韓国経済、現代グループ、海運不況で崖っぷち
記事要約:現代グループが海運不況で崖っぷちという。そもそも、韓国は管理人が散々指摘している一極集中をどの分野もし過ぎている。つまり、中国依存や中東依存である。造船、建築、海運業に限っては中東依存が酷かった。だが、一極集中はその国の経済が傾くと途端に受注が減少してしまう。
2008年のリーマン・ショック後、韓国は海運や造船の分野で原油産出国として比較的安定していた中東に売り込みを仕掛けた。その売り方は御馴染みの薄利多売である。利益を度外視してシェアだけを獲得しようとする。おかげで中東でのシェアはかなり伸びた。けれども、原油産出国の致命的な弱点が襲いかかる。それが原油価格の下落である。
2011年頃は凄まじい原油高で日本のガソリン価格は毎週、更新されていた。しかし、アメリカのシェーンオイル増産、OPECの原油減産の見送りなどで原油価格がかつてないほど大暴落した。現在、一体いくらかご存じだろうか。WTI原油価格は43ドルである。日本にとってはありがたいかもしれないが、いくら何でも下がりすぎだろう。しかし、実は原油というものが貴重なものではなくなっている。世界経済の低迷などが重なり、このような事態である。
中東は原油輸出で巨万の富を得ていたわけだが、こうなってくると当然、中東の経済も苦しくなる。すると韓国に受注していたプラントや造船といったものがキャンセルされていく。これが韓国の海運にとって打撃となっている。一極集中した結果がこれである。そして、韓国の技術を中国が後ろからぱくってさらにシェアを拡大させている。
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財界21位の現代グループが嵐に直面している。先月財務構造の改善に向けた現代証券など金融3社の売却が頓挫した上、今月に入ると赤字経営にあえぐ中核企業、現代商船の売却説が浮上した。持ち株会社格の現代エレベーターが転換社債を発行し、資金調達を進めているが、調達額が少なく、市場では「焼け石に水」と受け止められている。
現代商船の株価は競合社の韓進海運との合併説、現代グループが韓国産業銀行に現代商船の経営権を放棄する意向を示したといううわさなどで13.78%も暴落した。2000年代初めに現代自動車グループ、現代重工業グループが系列から分離され、海運、証券、エレベーターが主力事業となった現代グループは10年余りたった今、屋台骨が揺らいでいる。
■先進国の景気低迷が打撃
現代グループの危機はグループの売上高の約70%を占める主力企業、現代商船の不振が主因だ。世界18位のコンテナ船会社である現代商船は、2011年の欧州財政危機で先進国市場が冷え込んだことから業績が急激に悪化した。北米、欧州で景気が低迷し、物流量が少なくなったためだ。11年に3574億ウォン(約380億円)の赤字に転落後、昨年まで4期連続赤字となっている。12年には年間の営業損失だけで5000億ウォンを超えた。
現代グループは2013年から自主再建計画で3兆ウォンの資金を調達した。昨年5月には優良資産である液化天然ガス(LNG)輸送部門を売却し、9700億ウォンを確保。2カ月後の昨年7月には現代ロジスティクスを売却し、6000億ウォンを調達した。
しかし、海運不況の継続で状況はさらに悪化している。10年末に1兆3000億ウォンあった現代商船のキャッシュフローは、今年上半期末には2000億ウォンにまで落ち込んだ。負債比率は同じ期間に240%から880%まで上昇した。
こうした状況で、現代グループは現代証券、現代資産運用、現代貯蓄銀行をパッケージで売却し、6512億ウォンを確保しようとしたが失敗。その後、現代グループの前途をめぐるさまざまなうわさが飛び交っている状態だ。現代グループは9日、現代商船の売却説をすぐに否定したが、市場では収益が改善した現代証券を温存し、業績改善が望めない現代商船を放棄するのではないかとの観測が説得力を得ている。
■複数の海運会社は必要か
グループ再建の鍵を握る産業銀は「これ以上支援できない」との立場だ。現代証券の売却が頓挫したことから、金融当局も現代グループの自主再建努力は真剣さを欠くと考えているとされる。産業銀関係者は「現代証券の売却が頓挫した後、現代グループに『追加支援はない。自主再建に努力するように』と通告した。現代商船の売却を含め、全ては現代グループが独自に判断することだ」と突き放した。
しかし、政府の一部には産業銀がいったん現代商船の経営権を引き取り、合併が難しければ、韓進海運に経営を委託するなど他の方法を模索すべきだとの意見もある。政府関係者は「韓進海運と現代商船を合併させないにせよ、どんな形であれ、海運業界の構造調整案を準備すべきだ」と述べた。
海運業界には「政府が問題を現代グループのレベルではなく、国内の産業全体のレベルで考えるべきだ」との意見がある。産業的に関連性が高い海運、造船、鉄鋼業界全体を見て判断すべきとの考え方だ。これら産業は海運会社が造船会社に船舶を発注すると、鉄鋼会社が厚板を造船会社に供給するといった具合に連鎖構造ができている。鉄鋼や造船は現在政府レベルでの構造調整が本格的に進められている産業でもある。
有事の際に自国の海運会社を利用できるようにする必要性、輸出入のスムーズな処理といった国家戦略的理由に加え、釜山港など港湾の貨物取扱量への影響を考慮すると、自国資本の複数の大手海運会社を維持すべきで、短期的な構造調整だけでなく、中長期を見据えるべきだとの意見もある。
韓国海洋水産開発院(KMI)のチョン・ヒョンジン海運市場分析センター長は「中国は政府が古い船舶を解体し、新たに船舶を発注する方式で資金支援を行い、海運だけでなく、造船業の再建を助けている。世界20位以内の大手海運会社を人為的に合併させるよりは、支援を通じて再建する方が望ましい」と指摘した。
(http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/10/2015111000986.html)
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