日別アーカイブ: 2025年1月6日

韓国裁判所 尹錫悦大統領側の拘束令状に対する異議申し立てを棄却

韓国 今、韓国ではユン氏の逮捕状を巡ってそれぞれの組織が勝手な主張を繰り返している。特にユン氏の方は公邸に立てこもり軍に自分を守らせて逮捕状執行を阻止した。その理由が逮捕状執行は無効だという主張からだ。

こちらもこれに突っ込んだが、彼らの言い分はこうだ。「捜査権のない機関が不法に発行した令状に応じることはできない。早期に選任届を提出するのでその後に手続きを協議しよう」とかユン氏側が言い出す。

でも、これはただのいいかがりである。確かにユン氏の内乱罪の捜査について公捜処が動いている。その公捜処には捜査権がない機関とかいいだす。しかし、これも経緯を見てきた通り、公捜処だけが独自に動いてるわけではない。警察、検察、公捜処の3つが動いていてそれらのまとめたのが合同捜査本部なのだ。だから公捜処だけではなく、警察や検事など150人がユン氏の逮捕するために公邸へと乗り込んだ。

その結果、大統領を守る警護処に阻止されて6時間だったか。対峙して合同捜査本部は引き上げていった。しかし、それは諦めたわけではない。出直しである。

そんな中、ユン氏側は尹錫悦大統領側の拘束令状に対する異議を申したてた。しかし、それが裁判所から棄却された。まずはこれを見ていこう。

韓国裁判所は現地時間5日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領側が提出した拘束令状執行に対する異議申し立てを棄却しました。

尹錫悦大統領の弁護士である尹甲根(ユン・ガプグン)氏は2日、ソウル西部地方裁判所に拘束および押収捜索令状の執行に対する異議申し立てを提出しました。尹甲根氏は、裁判所が2024年12月31日に発行した拘束と捜索令状は刑事訴訟法および憲法に違反しているため執行は不可能であると主張し、執行を許可しないよう求めていました。

韓国裁判所 尹錫悦大統領側の拘束令状に対する異議申し立てを棄却

まあ、当たり前だが検察が用意する逮捕令状を許可するのは裁判所である。その裁判所が許可した逮捕令状が憲法違反なわけないんだよな。しかし、これがなぜか憲法違反だという保守派の主張が出てくるわけだ。これについては昨日の記事で見てきた通りだ。

でも、その主張は裁判所が棄却したので憲法違反ではないが確定した。つまり、ユン氏の逮捕令状は正式なものだと裁判所が太鼓判を再び押したのだ。これでユン氏側が大統領の引き渡し要求に応じない場合、明らかにその場の全ての関係者を逮捕できるわけだ。それで1月6日が期限なのでこの日が最後のチャンスとなる。韓国大統領には逮捕状が執行できないなんて最悪の民主主義を刻むのか。

どちらにせよ。逮捕するしかないんだよな。これで抵抗するならユン氏側は内乱を企てている首謀者。大統領を守る法的な根拠も何もない。後はチェ・サンモクが警護処に命令ができるかどうかも重要だ。

ところがだ、ユン氏側が令状もって公邸に乗り込んだ彼ら150人を訴えた。はあ?捜査令状を持ってきた彼らのやっていることは正当行為である。むしろ、邪魔する方が捜査妨害で現行犯逮捕されてもおかしくないんだよな。このように合同捜査本部の公捜処とユン氏側の対立は激化。だが、執行期限は1月6日だ。時間がない。

ここで警察は出頭要請に応じない警護処の長を内乱罪を立件。

(ソウル=聯合ニュース)警察国家捜査本部非常戒厳特別捜査団がパク・ジョンジュン大統領警護処長を内乱容疑で立件した。

警察関係者は5日、聯合ニュースに「告発に基づき、朴処長を内乱容疑で追加立件した」と明らかにした。

これに伴い、パク処長が12・3非常戒厳過程でどんな役割をしたのかなどに対する捜査もなされる展望だ。

パク処長は戒厳3時間前、チョ・ジホ警察庁長などに三清洞の安全家屋に来るよう連絡したと名指しされた人物だ。

これに先立ち、2度参考人調査を受けた朴処長は3日、高位公職者犯罪捜査処の尹錫悦大統領に対する逮捕令状執行を妨害した疑い(特殊公務執行妨害)で被疑者立件された。

警察は朴処長に4日の出席を要求したが、朴処長が応じなかったため、7日に2回目の召喚通知をした状態だ。

警察は同日、警護処の李光雨警護本部長と李鎮河警備安全本部長の2人を特殊公務執行妨害の疑いで追加立件した。

警察は、李警護本部長に7日午後2時、李警備安全本部長は8日午後2時までに出席するよう要求した。

警察は、彼らが今月3日、尹錫悦(大統領)に対する逮捕状の執行を妨害する過程で、不当な指示をしたのではないかと疑っている。

これと関連して警察は週末の間、警護処の指揮を受けるソウル警察庁傘下の101・102警備団と22警護隊関係者を参考人として呼び、逮捕令状執行当時に警護処幹部からどのような指示を受けたのかを調査した。

