韓国の人気ユーチューバー「チョンチョンTV」が、株式投資の失敗で約7億ウォン(約7,700万円)をすべて失ったと告白したニュースを見つけた。
さすがに7700万円貯めて全額失ったというのは笑えない話であるのだが、登録者20万人もいればたくさん稼げるので、普通に食べていけるんじゃないか。ちょっと痛い勉強代だと思っておけばいい。
このニュースは韓国社会に大きな衝撃を与えたが、単なる“投資の失敗”ではなく、そもそも7700万円もあって全額失う時点で、どうかしているという話を今回は行動経済学の視点で読み取ろう。
それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。
投資依存は「心理バイアスの連鎖」で起きる
投資依存は、ひとつのミスではなく、複数の心理バイアスが連鎖的に発動することで強化される。
チョンチョンの行動には、以下のバイアスが明確に確認できる。
初期成功 → 自信過剰バイアス
「当初はグーグルやアップル、テスラといった海外の成長株への積み立て投資で、100~150%の利益を出すなど順調だった」
初期の成功体験は、投資依存の最初の入り口。人は利益を得ると「自分は才能がある」と錯覚し、リスクを過小評価する。
ここまでは普通だ。実際、Googleやアップル、Teslaなどは米国の優良企業だ。現物なら、多少、損しても間違いなく握っておけば損失はほぼ出ないだろう。ただ、Teslaの場合は急成長しすぎたので、元に戻るかはスペースXにかかっている。
それで、彼は「短期間で大きな利益を得たことで『自分は株の才能がある』と錯覚」したようだ。これは典型的な自信過剰バイアスである。
これは投資をしたら、最初はビギナーズラックで儲かることだってある。でも、それで自分は才能あるとか思うのはどうかしている。
利益の快感 → 即時報酬バイアス
「一時は1週間で2億ウォン(約2200万円)を稼ぐこともあった」
この時点で、この人の買い方は異常であることがわかる。普通の株を買っても一週間で2000万なんて稼げんよ。キオクシアの全盛期ですら一週間で2千万は稼ぐのは難しいんじゃないか。まあ、そのキオクシアも昨日は酷い下げでマイナス14%で。770万だったか。
ここからギャンブル依存に陥りやすい典型例。
短期間で巨額の利益を得ると、脳内でドーパミンが強烈に分泌される。この“快感”が、より強い刺激(=高リスク投資)を求める行動を生む。
韓国社会はギャンブル依存率が高く、即時報酬バイアスが強い傾向があるため、「もっと早く、大きく稼ぎたい」という欲求が加速しやすい。
以前にも述べたが高レバレッジをかけて、仮に150倍で数%株価が上昇したら、マジで数千万稼げてしまう。そのときはまさに鷲津巌がアカギに勝てなそうな手を聴牌して、後は積もるだけ。そこにアカギがロンパイを放り込んで、鷲頭は勝ったとロンを何度も叫ぶ。そこで脳内でドーパミンが強烈に分泌される。
駆け巡る脳内物質!
βエンドルフィン……!チロシン……!エンケファリン……!バリン…!リジンロイシンイソロイシン…!
このように、彼の脳内にも2200万円も一週間で利益を得たときに駆け巡ったんだよ。だが、これがいけない。大勝しすぎると自分は才能がある。もっと勝てるはずだというギャンブル依存の典型例に陥る。
そして、彼はついにレバレッジに手を出す。ギャンブラーとなる。
レバレッジ・テーマ株へ → リスク拡大バイアス
「レバレッジ商品や暗号資産関連のテーマ株といったハイリスクな短期売買に没頭」
初期成功 → 自信過剰 → 快感の強化 この流れで、人は自然とリスクの高い商品へ手を出す。行動経済学では、これをリスク拡大バイアスと呼ぶ。
しかし、投資なんて何度も勝てるわけじゃない。負けることだってアル。すると、多額の損失が発生するわけだ。
損失が出ると、人は「損を確定したくない」という心理が働き、危険な行動を続けてしまう。
これも簡単だ。5000万負けた。これを取り返すにはもうレバレッジ150倍にかけるしかない。韓国ではサムスン電子やSKハイニックスの株価の上下だけでコスピが動く超絶ギャンブル市場。夜間先物見て、今日は行けそうだ。よし、レバレッジ150倍で取り戻す!
