「売れば売るほど損をしています」…石油精製業界、最高価格制の余波で損失4兆ウォン

ここからは韓国経済の話題だ。

韓国ではイラン戦争やホルムズ海峡封鎖によってガソリン価格が高騰して、最高価格制を十数年ぶりに始めたわけだが、実際はそれによって小規模のガソリンスタンド200ほどが廃業に追い込まれているというニュースを以前にあげた。

今回はそれから1ヶ月ぐらい経過して、どのようになってるのか。それを見ていきたいと思う。

記事を引用しよう。

補填基準をめぐり政府・業界に見解の相違


米国・イスラエルとイランの戦争長期化で国際原油価格の変動性が高まる中、8日の第5回石油最高価格の決定を前に、石油精製業界の悩みが深まっている。

第1四半期に石油精製4社の営業利益が5兆ウォンに迫るとの見通しが出ているだけに、政府が約束した最高価格制の施行に伴う損失補填を実際の被害規模どおり受け取れないのではないかとの懸念だ。

政府は最高価格制施行に伴う損失補填の基準を「物理的・会計的原価」とする方針を堅持している。業界では、精製会社が実際に仕入れる価格を基準に損失補填の規模を算定すべきだとの立場だ。

6日の石油精製業界によると、サウジアラビア王国のアラブ・ライト原油の今月引き渡し分プレミアムは1バレル当たり19.50ドルで、過去最高を記録している。

韓国の石油精製会社は、ドバイ原油とオマーン原油の平均価格に上乗せ分(プレミアム)を加えて算出された最終価格を基準に購入している。サウジアラムコがアジア市場に販売する代表的な油種であるアラブ・ライト原油は、国内の精製設備に最適化された製品と評価されている。

最近、サウジアラムコがアラブ・ライト原油の来月引き渡し分プレミアムを15.50ドルに、5月引き渡し分比で4ドル引き下げると伝えられたが、国内企業が負担すべき輸入原価は依然として最高水準だ。

特に米国政府がホルムズ海峡に閉じ込められた第三国船舶を海峡の外へ退避させるための「プロジェクト・フリーダム」作戦を開始し、4日(現地時間)にはドバイ原油価格が前日比6.0%高の106.93ドルを記録するなど、国際原油価格が急騰している。

石油精製業界関係者は「ホルムズ海峡の不確実性で原油価格の変動幅が危険水域を行き来している」とし、「米国はもちろん中央アジアの物量まで探しているが、原価上昇の圧力がすでにあまりにも大きい」と吐露した。

続けて「約2カ月にわたって続いている石油最高価格制の影響で値上がり分を完全には反映できていないが、8日に始まる第5回最高価格が据え置きから抜け出せるのか疑問だ」と付け加えた。

政府は今年3月に石油最高価格制を施行し、石油精製会社で発生した損失を事後精算することにした。

当初はアジア市場のベンチマークであるシンガポール国際石油製品価格(MOPS)の直近2週間の平均変動率を反映して算定する方針だったが、民生負担の最小化を理由に3・4回目の価格を据え置いた状況だ。先月の消費者物価が1年9カ月ぶりの高い上昇率を示し、再び据え置かれる可能性が取り沙汰されている。


別の石油精製業界関係者は「金正官産業通商資源部長官が『できるだけ早い時期に石油最高価格制を終了する』と強調したが、政府が石油最高価格制を通じて物価上昇抑制の効果を見たと分析しているだけに、制度の長期化は避けられないようだ」とし、「政策による損失額の算定基準をめぐり、政府が物理的・会計的原価の想定を圧迫する状況で、適切な補填が可能なのか疑問だ」と懸念した。

政府と業界は現在、損失額の算定基準をめぐって見解が分かれている。

政府は原価を基準に損失基準を設けるべきだとの立場だが、企業側は製品別原価を明確に算定するのが難しいため、MOPSを基準に損失を算定すべきだと主張している。

この場合、約8週間にわたる石油最高価格制の施行で国内の石油精製会社が被った損害額は3兆5000億ウォンを大きく上回る見通しだ。政府が編成した予備費約4兆2000億ウォンの80%を超える水準だ。


SKイノベーション、S-OIL、GSカルテックス、HD現代オイルバンクなど国内の石油精製4社が今年第1四半期に帳簿上で大規模な黒字を計上する可能性が高まり、政府と業界の対立はさらに深まる見通しだ。

証券業界では、この期間のSKイノベーションの営業利益を2兆3000億ウォン、S-OILを1兆1000億ウォン、GSカルテックスを1兆4000億ウォン規模、HD現代オイルバンクを2000億ウォン規模と予測している。

石油精製業界関係者は「中東戦争以降に急騰した精製マージンによる収益性向上と、原油価格上昇による在庫関連利益の拡大が業績改善に寄与するのは事実だ」としつつも、「これは本質的な収益性改善というより、一時的な錯覚に近い」と強調した。

そのうえで「この期間に得た収益の大半は、価格が上がった原油の購入に投入している」とし、「原油価格が安定すればすぐに損失として計上されることを根拠に、石油精製会社が超過利益を得たとみなすのは無理がある」と批判した。

ニュースは以上。

何だ石油精製業界は超過利益を得ているじゃないか。政府が突っ込んでるわけだ。でも、実際は記事にあるとおり、超過利益どころか。逆サヤ地獄である。

なぜなら、原油価格高騰で在庫の評価額が上がったに過ぎない。在庫も資産として会計上は分類される。でも、在庫なんだから現金が増えたわけじゃない。

じゃあ、売ればいいと思うかもしれないが、そこで邪魔をするのが最高価格制である。またこれかよ。つまり、最高価格制によってガソリンを売っても赤字にあるんだよ。しかも、スポット価格で仕入れてるのでドバイ原油は106.93ドル。サウジのプレミアムは19.50ドル(過去最高)となっている。

だからとっくに最高価格制よりも遙かに高い値段で売らないと赤字になるわけだ。その損失がもう4兆ウォンですよ。そして、政府の予備費である4.2兆ウォンの8割を超えている。

でも、政府が補助金がさらに必要になり、財政負担が増えるから、超過利益を得ていると主張しているわけだ。

だから、ガソリン価格の最高価格制なんてものをやれば、業者がドンドン潰れていくというわけだ。実際、最高価格制で短期には物価を抑えているという数値もあるので、政府はやめたくない。でも、石油精製業界は損失をさらに膨らませていく。つまり、中長期的には廃業が見えてると。

そして、それは最高価格制が撤廃されたときにガソリン価格の高騰を招く。これは韓国の電気料金を凍結したら、韓電が40兆ウォンという赤字に追い込まれたムンジェイン時代と同じである。

また、韓国政府や李在明の狙いは選挙に勝つことなので、短期的にもガソリン価格を規制して、物価を抑えて支持率維持に繋げている。だから、実際に李在明支持率はまだまだ高いままだ。コスピも凄まじい勢いで上がってるので、このまま選挙も圧勝するだろうな。石油精製業界はこのままだと全滅ですが。