日中対立の背景や、今後の中国の出方を探るには中国経済の動向について知っておく必要がある。このサイトやチャンネルは主に韓国経済を扱うのだが、横の繋がりで米経済を始め、日本や中国の経済動向についてもある程度、抑えている。
それで今回は中国経済の話題となる。まず、中国経済で重要なのはデフレと不動産バブル崩壊、投資減少という3つの事象だ。デフレというのは物価が下がることであり、物の値段が安くなる。
例えば、日本のデフレ時代においてカルビーのポテトチップス90グラムが135円ぐらいで売っていた。それがポテトチップスの量は年々減っていく。今はなんと55グラムが98円で売っている。
デフレ時代と2025年を比べれば物の値段が倍近く変わっているのがわかるだろう。別にこれはポテトチップスだけではなくカップメンを買えば100円で買えたものが150円するし、自動販売機のジュースなんてもう100円で売っている自販機を探す方が難しい。昔は100円だったが、今は150円とか普通にするからな。
日本は30年ほどデフレだったわけだが、それを今、中国はデフレ不況に苦しんでるのだ。デフレ不況となればとにかく高い物が売れないので商品の値段が安くなる。商品の値段が安くなれば企業は儲からないので従業員の時給が上がらない。もちろん、人件費削減のために雇用も減らす。
今の日本人は急激なインフレでデフレのほうが良かったと思う人も中にはいるかもしれないが、経済的な視点からすれば理想される経済というのは2%程度のインフレである。デフレよりインフレの方が望ましい。
では、中国のインフレについて解説しよう。
2025年の中国のインフレは10月時点で前年比0.2%上昇である。前月のマイナス0.3パーセントから回復。おお、中国経済は持ち直したと思うかもしれないが、こんなの短期の数値なのでたいした意味はない。そもそも前月がマイナスだったから反動で0.2パーセント増えただけとも見れる。
だから、インフレについては半年、一年のデータで見る必要がある。
次に大事なのが投資である。投資というのは国内経済を活性化させる起爆剤だと思ってもらえたらわかりやすいだろう。特に設備投資が重要で、これなくしては成長するのは難しい。そして、不動産投資というのは実に設備投資も多く含まれるのだ。どこかに支店を作るにしても建物が必要だったりするわけだ。
それで、投資ついては中国経済の専門家の視点を見ておこうか。
記事を引用しよう。
中国の投資が急激に落ち込んでいる。
14日発表の公式統計に基づくと、10月の固定資産投資は前年同月比で11%余り減少したと推計され、新型コロナウイルス流行初期の2020年以来最悪の落ち込みとなった。国家統計局は固定資産投資について、年初来の累計のみを公表しており、月次データは開示していない。
このまま投資がさらに急減すれば、中国の国内総生産(GDP)のほぼ半分を占める活動が揺らぎ、輸出減速に苦しむ経済全体への下振れリスクを高めかねない。
それにもかかわらず、エコノミストらはこの異例の投資急減を他の経済指標と整合的に説明できず、原因を把握しかねている。
7月から始まった顕著な固定資産投資減少は、現時点では成長率を大きく押し下げる要因にはなっていない。別の投資指標である総資本形成は、7-9月(第3四半期)GDP成長率の約2割を押し上げた。
スタンダードチャータードの丁爽チーフエコノミスト(大中華圏・北アジア担当)は「投資減少には幾つか説明できる理由があるが、ここまで落ち込んだ理由は理解しがたい」と述べ、投資の重しは10-12月(第4四半期)にさらに大きくなり、「GDP成長鈍化の最も際立つ要因になる」と警告した。
反「内巻」
興味深いのは、投資の落ち込みが政府による反「内巻」キャンペーンの開始時期とほぼ一致している点だ。内巻とは、過剰な生産能力が激しい競争を引き起こし、企業の利益をむしばんでいく状況だ。
反内巻政策は産業全体の過剰生産を抑える狙いがあるが、具体的な投資や生産能力の抑制目標は公表されておらず、その影響度は測りにくい。
産業投資の抑制は過剰供給を抑える一方で、景気刺激策がない限り雇用や家計所得を圧迫する恐れもある。
エコノミストらは長年、中国に投資主導型経済から消費けん引型への転換を促してきたが、不動産不況が続く中で消費は依然として弱い。固定資産投資は7-9月期に前年同期比で約6-7%減少したと、エコノミストらは公式データに基づき推計している。
