韓国証券市場「米国債金利上昇」にコスピ2400線崩壊… コスダックも下降出発

韓国証券市場 既に市場は織り込み済みであったが、ついに世界中の金利のベンチマークである米国債10年利回りの金利が5%を超えた。これは非常に由々しき事態であり、それによってコスピも2400を割れたようだ。

ただ、コスピが下がっている理由はそれだけではない。今回は先にやっておこうか。実は韓国のコスピが大きく下がった理由は米テスラにある。まずはここを抑えておく必要がある。

19日の米市場で米電気自動車大手のテスラの2023年7~9月期の決算が出てきた。それによると、事前予想を下回る減益となった。純利益が44%減の約18億5000万ドル。米政府の補助金を活用して、あれだけ値下げしても、テスラの利益が大きく落ちている。これによって19日の米株式市場では前日比11%安で、最後は9%安で取引を終えた。もう、EVバブルも終焉なのだろうか。

ええ?テスラの売上減少がどうしてコスピが2400以下に落ちた理由に繋がるのかて?それは韓国の二次電池関連企業の株が軒並みに売られたからだ。テスラが業績不振なら、当然、テスラにバッテリーを供給している韓国企業の販売も凍り付いてしまう。だから、LGエネルギーソリューションはー2.87%も落ちた。

後、米国の長期金利が5%まで上がれば当然、景気敏感株であるハイテク株が軒並み売られる。半導体関連もその1つでサムスン電子も売られた。つまり、韓国株はテスラの販売不振と米長期金利の影響をもろにうけた。もっとも、もう一つ上海総合指数も忘れてはいけない。そして、10月20日9時半に上海総合指数は3000を割れてスタートした。15時半ごろには2980である。

韓国企業にとってトリプルショックとなった。問題はどれも短期的な解決は望めないてことだ。米長期金利5%越え。テスラ販売不振。上海総合指数3000以下。1つの要素でも十分、爆弾級の破壊力があるのにそれが3つもリアルタイムで起きている。

1360に到達したウォンは韓銀砲でなんとか1350台に戻したが、そもそも米長期金利5%で中国株がダメなら、当然、ウォンは売られていく。年末に1400ウォンは見えてきたんじゃないか。

といったところで今回の記事の冒頭を見ていこうか。

米国国債金利が2007年以降初めて5.0%線を突破し、コスピ指数が下落出発した。コスピ指数が2400線が崩壊したのは去る3月以降初めてだ。「インフレが依然として高い」というジェロームパウエル米国連邦準備制度(FRB)議長のタカ派的発言が米国債の金利上昇に影響を及ぼした。

そりゃ、米消費者物価指数やそのコアも高いままなのだ。インフレは高いという認識だろう。しかし、利上げ観測はないとか楽観ムードがパウエル議長の発言、5%台金利到達で一気に吹き飛んだな。新興国を代表する中国経済も鈍化。これではますます米国に投資が集中してしまう。

インフレが高止まりするなら、米国市民は稼いだドルを商品に替えようと躍起である。なぜなら、インフレの場合は物価上がる=お金の価値が減るということだからだ。今のうちに買っておかないと、もっと高くなるという先入観だ。デフレとは全く真逆だが、これはこれで物価がなかなか下がらない理由でもある。

といったところで今回の記事の要点を整理していこう。

■記事の要点

1.20日午前9時15分基準のコスピは前日より35.11ポイント(1.49%)下がった2380.77で取引中だ。コスダック指数も前日より13.67ポイント(1.69%)離れた770.75だ。

有価証券市場では、個人と外国人がそれぞれ111億ウォン、64億ウォン純売り中で、機関が172億ウォン分を買っている。コスダック市場では個人と外国人がそれぞれ66億ウォン、13億ウォンを純売りもしている中、機関が76億ウォン分を純買収している。

有価証券市場時価総額上位10種目すべてが前日終値より低い価格で取引中だ。サムスン電子とLGエネルギーソリューションはそれぞれ1.44%、2.87%下落した。LG化学とサムスンSDIはそれぞれ2.94%、3.14%落ちた。

