最近、日本の船がホルムズ海峡を通過した。フランスの船も続いた。他の国も続々という感じで、ホルムズ海峡封鎖が徐々に解かれているとか。そういう雰囲気のニュースが出ていたわけだが、残念ながら彼らは気まぐれである。
約束なんて彼らの気分次第では守られない。それを世界はちゃんと認識すべきなんだよな。
実際、ホルムズ海峡を通れた船。通れない船。この違いはかなり曖昧だ。例えば、日本の船の3隻目について朝にこちらも記事で取り上げたが、行き先はインドだったから通れという突っ込みがある。
では、インドなら無条件で通れるのかというとどうもそれも違う。だから、こちらはイランの気まぐれじゃないのかと。
この記事を読めばよくわかる。
記事を引用しよう。
[シンガポール 6日 ロイター] – イランの革命防衛隊は6日、ホルムズ海峡に向かっていたカタールの液化天然ガス(LNG)タンカー2隻を停止させ、説明なしに待機を命じた。関係筋がロイターに明らかにした。
同筋によると、イランは先週、パキスタンの仲介で米国と合意に達し、両船のホルムズ海峡通過を認めていた。両船がホルムズ海峡を通過していれば、イラン戦争開始後初めてのLNG貨物の海峡通過となるはずだった。
分析会社ケプラーとLSEGのデータによると、カタール船「アル・ダイエン」と「ラシーダ」はいずれも2月下旬に貨物を積み込んだ。船舶追跡データによると、2隻はカタールのラスラファンでLNGを積載し、海峡に向けて東方向に進んでいたが、6日朝に引き返した。
アル・ダイエンは6日朝の時点では目的地を中国としていたが、パキスタンに変更し、さらにその後、ラスラファンへの帰還を示す信号を出した。一方、ラシーダは、パキスタンのカシム港を示す信号から「指示待ち」の表示に切り替えた。
ケプラーのデータによると、両タンカーはカタールエナジーが管理している。
ニュースは以上。
皆さん、この記事を読んでどう思うだろうか。ええ?合意して両船のホルムズ海峡通過を認めていた。なのにいきなり説明もなしに待機させられて通過できませんでした。
ええ?しかも、行き先は中国。さらにパキスタンとあるので、明らかに米国とは関係ない国家。しかも、タンカーはカタールが所持。
今までの通過事例なら通れるんじゃないか?じゃあ、なんで通れないんだよ。だから、こちらは気まぐれだと述べているんだよ。彼らの気分次第では合意してても通れないんだよ。
これで彼らと交渉すればいいとか言い出すんだ。交渉して合意したところでイランが約束破っても、相手に何の不都合がないのにどうして彼らは真面目に約束を守ると思うのか。だから、こちらはさっさと多国籍軍がホルムズ海峡封鎖解除に動けと述べている。
イラン政府と合意してOKもらっても、イスラム革命防衛隊の気分次第では通過できない。こんな状況で交渉しても担保が何もないんだよ。イランが約束破って、何らかのペナルティーが発生しない限りは無意味な合意なんだよ。だから、通行料徴収だってそうなんだ。払ったところで本当に安全に通れるとは限らない。
こんな状態が続いてるのに、イランと交渉しろとか述べている日本人が多いという。
さて、実はこれは前置き。これを前提にしながらこのニュースを知ってほしい。めっちゃ笑えるから。
記事を引用しよう。
イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡ですが、6日、新たに3隻目の日本関係の船が通過したことが分かりました。中東調査会・研究主幹の斎藤正道さんと解説します。
■日本関係の船3隻、海峡通過の要因は…
日テレNEWS NNN
ペルシャ湾には先週3日の午前7時まで、日本関係の船舶が45隻停泊していましたが、6日までにそのうちの3隻がホルムズ海峡を通過し、危険な水域を脱出しました。
ペルシャ湾内に残っている日本関係の船は、残り42隻です。
脱出した3隻は、全て日本の商船三井が関係する船です。
1隻目が、オマーンの企業と共同保有しているパナマ船籍の船。
2隻目は、インドの関連会社が保有する船でインド船籍。
そして6日に通過が明かされた3隻目も、インドの関連会社が保有しているインド船籍の船です。