国家統計局によれば、固定資産投資は物価下落に押し下げられたが、総資本形成は価格調整後の成長を反映している。統計局はブルームバーグ・ニュースに対し書面で、この2つのデータは対象範囲が異なり、固定資産投資には土地購入費や中古設備の取得費など、総資本形成に含まれない項目も入っていると伝えた。
アブソリュート・ストラテジー・リサーチの新興国市場担当エコノミスト、アダム・ウルフ氏は最近の固定資産投資減少について、「統計上の差異で説明できる範囲を超えて広範かつ深刻だ」と指摘。
投資が報告通りに悪化しているなら、他の指標も深刻なはずだが、実際には工業生産は年初来で6.1%増、小売売上高も約4%増と健闘していると同氏は語った。
国家統計局の付凌暉報道官は投資減少の要因として、中国に課される関税を念頭に外部環境の「厳しさ」と、国内競争の激化による収益低下を挙げた。
データ調整
中国統計の信頼性や透明性には疑念が長年呈されてきたが、当局はここ数年、一定の改善を進めてきた。一方で、幾つかの官民データが停止され、実体経済の把握が難しくなっている。
固定資産投資は旧ソ連型計画経済時代の名残で、長らく総資本形成を上回っていた。二重計上や虚偽報告が原因とされる。この乖離(かいり)はここ数年、縮小しており、国家統計局がデータ品質を改善させた証しだと米ピーターソン国際経済研究所はみている。
ただし今は、反内巻キャンペーンを順守しているように見せるため、地方政府が投資を過少報告している可能性もある。
ギャブカル・ドラゴノミクスの中国調査ディレクター、アンドリュー・バトソン氏は、実際の企業投資はすでに鈍化していて、今回の投資急減は実体経済へのショックではなく、報告方法の変更を反映したものかもしれないと分析している。
不動産投資の悪化に加え、地方政府が隠れ債務返済や企業への未払い金の清算を優先したことで、インフラ投資も減速。さらに製造業投資の年初来伸び率は、5月時点の9%近くから10月には2.7%まで急低下した。
一方、減速の兆しがほとんど見られない反内巻政策の対象となった業種もある。例えば自動車業界では投資が18%近く急増した。
ゴールドマン・サックス・グループの王立升氏らエコノミストによると、固定資産投資データから類推したセメント需要と実際の生産量の開きがここ数カ月縮小している。
14日のリポートで、「国家統計局が過大報告を避けるため、固定資産投資データを能動的に調整した可能性がある」と王氏らはコメントした。
ニュースは以上。
興味深いのは中国自動車業界の投資が18%近く急増したのに、なぜか、中国政府が反内巻政策の対象としたこと。つまり、自動車は過剰生産しているとみたわけだ。自動車を過剰生産しているのはなんとなくわかるが、それでも投資が18%増える。不思議な話だよな。
過剰生産しているなら普通は在庫がたまって売りさばくまでは生産抑えて、投資なんてしないんじゃないのか。投資して新しい工場を作っても過剰供給なんだから生産台数を増やしても意味がない。
中国経済のデータを扱うと毎回、このように矛盾点が浮き彫りになる。過剰生産なら投資は減るはずなのだ。
さて、投資はこんな感じなのだが、そこで不動産についての詳しい状況を見ておく。
記事を引用しよう。
高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁をきっかけに、中国の習近平(シー・ジンピン)政権はあの手この手で日本への圧力を強めています。日本経済への影響が心配なのはもちろんですが、中国経済も深刻な不動産不況を背景に低迷から抜け出す兆しはありません。
不動産不況が中国経済全体を脅かす問題として浮上してから、すでに4年以上がたっています。元日銀国際局長で、いまは大阪経済大学教授の福本智之氏はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」に出演し、中国の不動産問題について「4年たっても、まだ解決のめどは全く立っていない」との認識を示しました。
不動産に絡む問題の処理は、中央政府が地方政府に丸投げしているのが実情です。地方政府の多くは財政に不安を抱えており、不動産問題に取り組む余力がありません。福本氏は中国もかつての日本のように、中央政府の主導で不動産処理の専門機関をつくる必要があるとみています。しかし、いまのところそうした動きはありません。問題の出口は見えず、さらなる長期化が必至の情勢です。
