韓国 当たり前の話だが韓国の内需が壊滅的な状況というのは建設業の不振が大きく影響している。建設業の不振は建設現場の工事が中断するので、すなわち鉄鋼需要の低下である。鉄鋼需要の低下となればポスコがヤバイというのが一連の流れである。
問題は韓国のポスコがヤバイ理由は中国勢が圧倒的過ぎるからだ。これはポスコだけにではないのだが、世界の鉄鋼需給のほとんどを中国勢だけでやってのけるほどの生産力がある。本来ならそのほとんどは中国内で使うのだが、中国がデフレで苦しんでいるので、余った鉄鋼を過剰輸出して世界中の鉄鋼メーカーを脅かしている。
会社の経営がどうしようもないほど傾くと最初にやることは資産の切り売りである。これは東芝の一件からでもわかるだろう。原発事業で7000億円の赤字を出した東芝は資産を切り売りした。こちらも使っているノートパソコンのdynabookシリーズなどもそうだ。どういうことかいうと。ポスコも資産を切り売りする段階にまで追い詰められた。倒産一歩手前ということ。
でも、資産を切り売りすれば売却代金は手に入るが、そこから得られる収益が消える。結果的に事業は縮小するので一時しのぎにしかならない。しかも、製鉄所の売却というのは韓国の国力低下に直結する。それだけ鉄というものは重要なのだ。それが中国勢に取って代わられていく。
では、記事を引用しよう。
韓国最大の鉄鋼メーカー、ポスコ・グループが中国国内で唯一の製鉄所を売却することになった。1997年に中国市場攻略のため建設されたステンレス鋼工場で、韓国ステンレス鋼の年間生産量(200万トン)の半分以上に当たる110万トンが生産可能な規模のものだ。中国鉄鋼メーカー各社の供給過剰により低価格競争が激しくなり、数年間赤字が続いたため、売却に乗り出した。
ポスコなどが7日に明らかにしたところによると、ポスコは中国・江蘇省にある合弁法人「張家港浦項不銹鋼(=ポスコ張家港ステンレス鋼、PZSS)」の売却をこのほど決定し、投資者探しを開始したとのことだ。PZSSは現在、ポスコ・ホールディングスとポスコ・チャイナが株式の82.5%を保有しており、残りは中国第2位の鉄鋼メーカー「沙鋼グループ」が保有している。ポスコ関係者は「現在は諮問会社を選定している段階で、売却などさまざまな方式について検討している」と語った。
ポスコが中国国内で唯一の製鉄所売却に乗り出したのは、赤字の状況が続いているためだ。 昨年は1億3000万ドル(約200億円)の営業赤字を出すなど、ポスコの海外法人38社の中で最大の損失を出した。中国の景気鈍化で建設用ステンレス鋼市場の展望が非常に良くない上、中国国内の鉄鋼メーカーの慢性的な供給過剰で中長期的展望も明るくないことが背景にある。現在、中国の鉄鋼メーカー43社のステンレス鋼生産量は2821万トンで、消費量の2417万トンを上回っている。
ポスコは今年7月、120件の事業改革対象を確定するなど、事業再編に着手した。この内訳は低収益事業51件と非中核資産69件となっている。今回の売却も事業再編の一環で、海外事業所の中ではPZSSが初めての対象となった。業界では、ポスコの赤字海外法人がさらに売却対象になるものとみている。ポスコの海外法人38社のうち、赤字法人はアルゼンチンやトルコなど13法人だ。
さらに、ドナルド・トランプ次期米大統領が中国製鉄鋼輸入品に60%以上の懲罰的関税を課すと宣言している状況で、米中貿易摩擦に伴う不確実性を避けようという意図もあるものと受け止められている。
韓国鉄鋼最大手ポスコ、唯一の中国製鉄所を売却へ…低価格競争に耐え切れず
資産の切り売りは終わりの始まり。120件の事業改革対象。事業再編とか。倒産すれば数百万人がリストラだもんな。資産切り売りしてでもそこだけは回避したい。でも、韓国の鉄鋼そのものがもうだめだろう?安い価格帯で中国勢に勝てないのにこの先、何しようが延命策に過ぎない。
まあ、今の中国経済のデフレで鉄工所が売れるかもわからないが、売れても二束三文で買い叩かれるんだろうな。それでも赤字を垂れ流すよりはましなのか。しかも、中国だけの話じゃない。
ポスコの赤字海外法人がさらに売却対象になるものとみている。ポスコの海外法人38社のうち、赤字法人はアルゼンチンやトルコなど13法人。
