8月にはいって中国経済悪化を示唆する記事が増えてきているが、どうやらあのJPモルガンが中国株の買い推奨を撤回した。つまり、もう売り抜けは完了したてことだ。第二次貿易戦争とかもっともらしい理由を付けているが、今の中国に投資する価値がないと海外勢が判断していることになる。
では、記事を引用しよう。
[ロンドン 5日 ロイター] – JPモルガンは、11月の米大統領選後に米中「第2次貿易戦争」が起きるリスクや中国経済に対する懸念を理由に、中国株の買い推奨を撤回した。
4日付のリサーチノートで、中国株の投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げ、代わりにインド、メキシコ、サウジアラビアなどへの投資を増やすよう投資家に推奨した。
ペドロ・マーティンス氏らJPモルガンのアナリストは「米大統領選前後に中国株のボラティリティーが高まる可能性がある」と指摘。
関税率が20%から60%に引き上げられる「第2次貿易戦争」が起きる可能性があり、その影響は最初の貿易戦争よりも大きくなる恐れがあるとした。
JPモルガンは、大統領選の共和党候補トランプ前大統領が示唆している60%の関税率が中国製品に適用された場合、2025年の中国成長率は政策対応を除いたベースで、現在の予測値(4%)から2%ポイント低下する可能性があると試算した。
今年の成長率は4.6%を見込んでいる。
JPモルガン、中国株の買い推奨撤回 「第2次貿易戦争」リスクで(ロイター) – Yahoo!ファイナンス
このようにトランプ氏が買った場合、関税が60%適応されると。しかも、成長率が半減するとか。どんだけアメリカは中国から輸入しているんだよと突っ込みたいが、実際、ドル高で元安なので、アメリカでも中国製アプリが大人気となった。
しかし、中国のEC通販サイトは急拡大したことで業者が酷いものを扱っていることが多く、安いことにそれなりの理由があって購入はあまりお勧めできないことを以前に紹介した。実際、急拡大すればするほどその手の業者の審査が難しくなることはあるだろう。
しかも、中国内需の消費低迷の影響か。この手のECサイトでも苦戦しているようだ。
では、記事を引用しよう。
(ブルームバーグ): 中国では、景気停滞によって最も手頃な商品の需要も減退しつつある。消費を巡って数少なかった明るい材料の一つが急速に衰えている。
中国経済の動向を巡るグローバル市場への新たな警告として、越境電子商取引(EC)サイト「Temu」を運営するPDDホールディングスは26日、いつになく弱い業績見通しを示した。景気減速期に低価格商品の投入で売上高と利益を伸ばし、EC市場で台頭してきたPDDがこの日発表した4-6月(第2四半期)売上高も市場予想に届かなかった。
陳磊最高経営責任者(CEO)は決算発表後の会見で、景気が減速する中で売上高と利益が減少するのは「避けられない」と、少なくとも8回言及した。
陳氏はアナリストらに対し、「消費者需要の変化や競争激化、グローバル環境を巡る不確実性など、多くの新たな課題が待ち受けている」と指摘した。
陳CEOらは、長い目で見れば中国の消費には自信を持っていると慎重ながらも強調したが、ダメージは大きかった。PDDの米国預託証券(ADR)は26日、29%安と上場来最大の下落率で引け、550億ドル(約8兆円)相当の時価総額を失った。
PDDはこれまで、消費のグレードを落とす節約型の「消費降級」の主な受益者と見なされてきたため、今回の警告は投資家を驚かせた。中国国内では「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」、海外ではTemuで展開する低価格戦略は、経済がかつてないほど不安定な時期に、コスト意識の高い買い物客にアピールすることが目的だった。
ロベコ香港のアジア太平洋株式責任者、ジョシュア・クラブ氏は「中国の消費者の弱さが大きな問題だ」と指摘。「競争や消費低迷による影響は間違いなくマイナスに働くだろう」と話す。
陳CEOは、消費者行動に根本的な変化が起きており、創業以来売上高を押し上げてきた格安商品離れが進んでいることを示唆した。
陳氏は決算発表の電話会議で、「消費者は品質と値段のバランスを取り、よく考えて決断を下すようになっている」とし、「それに応えるため、われわれは質の高いブランドやメーカーと協力し、こうした多様な需要に応えるカスタマイズ商品を開発してきた」と語った。
