ここからは韓国経済の話題だ。
トランプ氏が就任してから、鉄鋼・アルミニウム、自動車などに25%の関税が賦課されたわけだが、これに相互関税が10%賦課されているのが今の現状だ。これで唯一、アメリカとの合意に至ったイギリス以外は未だに関税不確実性の状況に変わらない。
ただ、米中で激しくやりとりしていた報復関税はひとまず、どちらも矛を収めた。それによって関税125%は消えたわけだが、今、中国は30%ほどの関税となっている。
そんな中、6月にはいり、トランプ氏の90日期限まで、残り3分1程度となっている。正しい期限は7月8日なのか。日本もアメリカと何度も協議しているが、自動車関税を下げたい日本と製造業を国内に戻したいアメリカとの利害衝突で難航している。
韓国も似たような状況だ。
では、記事を引用しよう。
米国連邦裁判所が、ドナルド・トランプ政府が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠にした相互関税賦課にブレーキをかけた。この決定が米国と関税交渉を進めている韓国に有利に働くかどうかは未知数という評価が多い。
29日、通商当局によると、今回の判決で米国が韓国にかけた25%の相互関税のうち、現在賦課している基本関税10%と7月初めから賦課予定の国別の個別関税15%は中断される可能性が高まった。韓国の立場では自由貿易協定(FTA)締結国のうち最も高い水準である25%相互関税に対する危機感が弱まった格好だ。しかし鉄鋼・自動車などに賦課される25%の「品目関税」は維持される。品目関税はIEEPAではない通商拡大法第232条(国家安保目的)、通商法第301条(スーパー301条)などを根拠に賦課した関税だからだ。半導体・スマートフォンはまだ関税率が決まっていないが、品目関税の対象だ。
ひとまず米国との関税交渉の時間稼ぎができる点は肯定的だ。韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチャン・サンシク院長は「7月8日に決まった相互関税交渉期限は無意味になる」としながら「当初、韓国の立場では大統領選挙などで交渉期間がタイトだったが、判断を下す時間的余裕を持てることになった」と説明した。
ある通商専門家は「相互関税という米国の強力なカードが事実上無力化され、今後交渉テーブルで韓国など相手国がもう少し声を出せる余地が生じた」と評価した。
トランプ政府が賦課を予告した半導体・医薬品など追加的な関税措置の発表も当分難しいだろうという見方も出ている。すでにインフレなどの副作用が大きな状況で裁判所の無効判決まで出てきて、これまで進めてきた関税政策の動力を失うことにもなるからだ。品目関税の根拠になった通商拡大法第232条などに対する訴訟が続く可能性がある。
ただしトランプ政府の反発が変数だ。高麗(コリョ)大学国際大学院のパク・ソンフン名誉教授は「足元では裁判所の判断を待たなければならないなど不確実性がさらに大きくなった状況」としながら「これまでのトランプ大統領の行動から判断すると、関税政策を持続するために別の手段を探し出す可能性もある」と指摘した。ある外交消息筋は「品目別関税が賦課された分野は韓国の主力輸出品目」としながら「もしトランプ大統領が相互関税を断念する代わりに品目別関税の対象を拡大したり関税率をさらに引き上げたりする場合、韓国にはかえって逆風として働く場合がある」と懸念した。
米裁判所が最終的にトランプ政府のほうに回る可能性もある。西江(ソガン)大学国際大学院の許允(ホ・ユン)教授は「米国では過去30~40年間、貿易における大統領の権限が強化される傾向にあり、政府の貿易を含む外交的権限を尊重する判例もその間多かった」と分析した。
通商当局は慎重な立場だ。まだ1審判決が下されたにすぎず、品目関税をはじめ両国経済協力などさまざまな対米通商懸案が残っているためだ。何より米国の貿易関連政策がその時々で変化していることから、対応の方向性を捉えるのが容易ではない。通商当局の高位関係者は「米国政府が提起した緊急執行停止申請が受け入れられる可能性もあり、上級審の判断も見極めなければならない」として言葉を控えた。
25%品目関税はそのまま…韓国、関税不確実性は相変わらず | Joongang Ilbo | 中央日報
トランプ関税については1日で復活したので、記者の原稿を書いて投稿する速度よりも動くのが早かった。ひとまず米国との関税交渉の時間稼ぎができる点は肯定的。トランプ政府が賦課を予告した半導体・医薬品など追加的な関税措置の発表も当分難しいだろうという見方。
どれも楽観的な予測だよな。なんでトランプ氏を既存の枠にはめた見方しかできないんだろうか。彼は短期間だが、本当に中国145%の関税を実行したのだぞ。それによって中国の対米輸出が激減した。対中貿易黒字も大きく減少。慌てて中国は裏でアメリカに土下座して市場開放するという約束で許してもらった。もっとも、中国が約束を守る保証なんてない。
それで上には追加的な関税措置の発表も当分難しいとか書いてあるが、なんとここに来て、トランプ氏が倍ブッシュだ、鉄鋼が50%になりました、まじですか。まじですよ!
