こちらは暇なときにEDFチャンネルの隊員募集を視聴することが多いのだが、そこで出てくるEDF広報官の本田さんは、こんな例えをよく使う。
これは「組み体操」と同じですよ。EDFの隊員は戦争にほぼ勝利できるぐらいいますが、下の人間がいないと崩れてしまう。だから、そこを補充するための募集なんです。
重要なのは経済も組み体操と同じてこと。下のものがいないと崩れてしまうんだよ。そして、韓国経済はその下のものがドンドンいなくなってる状況である。
経済も「組み体操」である
経済は、華々しい大企業や輸出産業だけで成り立っているわけではない。その下には、膨大な数の中小企業・零細企業・自営業者が存在し、彼らが土台となって経済全体を支えている。
大企業=上に乗る人
中小企業=土台を支える人
この構造が崩れれば、どれだけ上が強くても全体は崩壊する。
それが、韓国中小企業の延滞率が4年で4倍に急増というニュースだけでもすぐにわかるという。
それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。
韓国経済の問題:土台が消えている
そして今、韓国経済ではその土台が急速に崩れつつある。
最新のニュースが象徴的だ。
中小企業の延滞率が4年で4倍
MKの報道によれば、韓国中小企業の融資延滞率は以下のように急増している。
2021年:0.70%
2026年:2.87%(約4倍)
さらに延滞額は 9.3兆から47.8兆ウォン(5倍以上)
これは「土台が耐えられなくなっている」ことを示す典型的な兆候だ。
なぜ中小企業だけが崩れていくのか
① 半導体だけが好調という“偏った成長”
韓国の成長率が高いのは、サムスン電子とSKハイニックスという2社だけが異常に稼いでいるからである。
KOSPIの時価総額の約半分をこの2社が占めるという歪な構造。つまり、上の人間だけが巨大化し、下が痩せ細っている組み体操だ。
② 内需崩壊で中小企業が体力を失う
ウォン安による物価高で 消費低迷
イラン戦争で原油高となり輸入物価上昇してコスト増
内需を支える中小企業は、この二重苦で資金繰りが限界に達している。
非銀行圏で延滞が爆発している
さらに深刻なのは、延滞の8割以上が非銀行圏で発生していることだ。
貯蓄銀行
保険会社
相互金融
これらは金利が高く、体力の弱い企業が追い込まれやすい。
つまり、土台の中でも最も弱い層が崩れ始めている。
組み体操の崩壊は「上」も巻き込む
組み体操で下が崩れれば、
上にいる人間も落ちる。
経済も同じだ。
中小企業が倒れれば、
雇用が消える
内需が縮む
サプライチェーンが壊れる
大企業の生産にも影響が出る
つまり、半導体の好調だけでは韓国経済は支えられない。
これは昨日の記事でも半導体だけでは駄目だ。他の産業も裾野を広げるべきだという意見と一致する。でも、それは無理ゲーであることは昨日、解説したとおりだ。
今回の記事は無理ゲーだから、さらに状況が悪化している事実を確認しているに過ぎない。だって4年前から4倍ということは、2022年のコロナ禍から全く中小零細企業は立ち直ってない。崩壊の一途を辿っている証明である。
大企業は中小企業を搾取して利益を上げているかもしれないが、その搾取構造も下が倒れていけばいつかは終わりが来る。だからこそ、大企業の業績よりも、中小企業の動向を見ることが経済分析において重要となる。もちろん、大企業の業績が中小企業も業績を底上げするはずなのだが、なぜか4年前よりも酷くなっている。これは普通に考えれば異常事態である。大企業だけが儲けて中小は死んでる構図なのだから。
さて、ここから深掘りしていく。焦点となるのは二つだ。前者はなぜ中小企業は崩れ続けるのか?後者は大企業が利益上げても中小企業に還元されないのか。
なぜ崩れ続けるのか?
① 裾野を広げることが不可能
韓国はすでに以下の条件を失っている:
人件費が高すぎて中国に勝てない
労働規制が硬直化しAI転換できない
国内市場が小さすぎてスケールできない
中小企業の技術力が空洞化している
これは、新しい産業の土台を作る能力がない。
だから「裾野を広げろ」という主張は正論だが、現実的には不可能=無理ゲーと分析しかできないわけだ。そして、おまけで解説した日本も中国に支配されるのかという問いに対しては、日本も可能性は高いが、中小企業は死んでないと答えたわけだ。
ここが日本と韓国における最大の違いであり、韓国にとって致命的な理由の一つである。サムスン電子やSKハイニックスがいくら儲けようが半導体だけでは国を支えることは不可能だから、他の産業は中国勢に食われているんだよ。
経済分析では「大企業より中小企業を見るべき」
多くの人はサムスンやSKの業績を見て「韓国は大丈夫」と判断する。しかし、これは経済分析としては不十分だ。ここを理解しないと上辺だけのニュースに騙される。
本当に見るべきは
中小企業の動向である。
理由は明確だ。
雇用の90%を担う
内需の大部分を支える
サプライチェーンの基礎
地域経済の中心
つまり、中小企業が死ねば、経済全体が死ぬ。
こちらが定期的に中小や自営業の動向を追うのもそのためだ。結局、彼らが崩壊すれば、組み体操と同じで下で支えるものがいなくなれば、大企業も崩壊する。もっとも、大企業には韓国を見捨てるという選択肢があるので心配ご無用です!