その結果、彼は7700万という大金を失ったのだよ。
損失を取り返そうとする → ギャンブラーの誤謬
「損失を取り戻そうと危険な取引を繰り返した」
これはギャンブル依存症の典型行動で、 「負けを取り返すまでやめられない」という心理状態。行動経済学ではギャンブラーの誤謬という。
正常性バイアス
「最初は健全な投資でも、だんだん早く、大きく稼ぎたいという欲に支配される」
「今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫だろう」という根拠なき安心感が、破滅的行動を継続させる。
FOMO(取り残される恐怖)
韓国では良くあるやつ。サムスン電子やSKハイニックスが暴騰してるのに、自分だけが取り残される錯覚である。
「若者が労働だけでソウルに家を買うのは難しいと思い、投資を始めた」
確かにそうだが、7700万円あったら、あとは融資で買えましたよね。
韓国では不動産価格が異常に高く、
「投資しないと人生が詰む」という社会構造がある。
これがFOMO(Fear of Missing Out)を強烈に刺激する。
最終的な破滅 → 投資依存の完成
「通帳は完全に『0ウォン』の状態。40年間で稼いだお金がすべて消えた」
「精神的に追い詰められ、暗い部屋に引きこもる日々」
投資依存は、 資産の破壊 → 精神の破壊 → 人間関係の破壊 という三段階で進行する。
彼のケースは、その典型例である。
では、若者が投資依存に陥る理由を解説していこう。以前の動画で解説したとおりだが。
なぜ韓国で投資依存が起きやすいのか
チョンチョンの行動は個人の問題ではなく、韓国社会の構造が背景にある。
●① 不動産価格の異常な高騰
ソウルのマンション価格は平均年収の15〜20倍。
労働だけでは家が買えない。
●② SNS依存社会
成功者の情報が毎日流れ、社会的証明が強化される。
●③ ギャンブル文化
即時報酬バイアスが強く、投資がギャンブル化しやすい。
結論:チョンチョンの破滅は「心理学的に必然」
彼の行動は、初期成功 → 自信過剰 → リスク拡大 → 損失 → 取り返し行動 → 破滅
という投資依存の典型的プロセスを完全に踏んでいる。
これは個人の弱さではなく、行動経済学が説明する“人間の脳の仕組み”であり、
韓国社会の構造がそれを強化している。
では、ここからはストーリーで解説する。
韓国の若者がギャンブル依存となり、最後は人生終了する理由
韓国の若者は親ガチャで失敗したら、大学を出て就職するまでも多額の借金を抱え込む。しかし、大学にいけても良い就職先が見つけることは難しい。結局、月収240万だったか。最低地銀より少し上の中小零細に就職する。
しかし、すでに数千万の借金を背負っている若者は、月収240万では利息すら返せない詰み状態。まさに地上にいながら帝愛の地下工場で労働しているようなものである。もう、焼き肉を数回食べたら給料が吹き飛ぶ現実。キンキンに冷えたビールを毎日、1本飲む程度の余剰資金。自分はなんのために生まれてきたんだろう。
ふと。空を見上げる。こんなはずじゃない。若者は人生を振り返る。親みたいな低収入が嫌で、一生懸命、勉強した。大学も行った。でも、大学の生活費を親に頼れない。勉強しながらバイトしても生活費は足りない。授業料も高い。借金だけが積み上がっていった。
1ヶ月働いて、贅沢できる範囲は焼き肉を何回か食べるだけ。オレはこの生活をあと、何十年続けることになるんだ。スマホが着信がなった。会社の同僚からのメールだ。
そこには写真付きで「サムスン電子のレバレッジETF2倍で大もうけ。朝まで「キャバ○○三昧」だと写真付き。写真には複数の綺麗な姉ちゃんを横において、豪華な食事。高級酒をたらふく呑んでいる同僚。
その通知を見て、自分は缶ビール1本と柿ピーだけなのに、オレよりも出来が悪いあいつが豪遊だって・・・。自分の月収を一日で使ってそうな遊びぶり。完全にマウントを取られた気がした。
ふざけるな。あんなやつが幸せそうで、なんでこっちだけが、こんな惨めな生活しなきゃいけないんだ!そして、友人の通知で知ったレバレッジETF・・・。そうだ。あんなアホでも儲かるんだ。オレだってやればいける!
