「JTBC破綻は“Netflixに負けた”のではない。韓国メディア産業“崩壊のメカニズム”を徹底解説」

イラン戦争が終わりを迎えて、日経平均株価は一時7万円到達。コスピも8700まで到達していて、まさに戦争終結のお祭りモードなのだが、それよりも気になるニュースが舞い込んできた。

それは韓国で“誰もが知っている”レベルのテレビ局、 JTBCを含む中央グループ5社が民事再生手続きに入ったという衝撃的なニュース。

日本で例えるなら、 フジテレビが突然、民事再生を申請したようなもの。 韓国人なら誰でも知っている巨大メディアが、 まさかの“経営破綻”に追い込まれた。

一見すると、「Netflixに負けたんだろ?」「OTT時代だから仕方ない」
そんな単純な話に見えなくもない。しかし、深掘りしていくと単なる“企業の経営失敗”ではなく、韓国メディア産業全体の崩壊メカニズムが表面化しただけに過ぎない。そして、この崩壊のメカニズムは、いずれは日本のテレビ局もこうなると予測できてしまったからだ。

つまり、今日の韓国のテレビ局は、数年後の日本のテレビ局の姿かもしれない。まあ、こちらは地上波テレビなんて数十年以上、視聴してないので日本のテレビ局が潰れて、フジテレビ不動産になっても一向に構わないが。

それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。

JTBCは「ケーブルなのに地上波級」の存在

そもそも日本人にとってJTBC以前に韓国テレビ局なんて知らないのがほとんどだろう。だから、JTBCについておさらいである。

JTBCは韓国で

認知度:全国民レベル

ドラマ:tvNと並ぶトップ

報道:地上波に匹敵する影響力

スポーツ中継:W杯で地上波と視聴率を分け合うという、ケーブル局としては異例の“国民的ブランド”だった。つまり、知名度が低い。弱い会社が倒れたのではなく、むしろ、トップ企業が倒れたことになる。だから、日本ではフジテレビレベルである。

フジテレビはオワコンかもしれないが、まだ生きているじゃないか。じゃあ、どうして韓国は先に倒れたんだよ。

ではなぜJTBCが倒れたのか

理由は単純ではなく、構造的な三重苦である。これはテレビ事業がどうやって収益をあげていたのか。それを考えていくことになる。

① 広告モデルの崩壊

テレビで重要なのは、日本の人気歌手グループのメンバーだった中居問題でフジテレビのCMがゼロになって数億円の赤字を出していたが、これはテレビは番組のスポンサーである広告収入によって支えられている。これは韓国のテレビ局も同じである。

しかし、その広告市場は10年で約40%縮小した。若者の視聴時間は半減。今はテレビなんてみなくても娯楽はいくらでもある。広告主はYouTube・SNSへ移動。JTBCは視聴率があっても、広告単価が昔の半分以下になっていた。

最初の柱である広告モデル収入が激減。しかし、それだけじゃない。

② 制作費インフレに耐えられない

米国のNetflixが日本や韓国の市場において、その豊富な資金源から番組制作費を引き上げた結果、制作費インフレに耐えられないことになうr。

韓国ドラマの制作費は1話10〜20億ウォンだが、Netflix作品は1話30〜50億ウォンと次元が異なる。JTBCは借金で制作費を調達していたが、こんなの最初から勝負にならない。

結果:債務4000億ウォン → 金利上昇 → デフォルトとなった。

OTT時代の“土俵変化”に対応できなかった

OTTとは、インターネットを介して視聴者に直接提供されるメディアサービスのことである。日本では一般的に動画配信サービス、ストリーミングサービスと呼ばれるものの多くがこれに当てはまる。

ここにNetflixという最強の黒船が襲来したわけだ。

Netflixはグローバル市場。サブスク収入。巨大資本。世界同時配信。データ分析で戦う。

日本でもWBCがNetflixが独占したことでずいぶんと注目を集めた。実際、こちらの感想ではテレビでWBCをやる必要ないわ。徳光さんが裏切るわけだと思うぐらい、もの凄く丁寧にWBCを実況して、裏のキャンプの話から、Netflixでしか聞けないドラマまで提供していた。

