サムスンバイオロジクスのストライキが2日目に突入、交渉は停滞

ここからは韓国経済の話題だ。

先月から、サムスン電子のストを注目していたわけだが、どうやら5月にはいってサムスンバイオロジクスでストライキが発生しているようだ。まさか、メーデーからストライキを始めたのかよ。

しかも、4000人の組合員のうち初日に2800人とか。これは7割もいるのか。

では、記事を引用しよう。

サムスンバイオロジクスは金曜日に労働組合による全面的なストライキの2日目に突入し、経営陣と労働者の間で重要な問題で依然として大きな対立が続いています。

サムスングループスープラエンタープライズ労働組合のサムスンバイオロジクス支部によると、労働組合は5月1日のレイバーデーに全面的なストライキを開始し、予定通り5月5日までストライキを継続する計画です。約4,000人の組合員のうち約2,800人が初日に参加しました。

ストライキは別々の集団行動なしに行われており、労働者は有給休暇を使い、休暇勤務を拒否することで実質的に操業を停止しています。組合は平均賃上げ14%と1人あたり3,000万ウォンのインセンティブ支払いを要求していますが、同社は支払い能力や将来の成長資金確保の必要性からこれらの要求を受け入れられないと述べています。

両者は昨年12月から3月にかけて13回の交渉を行いましたが、合意に至りませんでした。これはサムスンバイオロジクスが2011年に設立されて以来初めてのストライキです。

ストライキ初日、両陣営は争いの原因についての意見の相違を再確認しただけだった。同社は声明で「組合の要求は企業の人事や経営権に直接結びついており、会社にとって受け入れが難しく、交渉で共通点を見つけることが困難だった」と述べました。組合は「根本的な問題は組合の要求のレベルではなく、会社が組合員が1か月以上かけて受け入れられる提案を準備できなかったことだ」と反論しました。

両者は日曜日に中央地域雇用労働局の仲介のもと交渉を再開する予定だが、過去の交渉の実績を踏まえ、和解の見通しは不透明である。

一方、同社はストライキによる生産プロセスの混乱が少なくとも6400億ウォン(4億7千万ドル)の損失につながる可能性があると見積もっています。連続生産の性質上、プロセスが停止されるとタンパク質分解の可能性が生じ、製品全体を廃棄する必要があります。

4月28日から30日にかけての小規模な部分ストライキでは、原材料および副原材料の供給遅延により一部の工程が停止し、その期間だけで1,500億ウォン(1億1,000万ドル)の損失を推定しています。

ニュースは以上。

さすが李在明だな。黄色い封筒法の効果抜群じゃないか。しかも、有給消費なのでストライキしてても、会社は給料を出さないといけないとか。笑えるよな。

しかし、でも、サムスンバイオロジクストのストライキとか聞いたことないと思ったら初ストなのか。それで、6400億ウォンの損失か。日本円で640億円程度。けっこう、でかいよな。そりゃ、サムスン電子のストが数兆円とか比べたら微々たるものだが、普通に企業で数百億円の損失とかになれば会社吹き飛ぶぞ。

それで、サムスンバイオロジクスの年間売上を見ると。2025年が4兆5570億ウォン。営業利益が2兆692億ウォンと。かなりの成長産業のようだ。

今回のストライキの損失が6400億ウォンなら、営業利益の3割以上が吹き飛ぶな。

それでさらにここで、組合は平均賃上げ14%と1人あたり3,000万ウォンのインセンティブ支払いを要求してるので、これを会社側が支払った場合を考えると面白いことが見えてくる。

┌──────────────────────────────┐
│ サムスンバイオロジクス:追加コスト試算(図解) │
└──────────────────────────────┘

【前提】
・従業員数:4,000人
・組合要求:
├ 平均賃上げ 14%
└ インセンティブ 1人あたり 3,000万ウォン

──────────────────────────────
① インセンティブ支払いコスト
──────────────────────────────
3,000万ウォン × 4,000人
→ 1兆2,000億ウォン

(=約900億円)

──────────────────────────────
② 平均14%の賃上げコスト
──────────────────────────────
平均年収:1億ウォン と仮定

1億ウォン × 14% = 1,400万ウォン(1人あたり)
1,400万ウォン × 4,000人
→ 5,600億ウォン

(=約420億円)

──────────────────────────────
③ 追加コストの合計
──────────────────────────────
1兆2,000億ウォン
+ 5,600億ウォン
────────────────────
1兆7,600億ウォン

(=約1,320億円)

──────────────────────────────
④ 会社へのインパクト
──────────────────────────────
・年間営業利益:2兆ウォン
・追加コスト:1兆7,600億ウォン

→ 利益の約90%が消失
→ 経営構造が崩壊レベルの負担

計算式は上の通り、最終的な数値を出せば1兆7,600億ウォン(約1,300億円)となる。つまり、営業利益の9割が吹き飛ぶ。すげえ。ワロッタ。

それで賃上げすればずっとそれが続くので、会社側は半永久的に固定費となってしまう。つまり、この先、会社側はどれだけ利益を上げても9割持って行かれるんだよ。

そりゃ飲めるわけないじゃん。まさに合理的判断てやつだ。

それで、気になるのは上の図で平均賃金が1億ウォン仮定とある。

そんなにサムスンバイオロジテクスの社員は給料高いのかと思えば、実はこれも中央値らしい。ストライキに参加しているのは多くが技術職や専門職。具体的には製造技術者、品質管理(QC)、品質保証(QA)、エンジニア、研究開発(R&D)など。1億ウォン前後が標準的なレンジという。バイオ医薬品CDMOは高付加価値産業で給与が高いそうだ。

だから、この平均年収については高すぎるわけでも、低すぎるわけでもないと。