負債総額1064兆ウォンの自営業者ひと息つけるか…李在明印の負債棒引き、問題は財源

ここからは韓国経済の話題だ。

イ・ジェミョンが6月3日の大統領選挙でどんな公約をしたのか。それについてこれから出てくるわけだが、あいかわらず、自営業の「徳政令」をするそうだ。つまり、借金の帳消しだ。これはいつの政権でも自営業が苦しいということでやっているのだが、どの政権も中途半端で救済するといいながら、実際は救済者が少なかった。

でも、今回は財政赤字なんてケンチャナヨのイ・ジェミョンだからな。大規模な補正予算を組んで自営業を救うかもしれないと期待されている。もっとも、韓国の場合は40代でリストラされるので、それの第二の人生として自営業をする韓国人が多い。

だから、その自営業の数はかなり多い。コロナ禍で続々倒産していても、未だに飽和状態である。以前に爆増していたコーヒー喫茶の数が減少し始めたというニュースを紹介したが、これもコーヒー豆の価格高騰が主な原因だった。

これは日本でもコーヒーメーカーが相次ぐ値上げで話題になっているが、それについて重要なのは中国人のコーヒー消費量が年々増加しているてことだ。中国人は大量にいるので、彼らが目を付けた食べ物や飲み物の需要が急増する。しかし、急増すればするほど生産が追いつかなくなり、価格が上昇する。

それで中国でもコーヒー喫茶が増えたのだが、それよりも韓国のコーヒー喫茶の方が数多いというオチだった。明らかに面積が100倍ぐらい違うのにコーヒー喫茶の数は中国よりも多い。どれだけ飽和しているんだよと。

これはコーヒー喫茶だけの話ではない。韓国の自営業は飽和しているので、少ないパイの奪い合いにしかならない。イ・ジェミョンが徳政令でどれだけの自営業を救うかは知らないが、どう見ても毎回、政権が交代することに徳政令を連打するのはモラルハザードを引き起こしかねない。しかし、公約を掲げて勝ったのだからイ・ジェミョンは当然、やってくれるはずだ。財源?そんなのはケンチャナヨだ。

では、記事を引用しよう。

李在明(イ・ジェミョン)大統領が新型コロナウイルスの流行後に増加した自営業者の債務棒引きを公約に掲げ具体的な政策内容に関心が集まっている。

韓国金融当局関係者は8日、「自営業者の債務負担を減らすことは大統領公約であり国政課題に転換する作業を実務官庁ですでに検討している。この政策の一部は追加補正予算案にも盛り込むことができ、概略的な方向が追加補正予算案発表に合わせて出るかもしれない」と話した。

過去の政権でも同様の「負債棒引き」政策があった。朴槿恵(パク・クネ)政権は2013年に18兆ウォン規模の国民幸福基金を作り、負債の最大50%(生活保護受給者は最大90%)まで減らした。

文在寅(ムン・ジェイン)政権は長期小額延滞者の債務を一括で棒引きする案を推進した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権も再スタート基金を作り新型コロナウイルスの流行により被害を受けた小商工人の負債を申請を受けた上で純負債(所有資産を差し引いた残りの負債額)の最大90%まで減らした。

だが負債棒引き基準が厳格で、経済に及ぼす効果はわずかだった。朴槿恵政権は322万人に対する負債棒引きを約束したが、実際に4年間で債務減免を受けられた人は58万1000人で、減免された債務は2兆8874億ウォンにすぎなかった。

文在寅政権も159万人の長期小額延滞者債務を軽減するとしていたが、2019年3月基準で債務の調整を受けられた人は62万7000人、調整金額は4兆3000億ウォンにとどまった。

尹錫悦政権の再スタート基金は4月末基準で12万5738人が総額20兆3173億ウォンを申請した、債務調整を受けられた人は7万1579人、申請金額で5兆7997億ウォン程度だった。

