プーチン氏、米とウクライナが合意した即時停戦案を事実上拒否…「紛争の根本原因除去」を注文

アメリカのトランプ氏が就任してから、ウクライナ戦争が「停戦」という話題が出てきたわけだが、残念ながらプーチンが米国とウクライナが合意した即時停戦案を事実上拒否したことで、その道のりはさらに遠くなった。

一般庶民からすれば停戦すればクルスクで包囲された何千人ものウクライナ兵は助かるので、大量虐殺なんて誰も望んではいない。これはトランプ氏も言及しているので、包囲されたウクライナ兵が数千人いることは確実だろう。プーチンは一応、トランプ氏の顔を立てて彼らの安全は保証するようなこと述べているが、戦争なんて何が起きるかわからない。

でも、これだとアメリカの面目が丸つぶれなんだよな。もちろん、停戦しない理由は包囲するぐらい有利な状況なのに一度、手を引けば軍備を固められてしまうといった戦術的な理由もあるだろう。

だが、即時停戦案でプーチンが問題視しているのは「紛争の根本原因除去」らしい。これは双方で色々な意味に解釈できるんだよな。ウクライナ側からすれば、紛争の根本原因除去といえばウクライナ侵略したロシア兵のウクライナから撤退だろう。ロシアの国境まで帰れと。ロシアだとやはり、奪った領土の国境線の確定だろうか。後、ウクライナのNATO加盟の断念とか。

おそらくアメリカは一度停戦したら、二度と、戦争させないように仕向けると思うので、欧州が動いてるようにウクライナ平和維持軍というものを作って現地に送り込んで双方を監視しようとするだろう。ロシアがいつ裏切るかなんてわかったものじゃない。

そして、プーチンは停戦案に拒否した理由がそれなら、停戦したのはただの準備期間に過ぎず戦争を再開するつもりでいるてことだ。こちらはロシア経済をギリギリまで追い込んで、北朝鮮に兵まで借りて繋いでる戦争に意味があるのか知らないが、戦争を始めたら勝者で終わることは非常に重要だ。勝てば官軍という言葉通り、勝利と敗北では今後の対応が全然、異なってくるからな。

何しろ、3年もやって何の成果も得られませんでした。ロシア国民だって納得しないだろう。このようにウクライナ戦争の停戦まで長期化が予想される事態となっている。ただ、トランプ氏はボールはロシアに投げたといってるので、そのボールが返ってこないなら、次なる経済制裁に動くだろう。

前回、ロシアの原油取引での米ドル決裁システムの利用が不許可になったことを取り上げたが、アメリカが切れるカードはたくさんある。さらにロシアを制裁するならG7のメンバーも喜んで協力する。日本だってウクライナ戦争ではウクライナ側で動いている。

長期化すればロシア国内に戦争への不満が高まり革命が起きかねない。プーチンが恐れてるのはクーデターだよな。戦争にかり出されて兵が少ない状況で国民を押さえつけるのは難しい。

では、記事を引用しよう。

ロシアのプーチン大統領は13日、ウクライナ情勢を巡り米国とウクライナが合意した30日間の即時停戦案について「危機の根本原因を取り除くものでなければならない」と述べ、受け入れを事実上拒否した。露軍がウクライナ軍との戦闘で優勢であることを踏まえ、即時停戦はウクライナに有利だと主張した。米国のトランプ政権と停戦条件を協議する考えも示した。

 モスクワのクレムリンで行ったベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領との共同記者会見で述べた。プーチン氏は「戦闘を停止する提案には同意する」としつつも、「長期的な平和」につながる必要があるなどと注文をつけた。

 「根本原因」の除去について具体的には言及しなかったが、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念する「中立化」や親欧米路線を放棄する「非ナチ化」などを指すとみられる。プーチン氏の発言は、こうした条件を含まない停戦案には応じない姿勢を改めて示したものだ。

