SKハイニックス株が一時11%安-モルガンSは投資判断2段階下げ

韓国 アメリカの利下げが始まっても、ダウは好調で、韓国株もその恩恵を受けているわけだが、韓国を代表する半導体企業であるサムスン電子とSKハイニックスの株価は全然、振るわない。例えばSKハイニックスだが、7月11日に240000ウォンあった株価は今、いくらかご存じだろうか。なんと15万7100ウォンだ。つまり、3分の2まで下落している。

しかも、これだけではない。アメリカの利下げ発表で多少、戻したがその前はもっと売られており、145000ウォンまで落ちた。これが今回の記事のタイトルに書いてあることに繋がる。モルガン・スタンレーはSKハイニックスの目標株価を大幅下方修正した。その数値は笑うしかないほど酷い。

なんと目標の26万ウォンから12万ウォンへと54%も引き下げたのだ。まじですか!まじですよ。ええ?SKハイニックスはHBMが順調で飛ぶ鳥を落とす勢い。サムスン電子を越えたとまでいわれているのに、なんとモルガン・スタンレーはむしろ、この先、SKハイニックスに駄目だししたのだ。

これは生成AI特需がそろそろ終わりだと考えているんだろうか。でも、この株価だとSKハイニックスはこの先、生成AI需要を見込んで行う投資資金が回収できないだろう。

それで、追加情報としてブルームバーグの記事を先に見ておこう。

半導体メモリー大手、韓国のSKハイニックス株が19日に急落。モルガン・スタンレーが価格決定力の低下を理由に、同社株の投資判断を「オーバーウエート」から「アンダーウエート」に2段階引き下げた。ソウル上場の関連銘柄も下げている。

SKハイニックス株は一時11%下落し、2月8日以来の安値。ハンミ半導体が一時8.2%安、サムスン電子は同3.4%下落した。

モルガン・スタンレーはSKハイニックスの目標株価を26万ウォンから12万ウォンに引き下げ。SKハイニックス株は世界のメモリーメーカーの中で最も選好されていない銘柄になったとモルガン・スタンレーは説明した。

アナリストのショーン・キム、デュアン・リウ両氏はリポートで、「われわれはサムスンや価値重視のエンドマーケットにおける質への移行を選好する」とし、「メモリーの状況は悪化し始めている。後期サイクルの状況を通過し、売上高の伸びと利益率はここから厳しくなるとみられる」と分析した。

人工知能(AI)のリーダー、米エヌビディアとの供給契約が材料視され、SKハイニックスの株価は今年に入り24年ぶりの高値まで上昇。ここ数カ月は下落傾向にあるものの、年初来ではなお2%余り上げている。一方、サムスン株は年初来で21%下げている。

SKハイニックス株が一時11%安-モルガンSは投資判断2段階下げ – Bloomberg

ああ、ついに始まってしまったか。こちらも8月のメモリー価格が下落しているのはサムスン電子が崖っぷちの理由に解説するときに、既に取り上げたが、投資会社がそう分析しているのなら、大きな確証を得たことになる。

同社株の投資判断を「オーバーウエート」から「アンダーウエート」に2段階引き下げ。SKハイニックス株は世界のメモリーメーカーの中で最も選好されていない銘柄になった、すげえな。ここまでフルボッコかよ!

サムスン電子も崖っぷちなのに、まさかSKハイニックスまで終わりを迎えるのか。何だろうな。SKハイニックスの天下が終わるのも早かったな。一年ぐらいしか持たないじゃないか。

それで、韓国取引所が、SKハイニックス株式の「先行売買」疑惑でモルガン・スタンレーに対する調査に着手したそうだ。でも、モルガン・スタンレーがレポート前に売ることは別に先行売買でも何でもないぞ。空売りで儲けてるなら別だが、韓国では空売り禁止されている。

そんなこといったら、レポート出す前に売れなくなるじゃないか。モルガン・スタンレーのレポートで下がる株の方がよほど投資家に信用されてないんだろう。

では、記事を引用しよう。

韓国取引所が、SKハイニックス株式の「先行売買」疑惑が持ち上がったモルガン・スタンレーに対する調査に着手した。モルガン・スタンレーが売り意見の報告書を出す前に、ハイニックスの株式を大量に売り渡したという疑惑のためだ。

金融投資業界によると、取引所市場監視本部は13日、モルガン・スタンレーのSKハイニックス株の売り注文の成立件に関する口座の分析作業に入った。

モルガン・スタンレーは15日、報告書を発表し、SKハイニックスの目標価格を26万ウォンから12万ウォンへと54%引き下げた。投資意見も、「割合拡大」(overweight)から「割合縮小」(underweight)に一度に2ランクも下方修正した。

同報告書を出す直前の取引日である13日、モルガン・スタンレー・ソウル支店の窓口で、SKハイニックスの株式101万1719株の売り注文が成立された。これは12日の売り量(35万1228株)の3倍に達する規模だ。

このため、先行売買疑惑が浮き彫りになった中、業界の内外からはモルガン・スタンレーの窓口で注文が行われたという理由だけで先行売買と決めつけるのは難しいという意見も提起されている。取引所市場監視本部の調査で先行売買が認められれば、事件を金融監督院に移管する予定だ。一方、モルガン・スタンレーが目標価格を下方修正すると、19日、SKハイニックスの株価は6.14%急落した。

ハイニックス株の先行売買疑惑でモルガン・スタンレーを調査 (msn.com)

そりゃ、韓国の大型連休、チュソクで19日まで証券市場はお休み。すぐにFOMCがあれば株価がどう動くかわからない。手じまいしておこうと考える投資家も多いんじゃないか。12日の売り量が増えるのは当然だろう。まあ、3倍が適正範囲かは知らないが。

しかし、韓国は本当、証券市場をすぐに規制しようとするよな。空売り禁止されてるだけでも外国人投資家は不満なのにこうやって、外資投資銀行にイチャモンを付けていく。そういうことしているから、韓国は先進国指数に永遠に選ばれないんだぞ。

ここでモルガン・スタンレーに何かすれば、MSCIに選定される可能性はさらに低くなる。自分らで証券市場を潰したいなら構わないが。根拠もない。状況証拠だけで疑ったところでブーメランとしてかえってくるだけだ。