こんなの地上波で見たことがない。実際、こちらはF1で同じような番組を視聴したことがあるが、本当にちゃんと作り込んであるんだよ。Netflixの『Drive to Survive』は、
F1人気を世界的に爆発させた。

それを可能にしているのが、世界2億6000万人の加入者から得られるサブスク収入である。つまり、韓国や日本のテレビ局は広告モデル収入に頼っており、それは悪魔でもスポンサーがいてこそである。ところが、サブスク収入だと既にその収入が毎月入ってくるわけなので、それをそのまま面白い作品の製作作りにいかせる。だから、出演者のギャラも高いし、脚本も優れている。ちゃんと金をかけているからだ。

この安定したサブスク収入があるから、1話30〜50億ウォンのドラマを平気で作れる。

韓国のテレビ局は、広告収入が落ちたら即赤字。制作費は借金で賄うしかない。

資本力の差が、制作費インフレを生み、そのインフレがテレビ局を破壊した。

そして、これは日本のテレビ局も同じ構造なのでそのまま当てはまるわけだ。

テレビは試合を流すだけ。Netflixは物語を作る。

この違いが圧倒的に差を生んだ。つまり、次元が異なる。まさにオールドメディアであり、Netflixはニュージェネメディアだったわけ。

JTBCが負けたのは、Netflixに負けたのではない

ここまで深掘りすれば、ああ、これは単に企業努力が足りないからNetflixにJTBCが負けたのではない。テレビの収益構造の崩壊が先にあることがわかるんじゃないだろうか。

JTBCは“ケーブル局の王者”だったが、王者が倒れたのは、王者の弱さではなく、競技そのものが変わったからである。それがNetflixの襲来である。

記事ではこう締められている。

JTBCは12日、総額206億ウォン(約22億円)の借入金を満期までに返済できず、債務不履行(デフォルト)を宣言した。経営状況悪化の理由についてJTBCは「デジタルやOTT(オンライン動画サービス)を軸にメディア環境が急変し、テレビの広告収入が大きく減少したことが原因」と説明している。

金融業界の関係者によると、JTBCの債務は3月末時点の連結で4000億ウォン(約420億円)を上回り、それ以外のグループ会社もJTBCなどへの支援で債務が膨れ上がっているという。

韓国メディア産業の崩壊は、決して他人事ではない。

日本のテレビ局も、視聴者の移動、広告の減少、制作費の上昇、OTTの台頭という同じ構造問題を抱えている。韓国の今日が、日本の5年後になる可能性は十分ある。

実際、殿様商売をやってきたテレビ局は、視聴者に馬鹿にするような番組ばかりを製作してきたツケがまわってきたともいえる。薄っぺらい情報番組。似たようなバラエティ。何の検証もないワイドショー。低予算の再現ドラマ。企画力のないクイズ番組。くだらない芸人に喋らせるだけの番組などあげればきりがない。

こちらは何十年も前から、テレビ時代の終焉を記事で突っ込んできた。そして、それは制作費の激減から来る、質の低下だと結論を付けていた。

今ではこの見方が正しいことは誰の目でも明らかだろう。もちろん、Netflixなんか登場してない時代である。2008年ぐらいだしな。テレビの衰退はNetflixが原因ではない。Netflixが登場する前から、テレビは自滅していてインターネットの普及するのは見えていたからだ。Netflixはただ、“死にかけていたテレビ産業の上に乗ってきた”だけ。