 プーチン氏はウクライナが越境攻撃を仕掛けた露西部クルスク州に触れ、「(露軍の反攻で)完全にロシアの支配下にある」と指摘。現状で停戦すれば、劣勢のウクライナが停戦期間を兵器の調達や動員に利用し、立て直しを図る可能性があるとの懸念を示した。

 露国防省は13日、クルスク州の要衝スジャを奪還したと発表した。プーチン氏はこのほか、戦線全体の停戦監視など議論すべき点もあると強調した。

 プーチン氏は米国のトランプ大統領がウクライナ情勢の解決に関心を示していることに「感謝する」と語って、トランプ氏への配慮を示す場面もあった。自国に有利な条件を米側にのませる狙いとみられる。

 プーチン氏はこれまで停戦の条件として、一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州からのウクライナ軍の撤退や、ウクライナのNATO加盟放棄を求めてきた。交渉は長期化も予想される。

 プーチン氏は記者会見後、モスクワを訪問中の米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使と会談すると報じられていたが、14日未明時点で露政府当局は実施されたかどうかを含め詳細を明らかにしていない。

プーチン氏、米とウクライナが合意した即時停戦案を事実上拒否…「紛争の根本原因除去」を注文(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース

ウクライナがプーチンの停戦条件を飲むことはない。奪われた領土をロシアに渡す理由だってない。もちろん、NATO加盟を諦めたところでロシアに侵略されるだけだ。ただ、これを見る限りでアメリカの停戦条件はそこまでウクライナ不利ではないってことなんだろうか。ロシア有利の停戦案だとおもっていたのだが実際は違うんだろうか。

でも、ロシアはこれ以上、アメリカの提案を拒否したところで、アメリカを敵に回すだけという。トランプ氏が今やめておけば悪いようにはしない。プーチンは欲張るなとか。そういう話だと思われる。だが、時間をかければアメリカの心証は悪くなる。トランプ氏は一刻も早くウクライナ戦争を停戦させて、誰にもできなかった実勢を作りたい。もちろん、2年後の中間選挙での支持に繋げたい。

関税合戦もそうだが、トランプ氏のやることは大規模な改革である以上、大きな痛みがつきまとう。多くの証券市場関係者は願望混じりで失敗するとか。そういう主張が目立つ。何を持って失敗とするとか。少なくともバイデン氏ができなかったことをトランプ氏はやっている。不法移民の強制退去とか。いらない省庁は潰して職員を大量解雇するなど。肥大化した政府組織を立て直すのも同時にやっている。

我々も関心がある多様性の排除。ポリコレとか。明らかにおかしかった米国社会を元に戻そうとしている。そういう大きな改革には反対勢力が抵抗するのも日本でもそうだろう。

今、政府では104万円の壁が大きな議論となっているが、既にインフレの時代で1時間ほど働けば1000円を軽く超える現状で104万円は少ないんだよな。まあ、180万円とか。色々いわれてるが、インフレにあった制度の見直しは急務だろう。

今までやってこなかったのは自民党が強かったからだ。しかし、石破政権で弱体化したので、石破氏が総理を続ける限り、野党とも話し合いに応じるようになった。

与党が野党の言うことを全く聞かない韓国とは違うんだよ。話は少しずれたが、さらにアメリカの動きがあるので引用しておこう。

[ラ・マルベ(カナダ) 14日 ロイター] – ルビオ米国務長官は14日、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた取り組みについて、「慎重ながら楽観的」になる理由があるとしつつ、まだやるべき課題が残っているとの認識を示した。

ルビオ氏はカナダで開催された主要7カ国(G7)外相会合後、記者団に対し、「慎重ながらも楽観的になる理由があると思う」とした上で、「同時にわれわれは、この状況が困難かつ複雑であることを認識し続けている」と語った。

ニュースは以上。

最新ニュースでは慎重ながら楽観的らしい。どう読み取ればいいか難しい。でも、ロシア経済だって崩壊寸前だしな。長年の経済制裁が全く効果ないてことはない。それでも戦争を続けられるのはロシアが大国だってことだ。

