韓国 8月2日のブラックフライデーから始まった先週の世界同時株安は韓国のコスピにも大きな影響を与えた。こちらはリアルタイムで確認していたのであまり作業が進まなかったのを覚えている。それで、2日に酷い下がり方をしてブラックフライデーだとなったら、5日はもっと酷くて、ブラックマンデーとなった。
それから6日には大きく反発したのだが、実は韓国株が1日に2777あったコスピが9日でも2558である。つまり、取り返せたのは3分の1程度なのだ。その間に外国人は大量の投げ売りして韓国からそのまま撤退。来週は米CPI発表の数値によっても大きく揺れ動く可能性がある。
それで、今回はどうして韓国株だけ反発が弱いのかというのを分析していきたいとおもう。その理由は主に3つあると考えている。一つは米景気後退懸念。二つ目はAIバブル崩壊。三つ目は韓国内需低迷である。
コスピが大きく下げてもほとんど反発しないのは、それだけその企業に魅力がないからである。何の理由もなくただパニック売りで売られても、業績が好調な企業の株はほとんど元に戻している。そもそも、韓国では空売り禁止しているので。値動きの数値がそのまま企業の評価だろう。つまり、韓国企業がたいした利益を上げてないから株価は戻らない。後でエンタメ企業の決算を見ていく予定だが、まずは全体の動きからだ。
では、記事を引用しよう。
韓国証券市場「米国が咳をすれば韓国は風邪をひく」。
外部変数に過度に弱い韓国証券市場を示す言葉だ。韓国政府が年初から株式市場活性化政策を推進しているが今月に入り、KOSPI市場とKOSDAQ市場が急騰落を繰り返し韓国証券市場の根本的な体質強化が急がれるという指摘が出る。
韓国取引所によると、7日の韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比1.83%上昇した2568.41で取引を終えた。KOSPIは「ブラックマンデー」となった5日に8.77%急落したが、6日の3.3%上昇に続きこの日も1%台の上昇にとどまった。KOSDAQ指数もやはり2.14%(748.54)上がり、5日に11.3%落ちた指数を回復するには力不足だった。日本で日経平均が5日に12.4%急落した後、6日に10%以上上がり7日も上昇を継続したのと対照的だ。「上がる時はじわじわと、下がる時は一気に」という韓国証券市場のレッテルが改めて確認された格好だ。
実際にKOSPIの年初比収益率は8月7日終値基準でマイナス3.8%だ。日経平均の5.41%、台湾加権指数の19.28%が年初比でプラスの収益率を記録したの比較すればみじめな成績表だ。
専門家の間では数日間揺れ動く韓国証券市場が「コリアディスカウント」(低評価)の現実を見せる断面という分析が出ている。▽低い営業利益率▽バリューアップ(企業価値向上)への期待感下落▽堅固でない需給環境――などが複合的にかみ合わさった結果と指摘される。
韓国企業ガバナンスフォーラムのイ・ナム会長は「市場は日本、台湾、米国が上がる時に十分に上がることができないが、下がる時はまた一緒に下がり、回復は遅く、(主要国の証券市場と)上昇率やバリュエーション格差がさらに大きくなっている。『利益の質』が良くなく、さらに根本的にはガバナンスが良くない企業を中心にさらに速く(株価が)下がる傾向を見せた」と診断した。
Fnガイドによると、2023年末基準で韓国企業の営業利益率は、有価証券市場上場企業の場合、10年前の5.56%から5.39%に、KOSDAQ上場企業は4.48%から3.36%に下落した。これすらも年度別で見れば営業利益率に大きな偏差がある。
今年初めから続いたバリューアップへの期待感が失望感に変わった点も外国人投資家の「セルコリア」をそそのかす要素だ。ペトラ資産運用のイ・チャンヒョン副社長は「企業がバリューアップに逆行する形態を見せ世界の証券市場が値を下げている時期に(外国人投資家が)躊躇なく株式処分に出たもの」と話した。斗山(トゥサン)エナビリティから斗山ボブキャットを人的分割した後、斗山ロボティクスの完全子会社に編入すると明らかにした斗山グループが代表的な事例だ。外国人投資家は斗山グループが系列会社再編案を発表した直後の先月12日から今月7日まで斗山ボブキャットの株式約2390億ウォンを売り越した。
