こちらのサイトやYOUTUBEの視聴者さんは、銀河英雄伝説について知っている人もいると思うし、たまにこちらもネタとして取り上げるのだが、今回はまず、ラインハルトとキルヒアイスのエピソードをふりかえろう。
彼らは腐敗した帝国貴族が我が物顔に庶民を搾取する圧政、大金で皇帝に買われた姉を救うためや帝国を打倒するため、二人は軍人の道を決意するのだが、それよりも前だ。今回は二人が幼少期の頃に、ラインハルトがクラスのいじめっ子に足を引っかけられそうになr、そこでどいてくれないかと相手に逆らう姿勢を示したことで、いじめの対象として目を付けられるという話だ。
ここでの解決方法は凄い。なんとラインハルトはいじめっ子の頭を大きな石で殴りつけた。子供がいきなり鈍器で殴ったのだ。これによっていじめっ子はラインハルトをいじめなくなったと。
この話の重要性はラインハルトそのものは近づかなければ何もしないタイプだが、わざわざ嫌がらせや、刃向かった相手に対して、それを倍返しにするてことだ。そして、鈍器で殴りつけるぐらいだから、仕返しに何をしでかすかわからない。
まさに現実において「何をしでかすかわからない」というのが実は一番怖い。相手の行動を予測できないからだ。そして、多くの人間はトランプさんを信用してない。どうせ嘘だろうと思うだろう。でも、彼は何をしでかすかわからないので、じゃあ、そんなことはあり得ないと100%断定できるだろうか。
そして、これこそがゲーム理論なのである。交渉においてゲーム理論というのは有効的なことがわかっている。ただ、ゲーム理論って何だという人もいると思うのでネットできいておこう。最初に断っておくがゲームとついてるから、テレビゲームの理論というわけじゃない。ちゃんと研究がされている理論である。
ゲーム理論の核心は 「相手も自分と同じように考えて行動する」状況で、最適な選択を見つけるための理論 です。
一言でいうと:ゲーム理論とは?
相手の行動を予測しながら、自分の利益を最大化するための“戦略の科学” です。
🧩 ゲーム理論の基本構造(これだけ押さえればOK)
- プレイヤー(誰が意思決定するか)
例:あなたと相手、企業Aと企業B、国Aと国B など。
- 戦略(どんな選択肢があるか)
例:値下げする/しない、攻撃する/しない、協力する/裏切る。
- 利得(選んだ結果、何を得るか)
例:利益が増える、損をする、評判が上がる、制裁を受ける。
ゲーム理論のキーワード:ナッシュ均衡
「お互いが戦略を変えても、誰も得をしない状態」
これがゲーム理論で最も重要な概念です。
例:
企業Aと企業Bがどちらも値下げしない → どちらも利益最大
片方だけ値下げすると、値下げした側が勝つ
しかし両方が値下げすると共倒れ
結果として、
「相手も値下げしないと信じられるなら、自分も値下げしない」
これがナッシュ均衡。
最も有名な例:囚人のジレンマ
2人の囚人が「黙秘するか」「自白するか」を選ぶ。
あなた \ 相手 黙秘 自白
黙秘 どちらも軽い刑 あなただけ重い刑
自白 あなたは軽い刑 どちらも重い刑
合理的に考えると、
自白(裏切り)が最適戦略
→ しかし結果は「どちらも重い刑」という最悪の結末。
合理的に行動した結果、非合理な結末になる
これがゲーム理論の面白さ。
🌍 現実世界での応用例
- 価格競争(企業戦略)
値下げ vs 値下げ
広告費を増やす vs 増やす
→ 囚人のジレンマが頻発
- 中央銀行の政策
金利を上げる/据え置く
他国の政策を見ながら判断する → 典型的な戦略ゲーム
- 国際政治(抑止・軍拡競争)
核兵器を持つ/持たない
相手の行動を見て最適戦略を選ぶ
- OPECの減産協調
協調して減産する → 価格維持
裏切って増産する → 自国だけ得
→ 囚人のジレンマそのもの
🎮 ゲーム理論が教えてくれる本質
相手の行動を読むことが重要
最適解は「相手も合理的」と仮定して導く
協力が最適でも、裏切りが合理的になることがある
制度設計(ルール作り)が結果を大きく変える。
以上がゲーム理論についてだ。そして、交渉においてわりと重要になってくる。特に外交や販売戦略においてゲーム理論というのはフルに発揮される。
そして、トランプさんは世界で最も読めない相手の一人である。言動や行動がバラバラであり、昨日言ったことと、真逆のことを述べていることも少なくない。だから、彼は信用できないとヤフコメのお花畑連中はいつもいっている。でも、外交において信用するか、しないかなんて、ただの選択肢の一つに過ぎない。
