サムスン電子の成果給内紛は“構造的限界”の表れ:半導体 vs DXの対立が止まらない

ここからは韓国経済の話題だ。

5月の最大のイベントとしてはサムスン電子の大規模なストライキが挙げられるが、スト予定の5月21日まで残り10日と迫っている。こちらとしては毎日、特集組んでいくほど面白いネタだと思うのだが、唯一の懸念材料としてストが回避された場合、せっかくのネタがそこで終わってしまう。でも、そろそろカウントダウンを用意して盛り上げるべきだよな。

いやいや、そんな一部のユーザーの楽しみなんてどうでもいい。サムスン電子のストは世界中の半導体や株価に大きな影響を与えるからやめてくれという声が多数だろう。 

そもそもストが回避されて問題解決にはならんよ。なぜなら、サムスン電子のストは内部対立を激化させた。でも、こちらとしては半導体部門以外はただのくそ雑魚。荷物なのでむしろ、こいつらは別の会社作ってまとめたほうがいいんじゃないか。それともサムスン半導体を作るか。半導体部門を独立させた東芝。今のキオクシアみたいにな。

実際、これは事業が大きくなれば事業を分けて管理するという方法は色々ある。例えば、任天堂が生みだしたポケットモンスターは爆発的な人気から、メディア展開を拡張させるにつれて、別の会社を立ち上げてポケモン関連はそっちの管轄で事業を行っている。

このように分けてしまえば、労働内部の対立そのものが消える。しかし、現実的にはこれが難しい理由がいくつもある。

それについては後で解説しようか。

まずは記事を引用しよう。

成果給の配分をめぐり、サムスン電子労組内部の対立が深刻化している。

交渉権を委任された最大労組が、半導体以外の部門への利益共有要求を受け入れないと、“交渉権を回収すべきだ”との不満が噴出するなど、最大労組の独走に対する反発が広がっている。

10日、業界によると、サムスン電子の労使による事後調整手続きが11日と12日に行われる予定だ。

ただし、労組共同闘争本部の内部では、交渉案件をめぐる意見の相違が絶えない。

焦点は、半導体部門だけでなく全社の役職員を対象に成果給を支給できるよう、全社共通財源を交渉案件に含めるかどうかだ。

第2労組である全国サムスン電子労働組合(全三労)と、完成品(セット)事業を担当するDX(Device eXperience)部門の組合員らは、全社共通財源を確保して成果給をできるだけ公平に分配する案をまとめるべきだとの立場だ。

しかし、今回の事後調整で労側代表を務めるチェ・スンホ超企業労働組合サムスン電子支部の委員長は、全社共通財源は案件に含めないとの立場を堅持している。

今回のストライキを主導する最大労組である超企業労組は、全組合員7万3000人余りのうち約80%が半導体部門のDS(デバイスソリューション)部門所属とされる。

チェ委員長はこれまで、会社側との交渉でDS部門の成果給要求に重点を置いているだけで、業績が悪化したDX部門の役職員待遇に関する要求は提示していないと伝えられている。

ストライキ前の事実上最後の公式交渉の場となる今回の事後調整でも、超企業労組がDS中心の交渉路線を固守していることから、労組内部では超企業労組の独走に対する問題提起が公然と噴き出している。

会社および労組コミュニティでは、今年初めに全三労が超企業労組に委任した交渉権を回収し、事後調整に参加する労側委員を交代させるべきだとの主張が出ている。

昨年12月から4カ月間にわたって行われた労使交渉が失敗し、中央労働委員会の調整も決裂しただけに、超企業労組ではなく全三労が主導すべきだとの指摘も出ている。

事後調整を前に労組間の対立が深まり、交渉結果も楽観しにくい状況だ。

すでに第3労組であるサムスン電子労働組合同行(以下、同行労組)が労組共同闘争本部への参加を撤回したのに続き、交渉情報の共有と差別の中止を求める公文書を送った。

続いて全三労は、“チェ委員長が自分たちを交渉から排除する”という脅迫的な発言をしたとして、謝罪を求めた。

労使の立場も依然として平行線をたどっている。

会社側は特別表彰を通じて、メモリー事業部の社員に対し業界最高水準の待遇を約束した。

一方、労側は営業利益の15%を成果給として支給し、成果給の上限廃止を制度化すべきだとの立場を崩していない。

ニュースは以上。

それで上の記事を読んで最初に述べておくことはこれである。

サムスン電子の成果給内紛は、単なる労使対立ではなく、 半導体と非半導体という“異なる産業を1社に押し込んだ” サムスン固有の構造問題が限界に達した結果である。つまり、成果給内紛は、単なる部門間の対立ではなく、 財閥支配構造・産業成熟化・人材流出リスクという “三重の構造問題”が同時に噴き出した複雑な現象である。

本当、面白い事態となっている。いや、笑ってる場合ではないかもしれないが、DXはただの荷物がえらそうだよな。さすがに赤字出したり、会社の利益に1%程度の貢献で、全員で利益を共有しろとか。ずうずうしいレベルを遙かに超えてる。