脆弱な需給環境も障害だ。資本市場研究院のイ・ヒョソプ金融産業室長は「国民年金は韓国株の割合を減らしており、退職年金は安全資産だけに偏っているところに個人投資家も短期売買中心でだけ韓国株式市場に接近している。長期的な投資基盤が不足しているのが韓国証券市場の限界」と指摘した。信栄(シンヨン)証券のパク・ソヨン研究員は「日本と比較した時に韓国の株価反騰が遅い理由は、長期資金流入が不足する新興国証券市場の限界のため。コリアディスカウント解消に向けては中期的にMSCI先進国指数編入が必要だ」と強調した。
米国が咳をすれば急落、上がる時はじわじわ…KOSPI「低評価の泥沼」 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
この記事は韓国株がたいして評価されない理由が色々書いてあるが、書いてあることは間違いではないと思われる。ただ、コリアディスカウント解消に向けては中期的にMSCI先進国指数編入が必要だとか述べても、無能な政府が空売り禁止しているのだから、モルガン・スタンレーや世界中の投資家が切れていただろう。だから、韓国のMSCI先進国指数編入はあり得ない。しかも、延長までしていたからな。
そもそも韓国企業が日本や米国企業よりも利益を出してないのだから、ウォン安でも株価が上がらないのは当然だよな。今はAIバブルでSKハイニックスやサムスン電子は勢いはあるが、それ以外はほぼ全滅だ。結局、韓国は半導体しかない。しかも、中国が買ってくれないとすぐに貿易赤字に陥るという。
しかし、韓国の株価が低評価だと感じているところは笑えるよな。むしろ、過大評価だよな。半導体以外、売れるものがないのにコスピがまだ2500もあるなんて、どれだけ個人が買い支えているんだよ。でも、個人も短期売買しか興味なさそうだから、中長期的に株を持っているわけではないと。つまり、韓国には大きく成長が期待できるような企業が少ないてことだろう。
でも、韓国さんには世界中で大人気のK-POPがありますよね?今回はそのエンタメ企業の決算もついでに見ておこうと思う。本当にK-POPが大人気なのかは自分たちで判断してほしい。韓国の三大エンタメ企業といえば、BTSが所属するHYBE、SMエンターテイメント、YGエンターテインメントの3つだ。
まずはBTBメンバーが所属するHYBEの業績である。
【ソウル聯合ニュース】韓国人気グループのBTS(防弾少年団)らが所属する総合エンターテインメント企業、HYBE(ハイブ)が7日発表した4~6月期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業利益は前年同期比37.4%減の509億ウォン(約53億6000万円)、純利益は85.9%減の165億ウォンだった。一方、売上高は3.1%増の6405億ウォンで、BTSのメンバー全員が兵役中で目立った活動をしていなかったにもかかわらず、四半期ベースで過去最高を達成した。
上半期(1~6月)の売上高は1兆14億ウォンで、前年同期に続き2年連続で1兆ウォンを上回った。HYBEは営業利益の減少について、多様な新事業立ち上げのための初期費用と新人アーティストのラインナップ拡大が影響したと説明した
あと、省略
HYBEの4~6月期営業益37.4%減 売上高は過去最高 | 聯合ニュース (yna.co.kr)
なんか言い訳が色々書いてあるが、営業利益が37.4%も減ってるのに売上高が過去最高ておかしいだろう。どれだけ薄利多売しているんですかね。新規事業を立ち上げね。どう見てもBTSぐらいしかいませんよね。では、株価はどうですかね。
株価というのは正直だ。過去最高の売上げとか言いながら、1年間で33.64%も下がっている。つまり、投資家は期待していない。BTSが兵役から帰ってきたからどうなんだと。
それでは次のエンタメ企業を見ていこうか。SMエンターテイメントだ。
【ソウル聯合ニュース】韓国の大手芸能事務所、SMエンタテインメントが7日発表した4~6月期の連結決算によると、売上高は前年同期比5.9%増の2539億ウォン(約272億円)、本業のもうけを示す営業利益は同30.7%減の247億ウォンだった。
