サムスン、中国家電市場から完全撤退──韓国製が淘汰された10年の結末

2008年といえば、ちょうど、このサイトの運営が始まる少し前。

韓国経済を特集するのはリーマンショック前の9月頃なので、この時代を振り返るのは色々と感慨深いものがある。

その頃、中国ではサムスン電子が「王者」だった。テレビ、家電、スマホといったサムスンが得意とした商品は飛ぶように売れて2010年前後のシェアは脅威の20%。日本勢もサムスン電子にかなわず中国から追い出されてしまうほど。当時の中国では、 「サムスンの大画面テレビ=成功者の象徴」とされていた。

しかし、そんなサムスン電子の栄光は長くは続かなかった。それからあることがきっかけで年々とシェアを落としていく。そして2026年、サムスンの中国シェアは壊滅的だ。テレビ:0.2%(ほぼゼロ)、白物家電:1%未満、スマホ:1%台。テレビ市場の推移は象徴的で、 2013年5% → 2018年1% → 2023年0.2%と急落。

現在の中国市場はTCL、ハイセンス、シャオミが独占しており、サムスンが入り込む余地などない。そして、2026年5月18日にサムスン電子は中国市場からスマホを除いて完全撤退を決めた。後は在庫処分して従業員は全員解雇。退職金交渉段階にまで至っている。

まさに「敗戦処理」が現在進行形である。既に、中国のECサイト(京東・天猫)では、
サムスン家電の在庫処分セールが確認されているので在庫処分も進んでいる。

「(撤退)が定めならね。従うしかないんだよ」

まさに大婆様のセリフが蘇ってくる。そして、大婆様はこうもいっている。

「待ちなされ。中国に手を出してはならぬ」

ええ?言ってない?それはともかく、今回はサムスン電子の「光と影」を振り返ろう。

なぜ負けた?中国に吸い尽くされたコウモリの末路

サムスン電子が中国で敗北した理由は大きく分けて二つある。一つは中国に技術をパクられたから。二つめは韓国のTHAAD配備問題で中国政府に干されたから。順番に解説していこう。

まず、サムスン電子の全盛時代についてだ、サムスン電子は日本の家電(ソニー、パナソニック、シャープなど)から技術や人材を引っこ抜き、圧倒的な低価格を武器に世界シェアを奪っていた。当時、サムスン製のテレビはソニー製よりも価格が安かった。品質もそこそこということで中国勢は飛びついた。

その結果は日本勢はサムスン製に押されてしまいシェアを縮小。まさにパクリ商法が上手く言った時代。日本企業がそういう技術流出に甘かった時代のサムスンのやり方、実はこれとおなじことを中国勢にされてしまう。つまり、中国勢は今度はサムスン製をコピーして、改良して、それを大量生産して低価格で販売するようになった。

実際、中国で商売するときは単独ではできない。だから、サムスン電子は液晶(ディスプレイ)やスマホなど先端技術を中国に投資していた。これらの技術も全てパクられて改良されていった。

ビジネスの世界ではパイが大きい方が勝つという常識がある。これを経済学で解説すれば、「規模の経済」や「範囲の経済」とか。行動経済学では、「社会的証明」、「バンドワゴン効果」、「アンカリング効果」など上げられるのだが、今回のケースで最も当てはまるのが規模の経済と範囲の経済である。だから、これを解説していこう。

規模の経済とは何か

簡単に述べれば、大量生産すればするほど1個あたりのコストが安くなるという経済の基本原理である。大量生産することを「量産」とも呼ぶが、これができる企業が勝つ。

理由は簡単だ。どれだけ大量生産しても固定費は同じコストだからである。例えば、工場で1000個作っていた商品を、機械を増やして2000個造れるようになった。当然、新しく買った機械の代金は最初に大きく増えるが、売上が単純に倍となれば、いずれはペイできる。これが大量生産が強いシンプルな理由である。

固定費とは、工場の建設費、機械設備、研究開発費、管理部門の人件費などあげられるが、これらは2000個、造ろうが同じである。

だから、工場の固定費が100億円だったら、100万個造れば、1個あたり1000円だが、1000万個つくれば、1個あたり100円。1億個造れば、1個あたり10円となる。

