韓国、原油供給不足の長期化で「7月危機説」が浮上…政府「備蓄石油の放出など対処」

ここからは韓国経済の話題だ。

こちらは韓国は5月末に原油備蓄が切れていよいよ終わりが見えてくると述べていたが、どうやら韓国では「7月危機説」が浮上しているようだ。政府は備蓄石油放出?ええ?2億4000万確保したんじゃないの?

確保したといっても韓国のタンクにあるわけない。だって年末に届く予定だもんな。

記事を引用しよう。

米国とイランの停戦交渉が最終段階まで進展せず、原油の供給不安に伴う「7月危機説」が広がっている。世界最大の原油輸送路であるホルムズ海峡の封鎖が予想以上に長引く可能性があるからだ。韓国政府と石油精製業界は中東以外の地域からの代替供給量を模索しつつ、緊急時の備蓄石油の活用策を検討している。

7月危機説は、主要産油国であるクウェートが供給の「不可抗力」を突如宣言したことから表面化し始めた。ホルムズ海峡の封鎖でタンカーの運航が止まったため、クウェートは契約量の供給が不可能だと公式に宣言した。

クウェートは韓国の原油輸入の約8.7%(昨年基準で5位)を占める重要な調達先であったため、韓国国内の供給に支障が出る懸念が高まっている。さらに、米国とイランの停戦交渉が期待に反して長期的な膠着状態に陥ると予想され、供給不安が当面続くという悲観的見通しが勢いを増している。

石油精製業界の関係者は「今月、原油の『供給の崖』に直面した石油精製会社は代替供給先を探し、政府との備蓄油スワップなどを通じて5・6月までは安定した供給量を確保したが、封鎖が長期化すれば7月から再び供給先確保競争が起こり得る」と述べ、「競争が激化することで、7月物の価格が大幅に上昇する可能性もある」との見通しを示した。

政府は徹底した事前準備で事態の悪化を阻止するという姿勢を示している。国際エネルギー機関(IEA)が放出することを決議した備蓄油2246万バレルと、韓国のカン・フンシク大統領秘書官がサウジアラビアなど4地域から年末までに供給を受けることで合意した2億7300万バレルを活用すれば、市場が懸念するような極端な供給の崖は生じないというのが、政府の基本的見解だ。

産業通商部産業資源安全室長のヤン・ギウク氏は、「5月分で確保した量は7000万バレルを超え、例年の80%以上の水準で安定的に確保できている」と述べ、「備蓄油の放出に関する裁量権もあるため、市場の状況やタイミングに合わせて適切に対応する方針だ」と明らかにした。

ニュースは以上。

すでに車両規制とか。効果あるかわからないエネルギー節制している韓国が安定した備蓄とはなんだよ。安定しているならさっさと規制を緩和すればいいじゃないか。そもそも足りてないから規制しているんですよね。安定したとか述べてるが、石油製品は爆上がり、物価上昇もドンドンあがっている。どう考えても足りてませんが。

7月危機説がこんなに早く出るとか思わなかったが、これはわりと信憑性が高い。そもそも2億7000万バレル確保した韓国政府の主張がもの凄く怪しい。

そもそも原油備蓄スワップがよくわからんよな。それで、ネットでわかりやすい原油備蓄スワップを解説してもらった。

韓国が言う「原油備蓄スワップ」とは、
“政府の備蓄原油を製油会社に一時的に貸し出し、後で同量の原油を返させる”
という 「先渡し・後返し」方式の在庫融通制度 です。
備蓄を減らさずに供給空白だけ埋めるための“時間調整メカニズム” と理解するのが最も正確です。

以下、専門家向けに構造を整理します。

🇰🇷 原油備蓄スワップの本質(専門家向けに要点だけ)

  1. “放出”ではなく“貸与”である(在庫は帳簿上減らない)
    朝鮮日報・中央日報によれば、韓国政府は 備蓄原油を製油所に貸し出し、後日返却を受ける方式 を導入したと説明しています。

製油会社が海外で確保した代替原油の 船積書(B/L)を提出

政府が備蓄原油を 即時貸与

後日、代替原油が韓国に到着したら 同量を返却

つまり、IEA協調放出のように備蓄を消費するのではなく、帳簿上の備蓄量を維持したまま供給ギャップだけ埋める。

  1. 目的は“物流タイムラグ”の解消
    中央日報は、ホルムズ海峡封鎖で中東原油が届かず、

米国産:到着まで約50日

中東産:20日

豪州産:14日


という タイムラグ が発生していると指摘。
この空白を埋めるための制度がスワップであると説明しています。

  1. 制度の仕組み(構造化)
    ① 製油会社が代替原油を確保(米州・アフリカなど)
    → 船積書を政府に提出

② 政府(韓国石油公社)が備蓄原油を貸与
→ 企業は即座に精製を継続できる

③ 代替原油が到着したら政府に返却
→ 備蓄は帳簿上“元の量”に戻る

④ 油種が違う場合は価格差を精算
(中東産を借りて米国産で返す場合など)

  1. 韓国政府がこの方式を選んだ理由
    ① 備蓄を“消費”すると危機が長期化した時に詰む
    → スワップなら帳簿上の備蓄は維持される

② 企業に“自力調達”のインセンティブを残せる
Money1の分析でも、

単純放出だと企業が自力調達を怠る
と指摘されている。

③ IEAルール上も“放出”扱いにならない
→ 国際協調放出枠を温存できる

  1. 実際の運用状況
    4〜5月に優先運用

製油会社4社が申請、2000万バレル超

巨済備蓄基地で貸与作業が進行

専門家向けの解釈:これは“在庫の時間的アービトラージ”
あなたのような韓国経済の専門家に最も分かりやすく言うなら、
これは「在庫の時間的アービトラージ(time arbitrage)」です。

空白期間(t0〜t1):備蓄を貸して埋める

代替原油到着(t1):返却される

備蓄量はネットゼロ

つまり、“時間だけ前倒しして使う” 仕組み。

金融で言えば、

原油のレポ取引(貸借)

在庫の先渡し契約
に近い。

🧭 まとめ(最短版)


備蓄原油スワップ=政府備蓄の“先渡し・後返し”制度

目的=ホルムズ封鎖で生じた供給タイムラグの解消

備蓄を消費しないため、危機長期化に備えられる

企業の自力調達インセンティブも維持できる。

このように解説してもらったのだが、わかっただろうか。つまり、石油会社が原油確保したら、それが届く前に韓国政府が備蓄分を渡すことのようだ。そして、備蓄分を石油会社が精製できる。それで、実際は原油が届いたらそれを韓国政府に提供する。

確かにこの方法だと石油会社は素早く原油を手に入れて精製できるメリットがある。帳簿上でも政府と石油会社の備蓄を「交換」するだけなので減らない。でも、それはあくまでも調達した原油が届いたらの話だ。

しかも、石油会社は韓国政府に返せば精製する備蓄がないので、またどこからか調達することになる。でも、それができなくなれば備蓄はさらに減ることになる。

そして、この石油備蓄スワップ制度は欠陥だらけじゃないかと突っ込むしかない。それについては時間あるときに詳しく解説しよう。