このように中国以外でもポスコは海外法人を売却する方針だとみられている。事業再編といえば聞こえは良いが、サムスン電子とどちらが追い詰められてるんだろうな。その判断は難しいところであるが、株価の下落度を見ればわかるんじゃないか。投資家はどちらが未来にないと見て株を投げ売りしているか。比べてみようか。
まずはサムスン電子からだ。
まずはサムスン電子からだ
サムスン電子の1年間のチャートではピークは2024年7月18日の87500ウォンってところだ。それが今では57000ウォンまで落ちた。下落率は約3割てところか。明らかにサムスン電子の停滞が株価に出ているよな。世間では生成AI特需はまだまだ続いている感じなのにな。
しかし、サムスン電子のHBMはエヌビディアにテストに合格できていない。しかも、ここにトランプ氏の再選で対中貿易戦争が激化するのは目に見えている。トランプ氏は米国ファーストを掲げている。つまり、サムスン電子やSKハイニックスがいつまで中国に半導体を売れるかは定かではないと。だから、トランプ氏の再選で株価は下がっているわけだ。
さらにサムスン電子の技術力がないことを露呈した。今後、半導体生産は歩留まり率を向上させていかないと使ってもらえない。ファウンドリ事業も台湾のTSMCに圧倒的な差を付けられて、そろそろ生産工場の縮小や売却が目に見えている。つまり、ファウンドリ事業から撤退するのも時間の問題である。
次にポスコの株価を見ていこう。
これがポスコの株価。
ピークは2023年12月28日の57000ウォン。それが現在では37000ウォンだ。ピーク時から約4割ほど下がっている。まあ、サムスン電子と比べれば明らかにポスコの方が危機てやつだ。
韓国経済を支える二大柱であるサムスン電子とポスコがこのように危機的な状況。ポスコが駄目な理由が中国勢鉄鋼の元安+過剰輸出である。今、人民元は1ドル=7.1ぐらいで推移している。これだけ元が安いなら韓国ウォンが1500ウォンになっても太刀打ちできないだろう。しかも、ここに日本の円も152円と安い。
輸出競争力や技術力で負けている日本と中国に韓国勢は駆逐されていくわけだ。2025年の状況も変わらないのは株価の推移を見ればわかるだろう。上がるどころか下がり続けているからな。サムスン電子もポスコも何処まで下がるのか。底すら見えない。
そして最後をもう一度を振り返ろう。
さらに、ドナルド・トランプ次期米大統領が中国製鉄鋼輸入品に60%以上の懲罰的関税を課すと宣言している状況で、米中貿易摩擦に伴う不確実性を避けようという意図もあるものと受け止められている。
トランプ氏は再選したがまだ大統領ではない。来年からである。だから、インターバルの期間であるのだが、もう、バイデン氏の政権はレームダックであり、外交そのものが中断する。今、世界中の国家はトランプ氏とのコンタクトを取るのに必死だろう。
でも、トランプ氏は大統領経験者なのでおそらく新政権に立ち上げはスムーズに行くと思われる。まずは国内での不穏分子を処理をしていくと思われる。そりゃ、自分を有罪にまで追い込んだ連中を許すわけないよな。
まずはそこから着手していくんじゃないか。外交はその後、だろう。2月にダボス会議があるのでそこに出席するかはわからないが、活動が活発化するのは2月辺りじゃないかと。
ただ、トランプ氏はイスラエルやウクライナ戦争も終わらせると述べてるので、就任早々に動く可能性はある。どちらかの悲惨な戦争を終わらせることができるなら、そりゃ、もう、世界中はトランプ氏を称賛するだろう。
そういう意味では2025年はトランプ氏の動向についても注目していく必要がある。このサイトも時事ニュースが増えてくることだ。こちらとしてはさっさと裏切り者の石破氏を日本の総理大臣から降ろさないと、トランプ氏に会ってもらえない。もしくは韓国以下の扱いになるだけだとおもう。通訳入れた電話会談5分で「フレンドリー」だとか、言い訳すらお粗末だもんな。
では、今後の対中貿易戦争の行方について見ていこうか。
記事を引用しよう。
(ブルームバーグ): 2018年に当時のトランプ米大統領が中国との貿易戦争を始めると、中国は後手に回り、対応がふらついた。
24年の米大統領選を制したトランプ氏の次期政権発足に備え、中国共産党の習近平総書記(国家主席)は万全の態勢を整えているが、応戦すれば失うものも大きい。
