韓国 バブル含みのベンチャーのようにグラグラ…サムスン電子の株価はなぜ下げ一色なのか?

韓国 投資家というのは様々な情報を集めてその会社の将来における業績を予測して投資する。だから企業の株価はその企業の半年後の業績を映し出すといわれている。つまり、今、その株価がずっと下がっているてことは半年後の業績が悪いと考える投資家が多いてことだ。

今回、韓国の時価総額1位のサムスン電子の株価がなぜ下げ一色なのか。簡単だ。サムスン電子は創業以来の崖っぷちだからだ。大きく理由を分けるなら4つある。1つ目はエヌビディアのテストに未だに合格できてない。2つめはDRAM価格が下がってきている。3つめはアメリカが韓国を名指ししてHBM輸出の対中輸出規制をしようとしている動き。4つめはストライキである。

今回はその4つを中心に見ていく予定だ。では、早速一つめから行こうか。

まず、サムスン電子のHBMがエヌビディアのテストに合格できてない。これが致命傷である。SKハイニックスやマイクロンはとっくに合格しており、既に次のチップの供給が決まっている。なのに半導体ではトップシェアを誇るサムスン電子がこの二社に技術的な後れを取っているのだ。

レースでいえば周回遅れ。しかも、6月ぐらいにエヌビディアのテストに合格したという関係筋の話が出てきたのにそれから3ヶ月経過しても公式発表がない。投資家はそれに期待していたのにいつまでも発表がないので売りと。本来ならとっくに合格して、今年の後半には出荷するという見通しだったのにそれが出てこない。

2つめはDRAM価格が下がってきている。これについてはトレンドフォースの市場調査で判明した。こちらは韓国半導体輸出のピークを7月か、8月辺りだと予測しているのだが、どうやら、その予想が当たるかもしれないニュースが出てきた。

ええ?韓国半導体輸出は好調じゃないの?そう思うかもしれないが、好調なのはHBMという生成AIに使用される半導体であって、韓国企業が得意とする普通のDRAMではないのだ。

9月16日にiPhone16が発売されたが、これの目玉はApple IntelligenceというAI機能である。ぶっちゃけサービスが始まってないので、これが人気なるかは正直に述べてよくわからない。ただ、あまり売れ行きは好調ではないとの報道も出ている。まあ、高いからな。

それで話を戻すとDRAM価格が下がっているてことは、思ったよりAi搭載のPCが消費者に受けてないのではないか。

では、記事を引用しよう。

DRAM価格が最近小幅に下落しメモリー半導体業況に対する関心が高まっている。サムスン電子とSKハイニックスが主導するDRAM産業の業況は、韓国の輸出景気に及ぼす影響が大きい。

8日、市場調査会社DRAMエクスチェンジの集計結果によれば、コンピュータ用DRAMレガシー(汎用)製品(DDR48Gb1Gx8)の8月の平均固定取引価格は前月より2.38%下がった2.05ドルだ。DRAM価格は昨年10月から上昇傾向を見せ、今年5~7月には横ばいを維持していた。

DRAM価格の下落に対して市場調査業者トレンドフォースは「中国のスマートフォン在庫が過度な水準に到達し、家電製品に対する需要も予想ほど回復しなかった」とし「主に家電製品に使われるメモリー製品の現物価格が劣勢を示し、第2四半期の価格は第1四半期に比べ30%以上下落した」と分析した。

韓国の証券街では、世界的なIT製品需要鈍化により、長短期の展望が交錯する。未来アセット証券のキム・ヨンゴン研究員は「需要先の部品在庫備蓄が一段落し、短期的な価格停滞期が来たと判断する」と話した。

またアイエム証券のソン・ミョンソプ研究員は「今後の景気鈍化、顧客の在庫備蓄完了、人工知能投資の鈍化が重なる場合、上昇サイクル2年目の2025年第1四半期下旬に下落サイクルが始まる可能性がある」と話した。

トレンドフォースは「2025年を控えてDRAM価格は四半期毎に漸進的に上昇すると予想されるが、こうした上昇は主に平均価格を引き上げる高帯域幅メモリー(HBM3e)の普及率増加などによるもの」とし「消費者需要が劣勢を見せる場合、予想されるDRAM価格の上昇は期待に及ばない可能性がある」と話した。

