韓国株式市場の幻想と現実──外国人売り一択の中でKOSPIの限界は8000、適正価格は5000台

韓国株式市場、急落の中でも「KOSPI6000が下方支持線

7月27日、時刻は朝の6時である。米市場はお休みだったので、こちらは久しぶりにのんびりと寝ていたのだが、今週のメインイベントを紹介しておく必要がある。

なんといっても、今週のメインイベントは7月28日から開催されるFOMCだが、他にも重要な米ビッグテックの決算がある。それは30日日のマイクロソフトやMetaと、31日のアマゾンとアップルの決算だ。

他にも7月28日に米7月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)や、30日に米6月個人消費支出(PCEデフレータなどの米指標も見逃せない。

日本なら29日のアドバンテストの決算。30日に東京エレクトロン、31日にキオクシア決算と立て続けに怒濤の決算ラッシュである。さらに31日には日銀の金融政策決定会合があり、利上げするのか。据え置くのか判断される。

また、韓国のSKハイニックスの決算が7月29日にある。先週のGoogleやインテル、Teslaの決算を乗り越えても、まだまだAI半導体の最新状況を伺うにはこれだけのハードルが迫っている。

だから、これが一つでも大きく崩れたら、韓国のコスピなんてあっという間にナイアガラてやつだ。

これだけイベントが重なると焦点がぼやけてしまうが、基本はAI半導体における重要要素だと抑えればいい。FOMCや日銀金融政策決定会合は金利上昇というAI半導体にとって悪材料となる恐れがある。ビッグテックの決算はAIの巨額投資が続いてるかどうかや、AIが収益をもたらすかの確認である。

そして、今回の月曜日の朝に紹介するのはコスピの支持線における専門家の見通しである。韓国のアナリストと海外のアナリストの二つの視点を紹介しよう。

それでは韓国経済の専門家の視点で解説していく。

韓国株式市場、急落の中でも「KOSPI6000が下方支持線

金融投資専門家120人アンケートで判明、下半期は8500超えの反発力を評価

韓国証券市場がジェットコースターのような乱高下を続ける中、国内資本市場の専門家の半数以上が「KOSPIは6000〜6500で下方支持線を形成する」と判断したことが分かった。


毎日経済が主要資産運用会社のファンドマネジャー、証券会社リサーチセンター長など金融投資専門家120人を対象に実施したアンケート調査(7月23〜24日)で明らかになった。

■ KOSPIは高値から30%下落も「短期過熱の調整」との見方が優勢


KOSPIは過去高点から約30%下落しているが、専門家の多くは「短期的な過熱や需給の歪みに伴う調整」と分析している。市場のセンチメントが悪化しているものの、構造的な下落局面ではなく、テクニカルな調整局面と捉える声が強い。

■ 下方支持線は「6000〜6500」が最多


アンケート結果では、48.3%が下半期のKOSPI支持線として6000〜6500を選択。
さらに「6500〜7000」(17.5%)まで含めると、専門家の約8割が6000台で底を形成すると予測している。

■ 上値は「8500〜9500」ゾーンが中心


一方、下半期の上値については以下の回答が多かった。

8500〜9000:23.3%

9000〜9500:22.5%

さらに、過去最高値(9385.59)を突破し9500以上を記録すると答えた専門家も28.3%に達した。総じて、74.1%が「KOSPIは8500を超える潜在力を持つ」と診断している。

■ 反発の条件は「原油価格・金利の安定」「中東リスクの緩和」


KB証券のキム・ドンウォン リサーチ本部長は、反騰の条件として以下を挙げた。

原油価格の安定

金利の安定

中東地域の不確実性の緩和

これらが整えば、ビッグテックのAI投資への信頼を背景に、大型株中心の強力な反騰が再び始まると予想している。

■ 総括:韓国株式市場は「調整後の反発力」を依然保持


今回のアンケート結果から見えるのは、短期的な急落にもかかわらず、専門家はKOSPIの中長期的な反発力を依然高く評価しているという点だ。

下方支持線は6000台

上値は8500〜9500

反発条件はマクロ環境の安定

AI投資を軸とした大型株の再浮上期待

韓国市場は不安定さを抱えつつも、底堅さと反発余力を兼ね備えた局面にあるといえる。

このように毎日経済がアンケートした金融専門家120人は笑えるほど楽観論でコスピはまだ上がると予想している。しかし、レバレッジETFの規制が31日に前倒しされて個人の買い支えがなくなっていくのに本当に上がるのか。