2.同じ時間、コスダック市場では時価総額1・2位のエコプロビエムとエコプロが並んで2%台下落を記録している。エルエンエフは3.32%、レインボーロボティクスは-3.17%下落した。

米国国債金利の上昇が投資心理に負担として作用しているという分析だ。グローバル債権金利のベンチマークの役割をする10年満期の米国債金利は年5.001%で、5%線上に上がった。米国債の10年物金利が5%線上に上がったのは、グローバル金融危機直前の2007年7月以降、16年ぶりに初めてだ。

3.夜間のニューヨーク証券市場は一斉に低下した。ダウ・ジョーンズ30産業平均指数は、戦場より250.91ポイント(0.75%)下がった3万3414.17で取引を終えた。スタンダードアンドプアーズ(S&P)500指数は36.60ポイント(0.85%)下落した4278.00に、ナスダック指数は128.13ポイント(0.96%)下げた1万3186.17にそれぞれ長を終えた。

以上の3つだ。それでは順番に見ていこう。

それでまず1だが、上のは20日の開幕直後の動きだ。ちょうど16時前なのでコスピの結果は出ているので引用しておこう。

【ソウル聯合ニュース】20日の韓国株式市場で総合株価指数(KOSPI)は続落した。終値は前日比40.80ポイント(1.69%)安の2375.00。2400を割り込むのは3月21日以来、7カ月ぶりとなる。

KOSPIはこの日、前日比24.26ポイント(1.00%)安の2391.54で寄り付き、下げ幅を広げた。新興企業向け株式市場コスダックの指数は前日比14.79ポイント(1.89%)安の769.25で取引を終えた。

このようにコスピは20日の終値でも、2375.00で終えた。2400を割り込むのは7ヶ月ぶり。原因はさっき述べて3つが主なものだ。米長期金利5%、テスラ販売不振、上海総合指数3000割れとなっている。

次に2だが、コスダック市場も大きく下げていると。理由はさっき述べた米国債の金利5%台である。しかも、16年ぶりらしい。これはヤバいな。リーマンショック直前に起きたことが再現されたら、次は中国版リーマンショックが待っていそうなんだよな。ほら、先日から取り上げている債務不履行した碧桂園が清算に入るなら、今後、いったいどうなるのか。中国が崩壊しても、米国にそこまで飛び火しないという声もあるが、無傷では済まさないだろう。

それにロシアとウクライナ戦争だけではなく、ハマス・イスラエル戦争も始まっている。世界で二ヵ所の地域で戦争をしているのだ。

それで3についてだが、パウエル議長の発言をもう少し掘り下げたい。

パウエル議長はニューヨーク・エコノミック・クラブで講演。事前に配布された原稿によれば、「不確実性とリスク、そしてこれまで実施してきた措置を踏まえ、委員会は慎重に進んでいる」とし、「追加の政策引き締めの度合い、そして景気抑制的な政策を維持する期間については、入手するデータと変化する見通し、リスクバランスの全体像に基づいて判断する」と述べた。

議長はまた、長期債利回りの上昇がもたらしている金融環境の引き締まりにも言及。「金融環境の変化が根強く続けば、金融政策の道筋に影響を与え得る」と説明した。

FOMCが10月31-11月1日の会合で前会合に続いて政策金利を据え置くと、市場は予想している。今回のパウエル議長の発言を受けてそうした見方が強まりそうだ。実際に据え置きとなった場合、1年7カ月前に始まったインフレ抑制を目指した利上げキャンペーンにおいて、初めて2会合連続での利上げ見送りとなる。

講演でパウエル議長は、追加引き締めの可能性を排除しないよう慎重に言葉を選んだ。

「経済成長の強靱さと労働需要の底堅さを示している最近のデータに、われわれは留意している」と議長は指摘。「経済成長が継続的に潜在成長率を上回っている兆候、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合、インフレに関する一層の進展にリスクが生じる可能性があり、金融政策の追加引き締めが正当化され得る」と語った。

