今週、韓国半導体における「二極化」がサムスン電子とSKハイニックスの命運を大きく分けた。先に結果を述べておくとこうなるのだが、実際のニュースでも、DRAMは2028年まで不足。NANDは来年供給過剰という重要な分かれ目が出てきた。
つまり、サムスン電子はDRAM需要で今の勢いを保てるが、SKハイニックスはサンディスクと同じでNANDが来年供給過剰となれば、成長のシナリオが崩壊する。先日の記事でも突っ込んだが、SKハイニックスのDRAMシェア3%落として、マイクロンとの差が1%に縮まったことは衝撃的である。
しかも、この先、SKハイニックスはDRAM需要を増やすのは極めて難しい。HBMに特化しているのがSKハイニックスの最大の特徴であり、ここを崩すとAIデータセンターの需要に応えられない。
それでは韓国経済の専門家の視点で解説しよう。
サムスン電子とSKハイニックスの1週間の動き

今週、サンディスクの決算で市場予測に届かない。増産しないという内容が投資家に嫌気されて、サンディスクは決算後にずっと売られている。今日もそうなれば三日間連続の急落となる。
こちらはサンディスクについて、決算後の掲示板のコメントをまとめた。さすがにマイナス15%は落ちなかったが、既に決算後から二桁台は確実に落ちている。
こんな状態となれば、SKハイニックスが買われるわけがない。それがこのサムスン電子とSKハイニックスの今週の動きでも顕著だろう。
最初は似たような動きだったが、サンディスクの決算前の5日はサムスン電子よりも高く上昇していた。ところが決算後、両社はどちらも下落していくが7日を境にしてサムスン電子は株価を維持して、SKハイニックスはもっと下がった。
サムスン電子はマイナス5.71%。
SKハイニックスはマイナス11.24%である。
なんと2倍近く差が付いた。
理由は最初に述べた通り。同じ半導体株でもDRAM重視のサムスン電子とNAND重視のSKハイニックスでこれからの需要の差が株価に出てきた兆候といえる。そして、投資家はそれをサンディスクの決算から読み取った。メモリー価格は上昇時と下降時のボラが極めて激しい。これは半導体株を買うなら必須知識だが、当然、投資家は需要見通しは最善の注意を払う。
NAND需要が2027年までしか続かない。一方、DRAMは2028年まで不足する。なんと解消に1年も差が出てきた。
では、なぜDRAMは不足してNANDは供給過剰になるという予測が出てきたのか。
その答えが書いてある財形新聞の記事を今からまとめていこう。
【分析】AIが引き起こすメモリ市場の二極化
DRAMは2028年まで構造的不足、NANDは2027年後半から供給過剰の可能性
世界のメモリ市場で、DRAMとNANDフラッシュの需給が完全に異なる方向へ進む「二極化」が鮮明になっている。
AIインフラを支えるDRAMは2028年まで構造的な供給不足が続く一方、NANDは2027年後半に需給均衡へ到達し、その後は供給過剰へ転じる可能性が高い。
TrendForceが7月30日に公表した最新レポートでは、AI需要の急拡大がメモリ市場の構造を根本から変えつつあることが示された。
DRAM不足は「構造的」──HBMがウェーハを奪い続ける
DRAM不足は景気循環ではなく、HBM(広帯域メモリ)へのウェーハ集中が引き起こす構造的問題である。
HBMはDRAMの3〜4倍のウェーハ面積を消費
HBMはDRAMダイを12〜16層積層し、TSVで接続する特殊構造のため、
同じ容量を作るのに標準DRAMの約3〜4倍のウェーハ面積が必要になる。
(Micronは約3倍、TrendForceは約4倍と推計)
その結果、ファブをフル稼働させても総ビット生産量は大幅に減少する。
HBMはウェーハあたり売上が3〜5倍
HBMはDDR5の3〜5倍の収益を生むため、Samsung・SK Hynix・MicronはHBMへのウェーハ配分を優先する。
この経済性が、DRAM不足をさらに悪化させている。
新ファブの立ち上がりは2027年後半〜2028年
Samsung P5:2028年後半量産開始
SK Hynix M15X:2027年半ば初期稼働
本格的なビット供給増は2028年以降であり、UBSも「2028年第2四半期まで需給逼迫が続く」と予測する。
AIがDRAM不足をさらに悪化させる理由
① AIサーバー1台あたりのHBM搭載量が急増
2027年投入予定のNVIDIA Rubin UltraはGPUあたり384GBのHBMを搭載。
現行288GBから大幅増。
② SOCAMMでサーバーのメモリ搭載量が増加
新規格SOCAMMにより、DIMMより大容量構成が可能となり、
サーバー1台あたりのDRAM需要がさらに増える。
③ Agentic AIが「持続的メモリ負荷」を発生
従来のLLM推論と異なり、Agentic AIは推論+検索+反復処理を継続的に行うため、
DRAMへの負荷が断続的ではなく常時高負荷となる。
④ NVIDIA×SK Groupの5,000億ドル契約
HBM4の長期共同開発+2GWデータセンター建設を含む巨額契約により、
SK HynixのHBM生産分が複数年確保され、一般企業向けの供給量がさらに減少する。
NANDは2027年後半から供給過剰へ
DRAMとは逆に、NANDは高積層化によるビット供給増が進む。
2027年に主要メーカーが高積層品を量産
SK Hynix:321層 V8
Samsung:290層超 V9
Kioxia:332層 BiCS10
積層数が増えるほど、同じダイ面積で生産できるビット量が増えるため、ファブ拡張なしで供給量が急増する。
QLC SSDが需要を牽引
クラウド事業者はAI学習・推論インフラ拡大に伴い、高密度QLC SSDを大量採用する見通し。