それぞれどういった船で、どこに向かっていたのでしょうか。
1隻目は、LNG=液化天然ガスを運ぶ船で、行き先は分かっていません。
一方、2隻目・3隻目は、LPG=液化石油ガスを運ぶ船で、インドに向けて航行しています。
こうした船に加えて、ヨーロッパの船舶として初めてフランスのコンテナ船も今月、ホルムズ海峡を通過しています。
■日本は“敵対国ではない”イラン側はどう見る
日テレNEWS NNN
この3隻、それぞれ船籍や行き先などはさまざまですが、イラン側はどのようにみているのでしょうか。
斎藤正道 元在イラン日本大使館勤務 中東調査会研究主幹
「イランとしても、通航した船が日本関連であるということは把握していたと思います。またイランにとって、オマーンやインドといった国々は友好国で、インドとは経済的な関係も深く、今後戦争が終わった後、インドとの関係を非常に重視する形になるかと思いますので、オマーンおよびインド関連の船舶に関しては、通航を認める、妨害をしなかったのではないか」
──イランは日本を敵対国として見ていないということで良いのでしょうか?
斎藤正道さん
「イランは1979年の革命前後から、日本とは伝統的に友好的な関係を維持してきました。2010年ごろからは、イランは核問題で国連安保理制裁を科され、それを機に日本はイランからの原油輸入を減らしてきましたが、それまでは日本が輸入する原油の8%から14%位を、イランから輸入してきたという実績があります。サウジアラビアやUAE=アラブ首長国連邦に次いで、イランから3番目から4番目に多くの原油を輸入してきたということもあり、イランと日本は非常に関係が深いというのは指摘できるかと思います」
こうした中、ホルムズ海峡をめぐる“新しいルール”について、アメリカメディアが報じています。この“ルール”を協議しているのは、イランとオマーンです。
協議は2週間続けられ、海峡を通航するタンカーにイランへの登録を義務づけ、イランに「攻撃的でない国」の旗の掲揚に同意すること、攻撃をする意思がないと示すことも求められるとしています。
このほかの詳しい条件については、明らかになっていません。この“新しいルール”については、オマーン側から提案したとみられています。
こういった“新しいルール”も出ていますが、現在のイランの思惑などについては、どのようにみているのでしょうか?
斎藤正道さん
「イランは、オマーンと友好的な関係を続けてきたということもあります。ホルムズ海峡は、イラン側の領海とオマーン側の領海の2つがあります。基本的には、多くの船舶は(南側の)オマーン側の領海を通航してきたと思われるのですが、イランとしては、イスラエルに関連したような船舶の通航は認めたくないということがありますので、オマーンとの協定の中で、イスラエル関連の積み荷が載っているような船舶は通航させない。そういった取り決めをオマーン側と行うことで、イランにとって『非敵対的な国』の船に関しては、安全な通航を認める。イランとオマーンとの間でそういった取り決めが結ばれようとしているのではないか」
ニュースは以上。
ええ?おいおい、ちょっと待って。上に書いてあることと。最初に出てきた合意した船が通れないでは話が全然違うじゃないか。つまり、イランは米国やイスラエルの積み荷だけを通行させないなんてことはあり得ないてこと。
そもそも合意したことを守らないのに、上のように考える時点でミスリードなんだよな。でも、面白いのはここからなんだ。このニュースに1000件以上のコメントがあるんだが、実にお花畑全開である。
最近、こちらの言動がきついとか。過激になっているとか突っ込みが来るんだが、別にいつも通りに思ったこと書くだけであって、それがきついと感じたのなら、それは多くの日本人の苛立ちが原因だと思われる。つまり、先の見通せないイラン情勢に多くの日本人が不安を抱いている。専門家であろうが、イランの心理なんて正しく読み取れてないんだよ。
では、ネットの突っ込みを見ておくか。
