イラン戦争から1ヶ月経過。しかし、戦火はイエメンのフーシ派の参戦で、ますます拡大していく。今日は日曜日なので証券市場はお休みなのだが、ここまでの悪材料が揃っている時点で、ナイアガラが予想される。
そもそもダウが-700ドルぐらい下がって終わったので、日経先物だって-1600円。51000円台である。来週も大混乱が予想されるが、こちらが注目しているのはイランと中国関係が壊れかけているんじゃないか。
それが出てきたのはホルムズ海峡で中国船の船がイラン革命防衛隊の警告で引き返したことだ。朝の記事でこれを引用しておこうと思ったのだが、フーシ派とバブルマンデブ海峡の封鎖の影響を見てきたので実は忘れていたという。
だから、ここで記事を引用しておこう。
イランのイスラム革命防衛隊が27日(現地時間)、「敵(米国・イスラエル)」の同盟国の港を出入りするすべての船舶はホルムズ海峡を通過できないと明らかにした。
革命防衛隊はこの日、声明を出し、「今朝、腐敗した米国大統領が『ホルムズ海峡が開かれた』と嘘をついた」とし「その後、それぞれ異なる船籍のコンテナ船3隻が(イランの)許可を受けて指定された海路に向かって運航したが、革命防衛隊海軍の警告で引き返した」と伝えた。
革命防衛隊は湾岸地域(ペルシア湾)からホルムズ海峡に向かって東進中に引き返した3隻の航路を表示した写真を公開した。
3隻のうち「アークティック・オーシャン」と「インディアン・オーシャン」は香港船籍で、中国のコスコが用船するコンテナ船だ。最近、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアの港に寄港した。残りの1隻はマーシャル諸島船籍のバルク船「ロータス・ライジング」で、中国資本の会社が用船しているという。
これら3隻は船舶自動識別装置(AIS)に「中国の船主と船員」という信号を出したが、ホルムズ海峡の通航を拒否された。
革命防衛隊は「ホルムズ海峡は封鎖されていて、こここを通過しようとすれば過酷な対応に直面することになる」と再度警告した。
トランプ米大統領は前日、イランが誠意を表示としてタンカー10隻を通過させたとし「合意が実現すればホルムズ海峡は完全に開放されるだろう」と述べた。
ニュースは以上。
ここで重要なのはトランプさんの嘘とかの話ではない。中国のコンテナ船がイラン革命防衛隊の警告で引き返したことだ。これはホルムズ海峡が封鎖されている事実を見せしめにした意図的な行為だと思われるが、今まで安全に通過していたとされる中国船を拒否したことに世界中が驚いたんじゃないか。少なくともこちらは驚かされた。
しかし、イランが中国に対して激怒する案件はいくつもある。イランと中国の関係が壊れ始めている?ポンコツの中国製レーダーが全く役に立たないことも影響している?そもそもイランを中国は明確に支援していない。
中国は制裁が厳しいイラン産原油を大量に輸入している国家だ。しかも、市場よりもプレミア価格で輸入していることだろう。だが、イランが中国に対して役立たずと認識すれば、そういう蜜月な関係も消え失せる。実際、中国製兵器が役に立たないのはベネズエラでも照明された。
習近平は中国軍の不敗がどうとかで軍上層部を大量処分しているようだが、それによって軍が弱体化しているという話もある。だから、中国の軍事力はハリボテであるという認識が世界に広まっている。そのおかげで台湾有事は起きない。
少なくとも米国と戦争しても中国がイラン以上にフルボッコにされるんじゃないか。しかも、中国に味方もいない。北朝鮮すらロシアと手を組んで中国とは距離を置く。さらにここでイランがこの先、中国との関係を見直すことだろう。
ここまでは前置きだ。さて、今日見ていくのは習近平が恐れていることだ。こちらは記事を読まないで推測で書いてわけだが、その答えをあわせしていこう。
では、記事を引用しよう。
中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰する中、中国は備蓄放出や輸出を拒み、逆に輸入を加速させています。世界最大の尿素生産国でありながら、肥料の輸出も厳格に制限。中国指導部が今「もっとも恐れていること」とは?(北海道大学公共政策大学院研究員 王 彦麟)
石油の備蓄放出や輸出を拒否 中国が「もっとも恐れていること」とは?
