韓国経済、1月の経常黒字52.8億ドル 5カ月ぶり低水準=韓国

韓国経済、1月の経常黒字52.8億ドル 5カ月ぶり低水準=韓国

記事要約:韓国の2017年1月の経常黒字が52.8億ドルとなった。これは5ヶ月ぶりの低水準とのこと。まずは経常黒字と経常収支について説明する。

経常黒字とは

経常黒字というのは、経常収支が黒字のことを指す。経常収支とは、国際収支を評価する基準のひとつで。これらは大きく分けて次の4つで構成される。

1.貿易収支
2.サービス収支
3.所得収支
4.経常移転収支

それぞれの項目を簡単に解説しておくと、「貿易収支」はモノの輸入と輸出の差額から算出される。「サービス収支」はサービス取引や特許権使用料、旅行、運賃、保険料などのサービスの受け取り。

所得収支は対外直接投資や証券投資の収益。

経常移転収支は政府開発援助(ODA)のうちの医薬品など現物援助を表す。

次は韓国の経常収支について推移を見ておく。

■韓国の経常収支(単位10億USドル)

http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=BCA&c1=KR&c2=JP&s=&e=

出典:世界経済ネタ帳

2010年 28.85

2011年 18.66

2012年 50.84

2013年 81.15

2014年 84.37

2015年 105.87

2016年 101.61

6年ほど見てもらったがこのように韓国の経常収支は2015年、2016年は1000億ドルを超えていた。しかし、これが増えた原因が輸入が減っての輸出拡大したように見える不況型黒字であった。

■2017年1月の韓国の経常収支

1.貿易収支(52億8000万ドル:前月-26億ドル)
2.サービス収支(ー33億6000万ドル)→旅行収支(-12億2000万ドル)、知的財産使用料(-5億1000万ドル)、輸送収支(-2億3000万ドル)
3.所得収支(10億9000万ドル)
4.経常移転収支(ー2億7000万ドル)

輸出:441億1000万(前年同月比18.1%増)

輸入:362億9000万(前年同月比24.5%増)

さて、韓国の輸出と輸入、経常収支のデータは上の通りだ。まず、今回で重要なのは輸入が24.5%増えているということ。韓国の場合は輸出の増加も大事だが、それよりも輸入の方がもっと大事だ。韓国は原油といった原材料や機械製品や部品など輸入に頼っている。そして材料を加工して製品として各国に輸出する。いわゆる組み立て工場である。

そして、今まで輸入が大幅に減っての経常黒字を達成してきたのだが、今年の1月からは輸入の方が増えているという傾向。これはいわゆる「不況型黒字」ではない。輸入が輸出を上回る傾向が続けば韓国経済は回復兆しが出てきているということ。また、知的財産使用料の赤字が増えているということはそれだけ他国の特許を使って製品を製造しているてこと。この辺りは韓国のサムスン電子や現代自動車が多く絡んでそうだが。

でも、中国輸出の3割を減らすと輸出と輸入が逆転するんだよな。実際、輸入も減るので単純な計算ではあるが、やはり、3割減少と考えたらTHAAD配備をして中国との断交は痛すぎるだろう。下手すれば一気に長年黒字が続いた経常収支が赤字になりかねない。

後は、輸送収支が-2億3000万ドル、これは韓進海運の破産によって輸送費が3割ほど増加だったか。これの影響だとわかりやすい。1月で200億円。これ1年なら2400億円なので韓進海運を潰してどう見ても損しているんだよな。この先、毎月200億円の赤字が計上されるわけだから。

また、サービス収支がマイナスというのは韓国人による海外への旅行客が増えたことが原因とあるが、裏を返せば韓国への旅行者が減っているということだ。その中でさらに旅行収支が-12億2000万ドルなわけで、これが韓国のTHAAD配備の年内予定による中国の韓国旅行への禁止がどこまで響いてくるのか。それがわかるのは2ヶ月後となる。旅行収支の赤字が倍ぐらい増えている可能性もなくはない。

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韓国経済、1月の経常黒字52.8億ドル 5カ月ぶり低水準=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が3日発表した国際収支(速報値)によると、1月の経常収支は52億8000万ドル(約6040億円)の黒字だった。経常黒字は2012年3月から59カ月連続と、最長記録を更新した。ただ、黒字幅は前月(78億7000万ドル)に比べ26億ドル減り、2016年8月(50億8000万ドル)以来の低水準となった。商品収支(貿易収支に相当)の黒字の縮小と、冬休み中の海外旅行客の増加や海運業の不振によるサービス収支の赤字拡大が響いた。

1月の商品収支は78億1000万ドルの黒字で、5カ月ぶり低水準にとどまったが、輸出入はそろって3カ月連続で増加し、伸び率も拡大した。輸出が前年同月比18.1%増の441億1000万ドル、輸入が24.5%増の362億9000万ドルと集計された。

1月のサービス収支の赤字は33億6000万ドルと、単月で過去最大となった。前月(7億9000万ドル)の4倍以上だ。

冬休みを利用した海外旅行客が増加し、旅行収支の赤字が12億2000万ドルに拡大したため。海外への出国者数は過去最多を記録した。また、一部の大企業の支払いにより、知的財産権の使用料の赤字が5億1000万ドルと11カ月ぶりの大きさだった。輸送収支も、韓国最大手だった韓進海運が破産するなど海運の業況低迷が響き、赤字が2億3000万ドルに増えた。

給与・賃金と投資に伴う利子や配当を差し引きした所得収支は10億9000万ドルの黒字だった。

経常移転収支は2億7000万ドルの赤字を計上した。

(http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2017/03/03/0500000000AJP20170303000400882.HTML)

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