韓国 なんだろうか。「道を失う」という言葉に妙な違和感を覚える。もちろん、単語に違和感があるのではなくて、その前だ。尹政権の経済政策、道を失うだ。道を失うてことは、最初はその「道」が存在したかのような書き方だ。でも、こちらがユン政権をリアルタイムで追ってきたのですぐわかるが、行き当たりばったり、その場しのぎの対応しかしてこなかった。どこに「道」があったんだよ?
たまに突っ込まれるのだが、こちらはユン政権に対して厳しい評価をしているとか。ユン氏は文在寅前大統領の尻拭いでよくやっているとか。崩壊し続けている韓国経済を理解しない日本のライターが何を知って、そう感じるかは知らないが、正直に述べて日米に土下座外交しか頭にない。韓国史においていずれ伝説として語られるほど際立つ「無能」である。少なくとも経済対策において明博、朴槿恵、文在寅と三人の大統領を見てきたが、それよりも遙かに酷いという。
韓国経済は崩壊中なんだから誰がやっても一緒だという意見もあるのだが、さすがにそれを肯定するわけにはいかない。やはり、国のリーダーが有能かどうかでその国の大きな国益に関わってくる。国益とは色々あるのだが、ここで中心となるのは経済的な利益だ。ユン氏が就任してかれ2年経過しているが、彼がまともな経済対策をしているのを見たことがない。その理由が問題が起きてからしか対処できない無能だからだ。
有能なリーダーとは問題が起こらないように対処するのだ。しかし、彼が普段、何をしているのか知らないが、山ほど、経済的な問題が詰まれてるのに何一つまともな対応ができない。ユン氏だけではなく、ユン氏のブレーンが無能であることは言うまでもないが、韓国経済の崩壊速度が増すばかりである。どうせ滅ぶことに変わりないが、歴代の大統領はそこになんとか楔を打って、延命策を施してきた。だが、ユン氏は延命策どころか、崩壊を加速させていくだけという。今回の記事は中央日報の首席論説委員らしいが、ユン氏があまりにも無能だと教えてくれる。
では、記事を引用しよう。
半導体の好況で輸出は好調だが、庶民の生活が崖っぷちに追い込まれていることを知らせる指標が次々と出ている。失業給与の新規申請が1年前に比べて7.6%増え(7月、11万2000人)、小売販売額が15年ぶりに最大幅で後退した(4-6月期、-2.9%)。国民年金の受給額が減るのを覚悟して操り上げて受ける早期受給者(新規)は昨年11万人を超え、2022年に比べて約90%増えた。多くの庶民が保険を解約し、カードローンや迅速融資で乗り越えている。深刻な二極化が韓国経済に広がっている。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権も民生回復に向けて熱心に取り組んでいる。にもかかわらず成果が上がらないのなら、政策の方向性と執行過程に問題がないか考慮しなければいけない。
1つ目、財政健全性にとらわれている。2024年の予算編成が出発点だった。2005年以降の最低増加率(2.8%)だった。今年も財政健全化が経済政策全般を押さえつけている。文在寅(ムン・ジェイン)政権で国家債務が400兆ウォン(約43兆円)も増えたため、放漫な財政運用の正常化は当然の課題だ。ところが物価のために金利を引き下げにくい状況で財政緊縮までが行き過ぎれば、民生の景気は冷え込むしかない。「この政府は財政健全化を前に出しながら各自の力で生活していくべきだとした」という金鍾仁(キム・ジョンイン)元国民の力非常対策委員長の指摘(中央日報8月2日付インタビュー)はよく考えてみるべき点だ。
