2023年、韓国で自営業者が91万件近く廃業していたわけだが、その自営業者の多くは高齢者であり、廃業すれば莫大な借金を抱えて、仕事を失うので低賃金や短時間でも働くしかない。もちろん、年金だって月4万円程度しかもらえないので、年金だけで食べていける高齢者なんてほとんどいない。

彼らは65歳過ぎても仕事を探して、なければホームレスになるだけという。そんな事情の高齢者の半分が月100万ウォンも稼げてないことがわかった。

これは韓国の最低賃金よりも遙かに低いんだよな。実際、韓国のソウルでは最低賃金で働けても、他の場所ではそうではないてことだ。ソウルだけに人口が集中している弊害が大きい。

これもユン氏が招いた経済の二極化である。多くの自営業者はリストラされて40代からチキン屋やコンビニなど自営業ルートに入るわけだが、ここ数年で、自営業の収入は最底辺レベルにまで落ち込んでいる。ニュースでは自営業者の廃業の数は話題になるが、廃業した自営業がどのような生活を送っているのか。そういったニュースは出てこない。

韓国の闇の部分が多すぎてその辺の実態を掴むのは一般的なニュース情報では難しいのだが、こちらはあくまでも経済的な数値を扱うのを本題としている。何かしらの分析ができる数値が出てこない記事にあまり興味はないてことだ。

では、記事の引用をしよう。

６５歳を過ぎても働く高齢者が、経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）加盟国の中で最も多いのに、彼らの半分近くは、１ヵ月間に稼ぐお金が１００万ウォンにも満たないことが分かった。

３０日、東亜（トンア）日報が統計庁の家計動向調査のマイクロデータを分析した結果、今年第２四半期（４～６月）基準で、６５歳以上の賃金労働者が世帯主である世帯のうち、月平均の労働所得が１００万ウォン未満の世帯は４６.７％だった。生計の責任を負っている６５歳以上の労働者の半分近くは、１ヵ月間仕事をして手にするお金が１００万ウォンにもならないという意味だ。

月平均労働所得が１００万ウォン以上～２００万ウォン未満の世帯は２１.５％、２００万ウォン以上～３００万ウォン未満の世帯は１９.１％、３００万ウォン以上の世帯は１２.８％だった。

韓国高齢者の経済活動への参加率は３７.３％（２０２２年基準）で、ＯＥＣＤ３８加盟国の中で最も高い。経済活動の参加率とは、人口比「就業者数と失業者数」の比率で、就職をしたり求職活動をしたりしている比率を意味する。

梨花（イファ）女子大学社会福祉学科のチョン・スンドゥル教授は、「高齢化とこれにともなう雇用の問題は、韓国だけでなく海外でも活発に議論されている事案だ」とし、「定年延長や高齢者基準の上方修正のような社会システムの変化が共に議論される必要がある」と話した。

働く高齢者の半分は月１００万ウォンも稼げない | 東亜日報

韓国の失業率は2.1％と過去最低の基準だが、それは経済状況が良いためではない。ほとんどの高齢者が働かないと生きていけない韓国社会が失業率を改善させているのだ。しかも、それはＯＥＣＤ３８加盟国の中で最も多いと。

しかも、企業は低賃金・短時間で高齢者を雇うので最低賃金以下の賃金で働かされる。つまり、高齢者から搾取である。本来、仕事がまともな時間で最低賃金でも月100万ウォンなんて余裕で超える計算なのだ。

最低賃金が日本を超えたと韓国人は自慢するが、その最低賃金をもらえているのは一部に過ぎないてことだ。特に高齢者の場合は高齢を理由に賃金を大幅に減らされる。

同じ製造業でずっと働いてきて定年を迎えて、再雇用を希望したら賃金は半額になりましたという笑えないエピソードもある。再雇用した瞬間に賃金が減らされるのだ。しかも、今までやってきた仕事であり、誰よりも経験があるのにだ。それでも、働かないと生きていけないのだから選択肢はないてことだ。

