ユン氏の弾劾訴追案の成立でも外国投資家はウォンの投げ売り一択だった。それによってウォンは15年前のリーマンショック以来の1450突破ということになり、韓国政府と韓銀が年金砲で食い止めているのが現状だ。問題はどれだけ大規模介入しようがウォン売りの流れが止まらないてことだ。
日銀砲が何度か撃たれても、そのうち、円安になっていることからも介入は一時的な手段にしかならない。しかも、ウォン安で介入すれば、ドルを売ることになるのでドル不足に陥ることになる。外貨準備高は4000億ドルあるといいながら、年金とのスワップ増額をしている時点で、介入に使える外貨準備高は枯渇していると見て良いだろう。
そもそも12月だけでどれだけドルを説かすんだよ。100億ドル程度は既に使っているはずだ。でも、年末はまだまだ続くんだ。来週もあるからな。
それで今回はFOMCが終わって今後の米インフレ動向について確認しておこう。トランプ政権誕生は来年になる。同時にインフレも加速する懸念。それがどうなっているのか。これはもちろん、ウォンや円にも大きく関わってくる。
では、記事を引用しよう。
(ブルームバーグ): 米金融当局は18日、3会合連続の利下げを決める一方、インフレ高止まりを巡る懸念を再び前面に押し出す姿勢を強く示唆した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長も記者会見で当局のインフレ予測に言及してそれを端的に表現した。
金融当局者は9月公表の四半期経済予測の中央値で、インフレ率が2026年中に2%の当局目標に落ち着くと予想していたが、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表した最新予測では27年にずれ込むとの見通しが示された。
この結果、当局者は来年の利下げ回数見通しを中央値で0.25ポイントずつ計2回相当とし、9月時点の計4回相当から半減させた。
パウエル議長は先行きの追加利下げに関し、インフレ抑制に向けて一層の進展が見られるかどうか次第である点を明確にした。
インフレ抑制に再び重点を置くスタンスは、労働市場の軟化を一段と大きなリスクと当局者が考えていた9月当時からは様変わりだ。同月に開始した金融緩和では、パウエル議長が強力に主導する形で0.5ポイントの異例の大幅利下げに踏み切った経緯がある。
こうした情勢変化の背景には、インフレ率が2%の当局目標を上回る水準で下げ渋っていることを示す最近のデータや、トランプ次期大統領が掲げる減税や関税賦課、不法移民の大規模強制送還といった一連の政策がインフレ加速につながりかねないとの観測があると考えられる。
FOMCが打ち出した新たな金利の道筋の見通しに市場は迅速かつ激しく反応した。米国債相場と米株価は下落し、ドルは2年強ぶりの高水準に上昇した。
ブリーン・キャピタルのシニア・エコノミック・アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「今後、インフレ率のさらなる改善なしに利下げを実施するのは難しくなるだろう」と予想する。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げて4.25-4.5%とする18日の決定に対し、クリーブランド連銀のハマック総裁が金利の据え置きを主張して反対票を投じた。
この点に関連し、「コンセンサスの欠如は、恐らく1人の反対意見が示唆するよりも大きいと想像する」と、デクアドロス氏は語った。
米FRB、インフレ抑制に重点回帰-市場に衝撃、国債相場や株価下落
このように再び米CPIやPPIの動向がパウエル議長の関心事になったと。まあ、予想通りといえば予想通りだよな。さすがに来年に利下げ4回とか多すぎるものな。問題は米国がインフレ懸念で利下げできないなら、韓国経済危機はますます深刻化するてことだ。
ただでさえ、戒厳令からの一連の流れで1450突破したウォン。これで韓銀が利下げすれば外資がウォンを売るのは必定。あっという間に1500も越えてしまう可能性がある。しかし、利下げしなければ内需は死んだまま。
もう一度言うが、韓国の利下げするタイミングは2024年上半期である。こちらもゴールデンタイムは今だと指摘した。しかし、無能な韓銀は動かなかった。米利下げを待てば良い。安直な考えに支配された。もしものことを考えなかった。
最悪の事態を考えなかった。結果はご覧の有様だ。家計債務は過去最高を更新して1900兆ウォン台にのった。内需は死んだまま。慌ててサプライズ利下げするも後が続かないのでは効果はたいしたことない。
しかも、戒厳令でクリスマス商戦ですら閑古鳥が鳴く現実。自営業は売上を激減させて今年も100万件の倒産ラッシュは必至。それを救済するような法案は出てこない。なぜなら選挙は3年後であり、たいした票にもならないからだ。そもそも自営業なんか助けなくてもユン氏の戒厳令で相当恨まれているのだから、放置しておいても野党に票が集まる。
それで、利下げというのは続けてやらないと効果はほとんどないのだ。だから、米国はどんどん利下げしているわけだ。しかし、その米国も利下げは年内はこれでおしまい。来年もこのままだとわずか0.5%だ。
