ここからは韓国経済の話題だ。
以前に借金だらけの若者や自営業がヤミ金に手を出しているのは、銀行が低所得者に融資をしないからだという話があった。実際、銀行は審査をして信用スコアに応じて、融資するかを決定する。だから、信用スコアが低い人間には融資を拒否する。
しかし、それをやれば若者や自営業はヤミ金にカネを借りざるを得なくなるので、それが社会問題化しているわけだ。それで、李在明がヤミ金に借りた元本や利息を返済しなくていいと打ち出した。これによってヤミ金は表向きには廃業するが、地下に潜るという話をした。
ここまで前回の復習だ。
今回の記事は内容は難しいがわりと興味深い。
記事を引用しよう。
青瓦台のキム·ヨンボム政策室長が国内銀行を「準公共機関」と定義し、1997年の通貨危機直後に固まった外国資本中心の支配構造が中·低信用者を疎外させる構造を産んだと直撃した。 キム室長が今月に入って社会関係網サービス(SNS)を通じて金融界に対する高強度批判メッセージを4回吐き出し、民間上場会社である銀行の自律性を侵害する官治金融の復活につながりかねないという懸念が高まっている。
5日、キム室長はフェイスブックで「銀行は完全な民間企業ではない」として国内金融会社の社会的役割を強調した。 彼は国内銀行に対して「国家の免許の上で預金者保護という公的安全網を背に危機の時には救済金融の保護を受ける準公共機関」とし「その特権に相応する社会的役割を要求するのは市場介入ではなく契約の履行」と話した。
金室長は現在の銀行圏の保身主義と中·低信用者を無視する構造を1997年の通貨危機当時、システム崩壊を防ぐために受け入れた外国資本の性格と連結した。 彼は「(韓国金融の)外国人持分が特に高いのは大韓民国銀行の競争力が優れているからと見ることは難しい」として「免許と規制という国家の枠組みの中で安定的に保護される構造のため」と明らかにした。
実際、国内金融持株の外国人持分率は圧倒的な水準だ。 韓国取引所によると、4大金融持株の外国人持分率はKB金融75.74%、ハナ金融68.22%、新韓金融61.37%、ウリィ金融45.89%に達する。 これに対してキム室長は「競争力が優れているからではなく予測可能な収益構造(預貸マージン)、低い変動性および安定的な配当などに対する選好の結果」として「高信用区間は資本が集中するが中間信用区間はますます忌避される」と説明した。
変動性を嫌うグローバル資本が国内金融に入ってきて、中信用区間の供給を忌避する構造を作ったという指摘だ。 ここに資本効率性を重視する金融当局の健全性規制で銀行がますます安全な区間に移動し、中信用者が無視される「傾いた運動場」が形成されたという話だ。 それと共にキム室長は「この構造を変えようということがなぜ民間領域に対する不当な介入なのか」と話した。
彼は包容金利を巡っては「金利を下げる問題ではなく危険がより正確に価格に反映されるよう、金融がより多くの人を制度の中に抱くように構造を再び設計する問題」として「構造は人が作ったものなので再び設計できる」と強調した。
このような発言は1日から続いた一連のメッセージと軌を一にする。 キム室長は1日「なぜ最も余裕のある人が最も低い金利を享受するのか」として信用評価体系に疑問を投げかけたのに続き、3日には「古い信用評価の枠組み」に言及し金融界の変化を圧迫してきた。
キム室長は今回の文に対して「銀行の腕を捻るとか外国人持分を強制的に下げようという話ではない」と線を引いた。 ただ、金融界ではこのような準公共性フレームが政府の過度な経営干渉を正当化する手段として使われかねないと懸念している。 特に、過半の持分を外国人など民間株主が保有している上場法人に対し、準公共機関の物差しを当てるのは株主権侵害の素地が発生する恐れがある。
延世大学経済学部のキム·ジョンシク名誉教授は「構造的な問題もあるが、核心的な問題は経済成長低下で不良貸出が増え信用不良者が量産されること」とし「信用評価だけを再設計したからといって解決される問題ではない」と話した。 続けて「政府基金を通じた政策金融を強化し公共性を強化することはできるだろう」と付け加えた。
ニュースは以上。
確かにこのキム室長が述べている「なぜ最も余裕のある人が最も低い金利を享受するのか」という言葉は正論である。銀行が余裕のある人間しか相手しないから、中・低所得者は高い金利を払って借金地獄に陥っている。
そして、キム室長はそれは韓国の銀行が外資に乗っ取られているからだと述べている。これも正論だ。高信用区間は資本が集中するが中間信用区間はますます忌避される。この言葉からわかるとおり、外資は高信用区間で商売した方が安定しやすいので好んでると。