前日には、同じく陸軍首都防衛司令部所属の55警備団長を参考人として召喚し、逮捕阻止の状況に兵士を投入したかどうかなどを追及した。

경찰, 경호처장 ‘내란 혐의’ 입건…계엄 과정 역할 조사(종합) | 연합뉴스

このようにユン氏の逮捕状執行で邪魔をした警護処を潰すために警察は動き出した。まあ、当たり前ですよね。彼らが公邸にいて邪魔する限り、大統領を逮捕できないんだから。でも、これは内乱なんですかね。彼らは公務をやっているだけという意見もある。

ただ、警護処はチェ・サンモク経済副首相が事実上の上司となるので、彼が命令するかどうかで事は大きく変わりそうだ。ええ?ややこしい?大丈夫。日本の誰1人も理解が追いついてない。

でも、ほら150人の捜査官が訴えられてるわけだし、ユン氏の内乱を巡って警察・検察・公捜処の3つの組織VS警護処という図式で対立しているんじゃないか。残念ながら何がどうなっているかはわからない。重要なシーズン3のテーマであるが、登場人物が一気に増えて理解できない人気漫画みたいな展開だよな。リアルタイムで追ってはいくが、こちらの突っ込みはあくまでも日本人の視点であることは留意してほしい。韓国人なら別意見かもしれない。話題を切り替えよう。

それで2025年に入って1月のメインイベントはトランプ氏の大統領就任である。しかし、韓国の大混乱は収まらず、大統領の代行の代行であるチェ・サンモク経済副首相が米国と交渉できるような器はない。それに関して中央日報がコリア・パッシング問題が再び膨らんでるという。

でも、韓国の混乱って新しい大統領が決まるまで続くので、この先、どうしようもないよな。これは別にイ・ジェミョン代表が有罪確定で大統領選に出られない場合でも同じことだ。与党と野党の対立は激化しており、どう考えても一触即発の事態となっている。結局、与党の誰かが大統領になろうが、議員に入れ替えはないので少数与党のままである。つまり、野党協力なしでは国会運営はできない。

しかも、外交姿勢は180度違うのだから、新しい大統領が与党からか。野党からか。米国との付き合いも変わる。そもそもトランプ氏の再任は前回の時とは違う。

4年間、彼は大統領をやってきた。いわば経験者というやつだ。つまり、就任して早々に色々なことを動かす可能性が高いてことだ。もちろん、それは日本や韓国との外交も含まれているはずだ。だが、トランプ氏は日本は重要だといいながら、韓国には言及すらしなかった。韓国が二分されている情報は知っているはずなのに完全スルー。これが何を意味するのか。

まずは記事を引用しよう。

「コリア・パッシング」問題が再びふくらんでいる。これは韓国が外交舞台で疎外され不利益を受けることを指す言葉だ。昨年12月3日の非常戒厳事態後にコリア・パッシングに対する不安感は内外で大きく広がっている。それもそのはずで、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領代行まで弾劾訴追され、崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政部長官が代行を引き継ぐ未曾有の状況を迎えているためだ。

外信はこれまで「だれが韓国で軍を統帥するのか、だれがコントロールタワーのトップにいるのか不安定だ」という報道を何回も出した。米国戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ氏も「トランプ氏の大統領就任後に朝米会談が開かれる場合、韓国の(実質的な)政権がないならばかなり厳しい状況に直面するだろう」と話した。

コリア・パッシング議論は朴槿恵(パク・クネ)大統領が弾劾された2017年にもあった。くしくもトランプ氏が米国大統領に就任した年だった。同年1月20日にトランプ氏は大統領に就任し、朴槿恵大統領は3月10日に弾劾された。

コリア・パッシングはその後執権した文在寅(ムン・ジェイン)政権で本格的にふくらんだ。北朝鮮は同年に弾道ミサイル試験発射と6度目の核実験を敢行するなど挑発を持続し、新たに発足したトランプ政権と強く対立した。だが文在寅政権は開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光再開など北朝鮮との経済協力強化を推進し、これにより韓米間に不協和音が出てきた。ついに北朝鮮問題が発生する時に米日首脳間では円滑な疎通がなされたのに比べ韓米間では疎通不在という指摘が出てコリア・パッシングは国内政治問題にまで広がった。

