AIバブル 最近、ゴールドマンサックスが予言したAIバブル崩壊懸念は払拭されたようにエヌビディアをはじめとする半導体銘柄関連の株価は強い動きをしていた。だから、ただのゴールドマンの懸念なのかと考えていたら、朝のニュースでショックを受けていた。なんで好調だったダウがここまで下がったんだよ。
せっかく日経平均株価が4万を一時超えて、今日で4万円回復を期待していたら、もう、先物は-1000円近く下げているという。とりあえず、米国市場で何が起きたのか。それを確認しておかないといけない。まあ、簡単に述べれば米国市場が発端ではなくオランダASMLの業績が予想より遙かに下回るものだったようだ。
オランダのASMLといえば、日本人の一般的な認知度はともかく半導体業界では知らない人はいないだろう。エヌビディアと並び欧州で最大手のテクノロジー企業。半導体生産で必須な露光装置という機械を生産している。
こちらも半導体関連を取り上げるときに何度か紹介した。実際、日本、米国、台湾、オランダのチップ4同盟で、オランダの最大手の半導体関連とASLMLである。
ただ、半導体は米国の対中規制が強化されようとしている。そして、その規制に各国は従うことになるのでASMLとしてダメージを受けやすいわけだ。対中規制がそのままASMLの業績に大きく左右されるので、多くの投資家は注目していた。
では、記事を引用しよう。
(ブルームバーグ): オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングスが発表した7-9月(第3四半期)の受注額はアナリスト予想平均の半分程度でしかなかった。2025年業績予想の下方修正も明らかにし、株価は急落した。
ASMLは16日朝の決算発表を予定していたが、1日早く公表された。
同社ウェブサイトに掲載された決算資料によると、7-9月の受注額は26億ユーロ(約4230億円)。ブルームバーグが調査したアナリストの予想平均は53億9000万ユーロだった。半導体業界の冷え込みで、ASMLの製造装置に対する需要が抑制された。
この発表を受け、アムステルダム市場の同社株価は16%安と、1998年6月12日以来の大幅安で取引を終了。急落で取引は一時停止された。売りは他の半導体関連銘柄にも波及し、英アーム・ホールディングスの米国預託証券(ADR)は一時9.2%安、米エヌビディアの株価は6.8%下落した。
ASMLのクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は決算資料の中で「従来見込まれたよりも、回復は緩やかな様子だ。これが2025年も続く見通しで、顧客は慎重になっている」と述べた。
事情に詳しい関係者によると、ASMLが予定より早く決算を公表したのはミスが原因で、近く説明の発表があるという。
ASMLは併せて来年の業績見通しを下方修正した。従来300億-400億ユーロと見込んでいた純売上高は300億-350億ユーロと、上限を引き下げた。祖利益率は従来予想で約54-56%としていたが、「51-53%になる。主に極端紫外線(EUV)需要の時期の遅れに関連している」とフーケ氏は説明した。
ASMLは欧州で最も時価総額の大きいテクノロジー企業だが、7月に付けた過去最高値から30%余り下落した。半導体業界全般の冷え込みに加え、米国が中国事業への制限を強化するとの見通しが嫌気されている。
中国はASMLにとって依然として最大の市場で、7-9月売上高の47%を占めた。
ASML、7-9月受注は予想のわずか半分-来年の見通し引下げ (msn.com)
仮にこのASMLの業績と今後の見通し発表が事実通りとしたら、AI特需が終わりを迎える日は近い。せっかくエヌビディアが再びアップル越えて時価総額1位に返り咲くかと思えば、ここでのまさかの-6.2%急落である。当然、エヌビディアが大きく下げればSKハイニックスも無事では済まない。ついでにサムスン電子も売られるだろう。
では、韓国経済の今後にも大きく影響するので詳しく見ていこう。
7-9月の受注額は26億ユーロ(約4230億円)。アナリストの予想平均は53億9000万ユーロだった。半導体業界の冷え込みで、ASMLの製造装置に対する需要が抑制された。