では、ネットの突っ込みを見ておくか。

1.ロシアが他国を侵攻した場合の防衛手段を、ロシアが拒否するなんておかしな話だ。ロシアが侵攻しなけりゃ何も問題ないだろう。 NATO加盟は諦めるが、もしロシアが再び侵攻した時に限って、自動的にNATO加盟する。これで良い。

2.おそらく現在の状態で停戦、終結することは考えられない プーチンは元々ウクライナ全土を手中にするのが目的 現在の状態で停戦したら、国民は「何のための侵攻?」っと 意味のない侵攻だったとすれば、その犠牲者を国民にどう説明する? 一時停戦のためにはウクライナの武装解除を上げている その理由は明らか EU、アメリカが去った後に侵攻すればすぐにウクライナは落ちる 絶対にロシアが進行しやすくするための手助けを行ってはならない

3.事実上、アメリカ、ウクライナが合意した内容ではダメだとしたプーチン大統領。初期の停戦交渉は暗礁に乗り上げた形。そうは言ってもウクライナは東部の占領地からロシア軍が撤退しない限りプーチン大統領に合わせる必要は無いだろうし。 例えNATO加盟は諦めたとしても西側諸国からの軍事兵器の供与が無くなる訳では無いだろう。根本的な原因と言っているけど最初から東部での地域紛争が絶えなかったのはロシアにも非が有ると思います。 ウクライナのゼレンスキー大統領が親ロシアの大統領にでも変わらない限りプーチン大統領は戦争を継続するだろう。トランプ大統領は今の手詰まり感を如何に考えているだろうか?

4.ウクライナは戦況が不利になっていて、アメリカの支援停止で苦境に立っていたのでトランプが要求する30日の無条件停戦を受け入れました。 ただ、停戦を望んでるという事では無く、今は戦況が苦しいので時間を稼いで、アメリカの支援物資がまた届く事を望んでいるのです。 一方のロシアは、戦況が一気に有利になって押せ押せの状況になったので、事実上の勝利で無ければ停戦は望みません。むしろ攻め続けてウクライナ領を陥落させて行く事を望んでいます。 そもそもロシアから仕掛けた侵略戦争であり、面子から言ってもプーチンは勝たなければ終わらせる事が出来ません。事実上の降伏を得られなければ攻撃を続けるのは必然です。 ロシアは中国やインドがエネルギー資源を買い支えてくれたお陰でアメリカ以上の経済成長率であり、資源食糧大国で自給率が極めて高く何も困ってません。なので侵略を止める理由が無いのです。

5.プーチンがすがっているのは、ウクライナが独立する際、西側と約束した非NATO化である。しかし、それから時間が経ちウクライナは独立がしっかりして来た。ロシアの属国から世界の中の自立した国へと変貌を望んでいる。 ウクライナの国民の意思が平和にあり、ロシアと対等な関係になるために ウクライナ国民が判断してNATOに加盟するのは独立時の約束より重いと思う。

以上の5個だ。

凄いよな。ロシアは何も困ってないそうだ。でも、国内金利が高いインフレを抑えるために21%だぞ。経済成長率がアメリカより高いというのはどういう数値から判断したかはしらないが、明らかに国内内需は死んでるし、不動産も新車も売れないほど不景気だぞ。食糧自給率は高いので飢えることはないにせよ。他の物資はインフレになっているので供給不足だろう。

ロシアの内情は明らかに苦しいんだよ。本当は戦争終わらせたいが、有利な条件でないと戦争した意味がなくなる。これでは世界中の国家を敵に回して中国をアシストしただけだからな。

プーチン氏、米とウクライナが合意した即時停戦案を事実上拒否…「紛争の根本原因除去」を注文」への1件のフィードバック

  1. プーチンは欲をかきすぎだ。今なら多少はロシア有利で停戦できるものを、何のための戦争か、、何て言ってるうちに致命傷になるのはアメリカ、トランプのご機嫌を損ねていいことはない。だけどロシア有利で停戦は宜しくない。侵略国に利をあたえてはならない。ついでに云えばロシアと取り引きした国に制裁をかまして欲しい。

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