ここからは韓国経済の話題だ。
昨日、韓国ウォンがドルに対して安くなっているだけではなくて、円に対しても安くなっていることを紹介した。100円=1000ウォンという元の数値に戻りそうなほど円が高騰している。そして、これによって韓国企業や銀行が円建て貸付を一斉に償還を始めた。
つまり、日銀の利上げなどでこれ以上の円高が進めば進むほど返すときに高くなるので、今のうち償還するてことだ。韓国政府はサムライ債まで発行していたが、それもなくなるんじゃないか。
では、記事を引用しよう。
円相場が強気を見せ、円で資金を借りていた韓国企業が最近大挙貸付の償還に出ていることが明らかになった。
日本銀行が最近金利の追加引き上げを予告した上に、円相場が急上昇し利子負担も増加しているためとみられる。
金融圏によると、KB国民銀行、新韓銀行、ハナ銀行、ウリィ銀行、NH農協銀行の韓国5大銀行の円建て預金残高は7日現在で総額724億円と集計された。7日の円相場で換算すると7098億ウォン規模だ。
5大銀行の円建て預金残高は昨年8月末の778億円から12月末が731億円、今年2月末が725億円と6カ月連続で減っている。
昨年2月末の802億円と比較すると1年ほどで10%近く残高が縮小したことになる。
円で資金の借主は、長期施設資金に充当したり、輸入代金支払いのために借り入れる企業など法人が大部分だ。
最近の円貸付減少は日本の利上げの見通しや円高への期待とかみ合わさったものというのが金融業界関係者らの説明だ。
日本銀行は昨年7月に短期政策金利を0~0.1%から0.25%に引き上げ、今年1月にさらに0.5%に引き上げた。
日本銀行の内田真一副総裁が5日に、経済と物価が予測通りに動けば政策金利を上げ続けると明らかにしており、追加利上げの可能性が大きい。
実際に日本債券市場で長期金利指標となる10年物国債利回りは6日に世界的金融危機当時の2009年6月から約16年ぶりに1.5%まで上昇した。
対ウォンの円相場も上昇が続いている。昨年6月末に100円=850ウォン台で底を打った円相場はその後利上げとともに上昇傾向が続き、最近は1000ウォン突破を目前にしている。
為替相場100円=1000ウォンに迫る…韓国企業、円建て貸付大挙償還 | Joongang Ilbo | 中央日報
韓国人の日本旅行が人気だった理由は、円安だからというのが大きいが、これによって貧乏人の韓国人は日本へ来なくなる。そして、旅行者だけではなく、企業や銀行なども日本の円建ての融資を利用しなくなる。
このままドル円で円高になっていくなら、対ウォンでも円は上昇を続けると思われるが、実際、円が強くなったというよりは戒厳令からの大混乱で韓国ウォンが投げ売りされているんじゃないか。
日本の円は上がっても、韓国ウォンが1450ウォン付近であるのは明らかにそちらに足を引っ張られた形だ。しかも、これからアメリカの関税の影響がどんどん出てくる。中国やカナダは報復措置に動いた。世界経済に悪影響なのは必至。韓国輸出も自然と減っていく。だが、それだけではないんだ。
次は韓国輸出に最大の不安要素を見ていこう。
今、韓国にとって最大のピンチはAIバブル崩壊とテスラ株急落にある。既にフィラデルフィア半導体指数が4400程度まで落ちていることは知らせたが、当然、これはAIバブルの一部が弾けたことを意味している。なんとエヌビディア株は2ヶ月で一兆ドル消えたそうだ。
さらにテスラ株は欧州でテスラ車が全く売れずに軒並み急落。これはウクライナ戦争でアメリカがロシア側についたことも影響しているんじゃないか。トランプ氏の側近であるマスク氏の会社であるテスラの自動車の不買を始めたと。
記事を引用しよう。
グローバルAIチップの代表的企業、エヌビディアの時価総額が2カ月で1兆ドル(約148兆円)消失した。
10日(現地時間)、ニューヨーク株式市場でエヌビディアの株価は前日比5.07%急落し、106.98ドル(約1万5,865円)を記録した。これにより、時価総額は約2兆6,100億ドル(約387兆円)に縮小した。
