中国の「トランプ関税」対応策 2度目は通用せず

韓国経済にとって米中貿易戦争が激化すればするほどダメージを受けるわけだが、どうやら中国がトランプ関税の対抗策は二度目は通用しないと専門家が述べている。一体、どういうことなのか。

それは4年前とは中国経済の状況が180度異なるてことだ。4年前の中国は米国を抜くとか言われていた時代である。その時、トランプ氏と激しくやり合った。その結果、中国は米国に対抗策として半導体の規制やレアアースの規制などを発表したわけだが、今の中国は不動産バブル崩壊で国内がデフレで苦しんでおり、とてもとても4年前のように米国と張り合うだけの力はない。

株価は中国の大規模な経済対策で回復しているが、実際、それを続けるほど予算があるとは思えない。だからこそ、中国はトランプ氏とは揉めたくないはずだ。しかし、トランプ氏は初の米中首脳会談の食事会でミサイル発射して習氏を牽制したエピソードもある。弱っている習氏がどこまでトランプ氏に対抗できるのか。

2025年までの米中対立も面白そうではあるな。その余波が全て韓国を巻き込むという意味では。

では、記事を引用しよう。

関税はドナルド・トランプ次期米大統領にとって「辞書の中で最も美しい言葉」かもしれないが、不動産市場の崩壊や内需の弱さに苦しむ中国にはさらなる頭痛の種となる。

トランプ氏が選挙遊説中に候補者として発言したことが、大統領就任後にどの程度実際の政策になるのかは見通せない。だが最初の任期を見る限り、大規模な関税発動をためらわないことは確かだ。今回は中国からの輸入品全てに60%以上の関税を課し、他国からの輸入品にも一律10%の関税を課すことを掲げている。

今回、中国の対応には限界がある。特に自国通貨の大幅な下落を容認するリスクは大きい。

トランプ氏は関税を交渉材料に使う可能性がある。前回は実際にそれをちらつかせて中国が2021年末までに米国製品を追加で2000億ドル(約30兆円)購入する約束を取りつけた。だが中国は最終的に合意を守れず、目標額には全く届かなかった。ピーターソン国際経済研究所によると、中国の輸入総額は約束した金額の58%にとどまった。新型コロナウイルスの影響もあっただろうが、最初から達成の難しい目標だった。それ以降、バイデン政権もトランプ氏の対中関税の大半を引き継いでいる。

2018年の貿易戦争はそれまでの貿易パターンの一部を変えた。CEICによると、中国の輸出品で米国が直接の仕向け地(発送先)であるものは現在15%に満たない。2017年は約19%を占めていた。ただ一部の米国向け輸出品は、関税を回避する目的で東南アジアやメキシコなどを経由している可能性がある。

中国の今年1~9月の東南アジア向けとメキシコ向けの輸出は、2017年の同期間に比べていずれも2倍余りに増加している。一方、米国向け輸出は同期間に22%増となっただけだった。特に東南アジアは中国の輸出先として今や米国を抜き、全輸出額の16%を占める。だが、増加分のうち最終目的地が東南アジア市場だった割合は不明であり、その多くが米国に運ばれた可能性が高い。

とはいえ、このような方法で輸出先を切り替えるのには限界がある。今回、米当局が監視を強化すれば、なおさらそうだ。そのうえ、輸出先を切り替えても中国は無傷ではなかった。例えば、ゴールドマン・サックスの試算では、2018年の貿易戦争は中国の国内総生産(GDP)を累計で0.65ポイント押し下げたとみられる。今回、60%関税による影響はGDPを2ポイント押し下げる(第三国経由による関税回避の効果は除外)とゴールドマンは試算する。

過激な関税引き上げを実施すれば、米国の物価上昇と最終需要の低下をも引き起こす。JPモルガンは、中国からの輸入品に60%の関税を課せば、米国の物価水準を1.1%押し上げ、一律10%の広範な関税を含めれば、2.4%に上昇するとの見方を示した。

