ここからは韓国経済の話題だ。
サムスン電子の大規模なストライキが約3週間後に予定されているのだが、中々、面白いことになってきている。それはサムスン内から発生する内部分裂だ。
前回、サムスン電子が中国から家電を撤退するという記事で、半導体がサムスン電子の利益9割超を稼いでることに触れたが、当然、半導体部門以外は非常に面白くないわけだ。それがSKハイニックスみたいに半導体だけで食べている企業と決定的に違うところ。
では、記事を引用しよう。
サムスン電子労働組合が予告している21日のストライキまで、3日現在であと3週間もない中、成果給をめぐる対立は経営と組合にとどまらず、企業内部全体や半導体エコシステム全般へと広がりつつある。
サムスン電子の労使は昨年12月から成果給問題をめぐって交渉をおこなってきたが、意見の相違は埋まっていない。サムスン電子労組共同闘争本部は「成果給上限制の廃止」と「成果給の算定基準の透明化」を求めている。年俸の50%と定められている超過利益成果給(OPI)の上限を撤廃するほか、経済的付加価値(EVA)を基準として算定されていた「暗黙の成果給」を明文化し、営業利益の15%としよう、というのが組合側の主張だ。
ライバル半導体メーカーのSKハイニックスが昨年9月に労使合意で基本給の1000%だった成果給の上限を廃止したことで、サムスン電子の労組はより強硬になっている。
同労組は、正当な報酬システムこそ半導体人材の流出の根本的な対策だと主張している。超企業労組サムスン電子支部のチェ・スンホ委員長は先月23日、京畿道平沢(ピョンテク)で行われた労組集会の後、「ハイニックスへ転職した人数は、ここ4カ月だけで200人を超える」、「人材流出を防げなければ、会社の競争力も維持が困難」だと語った。
いっぽう会社側は、先制的な設備投資や研究開発、株主への還元を含む半導体産業の変動性を考慮すると、営業利益のかなりの部分を労働者の成果給だけに配分するのは困難だ、との立場だ。
さらに、ハイニックスはメモリ専門メーカーであるのに対し、サムスン電子は半導体(DS)だけでなくスマートフォン、家電、ディスプレイなども生産しているという複合的な事業構造を持つため、成果配分方式にも違いが生じざるを得ないと主張している。
労組が半導体部門の組合員を重視して成果給を強く要求する中、組合内部でも論争が激化している。非半導体部門に所属する組合員を中心として組合への脱退届の提出が増えており、当初は一日平均100件未満だったものの徐々に増え、先月29日には1000件を超えたという。
第1四半期のサムスン電子の業績を見ると、半導体事業部門は53兆7000億ウォンという過去最高の営業利益を記録した一方、完成品(DX)部門の営業利益は3兆ウォンにとどまっている。
特に生活家電(DA)部門は、赤字が続く中、生産効率の低い海外拠点の閉鎖を推進している。業績に差があるため、労組は特定の事業部門のみを代表しているのではないかという職域間の対立が表面化しているかたちだ。
サムスン電子は生産用地、エネルギー、税制などの様々な公的支援と、数々の協力・下請け企業との協業を通じて韓国を代表する企業へと成長したという歴史があるため、成果給論争は企業の枠を超えて公的な論争へと拡大しつつある。
大統領直属の規制合理化委員会のパク・ヨンジン副委員長はこの日、フェイスブックに「なぜ(労組の)みなさんの交渉のテーブルでは協力会社、下請け業者、社内の非正規労働者に関する話がなされないのか」とし、「天文学的な利益をめぐって仲間うちで取り合いの宴や内輪揉めに没頭する姿は、率直に言って不快だ」と述べた。
キム・ジョングァン産業通商部長官も先月27日、「サムスン電子のストライキは想像すら難しい事態」だと異例にも指摘しており、労組は3日後に「国家経済を人質に取り、半導体労働者を悪魔化して世論を扇動している」と公開で反発している。
ニュースは以上。
この記事の凄いところは韓国のサムスン電子が半導体で稼げたのは生産用地、エネルギー、税制などの様々な公的支援があったため。成果給論争は企業の枠を超えて公的な論争へと拡大と書いてある。
