の話しである。

イバンカ氏もトップレベルの女性ということで、この基金の立ち上げ人となったわけだが、イバンカ基金なんていう名前ではない。「女性起業家資金イニシアティブ」である。しかも、3.25億ドルとか、10億ドル以上の拠出が7月のG20で支援されて、その中で日本は5000万ドルを出すと。これが多いかどうかは知らないが国際的支援に協力しないのは国際社会の一員としてどうだという話になってくる。まずはイバンカ氏から離れたほうがいい。

それで管理人の解説してほしいのは外貨準備高の原資と日本の総外資がどのくらいあるかということらしい。

まず、最初に述べておくが外務省のソースには5000万ドルが外貨準備高とは書いてない。だから、5000万ドルをどこから拠出するかの正確な情報は知らない。ただ、5000万ドルを支援するなら、外貨準備高になるだろうというのは予測できる。でも、正確にはまだ5000万ドルが外貨準備高がどうかは知らない。なのであくまでも「仮定」で外貨準備高から5000万ドルが使われるとしよう。

■外貨準備高の原資とは

では、外貨準備高の原資というか、そもそも、外貨準備高というのは主に市場への介入によって増える。日本は輸出政策として円安にしたいわけだが、市場との取引というのは世界中で行われる。そのため、何かしらの材料で急激な円高になったときに、財務省がドルを購入するのだ。ドルを購入すれば円は安くなる。これで円安となるわけだ。

では、財務省はどこから資金を調達するのか。実は財務省は緊急時に日銀に「政府短期証券」というものを買い取らせる。この辺で難しいとおもうかもしれないが、この政府短期証券とは、国庫の一時的な資金不足を補うために発行する短期の国債のことをいう。だから、値段が付いているわけだ。そして、財務省は日銀に買い取り希望額を伝えて、日銀はそれを公募入札する。

平たく言えば、財務省が国債刷って、日銀がそれを買う。手に入れた資金を財務省が市場に介入して急激な円高を止める。といった流れである。これで円安となるわけだ。しかし、これでは円が市場に供給過多になってしまうおそれがある。

そのため、今度は日銀が財務省から購入した国債を市場で売るのだ。これを売りオペという。それで国債を購入したら日銀にお金が戻ってくると。これによって市場への介入前と、介入後の通貨供給量を同等にさせるわけだ。

そして、財務省が円を売ってドルを購入したわけだから、購入したドルをどうするかというのが問題になる。実はこれが「外貨準備高」なのだ。質問にある外貨準備高の原資というのがこれである。そして、財務省はこの積み上がったドルで米国債を購入して運用しているわけだ。

■外貨準備高は国民の税金なのか

では、これは国民の税金なのかという話しだ。外貨準備高は財務省が保有している資産でもあり、借金でもある。また、日本ではあり得ないが、外貨準備高は他国に対する外貨建債務の返済が困難の時も使用される。でも、日本は世界一の債権国家である。外貨建て債務を返済する方ではない。返してもらう方だ。

でも、これが国民の税金なのかというと疑問が出てくるわけだ。そもそも市場で円を売ってドルを購入して積み上げたものが外貨準備高なのだから、これが「税金」というと中々、難しくなる。

■日本の総外資

これは日本の外貨建て金融資産のことだとおもうが、2016年12月現在に50兆6000億円ほどある。これは日本が低金利なので金利が良い外国に投資が増加する傾向がある。今、銀行にお金預けても全く増えないから当然とはいえる。

これで質問に答えたとは思う。だから、外貨準備高で5000万ドルを支援するなら、それを国民の税金というのは少しずれている。ただ、外貨準備高で拠出するとは書いてないのでそこはまだ決まっていないと思われる。

 

 

 

「安倍首相が日本政府としてイバンカ氏の基金に57億円を拠出する」という報道のデマについて」への2件のフィードバック

  1. こういった報道。
    もう騙せるのは老人の中でも遅れてる人ばかり。
    ネットの伝達力ではデマゴーグも無意味ですね。
    これで良いのですよ、日本のメディアは。
    このままメディアには死に絶えて、自滅して頂くのが良い。

  2. いやいや、丁寧なお答え痛み入りますw
    これを持ってますます外貨準備高から支援するのがほぼ確実ですなw

    南朝鮮と違い、日本はドルによる国債償還もなく、怪しげな高リターンファンド・ジャンク債で
    外貨準備高を活用することないww

    中共に次いで米国債を保有するに日本にとって、近年の米国債は高利回り商品と言えるw
    下手すると1兆ドル超えの保有金ではないだろうか?w
    これを円に換えると円高が大きくなり国益にかなわないw
    塩漬けドル・死に金になるのであれば、米国の歓心を買い、世界女性の味方と
    アピールするのであれば、5千万ドルは安い投資と言えるだろうww

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