SMエンタは「売上高はアルバム販売やコンサートの増加で増えたが、営業利益は制作コンテンツの分量増加や子会社の赤字などで減った」と説明した。当期純利益は84億ウォンで70.3%減少し、営業利益率は9.7%で5.1ポイント減った。
後省略
SMエンタの4~6月期売上高5.9%増 営業利益は30.7%減 | 聯合ニュース (yna.co.kr)
おいおい、当期純利益が-70%てやばいだろう。売上げは増えたが営業利益利益率は激減。結局、薄利多売じゃないか。本当に人気なんですかね?では、1年の株価はどうですかね。
うん。わかってはいたのだが、約50%ということで半減している。おかしいな。株価も50%も減ってるとか。酷すぎませんか?世界中で大人気のはずのK-POP関連企業がどこも株価が急落しているんですが。
最後はYGエンターテイメントだ。
【ソウル聯合ニュース】韓国大手芸能事務所、YGエンターテインメントが9日発表した4~6月期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業損益は110億ウォン(約12億円)の赤字だった。前年同期は289億ウォンの営業利益を計上したが、赤字に転落した。売上高は前年同期比43.1%減の900億ウォンだった。純損失は3億4000万ウォン。
4~6月期の営業損益は、韓国金融経済情報メディアの聯合インフォマックスが取りまとめた市場予想(2億6000万ウォンの黒字)を大幅に下回った。
YGは「4~6月期も投資性の経費支出が続いており、収益が減少した」として、今年は知的財産権(IP)をトップクラスに成長させるための投資の年だと強調した。
YGエンタ4~6月期 営業赤字に転落=「IP投資で経費支出続く」 | 聯合ニュース (yna.co.kr)
どこも何か謎の言い訳をしているが、成長させるための投資の年なんて、韓国の投資家に響かないぞ。なぜなら、彼らは短期売買にしか興味ないからな。株価を持ち続けるような中長期の投資というスタイルではない。だから株価を見ればわかるだろう。
うん。予想通りではあるのだが、いったい、これの何処が成長させる投資の年なんですかね。1年で56%も急減していて、その言い訳は見苦しいんじゃないか。どう見ても投資家は投げ売りしているじゃないか。
さっき、自分たちで世界中でK-POPが大人気かどうか判断してほしいと述べたが、エンタメ三社の業績と株価を見ればわかるよな。どう見ても死にたいですよ。HYBEはBTSが戻ってきて盛り返す可能性はわずかにあるかもしれないが、他の二つのエンタメ企業はどうするんだよ。
これを見ればわかるが、韓国の投資家は韓国のエンタメなんかに期待していない。それで、エンタメといえば、「ウェブトゥーン」がありましたよね。ウェブトゥーンが日本の漫画をそのうち抜くとか。アジアのディズニーになるとか、大言壮語を述べていたが、実際はどうだったんですかね。最後はネイバー関連を見ていこうか。ウェブトゥーンについては以前にアメリカに上場したことを覚えているだろうか。もう一度、振り返ろうか。
【KOREA WAVE】韓国の漫画配信サービス「ネイバーウェブトゥーン」の親企業である「ウェブトゥーンエンターテインメント」が6月27日、米ナスダック市場に上場した。
ウェブトゥーンエンターテインメントは売り出し価格(21ドル)より9.5%上がった23ドルで取引を終えた。取引開始時に14%まで急騰し、上場初日の存在感を見せた。同社は新規株式公開を通じて普通株1500万株を発行した。この日の終値を適用すれば、3億4500万ドル(約4785億ウォン)を調達したことになる。上場後の時価総額は約29億2ドルとみられる。
韓国ネイバー系ウェブ漫画、米ナスダック上場…時価総額29億ドル (msn.com)
なんと上場での売り出し価格は9%も上がって23ドルだ。時価総額も29.2億ドルだ。やはり、順調じゃないか。これがウェブトゥーンの実力か。米国の投資家もウェブトゥーンに期待している。だが、投資の世界では最初に値をつり上げて落とすという、いわゆる「はめ込み」というテクニックがある。
これは例のBTSが所属しているエンターテインメント株でもあった。まさか、そんなウェブトゥーンに限ってはめ込みなんて…あるわけがあるに決まっている!