不動産問題を克服しなければ、中国経済が苦境から脱するのは難しいでしょう。不動産は関連産業も含めれば中国の国内総生産(GDP)の3割を占めるといわれているからです。中国の7〜9月のGDPは実質で前年同期に比べ4.8%増となり、成長率は4四半期ぶりに5%を割り込みました。福本氏は中国経済がさらに減速するリスクは高まっていると分析しています。
中国共産党・政府は12月に来年の経済政策運営に関する基本方針を決める「中央経済工作会議」を開きます。不動産不況を克服するための施策が出てくるのか。注目する必要があります。
ニュースは以上。
このように嘘らしい大本営発表ですら成長率は4.8%ということはもっと低いてことだ。日本のような不良債券処理ができないのは中国政府や銀行に余裕がないてことなんだろうな。でも、それをやらないと日本以上に深刻になりそうだ。
不動産がGDPの3割ってことはいくらだ。2025年の中国の名目GDPは、約17.7兆ドル(17,7000億ドル)と推定されている。その中で3割が不動産なら約5.3兆ドル(5兆3000億ドル)ということになる。それが崩壊するてことだ。
日本円だといくらだ。約765兆円か。すさまけじい桁だな。地方がなんとかできる金額ではないことがよくわかるだろう。このうち半分以上は焦げ付いてそうなんだから。
実際、もう企業や地方政府がなんとかできる状況はとっくに超えている。ただ、今までの中国の言動からすれば12月になにか不動産不況への対策が出るとは考えにくい。
では、ネットの突っ込みを見ておくか。
1.そら、国ごと失われるだろうからなぁ、それだけの不正国家だから、独裁国家の不正ってそりゃね。こっち側の国の嘘とはレベルが違うよ。国ごとなくなる。
2.経営難に陥っている万科について、財務コミットメントは流動性水準の低下により持続不可能だとしている。同社の債券と株式は今週、過去最安値を記録。26日には国内社債の償還延期を初めて要請した。S&Pは、万科は現在から来年5月までの間に114億元(16億ドル)の「債券満期の壁」に直面すると指摘。その間に営業キャッシュフローがマイナスになると予測した。
3.国が出てこないのは負債がどれくらいあるかわからないから中国の資産全てが負債のブラックホールに飲み込まれかねないからだろうなぁ
とはいえ地方だってどうしようもないし放置してればますます負債が膨らむんだけど
4.不動産関連で抱えてる不良資産を隔離して少しずつでも償却していくとかしないと、不動産デベロッパーだけじゃなく、建設、電器機械、金融も揃ってゾンビだぞwww
前述のような真っ当な政策が嫌なら、不良資産を抱えた企業を潰して清算するか、
既存の不良資産が芥子粒みたいになるくらい超大量の貨幣を供給して、インフレで押し流しちゃうとかかな?
5.ソフトに解決したいのか、思いっきりハードランディングする前提で調整しようとしてるのか意味わからん
6.ハードは絶対に嫌なんだよ。だから恒大も潰して不良債権処理しないだろ
もっともやろうと思ってもあらゆるところで共産党利権があるから血を地で洗うことになるけどな
7.銀行も不動産担保にして金貸してるのに、不動産価値が目減りして銀行大赤字w
しかも今後もバブル崩壊が続いて銀行の赤字はますます悪化していく予定。
共産党が銀行に土地売らせて回収、足りない分資金注入するしかないのに、
土地担保に金貸してる大金持ちなんて共産党幹部ばっかりやろ。
これからフェイクマネーが収縮して大デフレ、日本みたいな清算の目途もつかず。
多分将来は易姓革命で全部ひっくり返すしかないよなあw
8.当たり前
不動産の投資では無くて投機をやっていた
不動産は本来収益を原資として、購入金額を返済していくもの
マンションにしろ商業施設にしろ10億円投資して銀行金利が5%なら20年償還として
ざっくり1億円位は返済に必要になる
Chinaの場合は金利はもっと高く
収益は1%も行かなかった
儲けているのは転売益で10億円の物件を2年後に15億円で転売とかだもの
家賃が上がる訳でも無いから最終的には売買価格の5%とかになる
要は95%の減損処理が必要だけど
これを真にやると貸し付けた銀行がパンクする
だから兎に角引き延ばすしかない
でもその間も不良債権はどんどん膨れ上がる
9.2年で10億が15億になるぐらいのインフレやれば解決だなw
外債がエラいことになりそうだけど。
10.でもGDP成長率は4%以上あるんでしょう?