日本のテレビ局は、今後10年で次のような変化を迎えるのか

最後に10年後を予測しておこうか。

地上波の広告収入はさらに縮小

制作費は上げられず、質は低下

OTTに人材と視聴者が流出

スポーツ中継は独占される

ドラマはNetflix・Amazonが主導

テレビ局は“制作会社化”する

つまり、テレビは“放送局”ではなく“下請け制作会社”になる。

まずは韓国がそうなってから、日本もそうなる。最後はフジテレビ不動産になっていると。

韓国ネットの反応

■ 1. 「ついに来たか」系(最も多い)
JTBCの経営悪化は以前から報道されていたため、
「やっぱりな」「時間の問題だった」という反応が非常に多い。

「JTBCは数年前から赤字だった。むしろ遅かったくらい」

「メガボックス(映画館)も赤字、新聞も赤字、全部まとめて沈んだだけ」

「中央日報もワークアウト?グループ全体が危ないじゃん」

→ “驚きより納得”という空気が強い。

■ 2. 「広告市場崩壊はテレビ局全体の問題」系
韓国ではテレビ広告市場が急速に縮小しており、
JTBCだけの問題ではないという指摘が多い。

「地上波もケーブルも全部やばい。広告が消えてる」

「若者はテレビ見ない。YouTubeとNetflixだけ」

「テレビ局のビジネスモデルがもう終わってる」

→ JTBC破綻は“業界全体の危機”という認識が広い。

■ 3. 「Netflixに勝てるわけない」系(非常に多い)
OTT時代の競争にテレビ局が勝てないという意見。

「Netflixの制作費に勝てるわけない」

「韓国ドラマの制作費を吊り上げたのはNetflix。テレビ局は死ぬ」

「視聴者はOTTに移動した。テレビはもう老人向け」

→ “土俵が違う”という理解が一般化している。

■ 4. 「JTBCの政治的偏向が嫌いだった」系(保守層)
JTBCは韓国では“進歩(左派)寄り”と見られているため、
保守層からは痛烈な批判が多い。

「偏向報道ばかりしてたから自業自得」

「ニュースをエンタメ化しすぎた」

「信頼を失ったメディアの末路」

→ 政治的立場によって評価が大きく分かれる。

■ 5. 「メガボックス(映画館)が死んだのが痛い」系
中央グループの映画館チェーン「メガボックス」も破綻したため、
映画ファンからは悲しみの声。

「映画館がなくなるのは困る」

「CGVとロッテシネマの二強になるのか?」

「地方の映画館が消える」

→ JTBCよりメガボックスの方が生活に影響があるという声も。

■ 6. 「グループ全体のレバレッジ経営が問題」系(専門層)
金融・経済に詳しい層は、
グループ内支援による債務連鎖を問題視。

「JTBCの赤字を他社が支えて連鎖倒産した」

「4000億ウォンの負債は異常」

「金利上昇で一気に死んだ」

→ “レバレッジ経営の破綻”という分析が多い。

■ 7. 「韓国メディアの未来が暗すぎる」系
業界全体の将来を悲観する声。

「地上波もケーブルも全部赤字。次はどこが倒れる?」

「韓国メディアはOTTの下請けになるしかない」

「テレビ局は制作会社に転落する」

→ JTBC破綻は“序章”と見られている。

■ 8. 「日本も同じ道を行く」系(韓国ネットでも出ている)
意外にも、韓国ネットでも
「日本のテレビ局も同じ構造」という意見が散見される。

「日本のテレビも広告が消えてる」

「NetflixがWBC独占したのは象徴的」

「韓国より遅れて崩壊するだけ」

→ 韓国ネット民も“日韓の構造は同じ”と理解している。

■ 総括:韓国ネットの空気
驚きより「やっぱり来たか」
JTBCだけでなく“テレビ産業全体の崩壊”と見る声が多数
Netflix・YouTubeへの視聴移動が最大要因
政治的偏向への批判も根強い
メガボックス破綻へのショックも大きい
「日本も同じ未来」という指摘が韓国側にも存在

まあ、韓国人も同じこと考えていると。

まとめ

JTBC破綻は“Netflixに負けた”のではなく、韓国メディア産業の旧モデルが限界に達した象徴的事件。広告依存 × 制作費インフレ × OTT台頭 × 金利高という“4重苦”が同時に爆発した結果であり、これは 日本のテレビ局にもそのまま当てはまる構造問題。

つまり、5年後の日本のテレビ局はこうなるというかなり精度の高い予測ができる衝撃的なニュースである。

「JTBC破綻は“Netflixに負けた”のではない。韓国メディア産業“崩壊のメカニズム”を徹底解説」」への1件のフィードバック

  1. JTB……Cなのね。一瞬旅行会社かとおもったわ!それにしても韓国のテレビ局がNETFLIX に淘汰されるのはさもありなん。あの大仰な口元を歪めてセリフ廻しをする芝居、、、中には魅力的な役者もいるけれど、使い古したストーリーには辟易する。初期の韓国ドラマの方がよかったわ!

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