韓国 10月にはいり、AIバブルが再び活性化したのか。米国のハイテク株は上昇していたのだが、それがサムスン電子に恩恵を与えるとは限らない。なぜなら、サムスン電子は韓国半導体輸出が好調なのに第3四半期の営業利益はたった1兆円となった。
ええ?1兆円って凄いと思うかもしれないが、サムスン電子が崖っぷちから抜け出したことにならない。なぜなら半導体投資で毎年、数兆円を使うのだ。わずか1兆円で半導体が投資が十分にできない。それなのにサムスン電子は他事業なのでスマホや家電などの分野にも投資が必要だ。
それなのにファウンドリ事業世界最大手の台湾のTSMCはサムスン電子を遙かに超えた半導体投資をしていく。つまり、ファウンドリ事業でシェアが50%ぐらい離れてるのにTSMCはさらなる設備投資で収益を拡大させているのだ。
そして前人未踏の最先端分野でのシェア9割を成し遂げた。つまり、最先端技術のほとんどはTSMCが生産したチップが組み込まれている。一方、サムスン電子はファウンドリ事業では今年も数兆円の赤字を出している。そして、もう工場で生産調整を行い、ファウンドリ事業から撤退すら示唆されている。
だからハンギョレ新聞にアーニングショックとか、営業利益がたった1兆円とかかれるのだ。韓国紙ですらサムスン電子の営業利益がたった1兆円というぐらい危機的なのだ。
では、記事を引用しよう。
サムスン電子が今年第3四半期(7-9月)に9兆ウォン程度(約1兆円)の営業利益を上げたことが分かった。証券街の期待を大幅に下回る実績だ。
8日、サムスン電子が発表した暫定業績によると、同社は今年第3四半期(7~9月)の売上高79兆ウォン(約8.6兆円)、営業利益9兆1千億ウォン(約1兆円)を記録した。
売上は直前四半期より7%増えた反面、営業利益は13%減った。これは金融情報会社のエフアンドガイドが前日集計した証券街の展望値平均(営業利益10兆7717億ウォン)を大幅に下回る水準だ。
これに先立って13~14兆ウォン水準の営業利益を期待した証券会社は、先月から展望値を大幅に下方修正してきた経緯がある。今回の実績は、すでに低くなった展望すら満たしていないわけだ。
サムスン電子の実績の後退は、さまざまな悪材料が一気に襲った結果と解釈される。ひとまず証券街は半導体(DS)部門の営業利益が第2四半期の6兆4510億ウォンから第3四半期は5兆ウォン台に下がったと推定している。成果給(OPI)関連引当金が今回一部反映され、第2四半期に営業利益を1兆ウォン以上押し上げた在庫資産評価の損失還入規模も第3四半期には縮小されるなど、一過性の要因が作用したという分析だ。
スマートフォン・コンピュータ(PC)の需要不振でメモリー出荷量の増加傾向と価格上昇が期待に及ばなかったという観測もある。ファウンドリ(半導体受託生産)の赤字幅は拡大した可能性が高い。
スマートフォンの実績も不振だったという観測が多い。サムスン電子のモバイル(MX)部門の繁忙期は、フラッグシップ新製品が発売される第1四半期と第3四半期だが、今年7月に発売されたギャラクシーZフリップ6の販売成績は前作より低調だと知られている。
証券街は、モバイル部門の営業利益が昨年第3四半期の3兆3千億ウォンから今年第3四半期には2兆ウォン台半ばに減ったと見ている。ウォン高ドル安も、サムスン電子の事業全般の業績を押し下げる要因となっている。
サムスン電子、「アーニングショック」現実へ…第3四半期の営業利益はたった1兆円 : 経済 : ハンギョレ新聞 (hani.co.kr)
このようにサムスン電子の崖っぷちは続く。このままで巨額な設備投資の縮小が避けられない。設備投資の縮小は今後のサムスン電子の売上や営業利益を大きく減少させる。半導体は毎年、機械をアップグレードしないといけないからだ。それでどこから突っ込んでいこうか。
