中東戦争の余波…韓国証券市場、1カ月で365億ドルの外資流出 過去最大

ここからは韓国経済の話題だ。

イラン戦争が始まってから、世界の証券市場は乱高下を繰り返しているわけだが、それは韓国も例外ではない。特に韓国の場合、ウォンがローカル通貨なので、韓国でしか使い道がない。

これが例えば、円のようなハードカレンシーだと、投資家は円を持っていても、普通に海外で使えるので、日本の株を売って手に入れた円をすぐに証券市場でドルに変える必要性はそこまで高くない。

しかし、韓国ウォンをもっていても何の役にも立たないので、韓国株を売って手に入れたウォンはそのままドルに変える。これがウォン安の原因でもある。それでイラン戦争前から外国人投資家は徐々に売り越しを増やしていき、戦争が始まってからほぼ売り超しだった。それが1500ウォンを越えるウォン安を招いたわけだ。

逆に言えば、韓国のコスピが上がれば上がるほど、それを売りに走ったときにウォン安が加速化することになる。今は急にフィラデルフィア半導体指数が爆上げしているので、サムスン電子・SKハイニックスの株価がまた上がってるが、これもいつまで続くかはわからない。AIの巨額投資を続けられる状況が続くことはない。バブルはいつか必ず弾けるからだ。もっともいつになるかはわからないが。

それで、今回はイラン戦争が始まってからの韓国証券市場における外国人の動きを見ていく。

記事を引用しよう。

先月、韓国の証券市場から流出した外国人資金は365億ドル(約5兆8000億円)に達し、過去最大を記録した。2008年の金融危機当時を上回る規模だ。

韓国銀行が9日に発表した「国際金融・外国為替市場の動向」によると、今年3月の外国人の国内証券投資資金は365億5000万ドルの純流出と集計されている。前月(-77億6000万ドル)に比べて4倍以上に増え、過去最大だった2008年7月(-89億7000万ドル)を大きく上回った。

外国人の証券投資資金は、1月の23億9000万ドルの純流入から2月に純流出へ転じ、その後3月には大規模な資金流出につながった。1~3月の累計純流出額は419億2000万ドルに達する。昨年の年間純流入額(420億6000万ドル)に匹敵し、1年間で積み上がった外国人資金がわずか3カ月でほぼすべて流出したことを意味する。

外国人は3月の1カ月間だけで株式市場で297億8000万ドル分を売却した。1~2月の株式市場の急騰後、調整への懸念が高まる中で、中東戦争により外国人の投資心理が大きく冷え込んだことが背景だ。今年に入り株式資金は3カ月連続で純流出となり、この期間だけで433億3000万ドルが流出した。

それまで6カ月間、純流入が続いていた債券資金は、先月67億7000万ドルの純流出へと転じた。国債の満期償還や裁定取引の誘因が急減した影響だ。裁定取引の誘因とは、外国人投資家が為替ヘッジ(為替損失の防止)コストを考慮しても追加で得られる収益を意味する。韓国銀行の関係者は「最近の為替レートの上昇(ウォン安)は、国際原油価格の上昇と外国人による株式の純売りが複合的に作用した結果とみられる」と分析した。

ニュースは以上。

注目すべきポイントは外国人が韓国株を売り出したのは2月であり、イラン戦争が始まってもいない時期であること。つまり、外国人はイラン戦争という大きなイベント関係なく、半導体株を利確に動いていたことになる。それを個人投資家が必死に支えてきた。しかし、イラン戦争後は凄まじい売り浴びせに個人投資家も撤退を余儀なくされていく。

そもそもウォンが1500到達して大規模介入しても押し戻せない。イラン戦争の停戦合意でウォンは1480付近まで戻ってきたが、実際、これは停戦が織り込まれてるので、ここからウォンの爆上げも期待できない。

じゃあ、ウォンを上げる材料はないのか。そこに登場するのが米CPIである。イラン戦争で忘れていたと思うが、米CPIが出てきた。これを見ておこう。

記事を引用しよう。

(ブルームバーグ): 3月の米消費者インフレは前月比で、2022年6月以来、約4年ぶりの大幅上昇となった。イランとの戦争でガソリン価格が急騰したことが背景にある。

キーポイント

消費者物価指数(CPI)は前月比0.9%上昇-市場予想も0.9%上昇。前年同月比では3.3%上昇-予想3.4%上昇。2024年以来の高い伸び食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.2%上昇-市場予想は0.3%上昇。前月は0.2%上昇。前年同月比では2.6%上昇-予想2.7%上昇