エヌビディアの株価は今年1月6日に3.43%上昇し、149.43ドル(約2万2,164円)を記録、終値ベースで過去最高値を更新した。当時の時価総額は3兆6,600億ドル(約543兆円)で、約2か月で1兆500億ドル(約156兆円)もの時価総額が減少した。
エヌビディアの株価下落の原因は中国のスタートアップ「ディープシーク」にある。今年1月、ディープシークがアメリカの競合他社よりも優れた生成AIを約20分の1のコストで公開したことで、エヌビディアの高性能AI専用チップの需要が減少するのではないかという懸念が広がった。
アメリカでは、技術株に対する「バブル論」も引き続き提起されている。
マーケットウォッチによると、大手ヘッジファンド企業エリオット・インベストメント・マネジメントの創業者で共同CEOのポール・シンガー氏は最近のインタビューで、「現在の株式市場は、私が見た中で最も危険な状況だ」とし、「レバレッジ(借入を利用した投資)が増加し、リスクテイクも拡大している」と警告した。
AIに関しては、「AIは、ユーザーに提供する実質的な価値の面で限界を超えた」とし、「実用的な用途はあり、今後も生み出されるだろうが、誇張された面も多い」と述べた。
世界的投資家であるハワード・マークス氏も最近、自身が経営する資産運用会社のウェブサイトで「投資家らはエヌビディアが持続的に成長し、競争優位を維持すると考えている」としつつ、「しかし、新しい技術が絶えず登場し、新たな競争相手が参入するハイテク分野では、競争優位が長期的に持続するケースは非常に稀だ」と述べた。
また、この日の下落はメリアス・リサーチが競争激化を理由にエヌビディアの目標株価を従来の195ドル(約2万8,918円)から170ドル(約2万5,211円)に引き下げたことが影響した。
さらに、テスラ株が15%以上急落したことなど、ニューヨーク市場で技術株全般が軒並み下落したことも投資家心理に悪影響を与えた。この日、ナスダック指数は4%急落した。
これは、ドナルド・トランプ米大統領が関税によるアメリカ経済のスタグフレーション(景気後退下での物価上昇)入りの可能性を一部認めたためと考えられている。
AIバブル崩壊の始まりか?エヌビディア株価急落で消えた148兆円、中国DeepSeekの破壊的イノベーションの影響か
韓国の米輸出の1位と2位は半導体と自動車である。その二つの米輸出がエヌビディア株やテスラ株急落でどんどんヤバくなっている。AIバブルは長く続いた方ではないのか。でも、バブルというのはいつか弾けるものだ。
しかも、ここに中国のディープシークショックも影響している。SKハイニックスにとってHBMという高性能チップの売れ行きに不安が出てくるわけだ。エヌビディアの急落は当然、SKハイニックスやサムスン電子なども大きく下げる。
現状ではフィラデルフィア半導体指数がどんどん下がっているので、AIバブル崩壊するのか。それとも持ち直すのか。
テスラ株の急落は電気自動車のバッテリーを供給している韓国企業にとってもかなり打撃を受ける。さらにスタグフ懸念まで入れば、不動産や自動車などの高額商品は売れなくなってくる。
アメリカのリセッションが進めば進むほど米輸出は落ちていく。しかも、ここに関税まで影響するので韓国企業にとっては踏んだり蹴ったりというやつだ。
時間が経過するにつれてトランプ氏の関税がどんどん発動する。しかも、相手次第では倍プッシュもある。ただ、カナダへの追加の25%関税は取りやめたとなった。話は二転三転するので、実際、関税が発動する期限までは注意深く見守るしかない。
もっとも、韓国はウォン安がどんどん進んでるので、今月か、4月には1500ウォンを超えてくると思われる。本命は4月だ。相互関税まで発動したら、ウォンはもっと売られる。輸出業者が代金決済にドルを必要とする。そういう季節的な事情もあり、ウォンはついに1500という前人未踏の領域に入るのではないか。
韓銀が必至に為替防衛してきそうだが、外貨準備高や国民年金もどんどん減ってますよね。将来的にどちらも枯渇して、韓国人の受け取る将来の年金ありませんとか公式発表して地獄となるんだろうな。10年後、20年後か知らないが。