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韓国経済、現代自動車ストライキ継続なら「緊急調整権」発動検討へ=韓国政府

韓国経済、現代自動車ストライキ継続なら「緊急調整権」発動検討へ=韓国政府

記事要約:現代自動車の世界最悪の労組による全面ストが12年ぶりに行われているわけだが、どうやらその影響があまりにも大きいために韓国政府が動き出した。なんと「緊急調整権」なるものを発動を検討しているようだ。では、この緊急調整権とは何なのか。あまり聞き慣れないと思う。管理人も久しぶりにきいた。

>法や制度に基づく対策とは、韓国の労働組合法に規定された緊急調整権を意味するとみられる。緊急調整権は、労働組合の争議行為が国民の日常生活を危うくする恐れがある場合に発動する措置。

国民の日常生活を危うくする恐れがあると発動する措置と。そして、具体的な効果は次の通り。

>緊急調整権が発動されると、該当する労組は30日間、ストまたは争議行為が禁止され、中央労働委員会が調整に入る。調整に失敗した場合は同委員会の委員長が仲裁裁定を下すことができ、裁定は労働協約と同じ効力を持つ。

30日間、ストまたは争議行為が禁止されて中央労働委員会が調整に入ると。それで調整に失敗すれば同委員会の委員長が仲裁裁定を下すことができて、裁定は労働協約と同じ効力を持つ。このように緊急調整権というのは結構凄い権利である。

でも、管理人が知る中で緊急調整権を行使したのを1回だけ。それも2005年の韓国のアシアナ航空機の労働組合でのストライキ。航空会社のストライキは国民に悪影響を与えるので緊急調整権も検討された。結局、本当に発動したかよくわかっていないのだが、これが自動車という分野で発動するのはわりと珍しい。なんせ、今まで11年ほど発動してなかったわけだ。しかし、発動しなかった理由も大体検討がつく。

これはかなり強い行使力を持っているが、実際のところは調整が失敗すれば1ヶ月後にストライキを再び起こさせる結果となる。労働協約と同じ効力といっても、この先、スト禁止なんていう協約を中央労働委員会が出すわけがない。つまり、これ緊急調整権をやってしまえばわりと後戻りできないことになる。なぜなら、これは無理矢理にストを収束させようとしているからだ。

双方に不満があるからストライキが起きているわけだ。それがどんな斜め上だろうが、現代労組は気にしない。生産ラインが止まろうが知ったことではない。部品会社が5年後半数ぐらい倒産しようがお構いなしの連中である。それを無理に止めたとすれば、毎月、ストライキが発生するだろう。やってしまって30日は大人しくなるが、これはわりと最終手段であり、韓国政府が労働組合を法的に従わせる強攻策としか見られない。

だいたい、緊急調整権を毎回使えるとすれば、労働協約を中央労働委員会が自由に決められるじゃないか。これはもう政府による強制以外の何者でもない。やってしまったら、現代自動車の労組は死ぬまで闘うとか言い出しそうな予感さえする。管理人としてはどっちでもいいのだが。わりと民主主義の根幹にすら触れているな。強い行使力には必ずそれ以上の反動が来る。緊急調整権はそれほど便利に使えるものではないということだ。

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【ソウル聯合ニュース】韓国政府がストライキにより生産に多大な支障が出ている現代自動車に対し、緊急調整権発動の検討を視野に入れていることが分かった。

雇用労働部の李基権(イ・ギグォン)長官は28日、「政府は、現代が早期に労使間の合意を引き出せずストを続ける場合、韓国経済と国民の雇用に与える影響などを考慮し、法や制度に基づく対策を講じ、ストを収束させる」との方針を示した。雇用労働庁で開かれた「公正な人事評価モデル発表会」で述べた。

法や制度に基づく対策とは、韓国の労働組合法に規定された緊急調整権を意味するとみられる。緊急調整権は、労働組合の争議行為が国民の日常生活を危うくする恐れがある場合に発動する措置。

緊急調整権が発動されると、該当する労組は30日間、ストまたは争議行為が禁止され、中央労働委員会が調整に入る。調整に失敗した場合は同委員会の委員長が仲裁裁定を下すことができ、裁定は労働協約と同じ効力を持つ。

現代の労組は7月19日から同日まで22回のストを行った。これにより12万1167台の生産が滞り2兆7000億ウォン(約2475億円)の損失が発生した。26日には12年ぶりの全面ストも実施した。

李長官は「現代と関連がある数多くの中小企業の被害が雪だるま式に増えている」と指摘。その上で、「対話と妥協でなくストで主張を貫こうとする前時代的な交渉や争議行為のパターンを変えるべきだ」と述べた。

(http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2016/09/28/0500000000AJP20160928004700882.HTML)