大抵の交渉とはどちらにも対応出来るように手を打つんだよ。これは企業だってそうだ。プランAで交渉して、相手が拒否したら、だったらプランBならどうだと説明するわけだ。会社に新商品を提案するときもそうだ。別に商品一つに絞る必要はない。数撃てば当たるというのは運任せのように聞こえるが、実際、相手がどう思うかなんて100%読めないのだから。実際、それが正しい戦略になることだってある。
こちらはサイトやYOUTUBEで記事更新して、動画を造るときに、これは評判いいだろうと思った記事の再生数があまり伸びないことだって良くある。その時に考えるわけだ。この方向性はあまり上手く言ってない。じゃあ、次はこうしようと。
まあ、実際のところ執筆スタイルは毎回、変わらないので、こちらが上手くいかなくて改善するとしたら、記事のタイトルとサムネイルがほとんどだ。
少し話は脱線してきたが、交渉において何をしでかすかわからない。これが非常に有効である。それが説明してきたゲーム理論である。
では、記事を引用しよう。
連日、イラン情勢に関する様々な報道や解説が出ているが、あまりゲーム理論的な解説をしている記事や動画を見ない。ゲーム理論は、核抑止力の研究で広く採用されているし、国際政治の分野でも重要で、ノーベル経済学賞受賞者でゲーム理論の専門家のジョン・ナッシュとトーマス・シェリングは、一時ランド研究所で冷戦の様々な対立を分析していた。そこで本稿では、簡単なゲーム理論のコンセプトから、現状を分析してみたいと思う。
ゲーム理論を用いれば、国際政治では、理性的で慎重な指導者が常に有利とは限らない。むしろ、相手から「この人は本当にやるかもしれない」と思われる指導者の方が、危険ではあるが、短期的な交渉では強い立場に立つことがある。トランプ大統領の対イラン姿勢は、その典型例として読める。
重要なのは「相手がどう信じるか」
米国とイスラエルによる対イラン攻撃は、2026年2月28日に始まり、初期段階からイランのミサイル、防空、軍事インフラ、指導部を標的にした大規模作戦となった。
報道によれば、トランプ氏はホルムズ海峡の再開を迫る文脈で、イランの発電所への攻撃を示唆したり、一つの文明を終わらせると発言し核兵器使用もちらつかせたりした。発電所への攻撃は人道的な観点から戦争犯罪とされ、通常は実行されないものだ。ましてや核兵器はウクライナ戦争で発電所を攻撃したロシアでさえ、現在までに使用していない。それほど“使えない”カードなのである。
ここで重要なのは、トランプ氏が実際に発電所攻撃や核兵器使用を決断するかどうかを、本人以外は知ることができない、という点である。しかしゲーム理論では、「本当の確率」だけでなく、「相手がどう信じるか」が決定的に重要になる。
ゲーム理論とは、複数の主体が互いの行動を読み合いながら意思決定する状況を分析する道具だ。つまり、相手が自分をどう見ているかまで含めて、戦略が決まる。
たとえば、イラン側が「米国は発電所攻撃をしないし、核も使用しない」と確信していれば、強硬姿勢を維持しやすい。ホルムズ海峡の封鎖、核協議の先送り、地域勢力との連携といったカードを使い、米国の国内政治や原油価格への圧力を強めることができる。
ところが、相手が「トランプは本当に発電所を攻撃するかもしれない。核施設周辺にも手を出すかもしれない。最悪の場合、通常の抑止の一線を越えるかもしれない」と考え始めると、計算は変わる。
特にイランにとって問題だったのが、トランプ氏が連日支離滅裂で朝令暮改のような投稿を続け、トランプ氏の精神状態を危惧する報道が米ニューヨーク・タイムズ紙から出るほどの状況であったという点だ。もし精神状態が普通でないならば、通常ではあり得ない行動をとることも、あり得ないことではなくなってくる。
その効果が最もはっきり見えたのが、2026年4月7日の出来事だった。
イランは「マキシミン戦略」に追い込まれた
トランプ氏は自身が関与するSNS「Truth Social」で、イランが合意しなければ「一つの文明が今夜死ぬ」といった趣旨の極端な表現を投稿した。これは通常の外交的圧力というより、相手に「本当に何をするか分からない」と思わせる種類の威嚇だった。
そしてその数時間後、米国とイランは2週間の停戦で合意した。イラン最高国家安全保障会議も停戦を受け入れ、パキスタンのイスラマバードで米国と交渉すると表明した。
もちろん、これだけで「トランプ氏の脅しが直接イランを屈服させた」と断定することはできない。パキスタンの仲介、ホルムズ海峡をめぐる国際圧力、原油価格の高騰、軍事的損耗など複数の要因があった。