それについては5月27日からのコスピの動きを確認しておこう。

5月27日のコスピの数値は8400である。それから乱高下を繰り返して、6月19日には9353まであげている。だから、実際、レバレッジETF導入してから1000近く上げたから、むしろ、導入後は急激に下がり、6690まで落ちたという見方もできる。

もちろん、これは世界的にAI半導体メモリーへの不振が大きな要因ではあるのだが、レバレッジETF導入したから、コスピは上がったのはわりと短期間である。

そして、ここからさらに面白いデータを出そう。

これが5月27日から今日までの投資主体別売買動向である。注目なのは外国人だ。

日付 個人 外国人 機関

26.05.274,064-2,493-12611,199-3,055-2,349-204-3,9300-1,446
26.05.26-5,745-1,3218,1681,708-1,9588,720-308-1,1620-1,102
26.05.2210,655-19,2217,5837,815-635-136-1,1610984
26.05.21-26,754-2,21229,00826,231-6003,50049-9590-43
26.05.2017,104-29,31011,0709,7746877140-1,51501,135
26.05.1956,289-57,2421,5753,215-7-708-43-1,3860-622
26.05.1822,094-36,49213,90414,000-121-327-251160494
26.05.1572,308-56,039-17,347-9,325-278-3,820-26-94901,079
26.05.1418,499-21,4501,92712,618-1,750-3,748-121-1,93301,024
26.05.1318,868-37,22716,87618,852-630-11567-2,36301,482
26.06.1120,803-14,640-7,561-14,3281,0394,849-17-1,12501,399
26.06.1048,643-27,754-22,665-14,247520-5,39747-2,64201,776
26.06.09-6,167-20,06425,04818,795-8839,283178-23301,183
26.06.0817,628-2,644-17,164-14,373156-4,042-21048502,181
26.06.0542,240-27,638-13,809-9,410-64-2,360-124-6070-793
26.06.0450,135-66,66315,25514,443-4512,798-26-49201,273
26.06.0263,537-63,035-5463,408-696-1,744-21707044
26.06.013,862-28,21924,42726,892-2,5971,771-113-3050-70
26.05.29-14,054-10,42123,68819,139-4093,818-79090787
26.05.2836,146-27,414-10,422-3,532-212-6,510-79-27501,690
26.06.25-24,136-8,75433,24424,024-1,0827,61662-250-354
26.06.2426,312-46,54619,09517,479-1035032713101,138
26.06.2385,910-42,047-44,760-20,908-1,018-14,506-165-2,9370898
26.06.2221,506-25,4663,0344,859-8603,350-19-1,8340926
26.06.1916,478-3,555-12,244-1,994-2,5371,31042-5,2670-679
26.06.18-4,15612,776-7,6821,577-1,530-59780-3,9210-938
26.06.175,254-9,9525,9575,194-6474,907-87-1,6760-1,259
26.06.16-21,84115,3537,0762,129-3354,93147-3380-588
26.06.15-15,12410,7744,4627,120-575125142500-112
26.06.12-43,17422,04122,87016,534-5808,916114-3,2480-1,736
26.07.09-13,2781,34312,8842,8229508,39017360-950
26.07.08-3583,437-3,5521,605477-4,151-56-9500473
26.07.0731,359-29,172-3,1084,356437-8,825-572850921
26.07.0626,829-13,144-14,618-14,299-129193126-3380933
26.07.03-22,942-21,75044,07930,1531,04010,3981495630614
26.07.0262,413-43,706-20,825-3,928556-13,2019-49502,118
26.07.0117,370-17,028-700-9834821,33249-2,1770359
26.06.308,401-37,99229,33216,12192510,15914-3940259
26.06.2945,975-77,33229,32730,27040-3,146-11258102,030
26.06.2681,919-42,906-41,224-19,935-302-16,899-11-48202,211
26.07.2451,782-32,683-19,514-8,740-1,753-7,125123260415
26.07.23-22,07721,359976-10,1392616,732437410-257
26.07.22-12,17626,211-13,963-9,758162-1,096-3-7060-72
26.07.21-16,4212,95213,7448,8911,1574,48546000-275
26.07.203,4905,198-9,235-4,931584-2,675-77430547
26.07.1636,647-13,665-23,831-15,258-545-5,61265920849
26.07.15-24,66623,0311,992-8,431-4218,996392050-357
26.07.14-41,4119,56532,11718,9261,508-21-3448680-271
26.07.1338,869-16,705-22,338-32867-16,337-562-6620175
26.07.10-7,805-3,22811,31411,349579-4,303693550-282