2つ目、部処間の調和がない。代表的なのが金融と不動産だ。政策金利はコロナ流行時より3%高い。不況であるにもかかわらず金利は高く、元利金償還猶予も終わったため自営業者はかなり厳しい。大統領室が利下げを勧めるのも無理はない。しかし利下げは家計の負債増加、不動産の不安定などの副作用を招く。利下げが政府の方向なら、不動産供給にあらかじめ焦点を合わせて住宅貸出制限を厳格にするべきだった。しかし供給対策は十分でなかったし、政策貸出は大きく増えた。監督当局は貸出規制の強化(2段階ストレスDSR導入)を遅らせた。大統領室、企画財政部、国土部、金融監督院が別々に動く状況だった。結局、不動産価格が上昇し、家計の負債が急増し、利下げ条件ばかりが悪化した。
3つ目、政策間の矛盾が激しい。与党は金融投資所得税の廃止、相続税率の引き下げに熱を上げている。ところが税収が良くない。上半期の管理財政収支の赤字は100兆ウォンを超えた。国税収入は深刻だった昨年より10兆ウォン減少した。税金廃止は財政健全化と合わない。少なくとも税収不足を埋める代案、または減税が歳入増大に帰結するという確信を与えなければいけない。株式市場の活性化が優先目標なら話は変わる。しかしその場合なら、外国人投資家が問題にする空売り全面禁止をしてはならなかったし、企業価値を高めるバリューアッププログラムをさらに強化しなければならなかった。
尹政権がベンチマーキングする李明博(イ・ミョンバク)政権の話をせざるを得ない。2008年のグローバル金融危機の克服はタダで得られたのではなかった。初代経済指令塔だった姜万洙(カン・マンス)元企画財政部長官は「長官職は長くできないと覚悟し、為替主権化、経常収支黒字、総合不動産税廃止の3つは必ずして離れると誓った」と話した。姜氏は総合不動産税廃止のほかは実際にそのようにした(総合不動産税は大幅減免)。「危機の時は対外均衡が対内均衡より先」という問題意識と目標が明確だった。後任の尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)長官は就任会見(2009年2月10日)で同年の成長率予測値を当初の3%からマイナス2%に大幅に引き下げた。一大ショックだった。尹氏は「市場と国民の信頼を得る第一歩は政府の正直さ」と語った。このため28兆ウォンの補正予算に国会の支持を受け、景気振興に着手することができた。
1900兆ウォンの家計負債、高騰する住宅価格など政策環境が良くない。そうであるほど政策の優先順位を明確にし、経済部処間のチームワークを強めなければいけない。政府が道を失えば「現金ばらまき」のようなポピュリズムが民心に響くことになる。
【時視各角】尹政権の経済政策、道を失う | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)
この記事はユン氏がどれだけ無能なのかが手に取るようにわかる。最初からじっくり突っ込んでいこうか。
半導体の好況で輸出は好調だが、庶民の生活が崖っぷちに追い込まれている。これは以前の記事で色々と紹介してきて、先日にも輸出は好調に見えるが、内需は死んでいると解説した。だから、軽く流す程度である。多くの庶民が保険を解約し、カードローンや迅速融資で乗り越えている。深刻な二極化が韓国経済に広がっている。
これも指摘した通りだ。大勢の庶民は銀行が貸し渋りをして融資や借り入れ限度額を減らすので、足りない分を消費者金融や担保ローンなどの金利が高い貸付業者を利用するまで追い込まれている。韓国経済を16年ほど看取ってきたが、この惨状はリーマンクラスの酷さである。リーマンの場合はアメリカ発の世界的な金融危機というものだったので銀行が一斉に融資を止めたのは仕方がない側面もあった。だが、今の状況を作り出したのは韓国政府である。金利を3.5%まで上げて据え置いてるからこうなっているのだ。