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦が始まると、国際エネルギー市場は瞬く間に揺れた。これを受けて国際エネルギー機関(IEA)は2026年3月、最大4億バレルの石油備蓄を放出する方針を打ち出した。目的は明確である。原油価格の急騰を抑え、市場のパニックを防ぐことだ。
だが、中国の動きはまったく異なる。
中国はロシアとつながる石油パイプラインを持ち、米国の制裁の影響を比較的受けにくい立場にある。理屈の上では、多くのIEA加盟国よりも余裕をもって危機に対応できるはずだ。それにもかかわらず、中国は石油備蓄の放出に踏み切っていない。ロイター通信によれば、中国政府は国有石油大手・シノペックによる約9500万バレルの備蓄放出提案すら退けたという。
では、中国は何をしているのか。
実際には、むしろ備蓄を積み増している。2026年1〜2月の原油輸入は前年同期比で約16%増加し、3月に入ってもその動きは続いている。また国内の燃料価格については上限を引き上げつつも、国際価格の上昇分を完全には転嫁していない。さらに、精製石油製品の輸出規制も強化している。
安価に輸入した原油を精製して輸出するだけで利益になるが…
この一連の政策は何を意味するのか。結論は明確だ。中国がもっとも警戒しているのは「価格上昇が経済全体に波及すること」である。
安価に輸入した原油を国内で精製し、それを再輸出して利益を得る――本来であれば合理的なこの行動すら、中国は抑え込んでいる。国内供給を優先し、物価の安定と長期的なリスク管理を重視しているからだ。
同じ発想は、肥料政策にも表れている。
中東情勢の悪化により、肥料の原料となる天然ガス価格が高騰し、供給不安が広がる中、中国政府は国家備蓄から肥料を放出すると発表した。中国は世界最大級の尿素生産国であり、2026年の生産量は過去最高に達する見込みだが、それでも輸出許可は一件も出していない。インドからの要請すら保留している。
エネルギー価格の上昇は 政権の安定性に直結する
なぜここまで徹底するのか。
エネルギー価格の上昇は、やがて食品価格や生活コスト全体を押し上げる。そしてそれは、社会不安や政権の安定性に直結する。中国指導部はその連鎖を強く恐れている。
2026年、中国政府はGDP成長率目標を4.5〜5%に引き下げた。これは1990年代以来、初めて5%を割り込む水準である。ここにエネルギー価格のショックが重なれば、成長はさらに下振れする可能性が高い。
イラン戦争において、中国が本当に警戒しているのは、戦争そのものではない。それが引き起こす「価格の連鎖反応」なのである。
米国のイラン攻撃で中国の影響力減 ロシアと北朝鮮に頼らざるを得ない
では、この戦争は中国の対外戦略にどのような影響を与えているのか。一言で言えば、中国がこれまで築いてきた「非米圏ネットワーク」は、確実に揺らいでいる。
米国はパナマ運河をめぐる圧力を強め、さらにベネズエラやイランに対して軍事行動を展開した。これらはいずれも、中国が影響力を拡大してきた地域である。結果として、中国の対外戦略は大きな制約を受けることになった。
その中で、中国が頼らざるを得ないのがロシアと北朝鮮だ。
かつてロシアはウクライナ戦争で消耗し、中国優位の関係が続いていた。しかし現在、エネルギー情勢の変化がこの力学を揺り戻している。ホルムズ海峡の不安定化により、中国のロシア産エネルギーへの依存度は上昇し、ロシアの発言力は一定程度回復した。
両国関係は再び「相互依存」に近づきつつある。
一方で中国は、北朝鮮との関係強化にも動いている。北京と平壌を結ぶ国際列車の再開、直行便の復活、さらには貿易拡大――これらの措置は偶然ではない。中国が構築してきた対外ネットワークが崩れつつある中で、北朝鮮との関係は「維持すべき最後の安全保障カード」となりつつある。
ただし、ここで見落としてはならない点がある。
これらの動きは、中国の「敗北」を意味するわけではない。
米国がベネズエラやイランを攻撃したことで中国の影響力を削いだことは事実だが、同じ手法をロシアや北朝鮮に適用することは現実的ではない。コストがあまりにも大きすぎるからだ。