大企業は中小企業を搾取して利益を上げてきた
韓国の産業構造はこうだ。
大企業が価格を叩く
下請けが薄利で耐える
自営業が内需を支える
大企業は輸出で儲ける
しかし、この搾取構造は永遠には続かない。
なぜなら、搾取される側が倒れれば、搾取する側も支えられなくなる。
これは経済の基本原則。
そして韓国の大企業には「韓国を見捨てる」という選択肢がある
ここが最も残酷なポイント。
サムスン電子もSKハイニックスも、韓国国内に縛られていない。
生産は海外に移せる
投資は海外に向けられる
税制が不利なら逃げられる
韓国市場は小さく依存度が低い
つまり、韓国の大企業は、韓国経済が崩れても“逃げられる”。
たまに突っ込むが韓国経済が崩壊しても大企業は海外に支店を移せばいいので、彼らが死ぬことはない。これはアジア通貨危機、IMF入りしたときもそうだった。ダメージは受けたが韓国財閥は解体されてない。
日本企業は「日本を見捨てられない」
日本にも中国支配のリスクはある。
しかし、日本企業は韓国企業と違い
国内市場が大きい
中小企業の技術力が生きている
裾野が広い
地域経済が強い
海外依存度が低い
つまり、日本企業は日本を捨てられない構造になっている。
韓国企業は捨てられる。日本企業は捨てられない。
この差が、両国の未来を大きく分ける。なぜなら、日本企業は国内、内需だけでも普通に食べていける。日本人からすればトヨタが7年連続世界一になっても、凄いなで終わるんだよ。
韓国みたいに国中が祭りになるようなことはない。韓国には半導体しかない。それが、国民もわかっているから、サムスン電子やSKハイニックスのニュースに投資家でなくても一喜一憂する。もっとも、韓国では投資してない人間を探す方が難しいが。
なぜ底上げが起きないのか?
① 大企業の利益が国内に還元されない
海外生産比率が高い
海外投資が中心
国内下請けを使わない
AI化で国内雇用を減らす
つまり、大企業の利益が中小企業に流れない構造になっている。
② 中小企業の体力が限界
コロナ禍で資金が枯渇
ウォン安で輸入コスト増
内需崩壊で売上減
金利上昇で返済不能
この状態で半導体が好調でも、底上げされる体力が残っていない。
③ 韓国の産業構造が「一本足打法」
半導体以外の産業が壊滅しているため、裾野が広がらない。
大企業がいくら儲けても、その利益は国内に還元されることは少ない。海外投資を積極的に増やす。企業としては利益を上げられる方を選択するのは当然だが、内需が一向に回復しない理由もそれ。結局、韓国は半導体以外に国内投資がほとんど増えないから、そのまま死んだ状態が4年以上も継続している。
韓国の致命傷:中小企業・自営業が崩壊している
中小企業 → 延滞率4倍
自営業 → 廃業率過去最高
非銀行圏 → 延滞爆発
内需 → 歴史的低迷
これは、韓国経済の“土台”が消えている。
組み体操で言えば、下段が全員倒れている状態である。残念ながらこれは心配ご無用ではない!むしろ、完全崩壊目前である。
普通は経済というのは波があるので、景気が悪いときもあれば、良いときもある。しかし、韓国の5年間を振り返れば、状況は悪化の一途を辿っており、半導体だけズバ抜けて稼ぐが他が全滅している。5年もあって立ち直れない時点で、どうしようもないんじゃないか。日本の失われた30年なんて韓国では無理ゲーだぞ。
では、ここから韓国の大企業と中小企業の格差を見ていこうか。
大手企業の延滞率は0.29%。中小企業は2.87%で約10倍
中小企業の延滞率:2.87%(約10倍)
これは「倒産予備軍の山」そのもの。中小企業の延滞率は 2.87%。大企業の約10倍。
これは「延滞が多い」というレベルではなく、“返済不能が構造化している”状態。
さらに延滞額は47.8兆ウォン。大企業の43倍である。
もう、韓国の中小企業は、ほぼ壊滅している。
専門家も、こちらと同じことを述べている。
中央(チュンアン)大学経済学部の李正姫(イ·ジョンヒ)教授は、「大企業と中小企業の延滞格差が大きくなるのは、半導体など一部輸出大企業中心のK字型不均衡成長の影響」とし、「輸出好調業種と関係のない中小企業は、長期間続いた内需低迷の影響をより大きく受けており、資金事情と償還能力が相対的に急速に悪化している」