李在明政権の負債棒引き対策はこれよりさらに果敢なものになる可能性が大きい。すでに李大統領は大統領候補時代から債務調整対象を新型コロナウイルス流行で被害を受けた小商工人だけでなく、非常戒厳により損失を出した自営業者にまで拡大すると明らかにした。また、不良債務を専門的に消却する「バッドバンク」の設立も公約した。

ただし財源とモラルハザード議論は課題だ。負債棒引きの範囲が広くなれば、財政だけでは耐えがたく、結局民間金融会社の手を借りなくてはならない。韓国銀行によると昨年10-12月期基準で自営業者の総負債規模は1064兆2000億ウォンだ。

今年9月まで満期延長(47兆4000億ウォン)あるいは元利金償還が猶予(2兆5000億ウォン)された中小企業と小商工人の新型コロナウイルス関連貸付は49兆9000億ウォンに達する。

高麗(コリョ)大学経済学科のカン・ソンジン教授は「借金を減らしてあげるよりは返すことができる環境を用意することがより望ましい。商売にならない自営業者対象の再教育、雇用あっせんなどの支援策がともに出てこなければならない」と指摘した。

負債総額1064兆ウォンの自営業者ひと息つけるか…李在明印の負債棒引き、問題は財源 | Joongang Ilbo | 中央日報

上に過去の政権の徳政令の人数とその規模が書いてあるんだが、問題はこれは負債を帳消しにしてもたいした経済効果が得られてないてことだ。困っている自営業を救うのは救済措置としては何らかの正しいように見えるんだが、政府の税金というのは国民の血税だ。費用対効果が低い政策に当てるというのは本末転倒なわけだ。

困っているから助けてやれという意見も多いが、世の中、困っている人間を全員助けていたら財政なんていくらあっても足りない。だから、過去の政権は実際に助ける人数をかなり減らしているわけだ。そもそも上に自営業の負債が1064兆ウォンとあるじゃないか。つまり、100兆円以上の借金があるのだ。

この借金を5000億円程度消したところで自営業全体からすればわずかだ。そして、救済されてもすぐ困って借金増やすのは目に見えている。だって倒産に追い込まれるほど自転車操業している自営業が一時的な借金帳消しで再起なんてできるわけないじゃないか。

なら1000兆ウォンを出せばいいじゃないか。全員救ってやれよ!うんうん。イ・ジェミョンなら救ってくれるかもしれない。実施、そういう期待でイ・ジェミョンに投票したのだろう。

専門家は毎回、似たようなことをいうのだが、商売にならない自営業者を再教育して売上が上がるなら誰も苦労しない。

それでここからはモラルハザードの話になるんだが、どう見ても、5年ごとに徳政令をしているのだから、すでに多くの韓国人、主に自営業は5年後に借金が消えると思い込んでる。でも、なんで毎回政権は自営業の徳政令をしているんだよ。パク・クネ、ムンジェイン、ユンソクヨルと続けて、イ・ジェミョンもだ。

結局、飽和問題が解決しないから、毎回、徳政令をやることになるんじゃないか。そこに誰も突っ込まないんだが、こうなると自営者数の「規制」を行うべき。誰でも開業資金があれば自営業になれるというのがおかしいのだ。競争原理が働いて自然と淘汰されていくのはわかるが、それで毎回、徳政令をしているのは明らかにおかしいんだよな。

しかも、救済は経済効果は低い。余計に政府の借金が増えそうだが、いくらでも借金して良いというのがイ・ジェミョンだ。彼ならなんとかするんだろう。多分な。

でも、自営業だけじゃないんだ。中小企業も借金だらけなんだ。

それをこれからみていく。ついに稼いだ金で利子も払えないゾンビ企業が4割超えました。

記事を引用しよう。

韓国企業の4割は昨年営業赤字を出したり、稼いだ金で利子を返せなかった。建設景気不振、消費萎縮に卸小売業と不動産業を中心に中小企業の困難が大きかった。

韓国銀行が11日に発表した「2024年企業経営分析結果」によると、昨年韓国の外部監査対象非金融営利法人企業3万4167社のうちインタレストカバレッジレシオが100%未満の企業の割合は40.9%で、前年の39.0%より1.9ポイント上がった。2013年の関連統計作成開始以降で最も高い。