ただ、DXの怒りの本質は組織の構造問題にある。韓国の若者世代は公正(フェアネス)を重視するため、この構造的不公平は今後さらに社会問題化する可能性が高い。

ただ、DS部門の待遇が低いままだとSKハイニックスやTSMCなどに人材が流出してしまう。サムスンから技術者がいなくなれば、それは韓国経済にも致命的である。

実は韓国の半導体技術者はTSMCに年収の2倍で引き抜かれていたりする。だから、DSの成果給を下げるのは韓国の半導体にとって致命的なのだ。つまり、韓国の国家戦略を揺るがす事態となる。

だから、こんなことを許されていいわけないだろう。働いて利益をだした部門だけが、その恩恵を受けられるのは当然じゃないか。

先ほど、こちらが半導体部門とDX部門を切り離せと述べた最大の理由がこれなんだよ。こいつらは半導体部門がある限り、一生安泰だと思っている。しかし、それは他人が稼いだ金を、たまたま同じ会社の別部門という理由だけでもらってるだけ。

本来、会社内での競争というのは違う部門がそれぞれ切磋琢磨して、会社に貢献して大きな相乗効果を生み出すことが目的だ。年ごとで多少、利益に差はあるのは仕方ない。しかも、今のサムスン電子は半導体以外はゴミなんだから、競争しようとして成果はあがらない時代となっている。だから、この先を考えてもDX部門が稼げるようになる可能性は低い。

なぜなら、スマホ市場は緩和。家電は中国勢。ディスプレイアはアップル依存。つまり、もはや成長の見込みがないあまりない成熟した産業である。だから、構造的に利益が出にくい。

つまり、経営陣はとっくにDX部門を廃業するレベルである。しかし、それができないのは70000人もいるからだ。一度に切れば韓国の雇用に大きなダメージが来る。

では、なぜ半導体部門が独立できないかを解説しよう。

まず一番の問題は韓国政府の許可が下りないんだよ。半導体だけ独立したら、サムスン電子という巨大グループに大きな穴が空く。韓国政府はサムスン=半導体という国家的な構造を壊したくない。でも、お荷物抱えてこれから内部分裂がずっと続くなら、それはそれで生産に足を引っ張ると思うんだが。

2番目の理由はDX部門が切り崩したら死ぬってことだ。これはさっきも述べたが将来の性のない。廃業寸前のDX部門が切り外しされたら生き残れない。すると7万人が路頭に迷うので、結局、彼らを半導体の稼ぎで雇い続けるしかない。

3番目の理由はサムスン電子には持ち株会社がない。よく日本でなんちゃらホールディングスというヤツを見たことあると思うが、あれは、持ち株会社のこと。だから、サムスン電子が部門ごとに分社化すると支配構造が崩れてしまう。

財閥として統治が難しくなる。まあ、財閥構造の特有の問題というか。じゃあ、なんで持ち株会社がないんだろうか。疑問に思ったことないだろうか。実はこれは李在鎔の支配力を弱める。サムスン一族の独占を崩すからである。

これについての詳細は財閥搾取の話をするときにまとめるので楽しみにしてほしい。実は韓国最大の闇である。まとめると、分社化には財閥の支配構造が最大の障害でもあると。

4番目の理由はそもそもサムスン電子は半導体、家電、スマホといった分野で、長年、世界企業と渡り合ってきた。半導体がいなくなると、家電やスマホだけで世界企業に太刀打ちできないのでこれも結局、壊滅コースである。

しかし、上のような理由で半導体部門が独立できなくても、DS部門とDX部門では、会社での扱い方が明確に差別されていくので、同じ会社として扱われるのは不当だという声が高まっていくだろう。つまり、DSとDXでやっていくことは限界に達しているんだよ。

だから、専門家の視点してはストが中止になって残念でも、内部分裂は避けられないので、これからはいつ彼らの対立が決定的となり、「別離」していくかの過程を楽しむことができる。

どちらにせよ。経営陣が判断することだ。しかし、このままだと韓国内からも世論でもおかしいになるんだよな。つまり、DX部門はいらねえからさっさと消えろという声が庶民から出てくるようになる。

だってそうだろう?彼らはまさに何の成果もないのに、サムスン電子のDXだけで高級取りなんだぜ。庶民からすれば利益も上げないクズ社員が俺たちより圧倒的に給料がいいなんて不公平に決まっているじゃないか。特に韓国の若者は公平を重んじる傾向があるからな。

つまり、内部分裂が最大の見所だが、それを見守る世論がDXを批判していけば、最後は切り離しておわる。

だから、韓国の世論はこうなっている。

DS擁護派の主張(SNSで最も多い)


「半導体が稼いでいるのだから、成果給が高いのは当然」

「DXは業績が悪いのだから、低いのは自業自得」

「成果給は部門別が当たり前。なぜ全社で分ける必要がある?」

「DSの待遇を下げたら、優秀な人材がTSMCに流れる」

「DXが文句を言うなら、まず利益を出せ」

これを見ればわかるが、韓国内でもDX部門に味方するのは少数である。韓国世論でも制度の公平化を求めているわけだ。そうなっていけば、最後は分裂しかないですよね。