韓国革新都市に10兆投じてゴーストタウン化した理由

時刻は朝の5時過ぎ。サムスン電子の期待外れの110兆ウォン還元の影響なのか。エヌビディアの決算前なのか。どちらにせよ。フィラデルフィア半導体数は大きく下がっている。ただ、これ自体は予想できたことであり、エヌビディアの決算前に逃げておく動きは仕方ない。なんで、しばらくは様子見か売られる展開が続くと思われる。

それよりも面白いことがわかった。韓国政府が10兆ウォン投じた「革新都市」がゴーストタウン化していたことがわかった。しかし、その理由がまさしく間抜けすぎて、此奴ら馬鹿じゃないのか?とレベルである。

一部先に紹介すると予算の8割が職員の福利厚生(新庁舎建設費)の為に使われて、本来、必要である民間企業誘致にほとんど使われなかった。つまり、職員の施設は超絶豪華で、ジムやカフェなどの施設が充実しているのだが、それ以外は完全にスルーされた。

なんか、中国のゴーストタウンでも似たようなことりあげた記憶があるが、その結果、ソウルから来るのは単身者のみで、週末にはソウルに帰る長距離バスのチケット予約でいっぱいという。

要するには誰も移住したくない「街」が完成していたと。どうしてこうなったのか。

それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。

革新都市における「単身赴任ゴーストタウン化」のメカニズムと構造的実態

韓国政府が約10兆ウォンを投じて造成した全国10カ所の「革新都市」において、最も顕著な政策的失敗の象徴として現れているのが、金曜夕方に職員が一斉に首都圏へ流出し、週末に都市機能が完全停止する「単身赴任ゴーストタウン現象」である。

人員の物理的配置のみを先行させ、定住に必要な都市機能を欠落させた結果生じたこの現象の構造的要因と、地域経済に与える影響を分析する。

1. 金曜夕方に発生する「大脱出」の実態

  • 交通インフラの過密と週末の急激な人口流出金曜日の業務終了時刻(18時前後)を迎えると、革新都市近隣の高速鉄道(KTX・SRT)駅や長距離バスターミナルにソウル方面へ向かう移転公務員・公企業職員が殺到する。週末の上り便は即時満席となり、月曜日の早朝に再び地方へ戻るまでの約60時間、都市内の居住人口が激減する。
  • 夜間・週末の都市機能停止金曜夜から日曜夜にかけて、官公庁街および周辺の居住区ではマンションの明かりが一斉に消え、飲食店や商業施設が軒並み休業に追い込まれる「消灯現象」が常態化している。

2. 単身赴任が固定化された3大要因

  • 教育インフラ(学区・受験環境)の首都圏偏重韓国の熾烈な受験競争環境下において、地方革新都市には名門私立校、特目高(特殊目的高校)、著名学習塾街(大峙洞等)に匹敵する教育基盤が一切整備されなかった。その結果、子育て世代の職員は配偶者と子供を首都圏に残し、自身のみが単身赴任を選択する行動様式が不可避となった。
  • 医療・文化・商業機能の圧倒的不足大規模総合病院、大型商業施設、文化娯楽インフラの整備が遅延し、日常的な利便性が確保されていない。生活環境の劣悪さが家族帯同移住を阻む直接的な障壁として機能している。
  • 高速交通網が誘発した「ストロー効果」皮肉にも、首都圏と革新都市を結ぶ高速鉄道(KTX網)や広域シャトルバスの拡充が、定住の促進ではなく「首都圏からの通勤および週末帰宅」を物理的に容易にしたため、地方への完全移住を回避させるインセンティブを強化した。

