韓国 ゴールドマン・サックス「来年の韓国の成長率2.2%から1.8%に…輸出鈍化懸念」

韓国 来年、韓国経済の成長率を世界の名だたる主要投資銀行が大幅下方修正しているニュースは紹介したが、今回はゴールドマンサックスが2025年の韓国経済についてどのように見ているのかに触れていく。

前提の知識として韓国の輸出がここに来て急激に落ち込んでいる。例えば、韓国の7月から9月末までの成長率がわずか0.1%になったわけだが、これに関しては輸出が大きく落ち込んだことが原因だ。これを振り返っておこう。

韓国経済を支えた輸出は頂点に達した後に下落に転換するピークアウトが懸念される。実際に月別の前年同期比輸出額増加率は7月が13.5%、8月が10.9%と10%を上回っていたが、9月は7.1%、10月は4.6%と鈍化する傾向だ。こうした流れから推測すると、7-9月期には輸出が前四半期比で0.4%の減少に転じた。

韓国輸出は半導体が好調で伸びていたわけだが、段々と化けの皮が剥がれてきている。生成AIブームが終わったかどうかは定かではないが、DRAM価格はこれ以上の上振れを期待できない。むしろ、ここから下がっていくと予想されたのが先月だったか。10月だったか。そしてDRAMが売れないなら当然、韓国輸出は鈍化しており、減少となったわけだ。

経済というのが波であることは何度も述べてるが、当然、輸出だってそうだ。好調の時もあれば不調の時もある。だから、韓国輸出が今年の10月辺りでピークを迎えているなら成長率が大きく減少するという予測になるわけだ。まあ、これもこちらが予測したとおりだ。半導体輸出は中国企業が対中半導体規制前に買い占めに走ったにすぎない。

しかも、サムスン電子のDRAMは買われていたが、二束三文で叩き売りである。だから、サムスン電子はわずか1兆円しか稼げなくて、株価も4万ウォンまで落ちた。今、大規模な自社株買いで5万ウォン台だが、それもいつまでも続かないだろう。

来年、さらに中国企業が半導体技術を向上させてくるなら、いよいよもって韓国半導体は売るところがなくなる。SKハイニックスみたいなHBMでエヌビディアのテストに合格できてないサムスン電子は崖っぷちの状況で、ついに人事刷新までした。トップを技術者に据え置いた。

まあ、それでサムスン電子が復活できるなら凄いが、難しいだろうな。既に周回遅れなのに未だに合格すらできてないのだから。これは年内ですら怪しいよな。

ゴールドマンサックス以外でも、韓国の成長率が来年は2%以下という予想はたくさんある。ただ、それは既に見てきたのでより詳しい未来図を見ていこう。

では、記事を引用しよう。

ゴールドマン・サックスが来年の韓国の経済成長率見通しを既存の2.2%から1.8%に引き下げた。ゴールドマン・サックスのアジア担当選任エコノミスト、クォン・グフン氏は26日、「2025年韓国マクロ経済見通し懇談会」でこうした分析を出した。トランプ次期米大統領の関税政策の余波で輸出が鈍化するだろうという点を根拠に上げた。

クォン氏は「韓国の輸出弱化はすでに下半期に始まっており、これに伴い投資も減る可能性がある」としながら振るわない国内総生産(GDP)成長率に言及した。韓国銀行が先月発表した7-9月期の実質GDP成長率は前四半期比0.1%だった。韓国経済の成長動力を引き上げる上方要因は多くなく下方リスクが多いということだ。

ゴールドマン・サックスは韓国銀行の基準金利引き下げの可能性にも注目する。現在3.25%である基準金利が今後2.25%水準まで引き下げされるとみている。クォン氏は「先月金融通貨委員の大部分が今後3カ月金利を維持すべきという意見を出したが、その間に振るわない7-9月期GDPが発表された。韓国銀行が市場の平均見通しである2.50%より基準金利をさらに引き下げる可能性がある」と話した。

合わせてゴールドマン・サックスは来年上半期中にウォン相場が1ドル=1450ウォンまでウォン安が進むと予想した。ただ第2次トランプ政権の実際の関税政策と韓国の純外貨資産規模などによりウォンが強くなる可能性も開いておいた。

一方、世界の主要投資銀行は来年の韓国の経済成長率が1%台にとどまるだろうという予想を相次いで出している。国際通貨基金(IMF)も来年の韓国の経済成長見通しを既存2.2%から2.0%に下方修正した。こうした中、28日に来年の経済見通しを修正発表する韓国銀行も1%台の成長率を提示するだろうという予想も出ている。