「上昇サイクルじゃなかったの?」…DRAM価格はなぜ早くも下降しているのか : 経済 : ハンギョレ新聞 (hani.co.kr)

このニュースは韓国輸出に再び暗雲がもたらされる可能性を示唆される。なぜなら、半導体ともう一つの柱であった韓国の自動車輸出も激減しているからだ。8月の輸出は半導体が好調で伸びたのだが、それも長くは続かない。ただでさえ、内需が死んでる状態で半導体輸出まで鈍化していけば、韓国の2025年は再び未曾有の経済危機を迎える。

しかし、DRAM価格が下がるのは思ったより早かったな。生成AI特需が何処まで続くかはわからないが、2025年には違った景色が見えそうだな。

次に3つめの理由だが、アメリカが韓国を名指ししてHBM輸出の対中輸出規制をしようとしている。これについては既に紹介した通りだ。韓国のサムスン電子とSKハイニックスにとって中国市場を捨てるのは大変痛い。火傷で済むとは思えない。骨折ぐらいの打撃は来るんじゃないか。

最後の4つめだが、実はサムスン電子は「ストライキ」に悩まされている。なんとサムスン電子が人員を3割削減すると発表したこともあり、インドにあるサムスン電子の現地労働者団体が反発してストライキを始めたのだ。まじですか?まじですよ!

では、記事を引用しよう。

[チェンナイ 16日 ロイター] – インド警察は16日、無許可で許可なくデモ行進を計画していたとしてストライキ中のサムスン電子工場従業員104人を拘束した。同日夜に大半が釈放されたが、労働者団体は警察の対応を非難。サムスンの労使対立が深刻化し、インド事業への影響が広がる恐れがある。

サムスンはインドに2つの生産拠点を持つ。ストを実施していたのは、南部タミルナド州の州都チェンナイ近郊の家電工場で賃上げや労働組合の承認を求めて9日からストを実施していた。従業員1800人のうち1000人がストに参加、サムスンのインドでの年間売上高120億ドルの約3分の1を占める生産に支障が出ていた。

地元の警察幹部は、労働者らは16日に抗議デモを開始する予定だったが、その地域には学校や大学、病院があるため許可が下りず拘束されたと話した。ストを支援しているインド労働組合センター(CITU)関係者は、拘束された従業員が3人を除いて同日夜に釈放されたと明らかにした。CITUのタミルナド州幹部は、警察の措置を非難した。

拘束者が出たにもかかわらず、州の与党系列の組合も含む12の労組がサムスン工場のストを支持する抗議活動を18日に実施することにしている。

<サムスンに試練>

今回のストは、重要な成長市場であるインドでサムスンが直面する試練を一段と厳しくしている。

サムスンは、CITUといった全国的な労働団体が支援する労組の承認に消極的で、労働者や州政府側との協議は打開の糸口が見えない状態。さらに同社は一部事業で海外要員を最大30%削減する計画で、インドも対象に入る。

サムスンの労使問題は、モディ首相の産業政策「メーク・イン・インディア」にも影を落としている。

サムスン、印工場の労使対立深刻化 警察が従業員104人一時拘束 (msn.com)

このようにサムスン電子のインド工場で大規模なストライキ。従業員の1800人いて1000人も参加しているなら、生産に支障出ているレベル。インドでの年間売上高120億ドルの約3分の1を占める生産とか。しかも、サムスン電子が全国的な労働団体が支援する労組の承認に消極的らしい。

そりゃ、世界最凶の現代労組のストを間近に見てきたものな。でも、労働者のスト権利というのは国際法でもしっかり明記されている。サムスン電子が以下に消極的だろうが、グローバル企業なら従うしかないのだ。

サムスン電子は世界中に工場を作って低賃金で働かせていたわけだが、そのインドでのストライキは他の国の労働者にも大きな影響を与えていく。もう、世界中の工場でストライキが発生する可能性があるてことだ。

