韓国野党議員「IMFが韓国に2度の警告状」…「政府は何をしているのか」

ここからは韓国経済の話題だ。

今回の話題はわりと専門的なのだが、今後の韓国経済危機における重要な核心を突いている必須記事といっていい。これかなり解説しないといけないところが多くてどうしようか迷っているんだが。

とりあえず記事を引用しよう。

韓国最大野党“国民の力”のユン・サンヒョン(尹相現)議員は「IMF(国際通貨基金)が、韓国に2度の警告状を送った」とし「一つは金融、もう一つは財政だ。これは決して軽く見過ごすことはできない」と指摘した。

ユン議員は26日、フェイスブックを通じて「今月14日に発表されたIMFグローバル金融安定報告書(GFSR)には、主要国銀行の海外非銀行部門(NBFI)へのエクスポージャー(リスク露出額)のネットワーク地図が盛り込まれている」とし「保険会社・年金基金・ヘッジファンド・プライベートデットファンドなど、いわゆるシャドーバンキングの不良がどの国の金融システムに波及し得るかを示した分析だ」と説明した。

つづけて「そのネットワーク地図において、新興国の中で韓国が事実上唯一、米国・英国・日本・ドイツ・フランスなどの主要先進国たちとともに表示された。これは決して喜ばしい位置ではない」とし「韓国の金融機関の海外プライベートデットファンドへのエクスポージャーは、約60兆ウォン(約6兆4733億円)規模とされている」と明らかにした。

また「問題は金融だけではない」とし「IMFは同月の財政モニター報告書でも、韓国とベルギーの債務比率が大幅に増加すると見通した。今後5年間に韓国のGDP対比一般政府債務の増加幅も、主要な非基軸通貨先進国の中で高い水準になると示した」と説明した。

つづけて「金融は揺らぎ、財政は弱まっている。外部からショックを受けた時、国を守るべき2つの盾が同時に力を失っているということだ」とし「政府は何をしているのか」と批判した。

ニュースは以上。

後半の部分については既に先日に取り上げた。問題は上のシャドーバンキングの不良てやつだ。韓国の金融機関の海外プライベートデットファンドへのエクスポージャーは、約60兆ウォン(約6兆4733億円)規模だと。

なんか、最近どこかできいたことあるよな。なんかプライベートクレジットが金融爆弾として騒がれてるけど、リスクの顕在化はしてないとか。

プライベートデットファンド(以下、PDF)とは、主に非上場企業に対して投資家から集めた資金を直接貸し出し、利息収入を得る形で運用されるファンドのことだ。

つまり、上場していない主に中堅・中小企業向けの融資をしている。これは銀行の金融規制が強化されて条件が厳しくなり、いわゆる貸し渋りというものが発生して、非上場企業などはファンドに頼るようになったと。

それで、融資を受けた企業は、決められた期間内に元本と利息を返済する。これらの一部を投資家にファンドが還元するわけだ。これは日本の話なんだが、プライベートデットファンドが扱う商品は年利7〜11%程度のリターンを目指すものが多いようだ。

日本の金利は0.45%。三菱UFJの米国債債券でも利回り5%程度である。だから、明らかに年利が高すぎる。これは銀行を通さないためだ。当然、貸し渋りで断られた企業に融資するのだから、リスクプレミアムは高くなる。

それで、韓国のPDFについ手見ていくが日本と大きく異なる。それが主に3つだ。

不動産プロジェクトファイナンス(PF)ローン

中小企業向けメザニン・ブリッジローン

ハイイールド債の代替としての私募ローン

なんかいきなり3つも専用用語が出てきたと思うかもしれないが、実はこれも全部、過去に解説してある。不動産PFは韓国経済がかなり詳しくやった。中小企業向けのメザニン・ブリッジローン。ブリッジというの橋たわし、つなぎ融資といった内容で解説したのを覚えてるだろう。