しかし文在寅政権初期のコリア・パッシングは今回とは性格が大きく異なる。その原因が北朝鮮政策をめぐる対立だったためだ。歴史的に見るとコリア・パッシングは大きく2種類に分けられる。まず、われわれの無能による疎外だ。旧韓末の韓国の状況がそうだった。冷戦時代の北朝鮮政策が米国に大きく依存したのも韓国の対外影響力が不足していたためだ。2番目は強大国との対立により望んでいなのに疎外されることだ。文在寅政権初期の状況がこれに当たる。現在のコリア・パッシングはおそらく前者に当たるだろう。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が状況をひっくり返したためだ。先月16日にトランプ氏の大統領当選後初めての記者会見でこうした懸念は現実として現れた。韓半島(朝鮮半島)周辺強大国との首脳外交を予告しながらロシア、中国、日本、北朝鮮などと違い韓国には言及すらしなかった。

こうしたコリア・パッシングを防ぐためにトランプ政権に刻印させなければならないことは大きく2種類だ。最初に、北朝鮮問題と関連して韓国政府が排除されてはならないという点だ。2番目に、トランプ政権の最大の懸案のひとつである中国牽制に向けては韓米同盟、韓米日協力が必須ということだ。同盟の戦略的価値を強調しなければならないということだ。

トランプ大統領就任後に朝米両国はトランプ氏特有のトップダウン交渉方式と北朝鮮の「敵対的両国家論」がかみ合わさり2国間対話をする可能性が提起されている。これに対応するために韓国政府は最近「北朝鮮の核対応ロードマップ」を用意することにしたが、その効果を期待するのは難しいのが現実だ。「孤立主義」を掲げるトランプ氏の外交政策で同盟の価値を高めにくい。これを考慮したように、日本は2月に石破茂首相の訪米を推進するなど素早い対処に乗り出している。船長がいない韓国号が漂流するほかない理由だ。

現状は第1次トランプ政権当時とは違う。当時はトランプ大統領が議会と共和党を完全に掌握できておらず、初の任期をむかえる慎重さから政策を強く押し進めなかった。しかし今回はビクター・チャ氏の言葉通り、就任から100時間以内に重要な政策があふれる可能性が大きい。これにもかかわらず、韓国政府は借りてきた猫のような身分になる公算が大きい。その代価を次期政権が支払わなくてはならないのは問うまでもない。

【コラム】進む道失った韓国外交 | Joongang Ilbo | 中央日報

これは韓国の今までの外交を振り返るには良い記事だと思うが、非常に先を読むのは難しいと思われる。そもそも誰もトランプ氏が何をするかなんて読めないだろう。しかも、トランプ氏に残された時間は実質2年程度だといわれている。

米国ファーストという重要な価値観をもって、米国を強くしようとするとおもうが、具体的に何をするのか。在韓米軍撤退はいつやるのか。興味は尽きないな。

それで韓国は大統領は弾劾されたので、そもそも、その外交の表舞台にすら立てない。こんな状況で7月にAPECやるとかアホなこと述べているが、誰が出席するかも不透明なんだよな。チェ・サンモクが弾劾されてる可能性だって十分ある。

本当、ユン氏がやったことで韓国の外交は完全ストップ。これには多くの専門家が頭を抱えていることだろう。もう、世界一難解なパズルを解くようなものだ。

そもそも半年後の韓国が全く見えないんだ。イ・ジェミョン代表が大統領になっている可能性は高いが、別の誰かである可能性もある。そもそも選挙すら行われてない可能性だってある。これは韓国経済を今年で17年看取ってきて、ここまで先が読めないのは初めてなんだ。

ユン氏がさっさと辞任すればこんなややこしいことにならないのに、いつまでも自分は間違ってないとか言い出す。いやいや、この絶望的な状況をみろよ。憲法裁判所の判断で弾劾が否定されて復職しようが、他国の指導者は完全スルーだろう。戒厳令なんて出したユン氏と会談なんてすればむしろ、国民から叩かれるからな。

だから、コリア・パッシングがどうとかの次元ではない。コリア・デリートとかそういう世界だ。韓国・消去である。他国から韓国の大混乱が収まるまで外交相手から消去される。これは確実だ。問題は消去されたらそのまま忘れられる存在になるてことだ。