1.三井商船が関係する船・・・ということで、あくまでも船籍はインドやオマーンです。日本行きの船は、まだ通過できていません。 とはいえ、今後通過できるよう、希望を捨てずにあらゆる方面から交渉すべきだと思います。 アメリカを当てにすることはできません。日本独自のやり方で、何としても石油を入手してほしいと思います。 無事通過できることを祈っています。
2.日本関連の船舶に対して通航を認める対応を見ると、イランの柔軟さや配慮の姿勢が感じられますよね。緊張感のある状況の中でも、一律に拒むのではなく関係性を踏まえて判断しているあたりに、ある種の“優しさ”すら見えてきます。長年の関係を大切にしながら対応している点も含めて、日本としてもこの関係は丁寧に守っていきたいところです。こうしたバランス感覚を持つイラン、本当に素晴らしいと思います。
3.3隻が通過できたという事実は、単なる脱出成功というより、ホルムズ海峡が全面封鎖ではなく、条件付きで選別された通航に移りつつあることを示しているように感じます。 イランにとって日本やオマーン、インドは敵対国ではなく、戦後の外交や経済関係を見据えれば、完全に遮断するメリットは小さい。
むしろ敵対関係にある国や積み荷を選別しながら、影響力を維持しようとする思惑も見えます。 怖いのは、海峡が開いているか閉じているかという二択ではなく、誰なら通れるのか、という新しいルールができ始めていることです。 物流は動いていても、ルールが政治で左右される状態が続けば、エネルギー価格や市場心理には大きく波及すると思います。 見えているのは3隻ですが、本質は海の上に新たな外交秩序が作られつつあることではないでしょうか。
4.一見するとイランが人質外交をしているように見える構図だが、実はそれ以上に強かな戦略だ。 「敵対しない意思表示を求める」 というのは裏を返せば 「アメリカ、イスラエル以外の国と争いたくはないんだよ」 と言ってるわけだ。
先日の中東諸国へのミサイル攻撃は「アメリカ軍基地とそれを利する可能性がある部分についての攻撃」だ。中東諸国もそれをわかっているからただ攻撃されたことへの報復という「感情論」を排して、イランの気持ちに寄り添う姿勢を見せ、なだめる事で事態の悪化を防いだ。
イランもこの姿勢に一定の恩義を感じたのだろう。 これで米国とイスラエルは潜在的な「悪」という形になった。米国はそれがわかっていたから早期に終結する事をトランプも言ったわけだが、イスラエルのネタニヤフがいう事を聞かない。 米国にとってイスラエルは捨てる事ができないので困ってる。イスラエルに踊らされたトランプの1人負けだ。
5.「日本は敵対国ではない」という言葉に安堵する半面、通過できたのがパナマやインド船籍の船だった現実はシビアに見るべきです。 イラン主導の「新ルール」は事実上の通行許可制であり、エネルギーの急所を握られた日本の危うさが浮き彫りになっています。 友好関係は大切ですが、相手の裁量一つで命綱が左右される現状はやはり異常。 家計を直撃する光熱費高騰をこれ以上許さないためにも、特定の地域に依存しすぎない抜本的なエネルギー戦略の再構築を急いでほしいですね。
以上の5件だ。うん。ヤフーのコメントを見ると、本当、点しか見てないコメントだらけでうんざりである。もう。ツッコミどころしかない。
なんだよ。イランの優しさって!イランが優しいならホルムズ海峡封鎖して世界経済なんて人質に取ってないんだよ。上のコメントは共感数が多い順に取ってきているんだが、こんなのが3800も共感されるんだ。
しかも、未だにイランは親日国とか専門家が述べているんだよ。だから、そんなのは過去の話だって。今のイランと昔のイランは違うってことも理解しない。
そもそもの話だ。ホルムズ海峡封鎖においてイランが米国とイスラエル関連の船だけを「除外」しているなら、こんな世界中が悩むことはないんだよ。
その辺を理解しないで条件出したら通れるとか。勝手に推察する。でも、それは全てはただの憶測に過ぎない。イランの気まぐれなことが最初に出した答えだ。
結局、どうして通れたかなんてわかりません。だって合意した船。行き先が中国やパキスタン行きでも通れない。