すると外資が持ち分比率が高いので銀行も自然とそうなるわけだ。それで、金融当局の健全性規制というのは、BIS自己資本比率規制のことである。つまり、金融機関が破綻しないように一定以上の資本を残すというルールだ。バーゼル合意とかきいたことあるとおもう。もちろん、このBIS自己資本というのは金融機関の連鎖破綻を止めるという大きな目的がある。
これを意味するところはリスクが高い貸出を増やすと、当然、多くの自己資本が必要となる。でも、リスクが低い貸出なら少ない自己資本でいいわけだ。結果、銀行は大企業や高信用者にお金を貸す方が安全で効率が良いという仕組みとなる。
後、重要なのは家計債務で頻繁に登場する総返済負担率(DSR)と返済比率(DTI)の規制も、返済の能力に応じての貸出しを制限するので、これも低所得者には融資枠が限られる。銀行側からすれば安全というわけだ。
以上が健全性規制だ。まさに銀行を守るための安全装置だが、それによって高所得者しか銀行が相手しなくなったと。
まとめると、銀行がリスクを取らない構造は、外国資本+健全性規制の組み合わせで生まれた。これがキム室長の発言から読み取れる。
問題は銀行の健全性規制を緩めてしまえば、銀行の破綻リスクが上がるてこと。しかも、銀行が規制緩和すれば、韓国の2300兆ウォンだったか。家計債務が急増する。
でも、緩めない場合はこのまま中低所得者が借金漬けとなる。
それで、キム室長は「金利を下げる問題ではなく危険がより正確に価格に反映されるよう、金融がより多くの人を制度の中に抱くように構造を再び設計する問題」として「構造は人が作ったものなので再び設計できる」
つまり、中低所得者も銀行から融資を受けられるように構造を再設計するべきだとしている。まあ、これもその通りだろう。銀行は金持ちだけ相手するなは当たり前だよな。
この発言は事態はその通りであるんだが、実際はその再設計に大きなリスクを伴う。下手すれば外資が撤退して、韓国はジンバブエと化す。だから、そんな選択はまずあり得ないんだが、一応、検討はしておいたほうがいいだろう。韓国経済の専門家として一つの役目だろう。
彼の発言「銀行の腕を捻るとか外国人持分を強制的に下げようという話ではない」と断ってるが、韓国政府が国内銀行を「準公共機関」と定義する。そして、外資比率が高すぎるから外資比率を下げさせようと強制するとどうなるか。
簡単だ。株主権の侵害である。外資比率が高い理由は上で解説したが、それを是正したら、韓国金融から外資は撤退するので後は焼け野原である。
では、外資比率を下げられないときに、金利体系を変えろ。もっと中低所得者に融資しろと述べたら、外資からすれば政府の介入とみなされる。すると、これも外資が一斉に逃げる。
どのシナリオでも外資の持ち分に関係する領域に手を出したら、外資は逃げるので銀行株は急落。すると、銀行は資本不足に陥るので、国がそれを補わない場合は破綻するので取り付け騒ぎとなる。結局、政府が銀行に公的資金を投入することになる。
それで、キム室長の「中低所得者にももっと貸せ」もさっき少し触れたが、これを行うとBIS比率が低下するので、貸倒れリスクを増やす。すると銀行の信用格付けが下がる。資金調達コストが増加して、銀行破綻リスクとなる。
結局、韓国はアジアのジンバブエのようになる。なぜなら、外資は政府の介入を極端に嫌うからだ。投資するのに邪魔されては困るからな。そもそも外資は安定した利益が望めるから韓国の銀行株を独占しているのだ。そこに手を付けたら韓国は金融危機を招く。
そうなれば、銀行株売られるのでコスピが暴落。外資逃げるのでハイパーウォン安。資金流出加速するという。つまり、通過危機と金融危機が同時に起こると。
彼の主張は正しいが再設計したら、韓国は死ぬので専門家としておすすめできないてことだ。まあ、ジンバブエみたいになりたければどうぞ。
それで、専門家は再設計ではなくて、核心的な問題は経済成長低下で不良貸出が増え信用不良者が量産されることだとのべている。つまり、低成長が悪い。確かにそうなんだが、実はこれも矛盾している。なぜなら、低成長になるのは韓国財閥の搾取構造が原因なのだから。
なに最後に爆弾発言しているんだって?そりゃ韓国の専門家では立場上突っ込めないことを述べられる、韓国経済の専門家だからです。
なぜ韓国では米国みたいなイノベーション企業が出てこないのか。なぜ、毎回、サムスン電子など財閥しか出てこないのか。それらの答えが全て財閥の搾取構造にあるんだよ。ここに触れない時点で、再設計がどうとか述べても意味はない。専門家が低成長が悪いとか述べても、タブーである財閥搾取に誰も突っ込めない。
つまり、韓国経済でもっとも根本的に最悪の根源、真の病理が財閥の搾取構造にある。でも、これは慰安婦の聖域以上にタブーなので誰も突っ込めない。
しかし、真に韓国経済を理解するなら知っておくべきことなんだよ。
ああ、でも、これはちゃんと一本の動画化にしておいたほうがいいかもしれないな。初心者さん用に解説するためにも。