韓国経済、カナダと初の無期限・無制限通貨スワップ…でも、為替スワップ?一体どっちかを解説

韓国経済、カナダと初の無期限・無制限通貨スワップ…でも、為替スワップ?一体どっちかを解説

記事要約:読者様からメールでいくつか質問が来ているのだが、今回のカナダと初の無制限・無期限通貨スワップは実は「為替スワップ」ではないのかという話しだ。これについて管理人も気になったので、カナダの銀行のHPで確認したわけだが、これが通貨スワップ協定かどうかという話しだ。実際、どっちかという話を今回は詳しく説明していく。

カナダ銀行の説明をグーグル翻訳する限りでは通貨スワップ協定みたいな感じだったと思うんだが。説明する前に2つ「通貨スワップ協定」と「為替スワップ」について見ていこう。

■通貨スワップ協定とは

各国の中央銀行が互いに協定を結び、自国の通貨危機の際、自国通貨の預入や債券の担保等と引き換えに一定のレートで協定相手国の通貨を融通しあうことを定める協定のこと。中央銀行間の協定であり国家間条約ではない。スワップ協定、通貨交換協定とも呼ばれる。

■為替スワップ

為替取引の一種で、日本の銀行が円を担保に入れて外国銀行からドルを借り、一定期間後にドルを返すような仕組みになっている。主に貿易業者などが活用している。 異種通貨間で金利・元本を交換する通貨スワップという。

以上が用語の違いである。これを踏まえてカナダ銀行の説明を読んでいこう。

The Bank of Canada and the Bank of Korea today announced a standing bilateral liquidity swap arrangement, effective immediately. The arrangement allows for the provision of liquidity in each jurisdiction to support domestic financial stability should market conditions warrant.

カナダ銀行と韓国銀行は本日、即時に有効な立場の二国間流動性スワップ契約を発表した。 この契約により、市場条件が正当なものである場合には、国内の財務安定性を支えるために各管轄区域に流動性を提供することが可能になる)

まず、管理人が掲載したHPはバンクオブカナダ、つまり、カナダの中央銀行であることは間違いない。さらに、リンクで張ってある韓国語のサイトも韓国の中央銀行である。まず、今回のスワップが2国間の中央銀行の締結であるということ。さらに、国内の財務安定性を支えるためにとある。だから、この時点で為替スワップというのはおかしいと思うのだが、次の英文を読んでみよう。

This effectively enables the Bank of Canada to provide Canadian dollars to the Bank of Korea, and to provide liquidity in Korean Won to financial institutions in Canada, should the need arise. Likewise, the Bank of Korea can provide Korean Won to the Bank of Canada, as well as provide liquidity in Canadian dollars to financial institutions in Korea.

これにより、カナダ銀行は韓国銀行にカナダドルを提供することができ、必要に応じて韓国の金融機関に韓国ウォンの流動性を提供することができます。 同様に、韓国銀行は、カナダ銀行に韓国ウォンを提供し、韓国の金融機関にカナダドルの流動性を提供することができる)

為替スワップというならここに貿易業者というのが必要になる。しかし、ここには「金融機関」同士と書いてある。為替スワップの説明にも読めなくもないが、主語が金融機関であるなら通貨スワップ協定として結ばれていると思う。

■結論

さて、2つの用語の違いを解説して、今回のカナダと韓国の通貨スワップはどっちなんだという話しだが、為替スワップは異国間の同士の取引なら通貨スワップである。さらに通貨スワップ協定の条件として中央銀行同士の締結もされている。以上のことから、今回のカナダと韓国は「通貨スワップ協定」だといえるだろう。

だから、産経新聞や中央日報の記事がおかしいとかいう以前に用語をしっかり考えた方がいい。確かに無制限・無期限というのが変な感じはしたのだが、カナダ銀行のHPにも書いてないので本当のことだろう。

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