これを整理してもらうとこうなる。

外国人売買動向(5月27日〜7月24日)一覧表

(単位:億ウォン、+=買い越し、-=売り越し)

日付外国人
26.07.24-32,683
26.07.23+21,359
26.07.22+26,211
26.07.21+2,952
26.07.20+5,198
26.07.16-13,665
26.07.15+23,031
26.07.14+9,565
26.07.13-16,705
26.07.10-3,228
26.07.09+1,343
26.07.08+3,437
26.07.07-29,172
26.07.06-13,144
26.07.03-21,750
26.07.02-43,706
26.07.01-17,028
26.06.30-37,992
26.06.29-77,332
26.06.26-42,906
26.06.25-8,754
26.06.24-46,546
26.06.23-42,047
26.06.22-25,466
26.06.19-3,555
26.06.18+12,776
26.06.17-9,952
26.06.16+15,353
26.06.15+10,774
26.06.12+22,041
26.06.11-14,640
26.06.10-27,754
26.06.09-20,064
26.06.08-2,644
26.06.05-27,638
26.06.04-66,663
26.06.02-63,035
26.06.01-28,219
26.05.29-10,421
26.05.28-27,414
26.05.27-2,493

外国人フローの特徴

■ ① 5月27日〜7月24日の約2か月間

43営業日中、外国人が買い越したのはわずか 10日。 売り越しは 33日。

外国人はほぼ一貫して売り続けている。

■ ② 売り越しの大規模日が連続

特に大きい売り越し:

  • 6/29:-77,332
  • 6/04:-66,663
  • 6/02:-63,035
  • 6/30:-37,992
  • 7/02:-43,706
  • 7/07:-29,172

6月末〜7月初旬は外国人の“集中投げ売りゾーン”。

■ ③ 7月後半は買い越しが増えたが、規模は小さい

  • 7/23:+21,359
  • 7/22:+26,211
  • 7/15:+23,031
  • 7/14:+9,565

買い越しはあるが、売り越しの規模に比べると弱い。

■ ④ 最新(7/24)は再び大幅売り越し

  • 7/24:-32,683

外国人の売り圧力はまだ終わっていない。

おわかりいただけただろうか。レバレッジETFが導入される前からもそうだが、外国人はほぼ売り一択なのだよ。確かにたまに買い超しもあるのだが、圧倒的に売りが多い。

レバレッジETFが導入された韓国アリはサムスン電子やSKハイニックスが高すぎて買えなかったために、それに殺到した。そして、コスピは確かに9353まで上昇した。しかし、その間は全て外国人は投げ売りしている。だとしたら、レバレッジETF導入されても外国人は買わないし、個人だけが焼かれていたことの証明になるわけだ。

なら、ここでレバレッジETFに規制を導入すればどうなるのか。少なくとも、個人の買い支えは半減するので、コスピに下方圧力がかかる。外国人は5月7日、コスピが7000越えたあたりからずっと売っているので、外国人が一つの売りの目安にしてるのは7000ということになる。

だから、7000まではレバレッジETFなしでも上がる可能性はある。しかし、その先を考えるとデータを整理すればかなり難しいことがわかる。

だから、韓国の金融専門家120人のKOSPI6000から6500が下方支持線というのはわりとこちらも納得できる。おそらく6000あたりは外国人が買ってくれる範囲だ。問題は再び、下半期には8500〜9500まで上がるという根拠がないてことだ。

さっきデータで解説したとおり、レバレッジETFの買い支えは消える。そうすればコスピを上げる力が消える。7000越えれば外国人は売りに走る。この先にあがっても8000すら越えないのが現状ではないのか。

では、彼らが上がる根拠は何か。まさに楽観論の塊である。

「原油価格・金利安定、中東不確実性緩和などがなされれば…」

この3つはどれも違うようで全部同じである。全てはイラン戦争が原因なのだから、イラン戦争が本当に終われば原油価格は下がるし、金利は安定の方向に向かう。しかし、現状においてそれが難しい。こちらもイラン戦争がいつ終わるかは読めない。そもそも終わると思っていたら、なぜかどちらも攻撃している。