3. 地域経済を破壊する「所得漏出(Income Leakage)」の連鎖

分析軸平日(月曜〜木曜)週末(金曜夕方〜日曜)
都市の人口動態業務従事者による見かけ上の昼間人口存在一斉脱出による人口急減・夜間ゴーストタウン化
消費行動の実態庁舎内の食堂・近隣での最低限の食事消費の場がソウル首都圏へ完全移転
地元経済への貢献ワンルーム家賃と平日ランチ需要のみ地元商店街・商業エリアの売上蒸発
不動産・商圏への影響投機的需要で高騰した商業用ビル1階路面店の空室率高止まり・テナント撤退
  • 地元にお金が落ちない経済構造移転職員に支給される給与の大半は、首都圏の本宅(住宅ローン返済、子供の教育費・私教育費、生活費)へ直接送金される。地方自治体内で循環する資金は平日の最低限の生活費にとどまり、地域経済を牽引する乗数効果は極めて限定的である。
  • 商業不動産の破綻とシャッター街化人口急増の皮算用に基づいて開発された商業用地では、週末の需要蒸発によって飲食店や小売店の廃業が相次ぎ、高い空室率と不動産価値の下落が固定化している。

4. 結論

革新都市における「単身赴任ゴーストタウン化」は、「家族単位の定住を可能にする教育・生活基盤を無視し、公務員の机と豪華庁舎のみを地方へ投棄した都市計画の必然的破綻」である。

都市の本質とはコンクリートの箱ではなく、そこで生活が営まれるコミュニティと消費の循環構造にある。生活実態を伴わない人工都市は、平日の業務時間帯だけ稼働する「孤立したオフィス団地」に過ぎず、巨額の国費を投じながら地域経済の自生的な活性化を達成できなかった根本的な原因が、この週末空洞化現象に凝縮されている。

このように単身者しか通わない都市が出来上がった。だが、ここで抑えておきたいのはやはり、公務員の机と豪華庁舎のみを地方へ投棄した都市計画だろう。

これを見ておこうか。わらえること必至だ。

公務員の机と豪華庁舎のみを地方へ投棄した都市計画

「机と庁舎の地方投棄」と評される3大構造要因

産業連関を遮断した「点としてのハコモノ配置」


本来の都市計画であれば、既存の基幹産業、大学・研究機関、民間サプライチェーンとの近接性を考慮した「産業クラスターの形成」が前提となる。しかし本政策では、地域との経済的適合性を無視し、単に広大な未開発地を区画整理して巨大ビルを林立させたに過ぎない。その結果、庁舎の外側には関連産業の集積が一切起きず、広大な農地の中にガラス張りの高層庁舎が孤立する異様な空間が固定化された。

生活機能なき「執務スペースのみの強制移動」


人間が定住するためには、良質な住宅だけでなく、高度な医療機関、競争力のある教育機関(学区・塾街)、商業・娯楽施設といった多層的な都市インフラが必要不可欠である。これらを整備せず、庁舎内部にのみ福利厚生施設(ジム・講堂・カフェテリア)を完備したことで、職員は「平日は庁舎に閉じこもり、週末はソウルへ脱出する」という行動パターンを確立した。これは「住民の誘致」ではなく、単なる「労働力の時間限定投棄」に他ならない。

将来の地方財政を圧迫する「高コストインフラの押し付け」


800億ウォン規模の新庁舎群は、建設時のみならず維持管理においても莫大なエネルギー消費と保守コストを要求する。地元自治体はこれら公共機関のために道路、上下水道、専用通信網などのインフラを公費で整備・維持しなければならず、見返りとしての税収増や産業波及効果が得られないまま、財政的な負担のみを背負い続ける構造となっている。

これが面白いのは職員の福利厚生がメインとなってしまったことで、新庁舎内で食事や買い物、フィットネスまで完備されたことで、街に繰り出す必要がなくなったてこと。

例えば、民間が参入して新庁舎の近くで飲食店を営業する。普通は街に繰り出す職員がそこを利用するわけだが、そもそも施設内で安いランチが食べられて、ジムまであるので職員が外にでない。だから近くの飲食店は潰れるしかない。それなら新庁舎の中に街をつくったほうがまだまし。実際、街機能が揃ってるから出る必要ないんですが。