1億個なんて作っているのかと思うかもしれないが、実際、毎年出てくる新型iPhoneは1億台とか売れているのだ。つまり、1億台はそこまで生産において大きな数字ではない。

だから、大量生産すればするほど固定費が同じ。その分、安くできるということ。サムスンは韓国の不当な電気料金でそれをやってスマホシェアを拡大していった。しかし、同じことを中国勢にやられるようになったのが2010年代後半てところだ。

中国メーカー(TCL、ハイセンス、シャオミ)は、中国政府にもらった補助金で、中国の広大な敷地に巨大工場建設。しかも、巨大国内市場(14億人)。EC販売で全国に一気に売れるルートを整備。部品調達も大量発注で激安。

これにより、サムスンと同じスペックのテレビを“半額以下”で作れるようになった。韓国企業が同じ戦略をしても、生産規模が小さいため絶対に勝てない。

これが規模の経済の論理である。

まとめると、「サムスンは中国市場に色目を使って、液晶(ディスプレイ)や先端技術を中国にジャンジャン投資してきた。しかし、中国政府の補助金をもらった国内勢(TCLやハイセンス)に技術を完全にコピーされ、価格競争で全く歯が立たなくなった。安全保障でもアメリカにハブられ、経済でも中国に裏切られてすべてを失った、まさにコウモリ外交の自業自得の結末」といえよう。

韓国のTHAAD配備について

もう一つ、韓国経済の専門家として、サムスン電子が中国で死んだ理由をあげるなら、2016年の韓国THAAD(高高度防衛ミサイル)配備決定は避けられない。

韓国が米国と協力してTHAAD(高高度防衛ミサイル)を配備すると発表。 これに中国政府が強烈に反発した。理由は、HAADのレーダーは中国本土を監視できる。安全保障上の脅威だと。ここから政治問題が非公式の経済制裁へと転化していく。

中国は経済制裁という言葉は使わないが、裏で同等のことをやっている。例えば、韓国のTHAAD配備の後、韓国企業への行政指導・検査などが強化された。さらに韓国製の広告・販売規制など。韓国旅行団体ツアー禁止などもある。

サムスンも例外ではない。一番酷かったのはTHAAD配備の場所を提供したロッテである。ロッテはこれによって中国から完全はぶられた。今もそうなんじゃないか。

しかも、ここから中国人の韓国製ボイコットが発生。まあ、もっともこれは中国政府が裏で焚きつけたと思われる。これによって管区製シェアが急落していく。THAAD以前、サムスンのテレビは中国でシェア20%だったわけだが、それが5%、1%。最後は0.2%である。スマホシェアも15%から5%、1%台である。

まとめると、韓国THAAD配備+経済的優位(低価格)= 韓国製が一気に淘汰される原因となったわけだ。

しかし、面白いことがまだある。韓国政府は当時、中国の猛反発を押し切ってまで、韓国のTHAAD配備を受け入れた。でも、そのTHAADは韓国にはないんだよ。ええ?どこにあるんですか。THAADは韓国軍の装備ではなく、米軍の装備であり、韓国は“土地だけ提供した”だけであるためだ。

土地にTHAADがあっても韓国は操作もできなければ、レーダー情報にもアクセスできない。つまり、韓国は“THAADを持っていないのに、中国に経済制裁されて中国市場を失ったという最高のオチがここにある。

しかし、オチは二段階で落とすのが「基本?」だ。実はイラン戦争で韓国のTHAADの要である「迎撃ミサイル」が中東に移送されて、韓国の防空網に穴が空いた状態である。つまり、米国は韓国からTHAADも引き上げて撤収しようとしているわけだ。

「安全保障でもアメリカにハブられ、経済でも中国に裏切られてすべてを失った、まさにコウモリ外交の自業自得の結末」とまとめた後半の部分がこれである。

「スマホ・半導体に集中」という逃げ道の嘘

東洋経済には「スマホや半導体へ選択と集中をする前向きな再編」とあるんだが、実はそれも嘘だ。なぜなら、スマホの中国シェアはとっくに『0%台(その他大勢)』だし、頼みの綱のAI半導体は21日に過去最大のストライキ爆弾を抱えてるためだ。