インタレストカバレッジレシオは営業利益を利子費用で割った数値だ。100%未満なら営業を通じて稼いだ金で利子もまかなえないという意味だ。0%未満の企業の割合は1年間で1.3ポイント増えた28.3%だった。やはり過去最も高かった。企業の3割が営業赤字という話だ。

調査対象企業全体のインタレストカバレッジレシオは298.9%で前年の221.1%より高まったが、2022年の443.7%には大きく及ばなかった。非製造業部門の中小企業のインタレストカバレッジレシオは2023年の127.6%から昨年は109.1%とむしろ低くなった。

韓国銀行のチョン・ヨンホ企業統計チーム長は「半導体など製造大企業を中心に企業全体の売上額と営業利益は増加したが、個別の企業で見れば厳しくなったところが増えた。調査対象の83%が中小企業で、非製造業である卸小売業と不動産業を中心に営業利益が減ったところが多いためインタレストカバレッジレシオ100%未満の企業の割合も大きくなった」と説明した。

企業の利子負担が大きくなったのも影響を及ぼした。昨年の金融費用負担率は1.8%で、金利引き上げ基調が続いた2023年の1.7%より小幅に上昇した。韓国銀行の基準金利引き下げにも当局の負債管理強化のため貸出金利は大きく下落しなかったかむしろ上昇したためだ。インタレストカバレッジレシオが300%を超える優良企業の割合は38.2%で過去最低値となった。300~500%の企業は1年前の7.5%から7.1%に、500%超過の企業は32.9%から31.1%に減った。

一方、昨年企業の成長性と収益性は改善された。2023年に底を打ったベース効果も作用した。成長性指標である売上額増加率は2023年のマイナス2.0%から昨年は4.2%にプラス転換した。収益性指標である売上高営業利益率は2023年の3.8%から5.4%に、税引き前純利益率は4.5%から5.2%に上昇した。ただ中小企業の収益性は悪化し、売上額営業利益率は4.8%から4.6%に、税引き前純利益率は3.4%から3.0%となった。

稼いだ金で利子も払えない韓国企業、41%で「過去最大」 | Joongang Ilbo | 中央日報

ニュースは以上。

これを見れば二極化が進んでるのだがわかるだろう。半導体を中心とした輸出企業はウォン安で儲けて、逆に不動産や建設といった国内企業は借金を倍増させている。

これは国内の内需が酷いためだ。特に建設業は体感景気指数が過去最低を記録するほど落ち込みは酷い。さらに雇用も大きく減少している。もちろん、建設会社が倒産する件数も過去最大に増えている。

以前、取り上げた記事では今年中に誰もが知っている建設業が倒産に追い込まれるんじゃないかという話がある。こちらはテヨン建設辺りだと見ているんだが、これはチャットGPTにきいて復習しておこうか。

韓国の泰栄(テヨン)建設は現在、深刻な経営難に直面しており、倒産の可能性が取り沙汰されています。特に、同社はプロジェクトファイナンス・ローンの返済繰り延べを要請し、市場に衝撃を与えました。これにより、韓国の信用市場に不安が広がり、銀行やデベロッパーの株価が下落する事態となっています。

また、同社の社債価格が大幅に下落しており、2024年12月時点では額面の97%だったものが、2025年1月には約62%まで値下がりしました。韓国政府は市場安定のために660億ドル規模の支援プログラムを準備すると表明していますが、投資家の不安は依然として拭い切れていません。

現時点では、テヨン建設が今年中に倒産するかどうかは確定していませんが、債務問題が深刻化していることは事実です。韓国の建設業全体が不況に陥っているため、今後の動向に注目が集まっています。

やはり、どう考えても倒産しそうな雰囲気がある。特に社債価格が大幅に下落しているのはヤバイ。問題は大手の建設会社が倒産すれば、その影響は大きいってことだ。その関連の中小企業が数百社、数千社が一斉に危機に陥る。