つまり、街がいらなかったんですよ。結局、必要なのは新庁舎であって、しかも、これは政府が地方に行けと無理に飛ばした職員であって自主的に移住したわけでもない。だから、家族もソウルに残したままであり、ただ仕事場が地方に移っただけ。

10兆ウォンかけても必要な施設は新庁舎だけ。周りの施設は誰も来ないので閑古鳥が鳴いている。要するに中心だけ作って、後をスルーした当然の帰結といえよう。街作りの基本を全く理解してない。

ある意味、職場が地方になって地域経済活性化とか、韓国政府は吹聴してそうだが、地域経済に何一つ貢献しないのは見ての通りだ。むしろ、税金増えて地方がしんどいだけという。

地方自治体を苦しめる「3つの財政的逆ザヤ」


住民税・地方税収の構造的な流出


職員の大半が家族を首都圏に残した単身赴任者であるため、住民税(個人地方所得税)の課税権や配分が十分に地方へ落ちない。また、公的機関自体は非課税枠や減免措置が適用されるケースが多く、民間大企業のような法人住民税や固定資産税の劇的な増加は見込めない。

過剰に造成されたインフラの「維持管理費地獄」


広大な新都市に敷設された道路、上下水道、街灯、公園、公共交通網などの管理責任は、造成完了後に地元自治体へ移管される。定住人口が計画値を大幅に下回る中、利用者の少ないインフラを維持・補修するための費用だけが毎年地方財政から垂れ流される構造となっている。

商業不動産の破綻による「税収基盤の喪失」


開発初期の投機熱によって地価が吊り上げられた結果、地元住民や中小事業者が参入困難となった。その後、庁舎内完結と週末ゴーストタウン化によって商業エリアが壊滅したため、期待されていた商業・サービス業からの地方税収(地方消費税や事業所税)は完全に蒸発した。

こんな素晴らしい実態が明らかになった。じゃあ、もうやめようという話になるのが普通だが、韓国政府はまさかの第二次移転を用意した。アホですか?アホですよ!

第2次移転が強行される4つの政治・構造的病理

地方票田を狙った「選挙ポピュリズム(利益誘導)」の道具化


大統領選挙や総選挙、地方統一選挙が近づくたびに、与野党を問わず政治家は「公共機関の追加移転」を目玉公約として掲げる。地域住民や有権者に対し「中央から利権と予算を分捕ってきた」という視覚的成果をアピールするための最も安易な手段として利用されている。

過去の過ちを認められない「官僚機構の無謬性」


第1次移転の失敗を公式に認めることは、政策を主導してきた歴代政権および国土交通部などの主管官庁にとって、過去20年間の政策的誤謬と10兆ウォンの浪費責任を認めることを意味する。したがって、「第1次は基盤構築の途上に過ぎず、第2次で機関を集積させて初めて完成する」というレトリック(詭弁)を用いて事業を正当化し続ける構造が固定化している。

自治体首長による「大物機関(金融・主要公企業)の強奪戦」


全国の地方自治体は、地域産業との適合性や経済シナジーを一切顧みず、年間予算規模が大きく発注権限を持つ「大物機関(IBK企業銀行、韓国産業銀行、韓国輸出入銀行、各種公社など)」の誘致に狂奔している。首長にとっては自らの政治的実績となるため、後先を考えない誘致合戦が激化している。

「国家均衡発展」という反論不能な政治的聖域(教条主義)


韓国の政治言論空間において、「首都圏一極集中の是正」や「地方創生」は大義名分として絶対的な正義と化している。たとえ経済学的に非効率であることが明白であっても、「地方を切り捨てるのか」という道徳的批判を恐れ、移転計画の凍結や見直しを主張することが政治的にタブー視されている。

韓国経済の問題点は色々あるのだが、こちらの結論はいつも変わらない。彼らは責任取りたくない。失敗を認めない。そこからくるとおもう。そもそもこれを都市計画と言えるかも怪しいのに・・・。すでにゴーストタウン化した場所には誰もこないぞ。