ただし「供給過剰は保証されない」
Agentic AIが普及すると、KVキャッシュ退避のため高速SSD需要が急増し、供給増を吸収してしまう可能性がある。
企業の調達戦略:DRAMとNANDで全く異なる
DRAM(AIサーバー・企業向け基盤)
2026年後半の供給量は需要の75〜80%
2027年は60%台まで低下
四半期スポット購入はもはや成立せず、長期契約+前払い+戦略的パートナーシップが必須となる。
NAND(エンタープライズSSD)
2027年後半〜2028年納入分は、数年ぶりに有利な条件で複数年契約を結べる可能性がある。
ただし、Agentic AIの普及速度次第でこの「交渉の窓」は短命となる。
消費者市場への影響
端末価格の上昇で買い替え需要は低迷
NAND供給が緩和しても、メーカーは利益率の高い企業向けSSDを優先
消費者向け価格は2027年まで高止まり
総括:AIがメモリ市場を根本から再編
2026年のDRAM売上高は6,187億ドル(約98兆円)で前年比303%増。
2027年にはメモリ市場全体が1兆2,800億ドル(約203兆円)へ。
AIインフラへの生産能力再配分が進む中、DRAMは「年単位の不足」、NANDは「四半期単位の供給過剰」という対照的な市場構造が2026〜2028年のサイクルを決定づける。
このように整理してもまだまだ難しいことが書いてあるんだが、実際の記事はもっと複雑である。ただ、こちらが知りたいのは理由と今後のメモリー需要動向である。
それで、記事を超意訳するとHBM作っているからDRAM足りねえんだよ!NANDはファブ拡張なしで供給量が急増するから対応がしやすいんだよになる。
だから、たまに半導体のNANDで見かける「層」の数字に注目すればいい。
2027年に各社が300層級を量産
SK Hynix:321層
Samsung:290層超
Kioxia:332層
積層が増えるほど、同じウェーハでも生産できるビット量が跳ね上がる。
これらは研究開発で増やせるから、供給にそのうち追いつくと。
これがDRAMとNANDが置かれている現在位置と未来予測である。それで、だったらサムスン電子がHBM開発やめて、DRAM作ればいいじゃん!と思うかもしれないが、それはおそらくしない。なぜならDRAMだとこの先に未来で戦えないからだ。
また、中国の半導体企業のCXMTがDDR4/DDR5を量産しており、DRAMは将来的に中国勢が確実に食い込むことも現時点で予測できる。しかし、中国半導体もDRAM不足で供給が追いつかないだけで、これも2028年にはどうなってるかわからない。
ここで問題になってくるのはHBMである。SKハイニックスはHBMシェア8割と独占しているが、実際、DRAM不足による価格上昇とHBMの価格が逆転されている現象が発生している。ええ、ややこしい!と思うかもしれないが、SKハイニックスはHBM特化すればするほどサムスン電子を儲けさせるわけだ。
これがサムスン電子とSKハイニックスにおける株価の二極化から読み取れる。この数値差がどこまで拡大するかは現時点で不明だが、勝ち組はサムスン電子になりそうだな。
では、NANDの逆転シナリオはないのか?
NANDは層数を増やすだけで供給が増えるため、基本的に逆転シナリオは起きないが記事にはこう書いてある。。しかし、Agentic AIが巨大化し、KVキャッシュの退避先としてSSD需要が爆発した場合、NANDがAIに食い尽くされる“例外的な逆転シナリオ”が起きる可能性はゼロではない。つまり、NANDの未来はAIの進化速度に完全に依存している。
ということでNANDがこの先、負け組になるかどうかも微妙であり、じゃあ、買う側が待てばいいという結論にならないわけだ。キオクシアやサンディスクの復活もここにかかっている。
低価格帯の消費者向け端末が市場から姿を消しかねない
今までは半導体を使ってIT製品を作る側(企業側)の視点で見てきたが、実際、製品を買う側、つまり、消費者の場合はどうなのか。ぶっちゃけると、このままだと低価格帯の製品は消えていくだろう。
一昨日だったか。XBOXの最新ゲーム機が3万ほど値上げされた。明らかにメモリー価格を上乗せしてきた。秋に発表される新型iPhoneも大きく値上げしてくるだろう。
我々の仕事や日常でスマホやタブレットはなくてはならない物になった。それなしでは仕事すらできない。だから、壊れたら買い換える必要がある。でも、この先は壊れたら新作を買うかどうかは難しくなる。中国製でもメモリー価格が強気なら、確実に値段はあがってくる。
そうなった場合、消費者はどこまで許容するかなんだよ。2年後には安くなってるなら、新作ではなくて、数年前の安い製品を買って待てばいいという発想だって十分、検討する理由になる。なぜなら最新のスマホやタブレットが2割上昇しても欲しい性能になるとは限らないためだ。
つまり、新作離れが起きやすくなる。こうなった場合、PCサプライヤーは供給台数を減らしてくる。PC市場は縮小する未来が訪れそうだ。もちろん、ゲーム業界もハードを作っているソニーや任天堂からすれば難しい状況だ。
特にソニーはPS6を出す時期が近づいている。でも、そのPS6がこのままだと15万円とかになるので、誰が買うんだよになる。そういう意味ではニンテンドースイッチ2の5万円が安く感じる。ちょうど10月にニンテンドースイッチ2で「地球防衛軍5」が出るからな!地球を守るために入隊は義務ですよ!PS4版を持ってても、当然、入隊しますよ。今から、ニンテンドースイッチ2を購入して地球防衛軍5に備えるべし。
とまあ、推しのゲームの宣伝もしたので、今回の記事はかなり先の未来を見通す記事が完成したと思われる。