これは建設というのがデパートやショッピングモールといった商業用不動産を建設するなら、大きなプロジェクトとなる。

大手の建設会社は当然、大規模なプロジェクトは一社でできるはずもなく、下請けの施行会社、設計事務所、資財メーカー、不動産開発事業者、さらに建設費用を借りるために金融機関などが関係してくる。

しかも、上に書いてあるとおり、これは不動産プロジェクトファイナンス、PFの焦げ付きが主な原因なので、それに融資していた金融機関が大打撃を受ける。大打撃を受けた金融機関は貸し渋りに動くので、今度は他の業種でも融資を拒否されるような事態となり、結局は全体を巻き込んでいく。

だから、テヨン建設が倒産するならその影響は建設業だけではなく多岐に渡る。しかも、建設業というのは鉄鋼需要を支える大事な産業だ。建物を建てるときに鉄というのは欠かせない素材だ。建設では鉄工は幅広く用いられる。

これも韓国ポスコの倒産危機にも関係してくる。テヨン建設が倒産してその影響で韓国ポスコにトドメというのは可能性としては考えられなくない。そこにトランプ氏が鉄鋼・アルミニウムに50%関税である。ただでさえ、安い中国製が国内市場に入ってきてシェアを奪っている。まさに鉄工業界は踏んだり蹴ったりだ。

トランプ関税でも話題になったが、大手は海外進出して韓国以外の国で工場を作るので国内へと投資は戻ってこない。産業の空洞化が進んでいる証拠でもある。

ユン政権で経済、特に内需が酷くなってるのは見ての通りだ。ここに戒厳令なんてアホな事すれば、当然、内需はさらに激減した。結局、半導体しか韓国にはないんだよな。

生成AI特需が思ったより長期化しているので、半導体の売上は好調かもしれないが、そそろ半導体の低迷期にはいることは予想されている。しかも、最新ニュースだとHUAWEIが3ナノの開発に成功したとか。本当かよ。

事実なら、今後の半導体競争が過激化する。

記事を引用しよう。

中国のファーウェイ(Huawei)が、2026年までに3nmプロセスのチップ生産を開始する計画を進めていると台湾メディアUDNが報じました。GSMArenaが伝えています。

 同社は現在、EUV露光装置を使用しない真の5nmプロセス製造ラインの開発を進めており、3nmチップについてもすでに研究開発段階に入っているとのことです。

 ファーウェイは、制裁によりオランダのASML社が特許を持つ標準的なEUV技術を使用できない状況にあります。その代替として、ファーウェイは上海微電子装備(SMEE)製のSSA800露光装置にマルチパターニング技術を組み合わせた手法を採用しているそうです。

 3nmチップの研究開発では、2つの手法が並行して進められているといいます。1つはTSMCやサムスンが使用している標準的なGAAアーキテクチャ、もう1つはカーボンナノチューブベースのチップ技術。後者はすでに実験室での検証が完了し、現在はSMICの製造ラインに適用するための調整が行われているのだとか。

 折りたたみデバイスHuawei Matebook Foldには、Kirin X90プロセッサが搭載されています。同社は「5nmチップ」と呼んでいますが、実際には7nmプロセスに先進パッケージング技術を組み合わせた設計となっています。この技術により5nmチップ相当の性能を実現していますが、歩留まりは50%と極めて低く、製造コストの上昇要因となっているそうです。

 当然ながら3nmもさらなる歩留まりの低さとコスト高が見込まれますが、米国の制裁を受けてもなお屈服しない姿勢は目を見張るものがあります。

驚異的。ファーウェイ、2026年に3nmチップの生産開始か – すまほん!!

なるほど。確かに生産はできるのだが、歩留まり率は50%と低い。3ナノはもっと低い。でも、確実に技術を向上させている。そもそもオランダのASML社がEUV技術を使わないで作れるってのが凄い。

このように韓国の半導体が中国に抜かれる日はそう遠くない。半導体しかない韓国が生き残れるか知らないが、イ・ジェミョンは生成AIに大規模凍死すると発表しているので、お手並み拝見といったところだ。