韓国 こちらは韓国経済の専門家なので自分で考えられる予測については根拠のあることしか言わない。そして、最近はサムスン電子や韓国ポスコが倒産目前だと述べているが、ポスコはともかく、サムスン電子が倒産するわけないだろうという突っ込みが来る。
確かにサムスン電子は25年間、韓国一の大企業であり、世界的にも知られている。韓国と言えばサムスン電子。サムスン帝国とまで言われるぐらいだ。だから、そんな巨大な企業であるサムスン電子が倒産なんてするはずがない。確かにその理屈もわかるんだ。
でも、実際はサムスン電子は崖っぷちなんだ。なぜそれがわかるのか?って。簡単なことだ。サムスン電子の株価を見れば一目瞭然だ。

これがサムスン電子の1年間の株価だ。ピークが2024年7月10日の88000ウォンだ。それから、わずか3ヶ月あまりでどんどん下がっていき、10月17日で59700ウォンだ。もう、40%近く減少している。
しかも、必死に耐えていた6万ウォン台も破られた。もう、これは崖っぷちだろう。たった3ヶ月で約4割も下がる。これがどうしてなのか。なんで、サムスン電子はこんなに売られているの?
それはサムスン電子の得意な半導体が不振だからだ。確かに中国輸出でサムスンの半導体は売れて3ヶ月で1兆円ほど営業利益となった。しかし、韓国紙はどう書いたとおもう?「わずか1兆円だ」
何処にも1兆円凄いとか書いてないのだ。金額だけを見れば凄いんだが、サムスン電子はその一兆円を稼ぐために数兆円以上、毎年、投資をしている。3ヶ月で1兆円稼いでも投資分を考えると成績は良くないから、わずか1兆円であり、決算発表でサムスン電子が異例に株主に謝罪した。そして、今度こそ頑張るとかいいだした。意味がわからない。
謝罪して次は頑張るからと許してくれるような株主などいない。株主が聞きたいのは会社の今後の業績見通しとエヌビディアのテストにいつ合格するかだった。特に生成AI特需で半導体が注目されてるのに、サムスン電子が手も足も出ない。SKハイニックスに負ける技術しかなかった。
そして、次の問題はサムスン電子のことだから、そのうちSKハイニックスに追いつくだろう。なんせ、SKハイニックスは万年、赤字企業である。むしろ、誰も買ってくれないことで有名な会社だった。しかし、半導体技術、HBMだとエヌビディアも認めて独占供給するほど力があったわけだ。それについてはこちらもびっくりしている。韓国企業として珍しく組み立てだけじゃないと。
だから、SKハイニックスはエヌビディアの恩恵を受けて、韓国のコスピ、時価総額2位の企業にまで躍り出た。このままサムスン電子が墜ちるなら1位になることだってあり得るのだ。まあ、生成AI特需なんて誰も読めないイベントであったし、サムスン電子がHBMについては過去に開発を中止していた事実もある。
しかし、それでも投資家は楽観的だった。サムスン電子の技術ならSKハイニックスに追いついて、エヌビディアのテストにそのうち合格するだろう。だから、株価は高いままだったのだ。そして、多くの投資家は上半期には合格する。関係筋からも6月で合格しているとか。そんな話が出てきて株価はどんどん上がった。
だが、合格したという通知が来ないまま4ヶ月が過ぎた。期待していた投資家が離れていく。それが株価が急落している理由だ。エヌビディアのテストに合格できないのが致命的だと何度ものべていたが、この急落でもわかるだろう。
なぜならそれはサムスン電子が得意のメモリー半導体分野で、SKハイニックスや米マイクロンに技術的な敗北をし続けているためだ。そして、多くの専門家はサムスン電子がエヌビディアのテストに合格できない理由は歩留まり率の低さにあると。
これはHBMそのものが1つ、数百万円もする高額チップなので、いつものDRAMのように歩留まり率が低くても大量生産していけば大丈夫が通じないのだ。サムスン電子は大量生産で歩留まり率の低さを補ってきたが、それがHBMで技術的な低さが露呈された。