記事を引用しよう。
トランプ米大統領が30日(現地時間)、米国に輸入される外国産鉄鋼製品の関税を現行の25%から50%に引き上げると明らかにした。
トランプ大統領はこの日、ペンシルベニア州ウェストミフリンに位置するUSスチールの工場で演説し、「重要な発表がある。米国の鉄鋼産業により多くの保護措置を追加する」と伝えながらこのように述べた。トランプ大統領は「輸入産鉄鋼製品に課す関税を50%に引き上げる」とし「これは誰も皆さんの(鉄鋼)産業を盗むことができないということだ。米国の鉄鋼産業をより一層安全に保護する」と話した。現場のUSスチールの職員らは拍手しながら歓呼した。
トランプ大統領は関税率25%では弱点があったとし、「この措置(50%に引き上げ)を回避できる方法はない」と強調した。また「関税を課していなければ米国の鉄鋼産業は消えていたはず」とし、自らの関税政策が米国鉄鋼産業を救ったと主張した。
トランプ大統領は3月12日に通商拡大法232条を根拠に外国産鉄鋼・アルミニウム製品に25%の関税を課したが、鉄鋼製品に対してはこれを2倍に引き上げるということだ。
トランプ大統領「鉄鋼関税25→50%引き上げ…回避する方法ない」 | Joongang Ilbo | 中央日報
これはポスコ死んだんじゃないのか。ただで日本製鉄のUSスチールの買収が決まったのに関税をさらにあげているじゃないか。しかも、50%関税を回避できる方法はないとか。実際、鉄を失うというのは国家の基盤を失うのと同義だ。
まあ、日本は日本製鉄がUSスチールの販売ルートを使って米国内で売ればいいからな。韓国は確実にヤバイだろう。なぜなら、こんな記事がある。引用しよう。
トランプ大統領はこの日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「USスチールと日本製鉄の間で計画されたパートナーシップが結ばれるだろう」と明らかにした。これについて米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「日本製鉄のUSスチール買収を条件付きで承認したもの」と分析した。買収条件はまだ具体的に知られていない。日本製鉄は100%持分の買収を望んでいるが、トランプ大統領はこれまで持分の50%以上は買収できないと釘を刺してきた。トランプ大統領は30日、USスチール本社があるピッツバーグで開かれる集会で細部内容を公開するものと予想される。
韓国の鉄鋼業界は状況を注視している。日本製鉄の技術力とUSスチールの米国現地の生産能力が合わさった場合、米国の鉄鋼市場内における日本製鉄の競争力が高まるためだ。特に、米国の関税対応策に支障が生じる可能性を懸念している。現代製鉄とポスコは現地生産を増やすため、米国内の製鉄所を共同で建設し、高付加価値用の自動車鋼板を作ることにしている。また、韓国企業は米国企業がうまく作れない鋼管や特殊鋼板などの高付加価値のある鉄鋼については、関税がかかっても競争力があるため輸出をさらに増やす戦略も慎重に検討している。
問題は日本製鉄と韓国の鉄鋼企業の製品群が類似している点だ。日本製鉄も中国の低価格鉄鋼攻勢に対応して製品の高級化を推進してきた。熱延・冷延鋼板などの汎用材だけでなく、自動車鋼板、鋼管などの高付加価値鉄鋼を生産しているということだ。
日本製鉄がUSスチール買収により米国現地での高付加価値鉄鋼の生産量を大幅に増やすことになれば、物量と価格面で韓国企業よりさらに競争力のある位置を確保する可能性が生じる。
韓国政府関係者は25日、ハンギョレに「日本製鉄と韓国鉄鋼企業の製品群は似ている。米国市場で韓国と日本の競争が激化するだろう」と述べた。韓国貿易協会のハン・アルム首席研究員は「韓国企業が関税対応策として自動車鋼板、油井用鋼管など米国が輸入に依存している高付加価値鉄鋼の販売を増やす戦略を追及しているが、日本製鉄がこれらの製品を米国内で生産するとなると、韓国企業の打撃が予想される」と話した。
一方、世界鉄鋼協会の最近の統計を見ると、2023年基準で日本製鉄のUSスチール買収時の総年間粗鋼生産量は5941万トンで、世界4位から3位に上がる。
つまり、韓国企業にとって日本製鉄がUSスチール買収だけでも厳しいのに、そこに関税50%である。確か25%で韓国の米鉄鋼輸出が16%減りましたよね。関税50%ならどうなりますかね。ええ?30%以上?激減しますね!
というより、50%も関税かけられて韓国も中国もアメリカに鉄鋼輸出して誰が買うんだろうか。買うわけないよな。
ポスコや現代製鉄は大ピンチ!現地で工場造って生産増やすらしいですが、間に合うんですかね?そもそも販売ルートが無いんだから売れるわけないんだよな。すぐに販売ルートが確保できるほど世の中、甘くない。上質な客というのはだいたい固定だからな。
これはポスコは無理だと思う。ただでさえ、中国製に完全敗北状態なのに関税50%だもんな。