北朝鮮がロシアと軍事同盟を締結したことで、北朝鮮軍がウクライナ戦争に参戦することになった。韓国は大慌てだが、実際、食糧危機で苦しむ北朝鮮軍の数減らしに派遣されているという指摘もある。
北朝鮮からすればロシアに多大な恩を売ることで大きなメリットが得られる。数万人の兵士の命でそれが買えるのだ。安い物だ。そして、全滅しようが次を投入すればいい。1万人?いいや、8万人ぐらい出すぞ。
このようにウクライナ戦争に参戦させられた北朝鮮兵士は実に気の毒だが、兵士とは上の命令には絶対だ。ウクライナで戦ってこいと言われたら、それに従うしかない。だが、ウクライナ戦争は新兵器であるドローンが登場する現代戦である。
北朝鮮の旧世代の軍事技術でどうにかなるほど甘くない。投入された兵士は当然、ウクライナ兵と戦争しても勝てるわけがない。それで25日にウクライナ部隊と交戦した北朝鮮軍。一人を覗いて全員戦死したようだ。
では、記事を引用しよう。
ロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と初めて交戦し、1人を除いて全員戦死したという主張が提起された。
ブルー・イエローは2014年からウクライナ軍を支援してきた団体で、ウクライナの意思決定権者だけでなく最前線情報にもアクセスすることできるという。
オマーン代表は「私が知っている限り、ウクライナ部隊と北朝鮮軍の初交戦で北朝鮮軍のうち1人を除いて全員死亡した」とし「生存した1人はブリヤート人という書類(身分証)を持っていた」と話した。
オマーン代表は今回の北朝鮮軍派兵と関連して「派兵人材が8万8000人まで増える可能性があるという話を聞いた」とし「北朝鮮軍を船舶や航空機で運ぶ基地が4カ所ある」と主張した。
一方、ウクライナ情報当局は自国軍が8月6日に侵攻し、一部地域を占領中のロシア本土クルスクで23日に北朝鮮軍が目撃されたと明らかにした。ただ、北朝鮮軍と交戦したとか、戦場で肉眼で確認したという公式証言は出ていない。
「北朝鮮軍、25日にウクライナ部隊と交戦…一人を除いて全員戦死」 | Joongang Ilbo | 中央日報
どの程度の人数かわからないが、軍隊というのは団体で動くのに2割も減ったら撤退するレベルの被害となる。それを一人で除いて全兵士が全滅となれば20%どころか99%全滅である。1万人規模で編成された部隊の一部と思われるが、本当に弾よけにしかなっていない。
酷い。酷すぎるがこれが戦争だ。最新鋭装備のウクライナ兵と銃が支給されていればましなレベルの北朝鮮の兵士が戦って善戦できるわけがない。
そもそもロシア兵が多数殺されて追い込まれたロシアが北朝鮮の兵士を使っているのだ。その兵士の使い方なんて戦力増強ではなく、ウクライナ軍を「消耗」させるものだとすれば納得がいく。ロシアとはそういう国だ。
では、ネットの突っ込みを見ておくか。
1.悲惨過ぎる。弾除けか。。。 言葉もまともに通じないなら、まともな指揮も受けられず、警戒態勢も取れないまま蹂躙されるがままだった可能性が高いな。 そのような状況に自国民を『棄てる』北朝鮮・金政権に為政者の資格は無い。
ウクライナ軍にとっては侵略者に与する敵軍かも知れないが、北朝鮮兵に罪は無い。 北朝鮮軍の指導部、特に制服組はこれで良いのか? 一人幾らの金勘定で、死なせる為に送り込んでいるなら、送り込んでいる北朝鮮も『買ってる』ロシアも外道だ。
彼らは傭兵ですらない。『物』、使い捨ての消耗品だ。 これを見過ごして、批判する声明すら出さない国際社会に人権を語る資格は無い。 その口で人命尊重を語るなら、それは薄汚いダブルスタンダードだ。虫唾が走る。