ゴールドマン・サックス「来年の韓国の成長率2.2%から1.8%に…輸出鈍化懸念」 | Joongang Ilbo | 中央日報

これはわりと2025年の展望としては正解な気がするんだが、実はこの記事の後に韓銀がサプライズ利下げに踏み切った。あまりにも成長率低くて内需が死んでるので利下げに追い込まれたと。まあ、これも予想通りだ。こちらは今年の春頃からさっさと利下げしろと述べてきた。

重要な利下げとなるので記事を引用しておこうか。

韓国銀行が市場の予想を破りサプライズで金利引き下げに出た。韓国銀行金融通貨委員会は28日に今年最後の通貨政策方向会議を開き、政策金利の基準金利を3.25%から3.00%に0.25%引き下げると明らかにした。

先月基準金利を0.25%引き下げ3年2カ月ぶりに通貨政策転換に出てから2カ月連続で通貨緩和基調を継続した。これにより金利3%の韓国と4.5~4.75%の米国の金利格差は最大1.75%に再び大きく広がった。

最近消費者物価上昇率が2カ月連続で1%台で安定していることも韓国銀行が金利引き下げを選択できた理由だ。10月の消費者物価指数は114.69(2020年=100)で前年同月より1.3%上がり、9月の1.6%より上昇幅がさらに低くなった。

トランプ氏のシェールガス拡大政策にともなう原油安の流れが予想され金利引き下げ環境がすでに作られていたという評価も出ている。韓国銀行の通貨政策の足を引っ張ってきた住宅価格と家計負債も鈍化傾向に入り込んだ。

これに対し民間消費など内需不振の懸念はさらに大きくなった。主要投資銀行は最近来年の韓国の経済成長見通しを2%序盤から1.7~1.9%に引き下げた。金利を低くして景気を浮揚する理由が増えたという意味だ。

市場では韓国銀行が来年1-3月期と4-6月期にもまた金利引き下げを断行するだろうという観測が出ている。ゴールドマン・サックスは韓国銀行が来年2.25%まで基準金利を下げるだろうという見通しを出した。

韓国銀行はこの日修正経済見通しも発表した。今年の年間経済成長率を2.2%とし、8月に出した見通しの2.4%より下方修正した。来年経済成長率は1.9%で予想した。年間消費者物価上昇率は今年が2.3%、来年が1.9%、2026年が1.9%と予想した。

韓国銀行、基準金利3.0%に0.25%引き下げ…予想破りサプライズで利下げ | Joongang Ilbo | 中央日報

韓国の場合は消費者物価が1.3%ということは逆にデフレになりそうなので、この場合の利下げは正しい判断だ。物価は下げすぎても良くないのだ。基本的に2%前後を維持しないといけない。まあ、今回の利下げは正解だが、もっと速くやるべきだった。ここまで内需低迷させてから、ようやく利下げとか。全然、先を読めてないという。

それでゴールドマンサックスが来年に韓国は基準金利を2.25%まで引き下げるという。つまり、後、0.75%だ。でも、米国が12月に利下げして金利4。5%で来年は据え置きという見方もある。すると米韓金利差2%を維持するなら、基準金利を下げられるのは2.5%までだ。ゴールドマンサックスの予想より少しずれるが、もっともそれが本当にできるんですかね。

なぜなら、利下げすればウォン安が加速する。ゴールドマンサックスも警告している。

合わせてゴールドマン・サックスは来年上半期中にウォン相場が1ドル=1450ウォンまでウォン安が進むと予想した。ただ第2次トランプ政権の実際の関税政策と韓国の純外貨資産規模などによりウォンが強くなる可能性も開いておいた。

ゴールドマンサックスは1ドル=1450ウォン。こちらは年内に1400到達。これは既に予想通り。それで、来年は1500を予想しているが、トランプ政権次第ではドル高の流れが食い止められる?それは難しいんじゃないか。

関税強化によるインフレ懸念で米利下げがほとんどできず米国債金利も高いまま。むしろ、ドル高だよな。

それで韓銀は来年の経済成長率を1.9%と。ついに2%以下にまで落ち込んだ。潜在成長率2%のはずなのに、韓国はそれ以下の成長率予測。これは来年の潜在成長率も下がるんじゃないか。2026年も1.9%。もう、本格的に韓国は低成長の泥沼に填まってしまったな。そもそも内需低迷、輸出が鈍化しているのだからそうなるよな。