まず、サムスン電子の営業利益が最近、大きく下方修正された市場予想にすら遙かに及ばなかった。13~14兆ウォン水準の営業利益を期待した証券会社だが、実際は9兆1億ウォンだ。つまり、予想より3分の1、5000億円も足りないのだ。1兆円という巨額な数字に騙されてはいけない。しかも、ここに興味深い数字がある。
売上は直前四半期より7%増えた反面、営業利益は13%減った。これは明らかに在庫処分である。サムスン電子の半導体を買ったのは対中半導体規制強化前に買い占めに走った中国企業である。だが、まともな値段では買っていない。二束三文で叩かれた。なんだったか。出血覚悟のバーゲンセールである。
確かサムスン電子の半導体在庫は5兆円規模だったか。型落ちになった半導体が売れただけでもいいのか。しかし、あまりにも営業利益が酷いんじゃないか。
後、第2四半期に営業利益を1兆ウォン以上押し上げた在庫資産評価の損失還入規模も第3四半期には縮小された。これは在庫資産価値の評価が減少したので営業利益が減ったことになる。つまり、実際に売れてもいないのに売ったことにしているわけだ。まあ、これは会計上の表記問題なので詐欺ではないんだが、全部売った数字ではないと。
だが、サムスン電子が崖っぷちなのは半導体だけではない。
スマートフォンの実績も不振だったという観測が多い。サムスン電子のモバイル(MX)部門の繁忙期は、フラッグシップ新製品が発売される第1四半期と第3四半期だが、今年7月に発売されたギャラクシーZフリップ6の販売成績は前作より低調だと知られている。
これはAIスマホを一早く商品化して大々的に宣伝したが、消費者はそこまでAIスマホに興味を持っていなかった。これは初のAIスマホのiPhone16だったか。これも販売は前作より不調だったことも繋がる。つまり、生成AIは大企業の投資は乗り遅れてはいけないと活発だが、消費者を購買意欲を激増させるほどのものではない。
この認識の差がいつか生成AIバブルを崩壊させる。なぜなら多くのメジャー企業が収益化に成功してないからだ。エヌビディアが儲けて終わりそうな予感すらある。
因みに今年のノーベル賞物理学受賞者は米プリンストン大のジョン・ホップフィールド氏と、カナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン氏に決まった。人工知能の計算手法の一つ「機械学習」に関する発見と発明が評価されたという。おめでとうございます!
生成AIはノーベル賞級の発明と財団に認められたわけだ。
次にサムスン電子の株価を見ておこうか。たった1兆円の営業利益に市場はどう反応したのか。

これがサムスン電子の1日の動きだ。投資家からすればこレグ雷の業績はほぼ想定内だったようで、そこまで大きく下げてなく6万ウォンはかろうじて維持したが、もう、完全に落ち目である。サムスン電子の株価がたった60000ウォンしかないのだ。数日で6万ウォン以下もあり得る。

これが1年のチャートだ。ピークは88000ウォン。2024年7月10日だ。それから3ヶ月程度で6万ウォン。つまり、ピークから約35%ほど下落している。これは大暴落だろう。
これにはAI特需の最大の恩恵を受けているエヌビディアのテストにサムスン電子のHBMが合格できていない。これが致命的だと何度も指摘した。しかし、エヌビディアのテストを合格したという関係筋の報道から4ヶ月ぐらいか。もう、今年の生産分に間に合わないどころか、来年の上半期ですら怪しいんですが。
そりゃ、1個何百万もする高性能チップだと、サムスン電子の歩留まり率が悪くて使い物にならないからだ。エヌビディアが満たす基準に届かない。これではSKハイニックスと米マイクロンにますます引き離される。
このようにサムスン電は奇跡の復活とか騒がれた数ヶ月前とか雰囲気が明らかに異なる。こちらはずっと崖っぷちだと述べてきたがそれを韓国紙が危機感を抱いて書いたのが上の記事だ。
それでこの決算発表でサムスン電子は信じられないことをしたのだ。ええ?何をしたのか。それを今から引用しよう。