平たく言えば、サムスン電子が稼いだ利益を国民に寄越せということだ。内部分裂も笑えるよな。半導体事業部門は53兆7000億ウォンで一方、完成品(DX)部門の営業利益は3兆ウォンだぜ。完成品部門なんて全員首でいいんじゃないか。
半導体部門だけが成果給を多く受け取るのは不公平とか、むしろ、部門ごとに利益計算しろよ。9割超稼いで給料もらえたのは誰のおかけだよ。半導体部門だろう。それ以外の部門なんて捨てればいいじゃないか。下請け企業、協力会社、非正規労働者?知るかよ。
でも、実際、このままサムスン電子が半導体部門を放置するなら、SKハイニックスに転職していくだろうな。もう200人こえてるそうだし。以前に述べたが半導体というのはやることは同じなので、サムスン電子の社員だろうが、SKハイニックスの社員だろうが、そこまで能力は変わらない。つまり、いくらでも配置転換できる。
社員は待遇の良い企業に転職するのは当たり前だよな。
それで、内部分裂についてもう少し詳しく解説すると、まず、半導体部門の人数は約7万人。DX部門の人数は約6万人となっている。さっきも見てきたが半導体部門が利益の95%ぐらい稼いでるので、DX部門はほとんど利益を出してないで、赤字部門も多い。
だから、半導体部門からすれば待遇面で同じにするなということだ。この主張は正しいだろう。だってあまりにも完成品の部門がお荷物なんだから。でも、彼らからすれば「半導体だけ優遇されるのは不公平」らしい。ええ?ゴミみたいな稼ぎしておいて、主張だけは一人前てやつだ。
ここまで稼ぎに差が出てしまうと、同じ会社だから同じ待遇なんてことは難しい。ただ、半導体部門が赤字の時は、DX部門の稼ぎでなんとかやってきたこともある。しかし、この先、DX部門が伸びるとは思えないよな。
ここから韓国経済の専門家として、サムスン電子のDX部門の代表であるスマホやテレビ、家電の現状を解説しよう。
というより、先日だったか。テレビはやりましたけどね。まず、中国勢に圧倒されてます。TCL・ハイセンス、シャオミが世界シェア急拡大している。しかも、サムスン電子の同規模性能を半額以下で販売してくる。つまり、低価格路線で勝負にならない。
サムスンに残されてるのは量がとれない「高級路線」である。でも、高級路線では数がさばけないので結局、利益がでない。だから、テレビは赤字である。
これを見る限りではテレビはいらないこ。縮小の対象である。
じゃあ、家電はどうなんですか。まあ、テレビも家電なので、家電も似たような状況だ。美的・海信・海爾辺りにシェアを持って行かれてる。つまり、中国勢に技術で追いつかれて、大量生産、低価格販売でシェアを奪われていった。
だから、家電もいらない。リストラ対象である。
じゃあ、スマホはどうなんだ。
これも圧倒的にアイフォーンが強いんですよね。サムスンがいくら安くで売っても、アイフォーンの圧倒的なブランド力に歯が立たない。韓国の子供がiPhoneもってないとグループにすらはいれない。だから、アイフォーンを買ってくれと親に頼むが、アイフォーンは10万円以上します。親らかすれば多額の出費を余儀なくされる。
韓国内ですらサムスン製なんていらないんだよ。そもそもスマホ自体がもう頭打ちなんだよな。AIスマホがどうとか述べているが、それ欲しさに買い換えするユーザーは少ないだろう。こちらはスマホよりタブレットを優先するしな。
スマホなんて電話機能とネットサーフィン機能があれば十分である。だから、この先、革新的なスマホなんてものはでてこないんじゃないか。
それで、利益率は最大で3%。まだ赤字じゃないから救いがあるのか。
このように見ていけば、DX部門に将来性なんて一欠片もないんだよ。だから、サムスン電子はDX部門をドンドン縮小していくだろう。ただのお荷物だから。
つまり、内部分裂以前に6万人、全員切った方が早いんだよ。6万人の人件費が無駄である。でも、それは世間体からできないんだろうな。だから、少しずつ減らしていく。そもそも赤字垂れ流しのテレビ事業なんて普通は清算してるのに、いまだに残しているんとか。経営陣は甘いんじゃないか。