非銀行圏:延滞爆発
最弱層から破綻が始まっている。延滞の 81% が非銀行圏で発生。
貯蓄銀行
保険会社
相互金融
ここに頼る企業は、銀行から借りられない“最弱層”。
その層が壊滅しているということは韓国経済の土台が底から崩れている。
中小企業の体感景気は改善
中小企業の体感景気は改善の流れを見せているが、まだ基準線である100を下回っている。 韓国銀行(韓銀)の中小企業心理指数(CBSI)は今年1月の91.8から7月には97.6に上昇したが、依然として長期平均(2003~2025年)に達していない。
反面、大手企業のCBSIは5月103.4、6月104.5、7月105.3に上昇した。 大企業の企業心理は長期平均を上回る水準に改善された反面、中小企業は長期平均を下回り体感景気回復の格差が明確に現れているのだ。
この改善の流れを底とみるべきか。単なるバラマキによる消費増によるものか。ただ、100も超えてない時点で、改善にはほど遠いよな。大企業だって半導体関連が数値を押し上げてそうだしな。
しかし、以前の動画で解説したとおり、韓国のCPIは3%超えているので利上げする可能性が高い。ここからは利上げを含めたシナリオを考えよう。
利上げを含めた今後のシナリオ
利上げが続いても、中小・自営業は「延命」ではなく「整理・淘汰」が進むだけで、内需回復シナリオはほぼ存在しない。大企業と半導体だけが生き残る方向に、さらに構造が固定されていく。
シナリオ①:小幅利上げ継続(現状維持+ジリジリ悪化)
内容:0.25から0.5ポイント程度の追加利上げ+高金利長期固定
狙い:インフレ抑制・ウォン防衛・資本流出防止
結果:
中小企業:
延滞率さらに上昇(2.87%から3から4%ゾーン)
非銀行圏の破綻リスク増大、ゾンビ企業の整理加速
自営業:
廃業が「日常化」、新規開業がほぼ消える
内需:
消費はさらに絞られ、CBSIは100に届かず“悪いけど慣れた”状態で固定
大企業・半導体:
為替・金利環境を読みつつ海外投資を拡大、韓国内への依存度をさらに減らす
シナリオ②:利上げ+中小支援バラマキ
内容:利上げを続けつつ、
中小向け保証拡大
低金利融資
地域商品券・消費クーポンなどをばらまく。チュソクのために韓国政府が手厚いバラマキをするのはいつものこと。
結果:
CBSI:
中小企業CBSIが 97.6から100前後まで一瞬上がる可能性
「体感景気は少しマシ」だが、延滞構造は何も解決しない
延滞率:
延滞の“先送り”になるだけで、根本的な返済能力は改善しない
内需:
一時的な消費増だが、すぐに元通り
財政:
政府の財政負担が増え、将来の増税・緊縮リスクが高まる
シナリオ③:利上げ停止・利下げ模索(ウォン急落・スタグフレーションリスク)
中小・自営業の悲鳴を受けて、利上げ停止→利下げ検討に舵を切る。
結果:
為替:
ウォン安加速、輸入インフレ再燃
物価:
インフレ+成長低迷=スタグフレーション化
中小企業:
金利負担は多少軽くなるが、売上がない・内需が死んでいるので結局延滞は減らない
大企業:
為替メリットで輸出は一部好調だが、それでも国内投資には向かわず、海外投資を選択
結論:
利下げしても“土台が死んだまま”なので、回復にはつながらない。むしろ通貨・物価リスクが増えるだけ。
とりあえず、今後を利上げするとして、考えられるシナリオを3つ用意した。ただ、どれも無難過ぎて、面白みに欠ける。韓国の李在明ならもっと凄いことするかもしれない。例えば、米投資を遅らせて半導体関税100%引き上げとか。そこを考慮すると不特定因数が多すぎて難しい。だから、あくまでもシンプルなシナリオである。
ええ?異常系も知りたい?そうだな。簡単に言えば「即死」だ。一番起きそうなシナリオだけ出しておこうか。
米国との関係悪化 して半導体制裁
韓国が米国の要求を拒否
米国が韓国半導体に関税・規制
サムスン・SKが米国市場で不利に
韓国経済は即死
“半導体一本足打法の国が半導体を失う最悪シナリオとなる。
この予想は簡単だ。韓国半導体売上9割は米国だ。関税100%なら即死します。