ブルームバーグ): 世界最大のメモリーメーカー、韓国のサムスン電子は8日、7-9月(第3四半期)の決算速報値が期待外れだったことを受け、謝罪文を公表した。潜在的な危機に対応していることを異例ながら認める形となった。
半導体部門の責任者に新たに起用された全永鉉氏は発表文で、サムスンは自社の組織文化やプロセスを見直すと表明。「短期的な解決策に頼るのではなく、長期的な競争力を強化することに集中する」とした上で、「今は試練の時だ」と指摘した。
道中省略
全氏は「サムスンが直面している危機について語る人がいるほど、われわれは技術面の競争力を巡り懸念を招いている」とし、「この事業のリーダーとして、われわれはこの点に関して全責任を負う」と述べた。
後、省略
サムスン電子が異例の謝罪-AIブームも低調な決算、半導体出遅れ (msn.com)
あのサムスン電子が謝罪するほどこの決算は駄目だったのだ。しかし、投資家は謝罪なんて聞きたいわけじゃない。欲しいのは売上や営業利益の増加であって、こんな陳腐な言葉じゃない。これはサムスン電子自身が完全に地に落ちたと認めたのだ。
崖っぷちや倒産目前とか、そんな次元ですらない。サムスン電子が本当に消えかかっている。サムスン電子の消失は韓国経済崩壊を意味する。しかも、高性能AIチップは歩留まり率を劇的に改善させない限り、他社に使ってもらえない。サムスン電子の主力は薄利多売のDRAMである。そのDRAM価格が8月に下落しており、半導体の冬が到来するとモルガン・スタンレーだったか予測した気がする。
それを韓国紙は半導体の冬はこないと反論して見せたが、半導体の冬が来ないかどうかはまだ不透明だとしても、サムスン電子に吹き荒れるのは南極の凍てつく吹雪であることに変わりない。サムスン電子がこのまま凍結して終わるのか。それとも雪解けを迎えるかは最先端技術の向上次第だ。そして、サムスン電子が一番不得意なことである。
技術やアイデアをパクって企業を大きくしてきたサムスン電子にとって、パクれない技術開発は至難ということ。エヌビディアのテストに合格できないのはSKハイニックス以下の技術士かないから。
それならSKハイニックスをサムスン電子が買収すればいいと思うんだが。それはやってはいけないのか。SKハイニックスなんて万年、赤字の企業だ。サムスン電子が買収すればいい。ええ?禁じ手過ぎるって?でも、やるなら1年前だよな。
では、ネットの突っ込みを見ておくか。
1.飛躍じゃなく逃亡するきっかけ作るだろ
横浜に研究施設作って脱韓国するための
2.サムスン倒産は、時間の問題。
3.具体的にどう最飛躍するのかの言及が無い時点で無意味、いつもの願望垂れ流しケンチャナヨ精神丸出し
4.早くも数年に一度のメモリ半導体スーパーサイクルブーストが切れかかってるなw
5.ひでえもんだな8月からこっちナイアガラだ
よっぽどポジティブニュースないんだろうな
6.やっぱアメリカ工場は受注が取れなくて
計画が進んでないのか。
7.▼技術の根源的な競争力回復▼より徹底した未来への準備
あはははは
一つ目。
今まで全くやってこなかったことがいきなり出来るわけないじゃん
また盗んだりパクったりすんの?
8.未来への準備なんて当たり前の当たり前。具体的に何すんの?
9.そもそも中国が同じことをすれば、価格競争力で負けるんだから、よほど画期的で中国に真似できないような技術でも生み出す以外ない。まあ、そんなモノ生み出せないだろうし、研究開発費でも技術者引き抜きでも、中国メーカーに完敗。韓国ができる程度のことは中国もできるということ。
10.日本はパクリに気を付けろ
以上の10個だ。
ネットの反応は予想通り。結局、サムスン電子は技術をパクるしかできない。その代償が一気に降りかかってきたと。
でも、半導体やスマホも駄目なら、サムスン電子はこの先、どうするんだ?もう、成長分野ないだろう?家電だって中国勢が台頭してきている。ディスプレイなんてとっくに中国勢に負けた。有機ELでも、もう負けるだろう。
このようにサムスン電子には後がない。しかし、半導体の性質上、時間をかければかけるほど追いつくのが難しくなる。