時刻は14時半を過ぎた。そろそろ夜の原稿に取りかかるために執筆活動を始めたわけだが、食事中にウォッチしていたSKハイニックスの乱高下がメチャクチャ面白いという。まさにヘッジファンドに韓国アリが翻弄されていくのが手に取るようにわかるチャートである。
それについては終わったときに詳しく解説するとしても、サムスン電子の決算が出てきたのでその内容を確認していこうか。
それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。
サムスン電子、第2四半期は営業利益89.5兆ウォンの過去最高
HBM4量産拡大・テイラー第2工場着工で「AI半導体覇権」へ本格始動
サムスン電子が2026年第2四半期決算で営業利益89.5兆ウォンという過去最高の業績を記録した。売上高は171兆4995億ウォンで、前年同期比130%増、営業利益は前年同期比1813%増という爆発的な伸びとなった。営業利益率は52.2%に達し、半導体事業の収益性が極めて高い水準にあることを示した。
ADR上場は「現時点で検討せず」
決算説明会で注目された米国ADR上場について、サムスン電子は「現在は検討していない」と明確に否定した。理由として、既に安定した現金創出力がある。
新規資金調達の必要性が低い
ADRは開示負担や原株との価値乖離リスクがあると説明した。
ただし「中長期的な株主価値向上の選択肢としては開いておく」と含みも持たせた。
■ HBM4で「質的成長」へ
サムスン電子は次世代HBMロードマップの中心をHBM4に据え、下半期に急速な拡大を見込む。
第3四半期のHBM4売上は前期比3倍以上
下半期のHBM売上のうちHBM4が60%以上を占める見通し
DRAM全体シェア(38%)と同水準のHBMシェア確保を目標
メモリーCAPAの60〜70%を長期供給契約(LTA)に充当
5大グローバルデータセンターとの契約を完了
AI需要の急拡大を背景に、HBM4が同社の収益構造をさらに押し上げる見込みだ。
■ テキサス州テイラー「第2工場」着工を正式化
ファウンドリー事業では、米テキサス州テイラーのFab2(第2工場)を2030年量産目標として、今年末に着工する計画を明らかにした。
既存のテイラーFab1は2026年稼働予定で順調に進行しており、
2nm級プロセスのCAPA拡大
1.4nm級プロセスへの顧客問い合わせ増加
に対応するため、追加Fabの検討も進めている。
■ モバイル事業は赤字転落、AI体験強化で巻き返しへ
一方、モバイル・エクスペリエンス(MX)事業部は、部品原価の高騰により営業損失を計上。DX部門全体としても初の赤字となった。
サムスン電子は下半期の巻き返し策として、
Google Experience Centerとの連携による「エイジョンティックAI」体験強化
Galaxy Z Fold8などフラッグシップ比率の拡大
新フォームファクター「インテリジェント・アイウェア」投入
を掲げ、AIとプレミアム製品で収益改善を図る。
■ まとめ:AI半導体覇権へ向けた「攻めの投資」
今回の決算は、
HBM4の急拡大
テイラー第2工場の着工
長期供給契約の拡大
など、AI半導体市場で主導権を握るための戦略が明確に示された内容となった。
営業利益率52%という異例の高収益を背景に、サムスン電子はAI時代のメモリー・ファウンドリー両面で攻勢を強めている。
このように良好な決算に見えるのだが、いくつかに気になるところがある。
疑問点1:利益の「メモリ一本足打法」とスマホ部門の赤字転落
今回の89.5兆ウォンという営業利益の内訳を分析すると、極めてアンバランスな「一本足巨人」の実態が見えてくる。
- 半導体(DS部門)が利益のほぼ100%DRAM価格の急騰(前期比約+45%)やNAND価格の上昇(同+60%超)により、半導体部門だけで約89兆〜91兆ウォンもの利益を稼ぎ出した。。
- 身内のスマホ(MX部門)がメモリ高騰で赤字転落皮肉なことに、メモリ価格が上がりすぎた結果、同社のスマートフォン(Galaxy)事業は部品調達コストの激増に耐えきれず、約0.7兆ウォンの営業赤字に転落という。
総合IT企業を標榜しながら、実質的には「市況次第で乱高下する汎用メモリの単価高騰」だけで稼いでおり、市況が落ち着けば一気に業績が急降下するリスクを孕んでいる。
そもそもサムスン電子は半導体メモリー作っていて、スマホの自社メモリーを市場価格で買うという謎のやり方である。こんなことしている理由は簡単だ。メモリーの売上や利益を大きく見せたいからである。ええ?どういうこと?