講演後に行われた司会者との質疑応答では「政策が現在引き締め過ぎである兆候はないと考えている」と述べた。

FOMCについては、インフレ率を時間とともに2%へと持続的に押し下げる上で十分に景気抑制的な政策スタンスを達成し、インフレがその軌道に乗るまで、政策をその水準で維持することにコミットしていると説明した。

その上で、「インフレはなお高過ぎる。インフレがわれわれの目標に向けて持続的に低下しているという確信を得るには時間が必要で、数カ月の良好なデータはその始まりに過ぎない」と述べた。

同時に、利上げが経済に下向きの圧力をかけている兆候が出ており、「有意な引き締めがなお控えている可能性はある」と述べた。このほか、地政学的な緊張は「極めて高い状態にある」としてその重要なリスクに言及。イスラエルへの攻撃を「凄惨(せいさん)」と表現し、さらに多くの人命が失われる見通しも恐ろしいことだと話した。

このようにパウエル議長は「インフレはなお高すぎる」と発言。11月の会合で利上げするか、しないかはまだまだどうなるかは不透明。でも、長期金利が上がっているところをみれば、利上げはないけど長期で金利を維持するとみているのか。

さて、最後は中国経済の話題だ。米中半導体戦争で中国のファーウェイが7ナノ半導体をつかった製品を発表したことで、アメリカは超激怒。今後、14ナノ以下だけではなく、米半導体大手のエヌビディアなどの先進的な人工知能(AI)チップの中国への輸出を停止したのだ。まさに抜け穴を埋めるやり方で半導体規制を大幅強化してきた。つまり、半導体規制はAIチップにまで及んだと。

2023年10月18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国が中国に対する半導体輸出規制を追加したことについて、中国政府が「一方的ないじめだ」と反発したことを報じた。

記事は、米国が17日に対中国半導体チップ輸出規制を強化することを発表し、米半導体大手のエヌビディアなどの先進的な人工知能(AI)チップの中国への輸出を停止して、米国の先進技術が中国の軍備力強化に利用されることを防ぐ姿勢を示したと紹介。

新たな規制は30日以内に発効し、レモンド米商務長官が同日に「昨年10月に発表した対中半導体輸出規制関連法規の抜け穴を埋めるもの」と述べるとともに、規制について今後少なくとも毎年1回は更新する可能性を示唆したと伝えた。

そして、AIチャットロボットChatGPTの登場により世の中がAIのパワーに一層注目するようになるにつれ、米国では対中サプライチェーンの寸断を求める声も高まり続けていると指摘。

先日中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)が強力な国産先進チップを搭載した新型スマートフォンを発表したことも米国の警戒感をさらに強めたと分析し、レモンド氏が規制の目的についてあくまで軍事転用の阻止であり、中国に経済的なダメージを与える意図はないと強調したことを紹介している。

その上で、米国の規制強化に対して中国が強く反発しており、商務部の報道官が18日に

「米国は国家安全保障の概念を拡大解釈し続け、輸出規制措置を濫用し、一方的ないじめを行っている。強い不満を示し、断固反対する」

とコメントしたほか、商務部も

「半導体産業が高度にグローバル化する中、米国は不当な規制により各国の半導体や半導体製造の設備、材料、部品企業の正常な経済、貿易のやりとりを著しく阻害し、市場ルールと国際的な経済、貿易の秩序を著しく破壊し、世界の産業チェーン、サプライチェーンの安定を大きく脅かしている」との声明を発表し、米国に対して規制の速やかな撤廃を呼び掛けたと伝えた。

記事は、米国による新たな規制発表の情報が伝わった後にエヌビディアやインテル、AMDの株価が下落したと紹介。米国の大手半導体企業はこれまで米政府に対して中国へのさらなる規制を行わないよう求める姿勢を示しており、米半導体工業会(SIA)が17日に「過度に広範囲かつ一方的な規制だ」と米政府を批判するコメントを出したとしている。

そもそもファーウェイが7ナノ以下の製造を表に出したのが悪い。そんなことすれば半導体規制を強化するに決まっている。もっとも、SKハイニックスはお咎めなしなのか。米国は韓国に甘いんじゃないか。

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