それで定年延長という議論があるわけだが、労働貴族の定年まで延長されるので韓国企業にとっては頭が痛い問題だ。

高齢化に伴う問題とかあるが、韓国が世界一の速さで少子高齢化社会に突入しているのだから、これから韓国が世界のベンチマークだぞ。とりあえず、高齢化社会の問題点は韓国の現状を見ればある程度、分析が可能だろう。

高齢化社会は人間の平均寿命が医療の発達で増えれば増えるほど社会保障費が倍増する。人生８０年が、これから人生９０年、１００年とかに伸びていくわけだ。これは国としては頭の痛い問題だ。韓国の高齢者を見ていればわかるが、年金だけでは食べていけない。本当に死ぬまで働かないと生きていけない時代が到来するてこと。

難しい問題であるのだが、韓国が珍しく世界の役に立つのだ。少子高齢化社会は世界中の国家で必ずやってくる。特に日本や欧州、先進国ではそうなっている。

問題は高齢者というのは数が多くなれば選挙で大きな力を持つてことだ。政治家は高齢者ばかりを優遇する施策に取り組もうとする。すると、これからの世代を支える若者軽視の傾向となり、これも国を崩壊させる事に繋がる。韓国の若者がどれだけ軽視されてるかを韓国ニュースなどで色々読んでも、よくわかるという。

あと、こちらが指摘したいのは国家というのはその規模の大きさで仕事量というのはある程度、決まってくる。だから、韓国みたいな人口が少ない国は内需よりも、世界に進出して輸出拡張だという動きが強いわけだ。しかし、国家というものは輸出をどれだけ拡張しても、そこに住む人々の内需は必ず存在する。

韓国は輸出で食べている国であっても、内需を疎かにすれば痛いしっぺ返しを食らうてことだ。ええ？もう、十分、食らっている？その通りです。ただ、地域活性化というのはまた難しい問題であって、韓国の場合はソウル一局集中から抜け出せない。これが実は様々な弊害を生んでいるのだが、やはり、北朝鮮との関係悪化で首都ソウルがすぐに滅ぼされる状態であること。この地政学的リスクが２０２５年にもつきまとう。

戦争で一番効果的な手段は相手が嫌がる最適解を執り続けることだ。韓国に攻めるなら、首都ソウルへの攻撃。原発への攻撃。北朝鮮がこれらの手段を執ってくる可能性は高い。そして、奇襲なら韓国は１００％守れないてことだ。ソウルを破壊されるだけで韓国経済が凄まじい勢いで崩壊する。それは通貨危機なんて遙かに超える酷いことになるだろう。

では、ネットの突っ込みを見ておくか。

１．なお韓国の1人あたりGDPに無職と失業者も含むっていう話題を見たことがない

２．雇う方からしたら当たり前なんだがね
スキルが高くて70歳でもいてほしい人と、そうでない人の差は大きい

３．韓国の高齢者に人気の地下鉄使った宅配とか、自営業者として雇用主と契約するから最低賃金も関係ないし、平均賃金の計算からも除外される、日本みたいに雇用延長すりゃいいのに、そうすると平均賃金さがるからやらないだろw

４．20代も半数が非正規雇用やニートだから似たようなモノだろ。
中高年も自営業やニートだらけだから似たようなモノだろ。
つまり要約すれば、国民のほとんどが似たようなモノ。

５．韓国で月100万ヲン稼げたら金持ちだよ

以上の５つだ。さすがネットの意見だな。国民のほとんどが似たようなモノだという正解にたどり着いている。韓国の１人当たりGDPは明らかにおかしいんだが、国から聞こえてくる内情とはかけ離れている。

これは経済の二極化によるものなのか。搾取構造が蔓延しているために起きているのか。わりと深刻な問題であるが、搾取側が政権を担っているのだから、こうなるのは当然ですよねと。つまり、富の再分配ができていない。