米CPI発表前であるので、何処の市場も様子見モードみたいになっているのだが、こちらが注目しているAI半導体メモリー関連はこの動きもないときでも、プラスで終わっている。さすがに売られすぎたサンディスクが少し戻しているのだが、今のところは以前のような高騰は見られない。
今日の問題は二つだ。米国とイランのホルムズ海峡を巡っての合意が進まないために原油価格が高騰していること。約79兆円規模のAI融資計画参画の報道でエヌビディア株が大きく下げていること。
ぶっちゃけ。どちらもAI半導体関連には悪い材料である。特にエヌビディアと組んでいるSKハイニックスはエヌビディアが落ちると、そのままSKハイニックスも売られる。しかし、本来は良いはずの巨額投資が悪い材料に扱われてきているよな。
それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。
エヌビディアの時価総額が24兆円以上消失
8月10日の米国市場で、エヌビディアの株価は2.84パーセント下落し、217.55ドルで取引を終えた。フィナンシャルタイムズが報じた大規模な人工知能向け融資計画が市場の警戒感を高め、株価の売りにつながった。
この下落により、時価総額は1545億ドル、日本円で24兆5655億円が一日で消失した。
79兆5000億円規模の人工知能インフラ資金構想
フィナンシャルタイムズは、匿名の6人の関係者の話として、エヌビディアがウォール街の6社と協議し、5000億ドル、約79兆5000億円規模の人工知能インフラ向け資金供給枠を構築していると報じた。協議している企業は以下の6社である。
アポログローバル
ブラックストーン
ブラックロック
ブルックフィールドアセットマネジメント
ゴールドマンサックス
KKR
この資金枠は人工知能インフラ企業への投資を支援するもので、エヌビディアが従来から行ってきた債務調達支援モデルをさらに拡大する形となる。
債務調達支援モデルが生む集中リスク
エヌビディアは人工知能分野のパートナー企業が債務を調達できるよう資金面で支援してきた。この仕組みによって自社のチップ売上は押し上げられてきたが、特定分野への資金集中を招き、テクノロジー業界全体のリスクを高めるとの指摘がある。
モーニングスターの欧州中東アフリカ地域の最高投資責任者は、人工知能分野への集中が1999年の状況を思い起こさせると述べ、分散投資の必要性を強調した。
オラクル株は堅調 ラリーエリソンが世界7位の富豪に
エヌビディア株が下落する一方で、オラクル株は堅調に推移した。これにより、オラクル共同創業者のラリーエリソンの資産は1920億ドルに増加し、エヌビディアのジェンスンファン最高経営責任者の資産1886億ドルを上回った。エリソンは世界7位の富豪となった。
第2四半期決算の焦点は人工知能チップ需要
エヌビディアは8月26日に第2四半期決算を発表する予定である。投資家は人工知能インフラ投資の拡大に対して、人工知能チップ需要がどこまで追いついているのかを見極めようとしている。
第1四半期の売上高は816億ドルで前年同期比85パーセント増となり、純利益は583億ドルだった。人工知能関連資産への需要は依然として強く、株価は2026年初めから17パーセント上昇している。
アポロやブラックストーンはエヌビディアの債務調達支援モデルを活用し、人工知能企業のインフラ投資を支えてきたとされる。
まとめ
今回の株価下落は、人工知能インフラ投資の巨大化と、それに伴うリスク集中への懸念が市場に強く影響した結果である。エヌビディアは人工知能分野の中心的存在として成長を続けているが、投資家はその成長の持続性を慎重に見極めようとしている。
8月26日の決算は、人工知能投資ブームの行方を占う重要な節目となる。
記事を整理するとこんな感じだが、8月11日のエヌビディアの株価は217.50となっている。ほとんどかわってない。世界中の投資家がエヌビディアに期待している反面、何か悪い材料が直ぐ反応するのも、いつものことであるのだが、モーニングスターの責任者の言葉は気になるな。つまり、ITバブルの崩壊直前のような過熱感。
これについてはこちらもAI投資が巨大化しすぎているから、ピークだと判断するのは材料がない。実際、AIが収益化に動き出した実績がマイクロソフト、Google、Amazonなどに出てきたからだ。
先日だったか。こちらはこの企業については存じてないのだが、ドクシミティが30%と急騰していた。日本でもAI半導体の素材を提供する企業の業績が良くてそれが売上倍増させているニュースもたくさんある。
ただ、AI半導体メモリー関連で大きな調整がきたように、どれだけ実績を重ねても、株価は織り込んでいるの一言ですまされて、半値になるように投資家心理というのは極端過ぎる。
だから、こちらはAIをピークと断定するのはまだ早いと思われるが、とにかくエヌビディアは売られてるのは事実。ただ、決算まではまだ時間あるので、それよりは原油価格高騰と米CPIに注目だろう。とりあえず米主要株価指数を見ておこうか。
米主要株価指数
以下、画像を参考にしてほしい。

確かに動きはあるのだが、全体的に下げてる中でフィラデルフィア半導体指数は少し上げている展開。実際、ファングはここ最近、急騰していたので大型テック株は利益確定で売られていると。スペースXも少し下げてるしな。ファングにはいるか知らないが。
個別の銘柄で気になるのはAI半導体関連である。
メモリー関連
AIサーバーの中心部品であるHBM需要が強く、メモリー企業は堅調。