だが、元手はない。稼ぐには資金がいる。そして、彼は親が危篤状態など嘘を付いて知人や友人から金を借りて、なんとか元手を増やす。しかし、それでも足りない。だが、そんなところに「信用買い」ならたくさん買えることを発見。
よし、信用買いでサムスン電子やSKハイニックスのレバレッジETFに全崖だ。今の韓国市場は誰でも儲かるぐらい簡単だ。サムスン電子やSKハイニックスのレバレッジETFを買っておけばいいって、ネットで噂になっていたほどだ。
そして、彼が購入をして、その日にコスピはナイアガラ。サーキットブレーカー発動!彼の人生はここで終了した。
このストーリーはてきとうに書いたものではない。全ては行動心理学に当てはめることができるようになっている。
なんだろうな。漫画や小説のネタばれをするのは好きではないんだが、例えば、同僚からのメールなんてのは、まさにFOMO(取り残される恐怖)と社会的証明が最大化する瞬間である。しかも、馬鹿にしていた同僚ができるなら自分もできる。これは自信過剰バイアスの再発動である。
元手がないなら嘘を付いて借金して信用買いも、行動経済学でいう「破滅的リスクテイク」である。
韓国ではサムスン電子やSKハイニックスは必ず勝つという集団的幻想がある。
それを、SNS・YouTube・メディアが毎日煽るため、若者はレバレッジETFを“安全資産”だと錯覚する。
しかし、昨日みたいにコスピのナイアガラして、サーキットブレーカー発動直前までいったら、追証とロスカット地獄である。投資依存の最終段階は、 「破滅の瞬間は突然訪れる」という特徴がある。
結論:彼の破滅は“個人の失敗ではなく、韓国社会の必然”
今回、作った話は韓国の若者が投資依存に陥る理由を説明した。まとめておくと以下のようになる。
親ガチャ失敗
大学で借金
就職しても低収入
返済不能
SNSで成功者を見せつけられる
FOMO
自信過剰
レバレッジ依存
信用取引
破滅
これは「個人の弱さ」ではなく、韓国社会が若者を投資依存へ追い込む構造的問題である。
そんな若者に米証券市場から絶望の知らせが届いている。
フィラデルフィア半導体指数がマイナス5.44%だと!
半導体セクター:壊滅的な全面安
半導体は SOX -5.44% と大幅下落し、個別銘柄もほぼ全滅状態。
特に装置系・メモリ系の下げが極端。
▼ 半導体主要銘柄の下落一覧
(※すべてページ内数値に基づく)
● メモリ・ストレージ系
マイクロン(MU):-7.25%
サンディスク(SNDK):-15.80%(大暴落)
ウエスタンデジタル(WDC):-10.40%
シーゲイト(STX):-11.40%
👉 メモリ系は軒並み10%前後の急落。需給悪化が顕著。
● GPU・AI半導体
エヌビディア(NVDA):-2.02%(比較的軽傷)
AMD:-5.42%
マーベル(MRVL):-11.40%(AIネットワーク系が急落)
アステララボ(ALAB):-7.84%(AI半導体)
👉 AI関連でも装置・ネットワーク系が特に弱い。
● 半導体製造装置(装置系)
アプライド・マテリアルズ(AMAT):-8.68%
ラムリサーチ(LRCX):-11.10%
KLA(KLAC):-12.70%(装置系で最大級の下げ)
ASML:-4.12%(欧州勢は比較的軽傷)
👉 装置系は10%前後の下落で、半導体セクターの中心的な崩れ。
● その他半導体
インテル(INTC):-6.30%
テキサス・インスツルメンツ(TXN):-2.58%
NXPI:-3.08%
アナログ・デバイセズ(ADI):-3.52%
👉 アナログ系は比較的軽傷だが、全体的に売り圧力強い。
◆【2】半導体以外の主要ハイテク
半導体が崩れる中、大型テックはまちまち。
● 上昇
アップル(AAPL):+4.70%(本日の主役級)
マイクロソフト(MSFT):+1.64%
アマゾン(AMZN):+0.68%
パランティア(PLTR):+2.89%(AIソフト強い)
👉 AIソフト・クラウドはむしろ買われている。
● 下落
メタ(META):-4.68%
アルファベット(GOOGL):-0.56%(軽傷)
ブロードコム(AVGO):-2.87%(半導体系の弱さ反映)
今日のコスピはロスカット祭りでナイアガラ!?
こちらは深夜に起きてフィラデルフィア半導体指数が絶望的に下がってるのみた。実は雇用統計はむしろ、悪化していて利上げ観測は遠のいたにもかかわらず、半導体株は軒並み売られた。
まあ、半導体株、特にメモリーは上がりすぎていた。マイクロンよりも、サンディスクの方が酷い。マイナス15.80%だ。確かに株価が高かったので狙われやすいとは思っただけど。ここまで露骨に下げるか。
因みにコスピ200夜間先物はマイナス1.6%だ。むしろ、フィラデルフィア半導体指数がかなり下げても、コスピは強気だ。ただ。これははめ込みじゃないとは断定できない。実際、メモリー株の逆風は凄まじいからだ。
まあ、ギャンブル相場なんでどっちに転ぶかなんて、誰にもわからない。せいぜい、外国人の戻し上げには注意することだな。ああ、でも、最初に昨日の分のロスカット来るから下げる可能性は高いか。