サムスン電子は半導体が得意といいながら、半導体技術が世界一ではない。ただの大量生産してシェア1位を維持していたに過ぎない。それが投資家に知られることになった。だから、エヌビディアのテストに合格しない場合、サムスン電子が半導体企業として生き残るのは極めて難しい。これが倒産目前の理由である。
エヌビディアのテストというのはサムスン電子の技術力が試されている視点を持てば、サムスン電子がどれだけ崖っぷちなのかがわかる。周回遅れだろうが、合格しない限り、サムスン電子の半導体は世界大手から見向きもされない。これが現実であり、株価から読み取れることだ。
では、ここからは記事を引用しよう。
2024年10月15日、韓国・国民日報は「『韓国半導体、東芝・やンテルのようになりかねない』元閣僚らが苦言」と題した記事を掲載した。
記事によると、韓国経済人協会は14日、韓国半導体産業が直面する危機を確認する特別座談会を開き、ソウル大学材料工学部の黄哲盛(ファン・チョルソン)碩座教授、李允鎬(イ・ユンホ)元知識経済部長官、李宗昊(イ・ジョンホ)元科学技術情報通信部長官、成允模(ソン・ユンモ)、李昌洋(イ・チャンヤン)元産業通商資源部長官らが出席した。
最近「サムスン電子危機説」が持ち上がっているが、それと同時に韓国の半導体産業は「重大な岐路」に立たされている。中国や台湾などライバルが技術面で追撃してきている中、今後、人工知能(AI)や航空宇宙など先端半導体市場で韓国が主導権を逃すことになりかねないという危機感が拡大している。参加者らは、民間企業に対しては「新しい技術への転換を急ぐべき」、政府には「直接の補助金支援が切実に求められる」と注文した。
黄教授は「韓国半導体産業の未来と戦略」をテーマに講演し、「韓国のDRAM技術は5年以内に限界に到達する」との考えを示した。また現在、DRAMとNAND型フラッシュメモリ市場に中国CXMTとYMTCが占めている割合は今年1~3月期で既に10%と3%に達していると紹介し、今はまだ欧米に輸出できないので中国内需が基盤となっているが、米国の対中規制がいつまで続くか分からないことが問題だと指摘し、新技術への転換が急がれると強調した。
「半導体覇権の奪還」に向けた韓国の課題をテーマとする座談会では、参加者らは「半導体産業は単なる技術産業を超えて、国家安保に直結した問題である」と強調し、「覇権争いで勝利するには大規模の政府支援が必要だが、韓国は補助金による直接的な支援を行うことが大企業優遇に見えるのではないかと慎重になっている」と指摘した。
サムスン電子危機説に関しては、李允鎬元長官が「サムスン電子はDRAMの成功に長い間とどまったことで、組織としての緊張度が落ちたようだ」と指摘。李昌洋元長官は「サムスンは先頭に立った企業として、技術や経営に関するアンテナを高く立て、ライバル企業を観察し、良い技術があれば受け入れる、買収・合弁するなどの努力が必要だ」と意見を述べた。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「これまで企業の心配なんか(政府は)したことがないのに、今さら遅い」「前政権はさんざんサムスンをいじめたよね」「大事な時期に企業のオーナーを監獄に入れた政府は深く反省し、国民に謝罪すべきだ」「サムスンの労組は、自分たちの目標は会社を潰すことだと言っている。そんなやつらを解雇もせず残しているんだから、会社がうまくいくわけがない」「中国の追撃が問題だ。大規模増設にダンピング。サムスンは大きな影響を受けて10年以内に崩壊するのでは」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)
「韓国半導体は東芝やインテルのようになりかねない」韓国の元閣僚らが苦言=韓国ネット「今さら遅い」 (recordchina.co.jp)