一部の投資家にとっては、PDDの経営幹部は単に過度な期待を抑えようとしているように見えた。ウォール街はPDDが4-6月の売上高をほぼ倍増させることに賭けていたが、実際の売上高は86%増だった。同社幹部は26日、将来的な機会を生かすため、大型投資を行うと表明した。
モルガン・スタンレーのエディー・ワン、キャシー・チュー両アナリストはPDDの決算について、「弱い消費や競争激化を示唆しているが、長期的な収益性の低下に関する経営陣のコメントは、保守的過ぎるとわれわれはみている」と分析した。
長期的には労働市場に加え、中国当局の経済運営によって多くが左右される。
当局は景気が減速しても十分な雇用を確保するため、国有企業に採用や職業訓練を強化するよう求めている。
だが、多くのエコノミストは少なくとも低所得層に対する現金補助や消費券の支給が必要だと指摘しているにもかかわらず、当局は消費者への直接的な支援の強化を見送っている。また、消費拡大を促す上で必要となる賃金上昇を下支えする措置も控えてきた。ここ数年、学習塾から金融に至るまで、多くの業界に対する締め付けも労働市場を悪化させている。
今のところ、多くの投資家はなおPDDが不安定な経済の中で少なくとも同業他社を上回ると期待している。
モルガン・スタンレーのアナリストらは、「われわれはPDDが業界の成長をアウトパフォームする唯一の中国電子商取引プレーヤーだと考えている」と評価した。
格安サイトTemuのPDD、時価総額8兆円失う-中国経済に新たな警鐘 (msn.com)
このように急成長を遂げてきた中国のECサイトも陰りが見えてきた。実際、成長というのはいつか止まるものなので、ここまでは順調だったかもしれないが、安さを武器や激安クーポンなどで売ってきたが、それだけでは今後の成長は難しいと。
格安商品離れが進んでいるてことはもう、それだけ需要を満たしたてことだろうな。実際、100斤のような商品は使い捨てには便利だが、長く使うことを考えれば、やはり、普通の値段の商品の方が長持ちする。格安で手に入れたところで、消費者がその品質に満足しなければ次に購入する意欲を失うだろう。
後、中国の過剰輸出は世界中の企業にチキンレースを迫っていて、各国は関税を引き上げて対応しているが、それも間に合っていないのが現状もある。
中国当局の規制もそうだが、結局、安いだけの商品は市場を食い散らかすだけである。もちろん、資本主義において価格優位性は購入決定の一番の理由になり得る。だが、安いだけで使えないものが届けば、やはり、中華製アプリはやめておいた方がいい。そういう心理が働くのも事実だ。
あと、気になるのはアメリカの雇用統計だ。9月6日に非農業部門雇用者数が公表されたので見ておこう。
[ワシントン 6日 ロイター] – 米労働省が6日発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増で予想を下回った。ただ失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下した。労働市場の減速が引き続き秩序だったものであることを示唆したことで、月内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げは正当化されない可能性がある。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は非農業部門雇用者数が16万人増、失業率が4.2%だった。
7月の非農業部門雇用者数は11万4000人増から8万9000人増に下方改定され、6・7月分の雇用者数は計8万6000人減少した。
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「労働市場は緩やかなペースで減速している」とし、「企業は引き続き雇用者を増やしているが、やみくもにではない。米連邦準備理事会(FRB)はおそらく0.25%ポイントの利下げを実施し、年内残りの2回の会合ではより積極的に動く余地を確保する公算が大きい」と述べた。
【米雇用統計】9月利下げ幅の決め手にはならず-市場関係者の見方 – Bloomberg
これは難しいな。予想より下回っている。まあ、9月の利下げはありそうだが、0.5%になるかどうかは判断が難しいてところだ。9月のFOMC前にCPIとPPIが残っている。来週に出てくるが、これが最終判断になる。でも、現時点では0.25%に決まりだろう。利下げしないという選択肢もあるとはおもうが、かなり低いと見られる。