しかしゲーム理論的に見れば、この時系列は重要である。イラン側は、通常なら「米国もそこまではしない」と読めるはずの行動を、低確率でも現実の選択肢として計算に入れざるを得なくなった。つまり、最大の利益を狙う戦略ではなく、最悪の破局を避けるいわゆる「マキシミン戦略」へと押し込まれた可能性がある。
イランにとって最も避けたいのは、交渉で少し譲ることではない。国家インフラの破壊、放射能リスク、体制の崩壊、地域戦争の拡大である。つまり、予測不能なトランプ氏の言動によって、選択肢の比較対象が「勝てるか負けるか」から、「最悪の破局を避けられるか」に移ったと考えることができる。
これがマキシミン戦略である。難しく聞こえるが、考え方は単純だ。いくつかの選択肢があるとき、それぞれについて「最悪の場合、どれほどひどい結果になるか」を考える。そして、その最悪の結果の中から、一番ましな選択肢を選ぶ。最大の利益を狙うのではなく、最悪の損失を最小化する。
日常の例で言えば、天気予報が外れるかもしれない日に、荷物になると分かっていて傘を持って行くようなものだ。晴れれば損だ。しかし、土砂降りでずぶ濡れになる最悪の事態は避けられる。
イランにとっての「傘」は、譲歩、停戦、核協議の再開、海峡問題での妥協かもしれない。どれも屈辱的に見えるが、発電所や核関連施設への攻撃という最悪シナリオよりはましだと判断されれば、合理的な選択になる。
「情緒不安定」も交渉上の武器に
このとき、トランプ氏の「情緒不安定に見える言動」は、交渉上の武器になる。普通の脅しは、相手に「どうせ実行しない」と読まれた瞬間に効力を失う。だが、予測不能な指導者の脅しは違う。
相手は「本気ではないだろう」と思っても、「万一本気だったら終わりだ」と考えざるを得ない。確率が5%でも、被害が国家壊滅級なら、期待損失はあまりに大きい。だから相手は、低確率の破局にも備える。
これは、交渉での「信頼性」の逆説である。穏健で合理的な指導者は、破滅的な行動を取らないと信じられる。だからこそ、その脅しは割り引かれる。一方で、怒り、衝動、誇示、報復心に動かされているように見える指導者は、危険すぎる。
だが、その危険さゆえに、相手の頭の中で脅しの実行確率が上がる。これは、以前トランプ関税におけるしっぺ返し戦略について書いた記事でも解説した「信憑性のある脅し」である。
短期の駆け引きだけを見れば、トランプ氏は有利な位置を得た可能性がある。つまり、トランプ氏の不安定さは、単なる欠点ではなく、相手の意思決定を保守化させる圧力として働いたかもしれない。
イランが勝ちを狙う戦略から、最悪を避けるマキシミン戦略へ移るなら、交渉の重心は米国側に傾く。トランプ氏は「合理的だから攻撃しない」と見られるのではなく、「非合理に見えるからこそ攻撃するかもしれない」と見られる。その恐怖が、譲歩を引き出す。
もちろん、これは道徳的にも安全保障的にも望ましい戦略ではない。むしろ最も危険な種類の交渉術である。
発電所や橋、核施設周辺への攻撃は、軍事目標と民間被害の境界を曖昧にし、国際人道法上の深刻な懸念を生む。核兵器使用などは一国のトップができる決定の中で最も悪魔的な行為であろう。
本当に相手がそうしたことをやってくると信じた場合、自己防衛のために先に攻撃をして事態がエスカレーションする危険性がある。もしイランが核を持っていたら、自分たちがやられる前にやる「キューバ危機」が本当に起きてしまっていたかもしれない。
イラン情勢はいまも先行きが不透明であるが、同時に中東だけではなく、今後、世界の至る所でトランプ流の脅しによる国家間交渉が展開されていくことも懸念される。いつかそうした「トランプ化した世界」で、どこかの国のトップが本当に核のボタンを押してしまうのではないか、ということを筆者は最も心配している。
ニュースは以上。
この記事を是非とも、ヤフコメのお花畑に読んでほしいところだが、まあ、興味ないだろうな。
ただ、こちらが突っ込みたいのはイランがやっているホルムズ海峡封鎖は核兵器使用と同レベルの悪魔的な行為だと思うんだが、むしろ、核兵器はその周囲だけだが、ホルムズ海峡封鎖は世界中に影響を与えている。
影響度でいえば、ホルムズ海峡封鎖の方が酷いんじゃないか。どうも世界は経済的な影響よりも、戦争みたいなインパクトがある方を重視するが、経済的な影響が与える影響の方が犠牲者が多い場合の方が多いんだよ。例えばリーマンショックとか。
このようにトランプさんの交渉術をゲーム理論に当てはめると、それはないだろうという選択肢をちらつかせることで相手を揺さぶる。何をしでかすかわからないというのはそういうことである。