潜在成長率1.71%、半導体好況27年上期まで

ここからは韓国経済の話題だ。

直近では韓国経済の懸念事項はイラン戦争とサムスン電子のストライキの二つに絞れるのだが、今日のニュースで中々、面白い予想が出てきた。それは韓国の経済成長率がまた落ちるてことだ。ええ?半導体が好調で今年は2%越えるとかいってなかった?

確かに成長率は半導体が好調で押し上げられるのだが、潜在成長率というのはそう簡単に変わらない。潜在成長率を軽く復習しておこうか。今日の話題で重要な要素であるため。

それで、潜在成長率とは「国の本来の成長力」 を示す指標である。いうなれば国の未来を示す道標といっていい。潜在成長率は労働力、資本、生産性の3つで決まる。つまり、この3つの合計が高い場合、潜在成長率も高くなる。

そして、この3つが低下していけば、お馴染みの「低成長の罠」に陥るわけだ。こちらは韓国はすでにこの低成長の罠から抜け出すことは不可能だとみている。なぜなら、潜在成長率が上がらないからだ。

確かに半導体好調で韓国の成長率は輸出増大で増えたりはすることは過去に何度もあるが、それはあくまでも短期であって、潜在成長率という中長期的な指標には何の改善も見られない。

国の未来を決める指標と述べたが、ここが落ちていく一方ということは、ひたすら坂から転がり落ちてるようなものなのだ。

まずは、これぐらいでいいか。

では、記事を引用しよう。

経済協力開発機構(OECD)によると、韓国の中長期的な経済の実力を示す潜在成長率が、2027年に1%台半ばまで低下する見通しだ。半導体好況が薄れる27年下半期からは、高齢化に伴う財政支出の急増により低成長局面に突入するとされる。

OECDは、韓国の潜在成長率が25年の1.92%から今年は1.71%に下がり、27年には1.57%まで落ち込むと予測した。潜在成長率は12年の3.63%をピークに、15年連続で低下することになる。韓国銀行(中央銀行)が25~29年の潜在成長率を1.8%前後と見込んでいるが、OECDの見通しはこれを下回る。

背景には、構造的な人口減少と生産性の停滞がある。生産可能人口は21年を境に減少に転じており、人工知能(AI)を活用した生産性向上もまだ本格化していない。韓国銀行は、最近成長をけん引している半導体の好況が27年上半期までに限られるとの見方を示している。AIクラウド需要が減少すれば、半導体メモリーの輸出に依存する韓国経済は下押し圧力を受けるとみられる。

高齢化に伴う財政負担が急速に増加していることも問題だ。国際通貨基金(IMF)によると、韓国の年金支出は25~30年に国内総生産(GDP)比0.7%増加し、主要20カ国・地域(G20)の中で最も高い伸び率を記録する見込みだ。米国の0.5%やドイツの0.3%、日本の0.2%よりも高く、成長基盤が弱まる状況で福祉支出だけが急速に増大する懸念が高まっている。

ニュースは以上。

それで、ここで潜在成長率2%以下がなぜ駄目なのかを解説しておく。以前に解説したと思うのだが、こういうのは何度も聞いてたら自然に覚えるものである。

まず、2%の意味についてだ。これは先進国の長期停滞ラインである。いうなればウォンニャスでよく出てくる「マジノ線」である。

例えば、日本の場合、潜在成長率を割ったのが1990年代なのだが、そこから失われた30年。デフレ時代に突入した。欧州でも潜在成長率が2%以下となり、長期に停滞している。韓国の場合も25年の1.92%~下がっており、すでに2%ラインを割っている。

2%ラインを割ると、税収が伸びなくなる。そりゃ、成長のエンジンが止まってるのだから、企業は稼げない。さらに高齢化に伴い社会保障費が増加する。すると財政赤字が拡大するわけだ。しかも、李在明が票欲しさにばらまきして借金を倍増させている。

そして、労働力の低下は企業の設備投資にも大きく影響する。つまり、国内市場が衰退すれば、企業は海外に移転していくわけだ。

だから、これら3つは基本的に一つが落ちると、全て落ちるという悪循環に見舞われる。例えば、労働力がなくなると生産性が減るので、企業は設備投資を減らす。すると雇用も減るので生産性がさらに低下する。

しかも、ここでAIの登場で、若者の雇用が、なんだっけ。キオスクだったかに奪われている。タッチスクリーン式のスタンドアロン型デジタルシステムとか。なげえよ。用はタッチパネル式の自動決済マシン。既に日本でも色んな種類がある。一番わかりやすいのはチェーン店で食券を買うときに使う自販機である。

このような技術的なものを人件費削減に導入すると雇用が減るので、ますます労働力や購買力が落ちていく。若者の生活が苦しければ結婚どころではなくなる。子供が産まれにくいので人口がますます減る。

いやいや、韓国には半導体があるからケンチャナヨ!と思いたい人がいるかは知らないが、逆に言えば半導体しかないんだ。半導体一本足打法なんだ。だから、これもリスクに繋がる。

韓国の潜在成長率は1.5〜1.7%とあったが、 実際の成長率は半導体市況で乱高下するのは見ての通りだ。つまり、半導体で成長率そのものが大きく変わる。

  • 半導体好況 → 実質成長率が一時的に高く見える
  • 半導体不況 → 成長率が急落

潜在成長率が低い国は、 外部ショックに耐える力が弱い。

それで、記事にあるとおり、韓国銀行が半導体好況は2027年上期までとある。

つまり、 潜在成長率が低い状態で半導体バブルが終われば、低成長は加速。もう這い上がる手段がないてこと。

専門家的に何が言いたいかというと、2027年が韓国経済における最重要分岐点となる。

イラン戦争の行方やサムスン電子のストなどの危機要素はあるにしても、仮にそれを乗り越えた場合でも、韓国の潜在成長率は下がり続けるので、半導体ブーストが切れたときこそ、最悪の韓国経済が浮かび上がる。もちろん、抗う術はない。

潜在成長率が改善しない限りが低成長の罠から抜け出せない。泥沼にはまった韓国経済の行き着く先は底なしの沼にただ落ち続けて最後は終わりを迎える。それは経済破綻とか。ダイナミックな流れではない。安らかな死である。