教科書的な経済学によると、自国通貨が下落すれば、輸出品が安くなるため、関税の影響の一部を乗り越えるのに役立つと考えられる。実際、2018年初めから2019年末にかけて人民元は約10%下落した。モルガン・スタンレーはそれが追加関税の影響の約3分の2を相殺したと推計している。

だが今回は関税引き上げ幅がより大きいため、人民元ははるかに大きく下落する必要がある。また元の対ドルレートはすでに2019年末に比べ3%安い。中国政府はこの1年、急激な元安は資本流出を引き起こしかねないと懸念し、過度の下落を防ごうとしてきた。中国の10年物国債利回りは現在、米10年債を2.3ポイント下回っている。2018年初めには1.5ポイント上回っていた。急激な元安が見込まれれば、資本流出に弾みがつく可能性がある。

中国の最終的な答えは恐らく国内にある。輸出需要を埋め合わせ、国内に投下された資本の収益を確保するためには、強い国内経済が必要だ。中国はすでに大規模な景気刺激策を計画しているが、アナリストは国内の消費支出を喚起するのに十分でない可能性があると警告する。恐らく第2次貿易戦争の脅威が高まれば、中国は本気で取り組むだろう。

中国の「トランプ関税」対応策 2度目は通用せず

なんか中国向けに書かれた記事だが、だいたい、これは韓国にも当てはまるという。

だが今回は関税引き上げ幅がより大きいため、人民元ははるかに大きく下落する必要がある。また元の対ドルレートはすでに2019年末に比べ3%安い。中国政府はこの1年、急激な元安は資本流出を引き起こしかねないと懸念し、過度の下落を防ごうとしてきた。

仮に関税の影響で元安となれば、当然、価格競争力が強化されるのでますます韓国輸出は苦しい立場に置かれる。資本流出て、今、中国に残っている外国企業なんてほとんどいないだろう。デフレで国内消費が伸びないのだから。赤字垂れ流すよりも撤退したほうがましだと思われる。

そもそもいくら中国政府が大規模な経済対策を打ち出しても、アナリストは足りないとしかいわない。本気がどうとか書いてあるが、そんな予算はないてことだろう。金は無限に沸いてくるものではない。

中国の「トランプ関税」対応策 2度目は通用せず」への2件のフィードバック

  1. 現在チャイナのある程度の財産を所有している人たちは、その8~9割を不動産の形で所有している。そしてチャイナでは不動産バブルははじけた。売りたくても売れない、年々価値は下落する、そんな状態では、消費マインドは永久凍土ののように凍り付く。内需喚起にはかつて隣国で自殺者まで出た不良債権処理を「虎も蝿も叩く」ようにやるしか無いと思われる。(毛沢東と同程度のカリスマがある指導者で無ければ無理だろうが)
    つまり米中貿易戦争が始まれば1年もたたずにチャイナ経済は崩壊するだろう。

    かつて追い詰められた日本は、渋々劇薬を飲んだが、悪夢の某政権+白川総裁のツープラトンにより深刻化したデフレからの脱却は、第2次安倍政権まで続いた。だから、私は見てみたい。習皇帝が劇薬を服用しないままでいたらチャイナ経済はどうなるのか。だから私は米中貿易戦争など望まない。

  2. 実際に見る限り中国の不動産バブルの崩壊はスケールがちがう。それと同時に開発のスケールもちがう。いくら広大な国土を所有していても土地は国家の物が基本だから自由貿易圏とはちがう。再三いうが浦東地区の開発は35年以前にはじまった。上海ばかりでなく蘇州、杭州、なども開発の波にのみこまれた。恐ろしいスピードで!街自体に奇抜なビルが建ち並びあしもとには、平面エスカレーターが架設してある。すべてが未來都市の様相だった。経済が破裂すればあれの維持コストはどうなるのか?いにしえの大国は何処にいったのか?一人っ子政策の歪みはこれからでてくる。韓国どころではない。中国、韓国、北朝鮮は価値観もすべてが違う。気を許せるのは台湾のみだ。

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