以上の10個だ。
ネットでも中国の不動産バブル崩壊して、不良債券処理ができない中国政府は打つ手がないという見方。まあ、おそらく正解だろうな。4年経過しても悪化の一途だしな。
でも、これだけじゃない。こちらが中国経済を取り上げたということは重要な何かが進行しているからである。それは中国不動産最大手の「万科」である。それが債務危機となり、再びデフォルトが迫っているのだ。またこれかよ!
まあ、こちらが取り上げる中国関連ニュースはだいたいこれだよ!日中対立で中国が国内から政府批判をかわすために日本批判を展開している理由だって国内経済が酷いから。だから官製デモがいまだに起きてないんだよ。
記事を引用しよう。
(ブルームバーグ): 中国不動産開発大手の万科企業は、今週の同社債の急落を招いたデフォルト(債務不履行)懸念を抑えるため、短期融資の確保を試みたものの、少なくとも2行の国内銀行大手に拒否された。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、万科は12月に期限を迎える計57億元(約1260億円)相当の社債2本の償還に向けて、いわゆる流動性融資の確保に関して銀行側と交渉していた。この協議は、万科が2本のうち1本の社債について償還延期の債権者同意を求めると26日夜に公表する前に行われていた。
関係者によれば、銀行のうち1行は万科が社債償還延期を求める前に融資を拒み、もう1行も27日に拒否した。別の関係者によると、他の2行も前向きではなかったという。
こうした反応は、中国の数年にわたる不動産危機を生き延びてきた万科への支援が縮小していることを示している。不動産セクターの下支えに向けた中国当局の意欲を見極める上で、万科は重要な指標となっていた。
関係者のうち1人によれば、今回の融資協議は万科の筆頭株主である深圳市地鉄集団(深鉄集団)が主導していた。
万科と深鉄集団にコメントを求めたが、返答がなかった。
資金の蛇口
深鉄集団は資金繰りに苦しむ万科に対して約300億元相当の株主ローンを供与し、今年の社債償還を支えてきた。だが、今月に入り、万科への融資条件を厳格化する姿勢を示したことで、その命綱は不透明となっている。
ルクロー・アナリティクスのシニアクレジットアナリスト、レナード・ロー氏は「今回の本土債の償還延期提案は、深圳市政府からの資金の蛇口が閉じられ、市政府がもはや万科の負債を支える意思も能力もないことを示唆している」と分析した。
万科は12月15日に20億元、来月28日に37億元相当の社債償還を控えており、今後1年にわたる償還ラッシュの第一弾となる。
同社は26日、12月15日期限の社債償還延期を投資家に要請する方針を示したが、詳細は明らかにしていない。
これを受け、今週すでに急落していた万科の社債と株価にはさらなる下押し圧力がかかった。ブルームバーグの集計データによると、2027年償還のドル建て債は27日、額面1ドルに対し23セントまで下げた。
万科の香港上場株も同日、一時8.5%安と上場来安値を付けた。
ニュースは以上。
上の不動産事情と今回の記事を同時に取り上げた理由はここにある。
不動産に絡む問題の処理は、中央政府が地方政府に丸投げしているのが実情です。地方政府の多くは財政に不安を抱えており、不動産問題に取り組む余力がありません。
「今回の本土債の償還延期提案は、深圳市政府からの資金の蛇口が閉じられ、市政府がもはや万科の負債を支える意思も能力もないことを示唆している」
つまり、中国政府は不動産の不良債券処理を地方政府に丸投げしているのが、もう、財政難で万科の負債を支えることをやめた。だから、デフォルト危機が12月に発生している。
そして万科がデフォルトすれば中国政府、地方政府が不動産を見捨てたと投資家が判断する。すると海外から投資も激減して、中国から資金が離脱する。銀行も融資をストップするので不動産不況がますます深刻化する。それがさらなるデフレを呼び起こす。
でも、成長率は4%。つまり、日本より圧倒的高い。どこをどうやって成長しているかは知らないが、12月の経済イベントとしては中国の最大手不動産「万科」の行方を追うことになるだろうな。