2.情報が真実だとすれば、北のロ軍兵士は気の毒としか言えない。金ジョンにロの戦争でロ軍兵士の代わりに早々に前線に送られ全滅したなら犬死ではないか。これでも人民の指導者と言えるのか。見返りに莫大な金を期待しているのかもしれないが。
3.北朝鮮兵士を前面に出してそこを攻撃してきたウクライナ軍の位置を割り出して火砲で攻撃するのがロシア軍の作戦だろう。今までと違ってロシアは人的消耗を防げる。
4.戦争の道具である軍隊に、唯一道義上の価値を見出せるとしたら、それは国防においてだ。自国の民間人を守るどころか、他国の戦争に介入して命を散らしたとはなんと無念な事だろう。実力や能力ではなく、世襲で最高権力者となったお飾り元帥の罪は重い。
5.綺麗事だけど 本当に北の兵士が気の毒 若い頃から飢えに苦しみ 朝鮮統一を夢に見てたかどうかは解らないけど 全然関係ない土地に送られ生涯を終えるなんか 夢にも思わなかっただろうに
以上の5つだ。
これは戦争や軍隊というものがそういうものだという認識が必要だ。どんな軍隊だろうが、上の命令には絶対逆らえない。逆らうことは極刑であり、軍事裁判にかけられる。それは米国でもそうだし、何処の国だって同じだ。だから兵士は死に場所を選べない。それが遠く離れた異国の地であろうが、自分たちの国を守ることに何の関係のない戦争であってもだ。
国によって兵士の価値というのは異なる。北朝鮮兵の命なんて軽すぎる。精鋭部隊を送り込んだとされているが、どう見ても新兵レベルじゃないか。ロシアがいくらで買ったか知らないが、傭兵よりも遙かに安い金額だったんだろうな。それが8万人以上?
1万人規模でも脅威なのに8万人か。ウクライナ兵士も大変だよな。北朝鮮兵が明らかに囮としての使い方。交戦すればロシア兵に正確な位置を特定されてしまう。ロシア兵は減らないので痛くもかゆくもない。それが8万人投入だ。代わりの北朝鮮兵なんていくらでもいる。8万人で駄目ならもっと出せば良いのだ。
北朝鮮からすれば兵士が少なくなれば食糧問題を解決できる。多少、人口が減ったところでたいした問題もないと。
このようにこちらは客観的な視点で書いているが、戦争の酷さがわかるよな。まあ、普通は友軍に対してこんな酷い扱いはしないんだが、ロシアや北朝鮮のような国は別だ。戦争に勝つためならどれだけの犠牲を払おうが続けるだろう。ウクライナ戦争に北朝鮮が参戦したことで、戦争の酷さがさらに増した。
しかし、ウクライナからすれば囮という戦術が非常に脅威だ。何をするにしても人員を割かれてしまう。その間、ロシア兵の別働隊がウクライナへの進攻を続けて行くだろう。ウクライナが北朝鮮の参戦で負けるかどうかはわからないが、相当な苦戦を強いられるのは間違いない。
さて、もう一つ気になる話題として、北朝鮮が得られるメリットとして、ロシアが北に原潜技術を提供する可能性が出ている。これはさすがに韓国以外の国、日本や米国でも脅威となり得るので、しっかりと確認しておこう。
では、記事を引用しよう。
北朝鮮軍がロシアの戦線に配置されたと韓米両国が確認した中で、米国の国家安保専門家らはロシアが北朝鮮に戦略原子力潜水艦(SSBN)など核戦略と関連した核心技術を提供する可能性を提起した。
米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が29日に開催したセミナーでのことだ。彼らは「最も危険な可能性はロシアが弾道ミサイルと防空、核兵器に対する技術を北朝鮮に移転すること」と懸念する。