こちらは今年の春ぐらいからさっさと利下げしろと述べているが、韓銀は8月も結局、利下げに踏み切らなかった。米国の金利引き下げを待ってから、韓国も金利を下げるそうだ。この韓銀総裁は以前の韓銀総裁より無能だということだ。以前の韓銀総裁はアメリカが金利上げる前に金利を上げていた。先に金利を上げて米韓金利差をなるべく少なくしていたのだ。
しかし、今の韓銀は金利を下げなかった。韓国政府は金利を下げたいようだが、韓銀は据え置いた。状況を見極めてから判断するというのを一見、有能そうに見えるが決断力に欠けている。そして、ゴールデンタイムを見逃して金利を下げるのを難しくした。なんで難しいかは後で補足しよう。
尹錫悦政権も民生回復に向けて熱心に取り組んでいる。にもかかわらず成果が上がらない。記事はユン氏を無能とは断罪していないが、成果があがらないなら無能である。国民はそうとしか見ない。では、どうして成果が上がらないかの分析が本題だ。それが3つあるそうだ。
まずは財政健全性だ。韓国経済が好調、通常、不況の3つの時期に分類されるとしたら、今はどの辺りにいるのか。簡単だ。不況の真っ最中だ。高金利・高物価で景気が良くないのだ。小売販売額が15年ぶりに最大幅で後退したとか最初にあるが明らかに消費が減っている。
この状況で韓国政府は財政赤字をこれ以上は増やしたくないと財政健全性にこだわっていると。しかし、経済学のセオリーでは不況の場合、政府が大規模な予算を編成して経済対策をするのが基本だ。例えば、公共事業を増やして仕事や雇用を守る。市民に消費を促すように給付金や地域商品券を配るなどといったものだ。数年前にコロナ禍で世界中がやっていた経済対策とそこまで大きく変わらないだろう。
これによって政府の借金が爆増したのは周知の事実だ。だが、それをしなければ韓国経済はもっと酷い状況だっただろう。でも、ユン政権は財政健全化を進めたい。理屈はわかるが、それは悪手だ。不況の時に政府が率先して経済対策をしないから不況が続くのだ。借金が増えても経済対策を優先すべきなのだ。でなければ庶民が文字通り、飢えて死ぬ。今はもう、その段階になっている。
低所得者だけではなく、中所得者ですら保険を解約して担保ローンを利用するまで追い詰められてるのだ。なぜ、お金がないのか。それは物価が上がっても実質所得が増えないから。物の値段だけがどんどん高くなる。もう、気軽に飲食店で食事すらできない。これも物価対策ができてないから。
特に酷いのは飲食物価の高騰だ。ユン氏がネギの価格を知らないのことで大きく批判されたが、それだけネギが高いのに視察では割引価格の場所をわざわざ選んでいたことだ。それはもう視察ですらない。野菜や果物が高騰している。今の韓国では一人世帯ですら1ヶ月で食費が100万ウォンかかる。数年前はもっと安かった。どんだけインフレしているんだよと。
それだけインフレしているのに韓国では1ヶ月の収入が180万ウォン以下が7割を占めている。つまり、ほとんどが最低賃金レベルで労働させられている。これがユン氏の2年で起きている経済の二極化というものだ。庶民の消費が減るのも借金するのが難しくなっているからだ。まあ、韓国経済の成長のエンジンが個人の借金にあることは何度か触れてきたが、それも金利が高くなれば負担が増してできなくなる。
「この政府は財政健全化を前に出しながら各自の力で生活していくべきだとした」
ユン政権のやっていることを端的によく表現している。でも、不況化でやるのはどう見ても悪手だ。各自の力で生活した結果、ますます庶民は困窮するわけだ。
二つめの金融と不動産。これについては家計債務が増えているという別記事を引用しよう。
ここ3カ月(4~6月)で韓国の家計債務は14兆ウォン近く増え、過去最高値を記録した。7月以降も住宅ローンを中心に融資が毎月数兆ウォンずつ増えているため、家計負債の増加はしばらく続く見込みだ。