発表元の米労働統計局によると、ガソリン価格の記録的な上昇が月次の伸びの約4分の3を占めた。

中東での戦争が米経済に急速に影響を及ぼし、近年多くの家計が直面してきたアフォーダビリティー(暮らし向き)の問題を一段と悪化させている。米国ではすでにガソリン価格の上昇が実感されており、デルタ航空や郵政公社などのサービス提供企業も今後の値上げを表明している。

米国とイランの停戦が維持され、紛争が速やかに解決したとしても、原油生産が正常化する過程でコスト上昇は当面続く可能性が高いとエコノミストはみている。

エネルギー価格の上昇にとどまらず、肥料供給の混乱はいずれ食料品価格の上昇につながると見込まれるほか、輸送コストの上昇も幅広い消費財に影響を及ぼす可能性がある。

ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏はリポートで、「先行きについては、4月の総合CPIも同程度の上昇になると見込んでいる」と指摘。「戦争終結に向けた長期的な合意が成立し、ホルムズ海峡が完全に再開されたとしても、原油やガソリン、ディーゼルなどの供給が戦前の水準に戻るまでには数カ月を要するだろう」と述べた。

S&P500種株価指数は上昇して始まり、ドルは下落した。

財とサービス

ガソリン価格は21%上昇したものの、エネルギー以外の消費者物価は比較的落ち着いた動きとなった。食品とエネルギーを除くコア財価格は2カ月連続で前月比0.1%上昇と、小幅な伸びにとどまった。これは、トランプ大統領の関税の影響を見極める上で、エコノミストや政策当局が注視している指標だ。中古車価格は4カ月連続で下落した。

食料品価格は肉類や乳製品、卵の価格下落を受けて0.2%低下した。ブルームバーグ・エコノミクスは、肥料価格の上昇がCPIに影響を及ぼすまでに最長で1年程度かかる可能性があると試算している。

エネルギーを除くサービス価格は3月に0.2%上昇した。航空運賃は2.7%上昇。戦争によりジェット燃料のコストが上昇する中、一段の値上がり前に価格を確定しようとする顧客の動きが広がっている。ユナイテッド航空ホールディングスは最近、石油ショックを受けて運賃を最大20%引き上げる可能性があると警告した。

ブルームバーグ・エコノミクスのトロイ・デュリー氏はリポートで「財価格の上昇が加速するシナリオでも、サービス価格の落ち着きが続けば、米連邦準備制度理事会(FRB)は石油ショックの影響を一時的なものとして見過ごす可能性が高い。

特に来年初めにはベース効果により前年比の伸びが大きく抑制される見込みだ。FRBが2026年第4四半期まで金利を据え置き、その後に労働市場を支えるために0.5ポイント引き下げると予想している」と指摘した。

FRBが注視する、住宅とエネルギーを除いた別のサービス指標も0.2%上昇と、年初来で最も緩やかな伸びとなった。指数の中で最大の構成比を占める住居費は0.3%上昇した。

医療サービス価格はほぼ変わらず。一方、理髪などを含む「その他の個人サービス」は過去最大の下落となった。スポーツイベントの入場料は10%余り低下した。

FRB当局者は、石油ショックや戦争全般が物価に与える影響を注視している。先物市場の動向によると、インフレ再燃への懸念から、2026年に追加利下げが実施される可能性は低いとみられているが、多くのエコノミストは年内に1回以上の利下げをなお予想している。

賃金の伸びが経済の主な原動力である消費支出の見通しを判断する手掛かりとなるため、金融当局は賃金動向にも注目している。別に発表された実質平均時給は前年同月比でわずか0.3%の上昇にとどまり、2023年以来の低い伸びとなった。

エコノミストは物価上昇と労働市場の弱さが消費支出の重しになるとの見方から、今年の成長見通しを引き下げている。9日に発表された2月の個人消費支出(PCE)は実質ベースで前月比わずかな増加にとどまり、需要の低迷が続いていることが改めて示された。

ニュースは以上。

ホルムズ海峡をほとんど使わない米国ですら、原油価格高騰により、ガソリンや航空機など燃料価格の高騰でCPIは上昇している。当然、これが続けば利下げするのは難しくなるので、据え置きとなる。しかも、今回の停戦合意が上手く言っても、それが反映されるのは数ヶ月後。

こちらは年内の1回の利下げも難しいんじゃないかと。そもそも戦争終わるとも限らないいしな。だから、韓国ウォンにとっては上げる材料は見当たりません。引き続き1480ウォン付近で足掻くだけとなる。