以上。4つの理由でサムスン電子の株価が上がる理由がない。

では、ハンギョレの記事を引用しよう。サムスン電子の株価の推移が掲載されている。

この2カ月間、韓国の株式市場を下げ一色にした中心にサムスン電子がある。有価証券市場で時価総額1位の銘柄の株価が、まるでバブル含みのベンチャー企業のように下落している。コスピ指数とサムスン電子が並んで今年に入って年中最高値(取引中)を記録した7月11日以降、9月13日までにサムスン電子の株価は8万7600ウォンから6万4400ウォンへと26.4%も下落した。同じ期間のコスピ指数の下落率(10.9%)の2倍を超える。

 指数下落に与えた影響は圧倒的だ。同期間、サムスン電子の時価総額は522兆9千億ウォン(約56兆円)から384兆4千億ウォン(約41兆円)へと138兆5千億ウォン(約15兆円)減少したが、これは同じ期間の有価証券市場の時価総額減少分(262兆3千億ウォン)の52.8%を占める。全体下落分の半分以上をサムスン電子が引き下げたわけだ。

 外国人投資家のサムスン電子への売り攻勢は続いている。外国人投資家らは9月13日までに累積7兆1609億ウォン(約7600億円)分を売り越した。同じ期間の機関投資家の売り越し規模は2兆720億ウォン(約2200億円)だ。特に外国人は秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句)連休前日の13日だけで7846億ウォン分を売り越し、9月3日以降の9取引日の間に4兆7167億ウォン分を売り越し、投げ売りに近い動きを見せた。

 半導体部門の業績が好転し、第2四半期の営業利益(暫定値)が10兆4千億ウォン(約1.1兆円)と、昨年同期に比べて1452.2%増加し、「アーニングサプライズ」を実現したサムスン電子の第3四半期の業績が予想より悪いという見通しが、最近の株価下落の背景に挙げられる。

 サムスン電子の株価が9月5日終値6万9千ウォンで6万ウォン台まで下がった後、証券会社は目標株価を低くしたレポートを相次いで出した。11社の証券会社のうち9社が7~8月の間に提示した目標株価を下方修正した。目標価格の平均値は11万2455ウォンから9万7909ウォンへと12.9%下がった。最も多い5社の証券会社が10万ウォンを新たな目標価格として提示した。

「6万電子」が現実化した後に出てきたこのような証券会社の分析レポートに対して「後追い」という投資家の不満の声も高い。証券会社は目標価格を低くしたが、株価がすでに「売られ過ぎ」局面にあるとし、大部分が「買い」を推薦している。

 BNK投資証券は10万2千ウォン(7月5日)から大幅に下げた8万1000ウォンとし、最も低い目標価格を提示した。第3四半期の営業利益展望値の下方修正と共に「米国による高帯域幅メモリー(HBM)の対中国輸出制限措置が施行される場合、中国顧客依存度が高いサムスン電子には不利になる展望」と理由を明らかにした。

バブル含みのベンチャーのようにグラグラ…サムスン電子の株価はなぜ下げ一色なのか? : 経済 : ハンギョレ新聞 (hani.co.kr)

サムスン電子の株価が売られすぎ?むしろ、過大評価だよな。先に上げた4つの不安材料はどれも致命的だ。それらの問題が解決しない限りは投資家はサムスン電子の将来性に期待できないだろう。

韓国 バブル含みのベンチャーのようにグラグラ…サムスン電子の株価はなぜ下げ一色なのか?」への1件のフィードバック

  1. もう50年前か。紅顔の少年だったオレがストライキなるものに遭遇したのは。そう、、いまはJRと呼ばれる会社が国鉄と呼ばれた頃の話だ。高校を卒業し就職をするのだが一週間前倒ししたのだ。週の真ん中に予定されていたストライキに備え早く一週間を経験したいと前倒ししたのだ。まさか50年経ってこんな生活になるなんておもわなかった。みんな糖尿病に罹患して早死にしている。10人は送ったな。自らの会社を潰すまで要求をやめない韓国労働者は慰安婦や徴用工問題で謝罪と賠償を繰り返し叫ぶ韓国人の宿痾か!たしか久間章男防衛相が原爆はしかたない、、と失言したのが記憶にあたらしい。あれなんか、もし韓国人だったらいつまでも主張しつづけるんだろうな。謝罪と賠償を!

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