こちらはデータ重視なので、基本的に楽観的な見通しはしない。数ヶ月のコスピの動きと外国人の売りを見れば、データから導き出せる答えはコスピ8000程度が限界であるということ。もちろん、レバレッジETFがどこまで減るかは読めないので、若者を禁止してもいがいと残高があるなら、8000超えもあるとおもうが、さすがに18兆ウォンから増えることはないよな。

それで以前に述べた通り、こちらはコスピの適正価格は5000台辺りが、正しい評価価値だと見ている。つまり、本当に底は5000台ってところだ。6000の支持線を割るのは難しいとおもうけどな。年金の買い支えなどもはいるだろうし。もちろん、イラン戦争が終わるなら、市場はインフレ鈍化期待でAI半導体株は買われるだろう。でも、そこが読めない以上は予測しても当たらない。

次は海外の専門家はどう見ているのか。

海外専門家は韓国市場をどう見ているか

① 「韓国市場は構造的に脆弱」

海外勢は、韓国市場を次のように評価しています。

個人投資家依存度が異常に高い

レバレッジETF依存が世界で最も高い

機関投資家の比率が低い

年金・保険など長期資金が弱い

つまり、 需給が壊れやすい市場という評価が定着しています。

韓国の専門家が「短期過熱の調整」と言っているのに対し、海外勢はこれは構造的な問題だと見ています。

レバ規制は「市場の支柱を折った」と評価

海外勢は、韓国政府のレバ規制についてこう見ています。

個人の買い支えが消える=需給の柱が折れる

下落時のクッションが消滅

ボラティリティがさらに増加

市場の流動性が低下

つまり、レバ規制は市場安定化ではなく市場不安定化を招くという評価。

韓国国内の専門家の楽観論とは真逆です。

③ 「金利安定」論は海外ではほぼ否定されている

米国金利は再上昇

インフレは粘着性が強い

FRBは利下げできない

韓国はウォン安で利下げできない

原油は中東情勢で不安定

つまり、 金利が安定する要素はほぼゼロというのが海外の評価。

記事の専門家が言う「原油価格・金利安定、中東リスク緩和」という条件は、海外勢から見れば“起きない前提条件”を置いた楽観論に過ぎません。

④ 海外勢は「韓国市場はAIテーマに過度依存」と見ている

記事の専門家は[sec9]でこう述べています:

「ビッグテックのAI投資への信頼を土台に大型株中心の反騰が始まる」

しかし海外勢はこう見ています。

韓国のAI関連株は米国のAIテーマに“連動しているだけ”

韓国企業はAIの“供給側”ではなく“需要側”

韓国市場はAIテーマの“二次的受益者”でしかない

だから米国のAIサイクルが止まれば韓国は即崩れる

つまり、 韓国市場はAIテーマの“従属市場”であり、独自の成長ドライバーが弱い。

海外勢は「KOSPI6000は底ではなく“通過点”」と見ている

記事では専門家の48.3%が「KOSPIの支持線は6000〜6500」
と答えています。しかし海外勢の見方は違います。

韓国市場は需給崩壊の初期段階

レバ規制で個人の買い支えが消滅

半導体サイクルはピークアウト

米金利上昇で新興国資金が流出

ウォン安で外国人が買えない

つまり、 6000は“底”ではなく“通過点”になり得る。

海外勢は、韓国の専門家ほど楽観的ではありません。

海外勢の総合評価

まとめると、海外専門家はこう見ています。

■ 韓国市場の評価(海外)


構造的に脆弱

個人依存が危険

レバ規制は悪手

金利安定は非現実的

AIテーマ依存はリスク

KOSPI6000は底ではない可能性

ウォン安で外国人が買えない

半導体サイクルはピークアウト

■ 韓国市場の評価(国内)
短期過熱の調整

6000〜6500が支持線

8500〜9500まで反騰可能

金利安定すれば反騰

AI投資が押し上げる

大型株中心に反騰

両者は完全に逆方向。

このように海外の投資家は全くもって楽観視はしていない。そして、多くの場合は外資や外国人が参考にするのは海外の専門家のほうなので、それらを考えても、韓国の金融専門家120人は、ただの楽観論で数値を導き出しただけのお花畑連中が多いてことだ。

市場は外国人の売買で動くので、結局、彼らの言い分のほうに分がある。韓国アリはレバレッジETFという最大の武器が制限されて、どう戦っていくのかが8月以降でコスピの焦点となる。

そもそも、今週の決算ラッシュを乗り越えないと7000どころか。5000ですけどね!

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