20日、韓国銀行が発表した「2024年第2四半期家計信用(暫定)」統計によれば、6月末基準の家計信用の残額は1896兆2千億ウォン(約207兆円)で、第1四半期末に対し13兆8千億ウォン増えた。第2四半期の家計信用の残高は、2002年第4四半期の関連統計公表以来、最高規模だ。家計信用とは、金融圏全体の家計向け融資の残高に未決済クレジットカード使用額(販売信用)を加えた指標で、包括的な家計債務を意味する。
家計信用残高は通貨緊縮基調の中でも昨年第2四半期以降増え続け、今年第1四半期に減少(-3兆1千億ウォン)したが、わずか1四半期で再び増加傾向に転じた。
家計向け融資のうち、住宅担保融資(住宅ローン)の残高が16兆ウォン増え、増加幅は第1四半期(12兆4千億ウォン)よりさらに大きくなった。信用貸付などその他の融資は11四半期連続で減少(-2兆5千億ウォン)したが、減少幅は第1四半期(-13兆2千億ウォン)の5分の1に止まった。預金銀行(要求払い預金の比重が大きい銀行を指す)の家計融資残高が3カ月間で17兆3千億ウォンも増えたが、これは政策金融商品である住宅都市基金融資が第2四半期に主に銀行の財源で実行された影響だ。対して販売信用残高は3千億ウォンの増加だった。
韓国銀行のキム・ミンス金融統計チーム長は家計信用増加の背景について「首都圏を中心に住宅取引が増え、住宅ローンの増加幅が大きくなり、信用貸付の減少幅も減った」と説明した。国土交通部の集計によると、第2四半期の全国住宅売買取引量は17万1千戸で、第1四半期(13万9千戸)より大幅に増えた。
7月以降も住宅価格の上昇と住宅ローンの増加傾向が激しく、家計債務の負担は増える見通しだ。通常、住宅売買が行われれば2~3カ月の時差を置いて家計融資に影響が及ぶ。同チーム長は「第3四半期に入っても家計債務が第2四半期水準で増えており、慎重に見ている」とし「金融当局と銀行が家計融資の管理を強化しており、8日に発表された住宅供給対策と9月から施行されるストレス総債務元利金返済比率(DSR)規制などの政策効果を見守らなければならない」と話した。
韓国、家計債務が過去最高の1896兆ウォン…「第3四半期も増加傾向」 : 経済 : ハンギョレ新聞 (hani.co.kr)
韓銀が利下げするのは時間の問題だとみれば、韓国ではまた不動産価格が高騰している。するとその不動産ローンが増えるので家計債務が増加する。いつもの不動産投機が始まった。金利を下げる前からこれでは、韓国の家計債務は1896兆ウォンとの過去最高で終わらず、これからもっと酷くなる。
韓銀が来年以降、金利をどんどん下げていくと考えれば、韓国の不動産バブルは完全復活して、家計債務をさらに増大させる。つまり、金利を下げると不動作価格が急騰して、家計債務も増える。すると住む家が普通に欲しい庶民はまたしても買えなくなる。ムン君の時代に不動産バブル対策を30回ほどやったが全て失敗した。それがユン政権でも再び引き起こされる。
しかし利下げは家計の負債増加、不動産の不安定などの副作用を招く。監督当局は貸出規制の強化(2段階ストレスDSR導入)を遅らせた。そして、今頃になって家計債務が急増しているのに気づいて大慌てということだ。利下げする前にもう酷い状態ですが。規制するならもっと早めにやるべきだったと。
3つ目は政策間の矛盾。与党は金融投資所得税の廃止、でも、国税収入が酷いというのは前回に触れた内容だ。サムスン電子やSKハイニックスの法人税の収入の前払いを頼りにするぐらいだ。それなのに相続税を減税しようとする。財政健全化するなら増税ですよね?韓国政府がいかにその場しのぎでしか対応しないのは空売り禁止でもわかるだろう。そして、最後は衆愚政治に走ると。彼らは経済対策の道を失うんじゃない。最初から道なんてなかったのだ。