それで、メザニンというのはローンと株式の中間的な資金調達手段を意味する。だから、返済順位が低い。つまり劣後てやつだ。さらに担保がない場合が多い。企業の財務弱くて銀行で融資を受けられないときにも利用できる。もちろん、金利は高い。韓国では10~18%である。

それで中小企業向けのメザニンについて解説しておこう。さっき解説したとおり、銀行から融資を拒否された中小企業に、証券会社・私募ファンド・貯蓄銀行が高利で貸す“準エクイティ”資金である。

だから、なんで直ぐに新しい専門用語を出すと思うかもしれないが、エクイティとは、企業が株式等の形で出資を受け、資本を増強する資金調達手法のこと。つまり、出資した投資家に返済義務がない。ええ?じゃあ、返済しなくてもいいの?と思うかもしれないが、代わりに株式などを渡す。

それらを主に使ってるのは凄まじい不況で資金繰りが厳しい、自営業、中小建設、不動産開発会社、赤字企業となる。つまり、これがIMFが警告しているシャドーバンキングの中心。ようするに不動産と中小企業の高利貸しである。金利も最大20%というのは消費者金融と変わらないしな。

それで、なぜ中小企業向けのメザニン・ブリッジローンは危険なのか。

簡単に言えば信用がないんだよ。そりゃ銀行から融資を拒否される企業の行き着く先だから。だから、自己資本が低い。そして、多くは不動産担保に依存している。だから、不動産価格の下落で即アウトとなる。

そして、これらの商品を引き受けてるのが証券会社である。つまり、個人投資家が大量に買っている。だから不動産暴落時には一斉に解約されて、ファンドが投げ売りして市場崩壊する恐れがある。いわゆる銀行の取り付け騒ぎみたいなことがおこると。

まとめるとこうなる。

韓国の中小企業向けメザニン・ブリッジローンは、不動産PFや資金繰りに苦しむ中小企業への“高利短期ローン”として機能している。金利は10〜20%と高く、返済原資が不動産価格に依存するため、景気悪化時には連鎖破綻が起きやすい。この領域こそが、IMFが韓国に2度警告した“影の銀行”の核心部分である。

そして、PDFの3つを合計した規模が約60兆ウォン(約6兆4733億円)規模とされており、これが焦げ付いたら、韓国にとって極めて深刻な金融危機を引き起こすと。

韓国のプライベートデットファンドは、不動産PFと中小企業向け高利ローンに偏った“影の銀行”となる。利回りは8〜20%と高いが、その裏側にはレバレッジ、流動性不足、個人投資家の大量参加というシステミックリスクが潜んでおり、IMFが韓国に2度警告した理由もここにある。

以上の解説でわかっただろうか。上の記事をわかりやすく解説したらこうなる。

超簡単にイメージしてもらうとなれば、用は建設だよ。足場が凸凹の場所に整備もしないで、とにかく家を建てる。その家はなんとか完成したが、足場が脆いのでいつ崩壊するかわからない。しかも、その不動産を売るときに二重取引までする。

信用がない商品を証券化してそれを混ぜて売り出すと何処にリスクが潜んでるかはわからない。だから、プライベートクレジットは危険なのだよ。このように以前に解説した話に戻るわけだ。プライベートクレジットはどこから出てきたのか?

そもそも、プライベートデットファンドがプライベートクレジットの一部だったりする。プライベートクレジットは非公開市場での債権投資全般を指す広い概念である。

それで、こちらのプライベートクレジットの規模についての考察を述べておこう。

韓国のプライベートクレジット市場は、表に出るプライベートデットファンドだけで70〜90兆ウォンだが、証券会社の保証、貯蓄銀行の高利貸付、私募債、P2Pローンまで含めると、総規模は180〜220兆ウォン(GDPの7〜9%)に達する。その大半が不動産PFと中小企業に偏っており、韓国経済にとって極めて脆弱なレバレッジ構造となっている。

つまり、こちらは約10%程度ぐらいはあるとみている。さすがにこれについては推察なので、実際はわからないが、そのうち答え合わせできるとおもう。