トランプ氏は中国製品に最大60%の関税を課すと示唆。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は、こうした水準の関税は米中貿易を壊滅させると分析している。
トランプ氏が21年に大統領を退くと、バイデン政権は先端テクノロジーに関する一連の対中輸出規制を強化したが、それにトランプ氏の新たな関税が加わることになる。
第1次トランプ政権以降、中国は経済の強靭(きょうじん)化を図り、米国の政策に反撃できる戦略的措置を講じてきた。
その鍵となったのが、政策手段の拡充だ。それには農産物への関税や主要な米企業を標的にする「エンティティーリスト」、重要な原材料の輸出規制などが含まれる。
元中国人民解放軍幹部で現在は清華大学戦略・安全研究センター(CISS)シニアフェローの周波氏は、「心理的な面で言えば、中国は再びトランプ氏と向き合う準備が以前と比べずっと整っている」と話した。
中国国営メディアによれば、習氏はトランプ氏の大統領選勝利を祝福し、「健全で持続可能」な米中関係を呼びかけた。
トランプ次期政権への準備に怠りない習指導部だが、それでも、第1ラウンドよりもはるかに壊滅的な結果をもたらす恐れのある関税合戦を回避したいと考えているとみられる。
デフレ圧力や不動産不況に苦しむ国内経済を浮揚させるため、中国は電気自動車(EV)やバッテリーなどの輸出に頼っている。そうした中で、北京で4日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が8日まで開催されている。
ナティクシスのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、アリシア・ガルシアエレロ氏によると、「中国は60%の関税に対し報復することはほとんどできない」。中国にできるのは「市場が中国を罰しないよう、一段と大規模な刺激策を発表すること」だという。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のスコット・ケネディ上級顧問は、トランプ氏がちらつかせている新たな関税の脅威に対し過剰に反応するつもりのない中国当局だが、弱腰と見られることには警戒していると指摘。
頻繁に中国を訪れているスコット氏によれば、習指導部の選択肢として考えられるのは、中国に大きな利害関係を持つ米企業を標的にすることや米国債の売却、人民元の切り下げ、そして欧州や中南米への働きかけの強化などだ。
「中国は厄介者のように扱われるのにうんざりしており、反撃したいと思っている」と同氏は述べ、「必要であれば、トランプ氏に対抗し、同じ手段で反撃する用意ができている」と説明した。
最初の反撃
中国にとってのワイルドカードは、上海にEV工場を置く米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が選挙戦でトランプ氏の強力な支援者として台頭したことだ。
中国で大きな事業権益を持つマスク氏が、より穏やかなアプローチをトランプ氏に促す可能性もある。トランプ氏は6日早朝、大統領選に勝利したと宣言するとともに、マスク氏を称賛した。
米中間で貿易戦争が再び勃発した場合、米国の農産物輸出がまた最初の標的となる可能性もある。
中国への大豆供給トップとしての地位を固めたのはブラジルだ。現在ではトウモロコシの対中輸出でも最大手だ。20年の貿易協定の一環として、米国の対中輸出が大幅に減少した分を補っている。
米国は16年時点で中国による大豆輸入の40%余りを賄っていたが、今年1-9月には18%を下回った。
トランプ氏の60%関税、反撃態勢整える中国-応戦すれば多大な影響
この記事ではトランプ氏が関税60%課しても中国はたいした報復攻撃はできないと。でも、マスク氏がトランプ氏の再選に多大な貢献をしているので、それで中国との摩擦も緩和されるかもしれないと。でも、マスク氏は中国でEVを売ってもBYDに勝てるわけないんだよな。自動車がどうなるか知らないが、中国のEVは世界中で関税の対象である。既にバイデン政権で100%関税を課せられている。
もっとも、中国はデフレで苦しんでいるので経済報復などすればますますそれが悪化するだけである。台湾有事をしたところで同じだ。世界中から報復されるからだ。ロシアみたいに中国が世界中の国家から敵視されて生き残る可能性は高いが、それによって中国の発展に繋がるとは思えない。