金利を下げれば内需活性化に繋がるが、問題は遅すぎたのでどこまで効果あるのかだ。ウォン安を前にして来年に追加利下げできるのかというのもある。

ウォン安は輸入物価高騰を招くので、結局、商品の値上げが加速するんだよな。消費者物価1.3%なのに商品の値段はつり上がる。いったいどこの物価が下がっているんだろうな。

このように見ていけば来年の韓国経済は未曾有の危機である。もっとも危機が標準化して、ウォンが1400で固定するように、ニューノーマルになるかもしれないが。どちらにせよ。利下げに踏み切ったのだ。韓銀は覚悟しているはずだ。圧倒的なウォン売りの嵐を。1420を越える爆弾が投下されていくことを。

大丈夫。1450程度ならギリギリ致命傷で耐えれるはずだ。1500ウォンはサムスン電子がヤバイレベルだが、1450ウォンならなんとかなるんじゃないか。こちらもウォンレートがどこまで下がればヤバイかはまでは判断できない。1500ウォンというのはそれだけ前人未踏なのだ。それが来年に見られるかもしれない。

だって、韓国さんはわかってないからな。米国の消費の強さを。こちらは来年、インフレ加速して、むしろ、利下げどころか、利上げに動くんじゃないかと懸念している。トランプ政権でどうなるかは本当、わからない。

それで最後に韓銀のサプライズ利下げに専門家はどう見ているのか。わりと見解がわかれていたようだ。

では、記事を引用しよう。

(ブルームバーグ): 韓国銀行(中央銀行)は28日の金融通貨委員会で、政策金利を0.25ポイント引き下げることを決めた。利下げは2カ月連続。トランプ氏の米大統領選勝利を受けた貿易・経済を巡る懸念の高まりに先手を打ったもようだ。

韓国銀行は、政策金利である7日物レポ金利を3.00%に引き下げた。ブルームバーグが調査した22人のエコノミストのうち、利下げを予測していたのはわずか4人だった。18人は政策金利が3.25%で据え置かれると見込んでいた。

トランプ氏の選挙公約には貿易相手国への関税引き上げや、サムスン電子や現代自動車を含む米国で事業を展開する外国企業への補助金削減の検討が含まれていた。韓国は経済成長の勢い維持で輸出に大きく依存している。

キウム証券のアナリスト、アン・イェハ氏は「半導体関連の輸出について不確実性が高まっている」と指摘。「トランプ氏勝利を受けた中国への追加課税などが景気後退リスクを高める可能性がある」と話した。同氏は金利据え置きを予想していた。

今回の決定は、経済危機が進行中である場合を除き連続利下げを控える同中銀の従来の姿勢に反するものだ。連続利下げは、世界金融危機後の2009年以来となり、金融通貨委員会の危機感を浮き彫りにしている。

同中銀の李昌鏞総裁は会見で決定について「予想以上に拡大している景気下振れリスクに対処するための緩和策の加速だと解釈し得る」と言及。「8月以降の最大の変化の一つは、米国のレッドスウィープ(共和党がホワイトハウスと上下両院を握る圧勝)であり、われわれの予想を上回るものだった」と説明した。

同総裁はまた、金融通貨委員会の6人中2人が利下げに反対したことを明らかにした。一方で、6人中3人は向こう3カ月以内のさらなる利下げの可能性をオープンにしておくべきだとの意見だったとも指摘した。

韓国中銀、世界金融危機以来の連続利下げ-トランプ氏勝利で貿易懸念

このように利下げするとみていた専門家は少ない。ただ、経済成長率0.1%まで落ち込んだら利下げするしかない。明らかに金利が高いから内需低迷が深刻化しているためだ。先手を打ったというよりは後手後手ですが。

韓国 ゴールドマン・サックス「来年の韓国の成長率2.2%から1.8%に…輸出鈍化懸念」」への1件のフィードバック

  1. いまさら成長率がどうたら、こうたら言った所で韓国の壊滅的な混乱は収拾しようがない。まるでモテない独身女日照りに結婚をさせるような一大プロジェクトを組むようなものだ。そのこころは無駄な抵抗をするな!ということ。ウォンが安ければ、通常は輸出に与するが粗悪品乱雑、乱造の韓国は人気がない。来年はいよいよ崩壊が現実になる。管理人氏の長い旅が終る。

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