彼はロシアが北朝鮮に渡せる技術として、戦術ミサイル、大陸間弾道ミサイル発射後の大気圏再進入、原子力潜水艦などを挙げた。その上で「北朝鮮のSSBNが西太平洋を航行すれば途轍もなく頭が痛いことになるだろう」と懸念する。
朝ロ軍事協力の背景には両国の利害関係がある。北朝鮮はロシアの軍事技術支援が切実で、自国民に追加の兵力動員令を出すのを避けたいロシアは北朝鮮の兵力が役に立つ。CSISの韓国専門家ビクター・チャ氏は「(金正恩は)大量破壊兵器計画と弾道ミサイルを近代化するための大陸間弾道ミサイル技術を(ロシアに)要求するだろう。北朝鮮の軍人はこれまで戦争をしたことがなく、今回の前線配置は実戦訓練をする機会でもある」と話した。
CSISのマーク・カンシアン上級顧問は北朝鮮のロシア派兵が韓米同盟に及ぼす影響について「韓国内の米軍の必要性を強化するもの。北朝鮮の脅威は消えないものであり、これに対し注意を傾けなければならない」と話した。
◇「北朝鮮、中ロ関係利用し支援狙う」
北朝鮮がロシアとの協力を通じて中国に対する依存度を低くし存在感を拡大しようとしているとの分析もある。ロシアと北朝鮮の軍事援助を明示した「包括的な戦略的パートナー関係条約」(朝ロ条約)第4条と関連しワイルダー氏は「中国は常に北朝鮮と一定の距離を維持してきた。1992年の韓中修交後に中国はこのように北朝鮮に明示的な安保保障をしたことはない」とした。
朝ロ間の経済交流も強化される様相だ。ビクター・チャ氏はCSISが衛星イメージを分析した結果、朝中貿易はコロナ禍前の水準に回復していないが、朝ロ貿易は前例のない水準に増えたと明らかにした。
これは中国の立場では喜ばしくないだろう。ワイルダー氏は「中国の習近平国家主席は難しい立場に置かれている。ロシアが北朝鮮に核技術を支援すれば東アジアで米国の同盟を強化する『アジア版NATO』の創設につながりかねないため」と分析した。
同日ニューヨークで開かれたコリア・ソサエティー主催の専門家対談でも同様の議論が続いた。韓半島(朝鮮半島)冷戦史研究の権威であるジョージタウン大学のキャサリン・ウエザースビー教授は朝ロ条約について「1990年代初めから北朝鮮が受けた莫大な被害を取り返すとても重要な条約」と評価した。
ウエザースビー教授は「1990年に韓国とソ連が修交してから北朝鮮経済が崩壊した。30年以上北朝鮮は中国に過度に依存してきたが、これは北朝鮮にも非常に不都合な状況」と指摘した。その上で北朝鮮が中ロ間の緊張関係を利用して「ロシアから必要なものを獲得できるだろう」と話した。
「ロシア、北朝鮮に原潜技術提供も…」米専門家から懸念の声 | Joongang Ilbo | 中央日報
前半の内容は、これは素人でもわかるほど、わかりやすい脅威だ。
彼はロシアが北朝鮮に渡せる技術として、戦術ミサイル、大陸間弾道ミサイル発射後の大気圏再進入、原子力潜水艦などを挙げた。その上で「北朝鮮のSSBNが西太平洋を航行すれば途轍もなく頭が痛いことになるだろう」と懸念する。
どれ一つでも北朝鮮が喉から手が出るほど欲しい技術だろう。ロシアが北朝鮮との関係を深めていくのは必至。すると米韓同盟強化に対抗してロシアに軍事技術を提供することで北朝鮮を強くしていく。特に原子力潜水艦の技術はヤバイ。これに核ミサイルでも搭載されたら、世界中の国家が射程圏になる。
最初に狙われるのは韓国だとしても北朝鮮の脅威度が増すのはよろしくないな。