そのため、今後の米中競争は形を変えていく可能性が高い。
軍事的圧力ではなく、パナマ運河のような戦略拠点の支配、あるいは国際ルールの主導権争い――いわば「見えにくい戦場」へと移行していくのである。
イラン危機でどっちつかずの中国 「国際秩序を主導する」段階には達していない
最後に、この戦争が突きつけたもっとも本質的な問いに触れておきたい。
中国は、本当に国際秩序を主導できるのか。中国は長年、「多極化した世界」を掲げてきた。米国一極支配に対抗し、より平等で分散的な国際秩序を目指すという構想である。しかしイラン危機は、この構想の限界を浮き彫りにした。
戦況が膠着する中、イランは「人民元決済を認める船舶は通航を許可する」と示唆し、中国の関与を引き出そうとした。一方、米国は日本や欧州諸国を含む同盟国に対し、航行の安全確保への協力を求めた。
では、中国はどう動いたか。
北京はどちらにも積極的には応じなかった。停戦の呼びかけや外交努力にとどまり、軍事的・制度的な関与には踏み込まなかったのである。
この慎重姿勢の背景には現実的な制約がある。
中国はイランだけでなく、サウジアラビアなど湾岸諸国とも深い関係を持つ。特定の陣営に肩入れすれば、他方との関係を損なうリスクがある。したがって中国は「均衡」を優先し、結果として積極的な秩序形成から距離を置くことになる。
だが、ここにこそ問題がある。
国際秩序を主導するとは、単に影響力を持つことではない。紛争時に責任を引き受け、安全保障という「公共財」を提供する能力を持つことを意味する。その点で、中国はまだその段階に達していない。
経済規模の面では米国との差は確実に縮まっている。しかし、その経済力を軍事力や制度設計、国際的責任へと転化する能力において、中国は依然として大きな制約を抱えている。イラン戦争は、その現実を極めて明確に示した。
中国はすでに「大国」である。だが、国際秩序を担う「主導国」には、まだなりきれていない。
見えてきた米中競争の 次の局面
イラン戦争は、単なる中東の地域紛争ではない。それは、米中競争の現在地を映し出す「鏡」である。中国は経済的には台頭し続けているが、価格ショックに神経を尖らせ、対外ネットワークの維持に苦慮し、秩序形成には踏み出せない。
一方の米国もまた、すべてを力で押し切れるわけではなく、より間接的で制度的な競争へと軸足を移しつつある。
つまり、これからの米中競争は、「誰が世界を支配するか」ではなく、「誰がルールを定義するか」をめぐる争いになる。イラン戦争は、その転換点を静かに告げている。
ニュースは以上。
なんか色々書いてあるが、均衡ではなくて蝙蝠だよな?今までイランに加担していたのに、イランが最も助けてほしいときに軍隊を出さない。ホルムズ海峡封鎖の時に人民元決済なら通過許可も中国に対するメッセージだったのにそれをスルーした。
この時点で、もう中国は頼りにならない。中国は米国を恐れて何もできないことが露呈したからだ。そりゃ軍隊送れば米国と中国は戦争することになるのを避けた。でも、米国が怖いから何もしませんなら台湾侵攻だってできないだろう。結局、習近平がチキンだとしか評価されんよ。
これからはビジネス上の付き合い程度にとどめておこうにしかならんだろうに。
しかも、ホルムズ海峡封鎖されてガソリン価格高騰で中国庶民が困っているのに、同盟国側にもつかない。それなのに物価に波及するのを恐れている?この記事の冒頭は事実としてチグハグである。でも、これは今日に掲載された記事なので、決して古いわけじゃない。
あと、北朝鮮との関係についても、中国を北朝鮮が頼っている感じはしないんだよな。むしろ、ロシアを頼りにしているんじゃないか。
米国のイラン攻撃の狙いが中国潰しであることははっきりしている。問題はその中国潰しが単なる原油利権を奪うつもりなのか。それともベネズエラやキューバみたいに確実に分断させようとしているのか。戦争は長期化しているが、イランは中国の対応に不満があるから、ホルムズ海峡で中国船を通過させなかった。
米国のやろうとしたことと違うとはおもうのだが、イランと中国の関係をぶち壊すことにそれなりに成功はしたんじゃないか。