今回の営業利益89.5兆ウォンというのは凄い金額に見えるが、その中で数億台のギャラクシー用にメモリーを買っているんだよ。だから、メモリーが数億個売れても、それは半導体の利益に計上されるが、スマホ部門では大きな赤字になるわけだ。
だから、本来はこのギャラクシーに搭載するメモリーの出荷数は弾いて計算してこそ、本当に売上や利益が出てくる。結局、スマホ事業がその赤字を背負わされているんだよ。それでスマホの部門にボーナスは100分の1です!
しかし、これはHBMにはできません。そもそもスマホにHBM使いません!
疑問点2:HBM4アピールと「SKハイニックス追撃」の焦り
記事では「HBM4の出荷量が第3四半期に3倍へ拡大し、下半期のHBM収入の60%超を占める」と強調してるが、これも現状は厳しいだろう。
- HBM(高帯域幅メモリ)市場では、これまでSKハイニックスがNVIDIA向け供給などで圧倒的優位を保っている。
- サムスンがHBM4での巻返しを猛アピールしているものの、HBMは高精度な歩留まり管理が必要で製造コストが非常に高く、汎用DRAMほど利益率が出にくい「コスト地獄」の一面を持っている。
- 「2028年まで供給不足が続く」という経営陣の発言も、顧客からの長期契約を引き出すためのアナウンスメント効果を狙ったポーズという側面が目立つ。
疑問点3:テイラー第2工場と膨れ上がる設備投資の重荷
米国テキサス州テイラーでの第2工場着工や、年間50兆ウォン規模に達する巨額の設備投資(CapEx)の強行も、将来の大きな財務リスクになり得ます。
- 米国投資の政治的コスト:米国の半導体法(CHIPS Act)や関税・地政学リスクに対応するため、コストの非常に高い米国での工場建設を推し進めざるを得ない状況です。
- 将来の減価償却費の圧迫:ファウンドリ(受託製造)事業でTSMCから2nmなどの先端ノードでシェアを奪い返せなければ、建設した第2工場が膨大な減価償却費を生み出し、半導体部門全体の足を引っ張ることになる。
そもそも2NMはTSMCに大差を付けられている。ファウンドリー事業で勝てるとは思えないのに、米国に工場建設しても客がいない。生産中断というどこかのパターンに陥ってしまう。
だから、この決算で見るポイントは過去最高の営業利益とか、派手な宣伝じゃないんだよ。なぜなら、それらは水増しと株主にアピールしていて実用性がないんだから。本当に見るところはここだ。
「あわせて、世界的なメモリー供給不足の長期化に対応し、全メモリー生産能力(CAPA)の60~70%水準で長期供給契約(LTA)を推進しており、5大グローバルデータセンター顧客との契約を完了した」
ここが重要です。そして、これは大嘘です。なぜなら、その名前が記事にGoogleしか出てこないから。本来、契約しているならマイクロソフトとか、エヌビディアとか、Metaとか、そういう企業の名前がでてこないとおかしいんだ。5大グローバルデーターセンター顧客ってなんだよ。
そもそも記事に出てくるGoogleだってスマホ関連だから、HBMの記事には該当するかも怪しい。
これだけ突っ込んでおけば今日のサムスン電子の株価がなぜ下がっているかがわかる。とおもったら、すこしはあげてるのか。でも、まだ市場は終わってないか。そんなこといってたら、マイナスに落ちてるな。
これは終わるまではどっちに転ぶかわからない。ただ、好決算のように見えて市場が反応してないのは見せかけの数字だけ並べてるのがばれているんだよ。
韓国ネットの反応まとめ
①「営業利益89兆ウォン?数字だけ派手で中身は危ない」
「営業利益率52%って異常。どうせDRAM価格が上がっただけ」
「メモリー一本足打法の危険性は何も解決してない」
「スマホ部門が赤字なのに“過去最高利益”っておかしいだろ」