韓国の政策金利は3.25%だったか。米韓金利差は1.5%か。2%意識すればまだ0.5%下げられるが、韓銀にとってウォンを下げて、これ以上、家計債務増えるのは放置もできない。まさに八方塞がりてやつだ。ユン氏の戒厳令からの怒濤のウォン安ラッシュは韓銀のせいでは全くないので、そこは同情の余地はあるにせよ。1400ウォン付近まで落としたのは韓銀総裁の責任だ。
あのとき、利下げしていればと後悔しても遅い。既に時間は過ぎて状況だけが悪化している。さすがにこちらも戒厳令まで予測できなかったが、大筋の流れは想定内である。
それでこちらよりも予想は遅いが専門家の間でも来年は1500到達が出てきた。アナリストはまだまだウォンが安くなる見ているわけだ。
では、記事を引用しよう。
米国経済が堅固な成長傾向にある一方、韓国経済の未来は非常に暗い。急激なウォン安が意味することを一言でいうと、このような状態だ。
19日、ソウル外国為替市場でウォン相場が取引中1ドル当たり1453.1ウォンまで下落し、1451.9ウォンで日中取引を終えた。1ドルが1450ウォンを超えたのは、米国のサブプライムモーゲージ(低所得者向け住宅ローン)の焦げ付き問題が引き金となり、世界金融危機が進んだ2009年3月以来、15年9カ月ぶりのことだ。
2022年2月末のロシアのウクライナ侵攻に続き、米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な政策金利引き上げで、同年10月1400ウォンを超えたウォン相場は、FRBが今年9月18日(現地時間)に政策金利を0.5%下げた後、1307.8ウォン(9月30日)まで上昇した。
しかし、第2四半期に続き、第3四半期にも景気減速が続き、外国人投資家の攻撃的な株式売りが長期化したことで、ウォン相場はすぐに下落に転じた。
先月5日に行われた米大統領選挙で関税引き上げを公約に掲げたドナルド・トランプ氏が当選したことも、韓国の輸出が打撃を受けるだろうという懸念を高め、ウォン相場の下落につながった。さらに、12月3日の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の非常戒厳宣布が政治的な不確実性を増大させたことで、ウォンはさらに値下がりした。
米ドル指数(ユーロ、円、ポンドなど6カ国通貨に比べた相対的価値)は10月以降今月19日までで7.5%上昇した。同期間、ドルに対するウォンの価値は11.0%下落した。これはグローバルなドル高にともなう影響を越え、「韓国経済見通しの悪化」がウォン安にかなりの影響を及ぼしたことを示している。
ウォン安は原材料輸入企業の経営を不安定にし、輸入物価の上昇につながり、家計に負担を与える。大幅に上がったり下がったりする「変動性の拡大」だけでも経済全般を萎縮させる。また、外貨負債の多い金融会社の健全性を揺さぶり、資金供給の余力を縮小する。金融委員会が同日、金融会社の健全性規制を小幅に緩和することを決めたのは、このような理由からだ。
韓国銀行は同日、為替安定に向け、外国為替当局と国民年金公団の為替スワップ取引限度を650億ドルに増やす方針を発表した。国民年金基金運用委員会は基金の為替ヘッジ比率の一時引き上げ期間を来年まで延長し、市場へのドル供給を増やすことにした。
外国為替市場のアナリストの間では「ロシア-ウクライナ戦争時のピーク(1440ウォン)も突破した1450ウォンの現在のレベルは行き過ぎだ」(クォン・アミンNH投資証券アナリスト)という見解と、「当局が介入してもこれと言った効果は期待できない局面とみられる。(政治的な不確実性のため)来年1月20日のトランプ大統領就任を前後して1500ウォンまで上がる可能性もある」(パク・ヒョンジュン・ウリ銀行投資戦略チーム長)という意見に分かれている。
市場専門家たちも外国為替市場の未来に確信を持てずにいるわけだ。
急落したウォン、不透明な韓国経済…内乱の後遺症に米国発の悪材料重なる : 経済 : ハンギョレ新聞
このようにアナリストでもこの先の展開が読めない。そりゃそうだろう。なんせユン氏やイ・ジェミョン代表の裁判の結果が韓国の未来を大きく左右する。アナリストがどうとかの次元じゃない。これを完璧に読み切るには憲法裁判所がいつ、どのような判決を出すかを正確に読み切ることになる。そんなものは神でもならないかぎりは難しい。もう、人知を超えているからな。
だが、これだけはいえる。来年の韓国経済はパーフェクトストーム+極寒のブリザードが降り注ぐだろう。ええ?なんか増えてる?そうなんだよ。戒厳令前はパーフェクトストームというF5クラスの台風の直撃で済んだのだが、戒厳令で極寒のブリザードまで追加されてしまった。その波状効果は計り知れない。このまま韓国が滅びるまでは行かないと思うが、経済破綻する可能性は十二分にある。
最も滅びるの定義は保守派全滅。イ・ジェミョン代表が大統領になって赤化となることなら、それはある意味で滅びだろう。しかし、それを韓国人の大多数が望んでるのだ。我々はいつも通り、静かに看取るだけだ。毎日、ウォンチャート眺めながらな!