では、7月3日の朝の株価を確認しよう。
これはウェブトゥーンが上場してからの数日の動きだ。これを見た瞬間、お茶を吹き出しそうになった人も多いだろうな。だって完全なはめ込みだものな。一番高いのが25.30ドルだ。それから一気に落ちていき、もう、19.80ドルである。一体どれだけ急落したかって、これはわりと計算しやすい。
25ドルから20ドルと考えても、20%以上の暴落である。これが米国のナスダックにおける洗礼だ。ウェブトゥーンなんて釣りあげて落とす株しか見られてなかったと。それを韓国ウェブトゥーンの時価総額が凄いとか。韓国メディアは大々的に宣伝した。ただのはめ込みとも知らずにな!
このように書いたわけだが、あれからどうなったか気にならないだろうか。つまり、6月27日にナスダックに上場して6週間ぐらいだ。因みに断っておくが必ずお茶を吹き出すので、飲み物を口に含んで閲覧するのは注意してほしい。こちらは数分ぐらいお腹抱えて爆笑した。
なんとあれからも下がり続けて、気がついたら半減していた。というより、8月9日から8月10日になにがあったんだよ!21ドルからいきなり12ドルまで下がってるぞ。すげえ。ジェットコースターじゃないですか。ええ?ナイアガラの滝?
7月3日の25ドルから考えて、12ドルだし、55%以上の下落。さすが韓国が誇るウェブトゥーンだ。ウェブトゥーンコンテンツはまったく面白くないが株価の推移は最高に面白いぞ。
これを見てネットの突っ込みを冴え渡るという。では、見ていこうか。
1.万年赤字体質の企業だが、米国上場を控えて「第1四半期の純利益は623万ドル(約9億円)でした」と黒字化した数字を発表していた。しかし昨日「第2四半期の売上は3億2000万ドル(約500億円) 、赤字は7657万ドル(約120億円)」と発表したら大暴落した。この約500億円は韓国漫画だけの売上じゃなくて日本漫画の売上なども含まれている。
2.フランスとヨーロッパ市場で敗北して撤退したのにアメリカで通用すると思う意味が分からん笑
3.これをウェブトゥーンにすれば良いのに
4.韓国のIPOっていっつもこれやん
上場ゴール大杉w
5.成長期待が剥げたから巻き戻されるわな
本来の価値に
6.仮想通貨の草コインのような値動きで草
7.創業者が売りぬけたのかw
8.あれれ? ウェブトゥーンって、2030年には日本のマンガを追い抜くんじゃなかったの?
以上の8こだ。
なるほど。決算発表でもうウェブトゥーン駄目だと一気に暴落したのか。実際、ウェブトゥーンの売上げはいくらなんですかね。でも、一番面白いのはこれをウェブトゥーンにすればいいのに…。天才的なコメントだ。これには座布団を何枚も提供したい!山田君~~~座布団ありったけもってきて!