マイクロン
868.52
前日比で0.87パーセント上昇
HBM需要の強さが継続している
SKハイニックス
141.65
前日比で4.70パーセント上昇
HBMの世界シェアトップで買いが集中
サンディスク
1271.05
前日比で2.68パーセント上昇
ストレージ需要が強い
シーゲイト
820.52
前日比で2.44パーセント上昇
AI向けストレージ需要が追い風
ウエスタンデジタル
437.93
小幅な下落
ストレージは全体的に堅調
半導体製造装置
AIサーバー投資が続くため、装置メーカーは強い。
ASML
1799.38
前日比で3.80パーセント上昇
EUV装置の需要が世界的に増加
アプライドマテリアルズ
525.61
前日比で0.67パーセント上昇
AI向け半導体製造装置が堅調
ラムリサーチ
311.41
前日比で1.64パーセント上昇
HBM製造プロセスで需要増
KLA
200.47
前日比で4.01パーセント上昇
検査装置の需要が強い
マーベルテクノロジー
212.31
前日比で1.80パーセント上昇
AIネットワーク半導体が好調
テラダイン
379.56
前日比で3.96パーセント上昇
半導体テスト装置の需要が増加
このようにウェスタンデジタル以外はあげている。ウェスタンデジタルはこちらはそこまで興味ないが、、NANDがメインの会社である。しかし、AIサーバーの中心部品はHBMとDRAMであることは、以前にトレンドフォースの見通し、財経新聞の難しい話を紹介したときに一通りやっている。
HBMを作るSKハイニックス
HBMやDRAMを増産するマイクロン
HBM製造装置を売るASMLやラムリサーチ
これらはHBMを作る上で欠かせない企業なので順調に推移していると。
特にSKハイニックスADRが4.7%上昇。エヌビディアが下げてるのに奮闘していますね。公募価格には戻ってないですが。
このように見ていけばAI関連がピークだと思えない。まあ、ITバブルの崩壊直前に似ているというのは気になるが、そこを気にしててもリスク分散といわれてもね。金価格は下がっているしな。
それではもう一つ不安材料、イラン情勢を見ておこうか。
トランプ大統領が示したイラン情勢の二つの選択肢
トランプ米大統領は、イラン情勢を巡る現在の選択肢について、イラン経済を破綻させるか、強力な軍事攻撃を行うかの二つしかないとの認識を示した。
これは保守系メディアのリアルアメリカズボイスに対して行った電話インタビューで語られた内容である。
大統領はイランと「ある意味、交渉中だ」と述べつつ、イランを非常に狡猾な交渉者だと批判した。
凍結資産を巡る発言
トランプ氏は凍結されているイラン資産について言及し、イラン経済は極めて厳しい状況にあり、資金を借りることもできないと述べた。さらに、イランが保有していた多額の資金を米国が完全に管理していると主張し、自らをイランの銀行家だと表現した。
軍事行動に伴う米国の備蓄懸念を否定
対イラン軍事行動によって米国のミサイルや弾薬備蓄が枯渇する可能性について問われると、トランプ氏は軍需品に関して問題はないと否定した。
一方で、備蓄が少ない理由はバイデン前大統領がウクライナに三千億ドル相当の支援を行ったためだと述べ、前政権を批判した。
このようにイラン情勢はどう転ぶかわからない。再び大規模な戦争になるのか。どちらかが手を引くのか。ただ、ここに来てイランは過激派に国を乗っ取られているので、交戦ムードや、強気対応が目立っている。
ホルムズ海峡での通航料徴収などもそうだが。彼らは自分らのやっていることがどれだけ世界から敵視されてるかを理解してない。
ただ、さすがにトランプさんも中間選挙が近づいてるので、このまま膠着状態を続けるのも難しいだろう。
韓国経済は以下の三重苦に直面
1 AI半導体は強いが、韓国は半導体以外が弱い
2 イラン情勢悪化で原油高・海運リスクが直撃
3 ウォン安・インフレ・家計債務が同時進行
つまり韓国経済は外部ショックに耐えられる体力がない状態で、イラン情勢という最悪の外部ショックが来ている。
イラン情勢の悪化は「韓国市場にとって最悪のタイミング」
韓国は今
家計債務世界最大
不動産不況
食品インフレ
ウォン安
半導体依存という弱点を抱えている。
そこに
イラン情勢悪化、原油高
ホルムズ海峡リスクが重なると
韓国市場は複合ショックで下落しやすい。
今日のコスピはSKハイニックスADRがプラス4%なので、サムスン電子やSKハイニックスには追い風の反応なのだが、それが凪市場となっているコスピを振るい動かせるパワーがあるかは微妙だ。いつもなら、これは良い材料だ。サイドカーとかいえるが、今のレバレッジETF規制強化で韓国コスピはまさに炭酸が抜けたコーラ状態だからな。
つまり、ただの甘味料で美味しくないんだよ。だから、コーラは飲みきりがいいと思います。お勧めは250ミリリットルぐらいだ。それ以上は飲みきれない。350でもいいが、500はきつすぎる。
ええ?何の話をしているのか?
今の韓国市場が250ミリリットルの飲みきりサイズ。 炭酸が抜けて甘味料だけの状態だから、強烈な材料があってもたいした動きません。もっとも米CPI発表前で取引規模が少ないのも理由だ。
でも、ウォッチ側からすれば、動かない市場なんて見ていても面白いわけもない。しかも、コスダックもインバースに逆張りで、何か流れは変わってきている。だから、ここは新品のコーラーのように飲んだ瞬間に爽やか炭酸に包まれるような爽快感のある市場を期待したい。