アナリスト予想の半分受注額。アナリストは生成AI特需だし、これぐらい余裕だと思っていたらまさかの半分。しかも、半導体業界の冷え込みとある。ここ数週間の株価の急上昇は何だったのか。ただ、モルガン・スタンレーが半導体の冬を予測したので、ASMLがこうなるのも、モルガンはわりと予想していたんじゃないか。
バブルというのはいつか弾けるものだ。生成AIの可能性は素晴らしいが、それを収益化に結びつけるのは難しい。記事を要約できるようになっても、生成AIの記事をそのまま使えるわけでもない。
こちらは記事を毎日、更新しているが生成AIなんて使い物にならないですよ!関連を調べる間に自分で突っ込んだほうが速いからな。
それで次はASMLのCEOの今後の見通しだ。
ASMLのクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)「従来見込まれたよりも、回復は緩やかな様子だ。これが2025年も続く見通しで、顧客は慎重になっている」と述べた。
もう、8月の半導体価格は下落していた。9月はまだ出ていないが、どうやら半導体減産による需要増効果もピークを迎えていると。なら、韓国の半導体も10月かピークになるのか。残念ながら8月と9月のピーク予想は当たらなかった。しかし、年内には確実にピークが来そうだな。
ASMLは併せて来年の業績見通しを下方修正。従来300億-400億ユーロと見込んでいた純売上高は300億-350億ユーロと、上限を引き下げた。
ASMLは受注は好調だが、売上の上限を50億ユーロ引き下げた。つまり、大きく受注は伸びないと。
このようにASMLの決算で米国市場は半導体銘柄を中心にテクノロジー関連が売られたと。ダウも42740ドルー324ドル下げた。しかも、アップルがサプライズで「iPadMini」の新作を発表したにもかかわらずだ。
ただ、嬉しいことにイスラエルが原油施設を空爆しないという報道で原油価格が71ドルまで急落している。円安が進んでいる日本にとってはありがたい話だ。ドル円は朝の6時過ぎに149円台。
ウォンも売られており、一時敵には1365ウォンまで落ちた。今日はオランダのASML業績低迷で株価もウォンも急落しそうだよな。まあ、その辺は夜のウォンニャス速報を楽しみにしてほしい。
それで、気になるのは今後の利下げ見通しだ。これも避けては通れないので確認しておこう。
[ニューヨーク 15日 ロイター] – 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は15日、インフレが予想通りに低下すれば、米連邦準備理事会(FRB)はさらなる利下げを実施する可能性があると述べた。
ニューヨーク大学で開かれたイベントに際して「今年中に1回か2回の(利下げは)妥当なことだと思う」とコメント。現在の水準からの利下げ余地はかなりあるとの見方を示したが、政策変更は経済指標次第だとも述べた。
FRBの利下げ政策の終点については「落ち着くところまではまだ遠い。われわれが行うべき決断は、中立金利に向けてどれだけ早く調整するかということだ」とした。中立金利は最近の水準よりも高くなる可能性が高く、3%前後になる可能性があるとの認識を示した。
金融機関の問題を巡っては、概してほとんどの銀行は金利リスクを監視しているとしながらも、以前よりもかなり早く危機に陥る可能性もあると指摘。「取り付け騒ぎは今や非常に短期間で起こり得る」とし、当局はそれに備え警戒する必要があると述べた。
年内1─2回の利下げが妥当、インフレ予測通りなら=米SF連銀総裁 | ロイター (reuters.com)
ふむふむ。米サンフランシスコのデイリー総裁は今年は1回か、2回の利下げが妥当。それより気になるのは金利リスクでの取り付け騒ぎが起こりえる?しかも、非常に短期間で?金利を一度に下げたら当然、預金金利も下がるわけだ。預金金利が下がれば、米国民は銀行にお金を預けない。もっと金利が高いところを探すだろう。
すると資本力が乏しい地方銀行は取り付け騒ぎが起こるかもしれない。今は高速で情報が飛び交う世界だ。真偽は不明であっても、その情報が信用できると思ったら庶民は危ない銀行からお金をよそに移す。すると別に危なくなかった銀行がその余波で、本当に危なくなる。取り付け騒ぎの怖いところはそれだ。金利を大きく下げるリスクというものを警戒しないといけないと。