「市況が下がったら一瞬で崩れる数字」
→ 半導体市況依存の“ジェットコースター決算”への不信感が強い。
②「HBM4が下半期の60%?絶対に無理」
(記事のHBM4売上60%主張:)
「HBMはSKハイニックスが独占してるのに、どうやって60%?」
「NVIDIA認証もまだなのに、売上が3倍とか信じられない」
「サムスンのHBMは歩留まりが悪いってずっと言われてる」
「また“希望的観測”で株主を釣ってるだけ」
→ HBM4の生産能力・品質・顧客確保に対する疑念が圧倒的。
③「5大データセンターと契約?名前がないので嘘」
「本当に契約したならAWS・Azure・Metaの名前が出るはず」
「“5大データセンター”って誰?言えない時点で契約してない」
「サムスンは契約が取れない時ほど“契約した”と言う」
→ LTA(長期供給契約)発表は“株主向けの演出”と見られている。
④「テイラー第2工場?客がいないのに米国で工場増やすの?」
「米国で半導体作るのはコスト地獄。誰が買うの?」
「TSMCに2nmで負けてるのに、米国で工場増やしてどうする」
「減価償却でまた赤字になる未来しか見えない」
「CHIPS Actのために無理してるだけ」
→ 米国投資は“政治的コスト”であり、事業的合理性がないという批判。
⑤「スマホ部門が赤字なのに、半導体だけボーナス爆増は不公平」
(記事のMX赤字:)
「スマホ部門はメモリーを市場価格で買わされて赤字」
「DS(半導体)だけボーナスが高くてMXは奴隷扱い」
「内部取引で半導体の利益を水増ししてるだけ」
「Galaxy社員の士気が崩壊してる」
→ サムスン内部の“DS帝国・MX奴隷”構造への不満が強い。
⑥「ADR上場を否定したのは正しいが、成長戦略が見えない」
「ADRは負担が大きいからやらないのは正しい」
「でも株主還元策が弱すぎる」
「結局、半導体市況頼みのまま」
15時半の結果

それでは市場の結果を見ていこう。
今日のコスピは昨日に続いて下げる。5593.57。マイナス69.68。マイナス1.23%。
しかも、これをよく見ればサイドカー発動してますよね。朝に謎の爆上げしてプラス5%越えている。これは空売りの買い戻しなのか。その後、ナイアガラですが。
10時50分ぐらいに5960.つまり、6000回復しそうなほど高騰したが、サイドカー発動後は逆に売られてまさかのマイナスゴールである。
それで面白いのがSKハイニックスだ。

開幕は強制決済による強制売りで129万ウォンまで落ちる。しかし、ここから空売りの買い戻しで、まさかの145万ウォンまで上がるも、そこからナイアガラである。そして、後はまさにヘッジファンドのだまし上げをしながら、ドンドン落ちていくだけ。
最後は132万2000ウォン。マイナス79000.マイナス5.64パーセントで終了。
次に決算があったサムスン電子だ。

サムスン電子も空売りの買い戻しや決算で一度は大きく上がるが、これもSKハイニックスと同じでナイアガラ。最後はまさかのマイナスで着地である。
207000.マイナス1500.マイナス0.72パーセントである。
好決算に見えても、中身がないので売られてるのがよくわかるだろう。
投資主体別売買動向は個人が1兆4310億ウォンで売り。外国人が1兆3437億で買い。機関が660億ウォンで買いとなっている。結局、個人が昨日の下げでロスカットと損切りして、美味しく外国人が底で買っていると。
全体まとめ
サムスンの決算は派手な数字の裏で構造的な弱点が露呈している。
半導体一本足打法
内部取引による利益水増し
HBM4の非現実的な計画
LTA契約の虚偽疑惑
米国工場の財務リスク
スマホ部門の赤字
韓国市場の個人狩り構造
今日の市場の値動きは
「好決算でも売られる理由」をそのまま示した一日だった。