不動産PF 韓国建設業界の景気展望は通貨危機以後で最悪の業況が予想される 

不動産PF 今年、韓国経済の上半期でいくつか起こるイベントとして注目なのは香港ELS爆弾と、この不動産PFによる韓国建設業界の倒産ラッシュである。韓国の建設業界についてはテヨン建設がワークアウトを申請したことで、一気に経済専門紙であるブルームバーグが取りあげたほどだ。これらもすべて物価高による「建設費高騰」や「高金利」などが大きく影響している。

不動産PFについては初期投資〔ブリッジローン)と本PFの二つに分かれていることは何度か解説したが、土地を買って工事をするときに多額の資金がいるので初期に融資をするのがブリッジローンで、これらの多くは韓国の貯蓄銀行が高金利で融資している。そして本PF融資に入るとき、初期投資はまとめて返済されることになる。もっとも、現状のほとんどは初期融資してもらっても、工事に着工すらできていないゾンビ事業所が多数という結果である。

実は14年前にも不動産PF融資で韓国貯蓄銀行の8行は営業停止にまで追いやられた。当時も不動産PF融資残高が最高で67%と凄まじく、多くの銀行が不良債権処理に追われることになった。その結果、多くの貯蓄銀行は「外資」に売却されていった。参考までに2010年の記事で、貯蓄銀行のPF融資比率はこうなっていた。

預金保険公社が、国会政務委員会所属の裵英植(ペ・ヨンシク)議員(ハンナラ党)に提出した貯蓄銀行8行の財務健全性評価資料によれば、釜山(プサン)貯蓄銀行のPF融資比率は2010年6月末基準で67.1%に達すると集計された。昨年6月末基準で、釜山(プサン)第2貯蓄銀行のPF融資比率は全体融資の64.7%、三和(サムファ)貯蓄銀行は55.5%、中央釜山 (プサン)貯蓄銀行44.1%、全州(チョンジュ)貯蓄銀行は33.8%などだった

まさに、今、起きていることは14年前と同じ。否、それ以上に酷いと。

では、今回の記事を見ていこうか。

【01月07日 KOREA WAVE】韓国建設業界の2024年の景気展望は各種悪材料が重なって暗く、1990年代後半のアジア通貨危機以後で最悪の業況が予想されるという話が出てくるほどだ。

そんななか、ソウル主要地域再開発・再建築整備事業における大手建設会社の受注戦は一層熾烈になるものと見られる。状況が難しいだけに事業性が確実なところに力量を集中するという「選別受注」戦略を建設会社が展開しているためだ。

特に今年はソウル市江南区狎鴎亭洞(カンナムグ・アプクジョンドン)と永登浦区汝矣島洞(ヨンドゥンポグ・ヨイドドン)、龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)、城東区聖水洞(ソンドング・ソンスドン)など核心地で「マンモス級」事業場が相次いで施工会社を選ぶ予定だ。

ソウル市龍山区漢南ニュータウン漢南4区域と漢南5区域の再開発事業は、今年上半期中に施工会社選定作業に着手するものとみられる。

両整備区域の強みはやはり事業性だ。漢南4区域は組合員数が少なく、漢南ニュータウンの中で事業性が最も良いという評価だ。サムスン物産と現代建設、GS建設、ポスコE&Cなど大手建設会社の大部分が目をつけている。

漢南5区域は立地が強みだ。平地であるうえ、江辺北路(カンビョンプクロ)と接する漢江沿いの隣接区域が広い。この区域もやはりサムスン物産とGS建設、DLE&Cなどが水面下の競争を繰り広げている。

現代建設は狎鴎亭を主な舞台に据えた。現代建設は昨年末までポスコENCと激しい競争の末、国内住宅受注1位を守った。現在、整備計画樹立段階である狎鴎亭2~5区域が今年下半期には施工会社選定に乗り出す可能性が高い。現代建設は最近、都市整備営業室傘下に狎鴎亭TFチームを新たに立ち上げた。他の建設会社も簡単に狎鴎亭の受注を譲らない見通しだ。

現代建設とポスコE&Cは汝矣島漢陽(ヨイド・ハニャン)再建築現場でも再び対決するものと見られる。この事業場は商業地域である「ロッテマート敷地」買い入れに合意がなされ再び速度を上げる見込みだ。現代建設とポスコENCはこれに先立って一斉に団地内に広報館を設け受注競争を繰り広げた経緯がある。

https://www.afpbb.com/articles/-/3499171?cx_part=top_category&cx_position=4

この記事は一体、何なのか。一見、読んでて建設業界が死にかけているのに大手建設会社の受注戦が繰り広げられるということになるのかわかりにくいかもしれない。ここで大事な言葉をあげよう。「採算性」である。採算性とは、投資した額より多くの効果を得られるかどうかを意味する。

つまり、平たく言えば採算性が取れるプロジェクト、地域だけに大手建設会社の受注が集中するてことだ。当然、韓国でもっとも採算性が良いとされるのがソウル開発である。だから、ソウル主要地域再開発・再建築整備事業に多くの建設会社が重要だとみている。このようにソウルは盛り上がるが、他の地域の事業はストップするてことだ。なぜなら、採算性が低い事業は整理されていくからだ。

すると何が起きるのか。大手は生き残りをかけて必死に受注をするので、それに負けたら倒産が待っているてことだ。これらの事業でも不動産PF融資が関わってくる。ただ、事業性が高いので貯蓄銀行は高金利でも喜んで金を貸すだろう。もっとも貸せる貯蓄銀行が存在すればだが。

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