韓国ネットの反応

  1. 「当然の結果」「撤退が遅すぎた」
    最も多かったのは、サムスンの衰退を冷静に受け止める声。

「中国市場で0.2%なら撤退は当たり前」

「2016年のTHAAD以降、韓国ブランドは終わっていた」

「中国メーカーの価格と規模に勝てるわけがない」

「むしろ10年遅い撤退だ」

“既定路線だった”という認識が圧倒的。

■ 2. 「中国メーカーが強すぎる」「韓国は完全に負けた」
中国家電の台頭を認める声も多い。

「TCLやハイセンスの品質はもうサムスンと同等」

「同じスペックで半額なら誰でも中国製を買う」

「中国の規模の経済には韓国は勝てない」

「サムスンの家電はもう“高級ブランド”ではない」

“中国の圧勝”という評価が主流。

■ 3. 「THAADの代償が大きすぎた」
政治的背景を指摘する声も非常に多い。

「THAADで中国を怒らせた結果がこれ」

「韓国は米国のために中国市場を失った」

「THAADは韓国の装備でもないのに…」

「ロッテも現代もサムスンも全部やられた」

“政治リスクを読めなかった韓国政府の失策”という批判が強い。

■ 4. 「サムスンは半導体だけの会社になった」
事業構造の偏りを懸念する声。

「家電もスマホも中国で負け、残るは半導体だけ」

「DS(半導体)に依存しすぎて危険」

「DX(家電・スマホ)はもう成長できない」

「サムスンの未来は不安」

“半導体一本足打法”への危機感が広がっている。

■ 5. 「スマホはなぜ撤退しない?」という疑問
記事にもあるように、スマホだけは継続。
これに対しては疑問の声が多い。

「シェア1%なのに続ける意味ある?」

「ブランド維持のために撤退できないんだろう」

「スマホ撤退=世界的ブランドの死だから」

「半導体の需要確保のために残している」

“撤退できない事情がある”という理解が広がっている。

■ 6. 「韓国企業の中国撤退は止まらない」
サムスンだけでなく、韓国企業全体の衰退を嘆く声。

「ロッテも現代もほぼ撤退、サムスンも続いた」

「韓国企業は中国で完全に淘汰された」

「中国市場はもう韓国企業の場所ではない」

「次はどこが撤退するのか」

“韓国企業の中国時代は終わった”という認識が定着。

■ 総合まとめ(韓国ネットの空気)
韓国ネットの反応を一言でまとめると、

「撤退は当然。中国に完全に負けた。
THAADの代償が大きすぎた。
サムスンは半導体以外はもう勝てない。」

という“冷静かつ悲観的”な空気が支配的です。

まとめ

サムスン電子の中国家電撤退は、韓国製が中国市場から完全に淘汰されたことの象徴である。かつてサムスンは中国で高級家電ブランドとして強い存在感を持っていたが、2016年のTHAAD配備をきっかけに中国の不買・制裁が始まり、韓国製品は急速にシェアを失った。

同時に、中国メーカーは巨大工場と低価格戦略で韓国のビジネスモデルを上位互換化し、サムスンのテレビや家電は同等スペックで“半額以下”の中国製に完全に敗北した。

その結果、サムスンの中国シェアは壊滅的な数字となり、撤退は既定路線だった。

さらに、イラン戦争の影響でTHAADの迎撃ミサイルが中東へ移送され、韓国はTHAADの恩恵をほぼ得られないまま、中国市場だけを失うという最悪の結果に。

最終的に、今回の撤退は「韓国企業の中国時代の終わり」「中国メーカーの圧倒的勝利」
を象徴する出来事となった。

結局、全ては蝙蝠外交のツケともいえる。米中、どちらにも良い顔しようとするから両方からフルボッコにされただけという。

サムスン、中国家電市場から完全撤退──韓国製が淘汰された10年の結末」への1件のフィードバック

  1. DRAMもAI用じゃない汎用品は、中国にしこたま作ってほしい。
    液晶モニタみたいに価格破壊して。

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