なんという愚かな話だ。既にそのインテルですら買収されそうなニュースがあるよな。だから10年以内に崩壊なんてレベルじゃない。数年内だ。韓国政府が危機感を持つぐらいサムスン電子の状況がヤバイ。
しかし、ネットユーザーの声は的外れだよな。サムスン電子が倒産目前なのは技術力の低さである。今までサムスン電子は日米半導体協定から漁夫の利を得てきたのに、結局、組み立て工場としてシェアを伸ばしてきただけで、技術力向上にはウェイトを置いていなかった。だから、政府が支援するとか、しないとかじゃないのだ。
だって技術がないんだから。サムスン電子の投資は政府支援なんて遙かに超えた莫大なものだ。だが、それは各地に工場建設という箱物作りであり、中身にはあまり投資していなかった。SKハイニックスができてること、サムスン電子ができないのだ。結局、技術力が企業の趨勢を決めるのだ。
因みに東芝は原発事業で失敗したのであって、メモリー分野の技術力がないわけじゃない。だから色々と売られてしまった。インテルについてはどうなんだろうな。PC破壊させるCPUを長年、放置してきたとか。1ナノ半導体をつくる計画はどうなったんだろうか。
それで、サムスン電子がこの先、生き残るには事業を広げすぎたことを反省して縮小して専門性を高めるしかない。こちらは昨年から、もう、半導体は無理だから、スマホ一本に集中したらどうだ?と提案している。半導体の巨額投資をやめればサムスン電子は生き残れる。もっとも、それは重大な分岐だ。
しかし、このままこだわっても、エヌビディアのテストという高い壁が立ちはだかるだけ。台湾のTSMCには絶対に勝てない。ファウンドリ事業も数兆円の大赤字で撤退が示唆されている。さらに既存のDRAMでも中国勢がどんどん追い上げてくる。
中国勢は国内シェアだけで凄まじいので、技術が追いつかれたら中国では一切、韓国製が売れなくなる。それは自動車やスマホがシェア0%台であることでもわかるだろう。サムスン電子の半導体は二束三文で買われている。でも、それが来年も続くのか。
政府が今から支援しても技術が向上するには時間がかかる。
サムスン電子危機説に関しては、李允鎬元長官が「サムスン電子はDRAMの成功に長い間とどまったことで、組織としての緊張度が落ちたようだ」と指摘。李昌洋元長官は「サムスンは先頭に立った企業として、技術や経営に関するアンテナを高く立て、ライバル企業を観察し、良い技術があれば受け入れる、買収・合弁するなどの努力が必要だ」と意見を述べた。
結局、SKハイニックスを買収するのが一番手っ取り早いんだよな。でも、独占何たらでそれができないらしい。
そして、韓国は今頃、半導体の重要性について気づいたようだ。でも、それはもう遅い。台湾のTSMCを日本の熊本県に招致。日米半導体連携やチップ4同盟から数年経過して、その認識である。こちらはその時から、韓国製半導体がどんどん消えていく未来を予言した。
これでわかったとおもうがサムスン電子は崖っぷちであり、倒産目前ってことだ。理由は技術力向上をしてこない戦略だったから。サムスン電子の会長を拘束しようが、しまいがそれが会社の方針だったのだろう。
日本から技術を盗めばいい。お人好しの日本人から奪えば良い。それが25年前なら通じた。スマホだってそうだ。アップルの製品を真似すればいい。そうやってサムスン電子は規模を拡大させた。しかし、それは現代では通じないのだ。
「韓国のDRAM技術は5年以内に限界に到達する」
果たして5年も持つだろうか?米国が本気を出せば韓国製を駆逐するなんてそう遠くない時間じゃないのか?しかも、後ろから中国勢の猛追。他にも日本、インド、欧州などでも半導体への投資が急拡大している。
数年前、日本と米国の半導体協定の時、こちらは数年後には全く別の構図ができてるかもしれないと述べた。それから数年でサムスン電子が崖っぷちに追い込まれた。なら、数年後はどうなのか?サムスン電子は生き残ってるのか。それとも、泡のように消えてるのか。サムスン電子が消えれば韓国経済への影響は計り知れない。同時に看取っていくてことだ。